ID: > 9Sc > u.0氏:ハッピーバレンタイン

「今年も来たねえ。バレンタイン」
「そうね」
 二月十四日バレンタインデー。こなたとかがみは、いつも通りに登校していた。
「そういや、つかさは?」
「遅刻はしないだろうけど、ちょっと遅れて来るわ…まだチョコのラッピングしてたから」
「今年のはどれだけ凝ってるの…」
「あんなの作っといて、友達ばかりで男子には一枚も渡さないのよね…まあ、つかさにそんな度胸も無いと思うけど」
「何気に酷いこと言うねえ、かがみ…ってーか、つかさはバレンタインなんてどうでもよくて、単にお菓子作りたいだけなんじゃないかって思えてくるよ」
「あー、もしかしたらそれ当たりかも」
 駄弁りながら二人は靴箱の前に来た。そこでこなたが立ち止まり、じっと靴箱を見つめた。
「どうしたの、こなた?」
「いやね、一度でいいから『靴箱開けたらチョコがドサドサー』っての、見てみたいなって」
「あんたはまたそんな…んー、まあどうでもいいことなんだけど」
「ん、なに?」
「あれって最後の方にチョコ入れた人って、落ちてきたチョコ拾って入れ直して自分のチョコ入れてるのかしらね?」
「いや、どうだろ…ってか、ほんとにどうでもいいことだー」


- ハッピーバレンタイン -



 ドサドサッという音と共に、靴箱を開けたみなみの前に大量のチョコが落ちてきた。
「…ふぅ」
 それを見てみなみは、溜息を一つこぼした。
「すごいね、みなみちゃん…」
 隣にいるゆたかが眼を丸くしてその光景を見つめる。
「一個くらいは入ってるんじゃないかって、予想はしてたんだけどね…」
「マサカこんなマンガみたいなエをみれるとはオモいませんデシタ…」
 その後ろから覗き込んでいるひよりとパティも、唖然としていた。みなみはもう一度溜息をつくと、下に落ちたチョコと靴箱に残っているチョコを手際よく鞄に詰め込んでいった。
「みなみちゃん、慣れてるね…」
 感心したようにい言うゆたかに、みなみは自嘲気味に微笑んだ。
「…中学の時からこうだったから…一年の時の文化祭で男装をやらされてからずっと…」
 男装の部分に力を込めてみなみがそう言った。
「…なんかグサッとくるッス」
「…チョーシノッてスイマセンでシタ」
 畏縮しているヅカ喫茶の提案者達の横を通り過ぎ、みなみはゆたかの方をチラリと見た。
「…?みなみちゃん、どうかしたの?」
「…ううん、なんでも」
 三度目のため息をつき、みなみは教室へと歩き出した。
「あ、まってみなみちゃん」
 その後をゆたかが慌ててついていく。
「ミナミ、タメイキオオいですネー」
「まあ、大本命からのは入ってなさそうだからねえ」
 ここいらで一気に進展してくれれば、いいネタになるのに…などと思いながら、ひよりはみなみ達の後を追って、歩き出した。



「かがみさん、どうかなさいましたか?」
 登校してきたみゆきは靴箱を開けたまま固まっているかがみを見かけ、そう声をかけた。
「…え?あ、みゆき…いや、なんでもないの…なんでも…おほほほ」
 なにやら変な笑い方をしながら小走りで去って行くかがみ。それを怪訝そうな顔で見送るみゆきの肩を、後ろからこなたが叩いた。
「みゆきさん、おはよー。どうかしたの?」
「あ、泉さん。おはようございます。たいしたことでは無いのですが、かがみさんの様子がおかしかったので…」
「かがみんがどっかおかしいのはいつも」
 こなたが言い終わるより早く、その顔面に何かが凄い速度でぶち当たり、こなたは真後ろにぶっ倒れた。
「え?え?泉さん?」
 あわててみゆきがこなたを抱き起こす。こなたの顔面には上履きが張り付いていた。みゆきがその上履きが飛んできたであろう方向を見ると、かがみが怒りの表情で腕を組んで立っていた。
「聞こえて…いたんですね…」
「流石かがみ…地獄耳…がくっ」
「い、泉さん!?泉さーん!!」
 力尽きたこなたを抱きかかえ揺さぶるみゆき。
「…えーっと…何があったのかな…」
 その後ろでは、ようやく登校してきたつかさが事態を把握出来ずに、困った様子で突っ立っていた。



 お昼休み。ご飯を食べているゆたか達の周りでは、戦果を誇る男子生徒や結果を気にする女子生徒がちらほらと見受けられた。
「あげたもらったって話、結構あるもんだねー」
「まったくエンがないのはちょっとカナしいですネー」
 しゃべりつつ、弁当をつつきつつ、ひよりとパティはちらちらとゆたかとみなみの方を気にしていた。
「…どっちかがなんかリアクション起こすかと思ったんだけどね」
 ひよりがみなみ達に聞こえないようにパティに小声でそう言った。パティはその言葉に頷く。
「デスネ。でもミナミはジブンはもらうタチバだとオモってそうですケド…」
「…ふーむ…よし…ねえ、ゆーちゃん」
 パティの言葉に何かを思いついたひよりは、ゆたかに声をかけた。
「………」
「…ゆーちゃん?」
 何故か反応の無いゆたかに、ひよりはもう一度声をかけた。
「え?あ…た、田村さん?」
「どうかしたの?ボーっとしてたみたいだけど」
「な、なんでもないよ…そ、それよりなにかな?」
「うん、ゆーちゃんは誰かにチョコをあげる予定とかあるのかなーって」
「…っ!?」
 直接聞くことにしたしたらしいひよりの質問に、みなみが分かりやすく反応する。
「今のところは全然そういうのないよー」
 さらりとゆたかはそう答えた。
「…脈なしか」
 あまりにあっさりしたゆたかの反応に、ひよりは今年はダメっぽいなと諦めることにした。
「…ヒヨリ、ダンシのナンメイかがorzってなってますケド」
「え…あ、ホントだ…ゆーちゃん結構需要あるんだね…」
「ソシテ、そのナカにミナミもまじってマス」
「…うん、そっとしといてあげよう…」



「ハッピーバレンタイン!こなちゃん、ゆきちゃん」
 三年の教室では、つかさがこなたとみゆきに今朝完成したばかりのチョコを渡していた。
「…うわー、すごいラッピング」
「…お店に置いてたら、普通に誰か買って行きそうですね」
 凝りに凝ったつかさチョコに、二人は関心する以外に反応しようがなかった。そして二人で顔を見合わせる。
「…ふっ」
 何故か鼻で笑うこなた。その態度にみゆきがムッとする。
「こなたさん…その勝ち誇ったような態度は、なんですか?」
「ような、じゃなくて勝ち誇ってるんだよ…わたしの方が先に名前呼ばれた」
「そ、それがなにか…」
「分からないかなーみゆきさん?…つかさの優先順位はわたしの方が上って事だよ」
「なっ!?そ、そんな…いえ、呼ばれた順番だけでそう決めつけないでください!」
「いやいやーこういうことは重要だよー」
「え、あ、あれ?ちょ、二人とも…」
 どんどん険悪になっていく二人の間で、つかさは訳がわからずにオロオロしていた。
「そういうことでしたら、泉さん。わたしも一つ言いますが」
「なに?負け犬の遠吠え?」
「わたしの方がチョコが大きいです」
「うそぉ!?」
 驚いてこなたが二つのチョコをあわせると、僅かながらみゆきの方が大きかった。
「つ、つかさ!これってどういうこと!?」
「ど、どうって…手作りなんだし…少しくらいは違いはでるよ…」
「その違いが出た大きい方を渡す…それはすなわちつかささんの想いが大きいということではないですか?」
「そ、そんなことないやい!たまたまだよ!たまたま!」
「負け犬の遠吠えですか?」
「ぐ、ぬぬぬぬ…つかさ!ハッキリしてよ!わたしとみゆきさんと、どっちなの!?」
「えぇ!?どっちて…え、その…あの…」
「そうです、つかささん!ハッキリ仰ってください!」
「…う…あぅ…わたし…そんなつもりじゃ…」
「あんたら、いい加減にしなさいよ…つかさ、半泣きじゃない」
 つかさに迫るこなたとみゆきの背後から、かがみが声をかけながら二人の頭を軽く叩いた。
「おーかがみ。今日は向こうで食べてたんだ」
「まったく、みゆきまで一緒になってなにやってんのよ」
「ふふ、少しやりすぎだったでしょうか?」
「え?あ、あの?な、なにがどう…」
 未だ事態がよく飲み込めてないつかさに、かがみがため息混じりに説明した。
「演技よ、演技。なんか最近そういうのに凝ってるらしいわよ…で、今回はどういう設定?」
「んー、心の友を奪い合う女子高生の愛憎劇?」
「ええ、そんな感じですね」
「わけ分からないし…」
「…ねえ、こなちゃん、ゆきちゃん」
 ようやく事態を把握し、混乱が収まったのか、つかさが二人の名前を呼びながらゆらりと立ち上がった。
「な、なにかな?」
「つ、つかささん、なんだか怖いです…」
 背後に妙なオーラをまとったつかさに、こなたとみゆきは座っている椅子ごと半歩後ろに下がった。
「チョコ返して」
『申し訳ございませんでした』
 二人はつかさに向かい、深々と頭を下げた。
「なにやってるんだか…」
 むくれているつかさに向かい平謝りに謝っているこなたとみゆきを見ながら、かがみはやれやれと肩をすくめた。


 放課後。帰る準備をしているみなみは、同じく帰る準備をしているゆたかの方を見て、軽くため息をついた。
「ミナミ、まだアキラめきれてないみたいデスネ…」
「もういっそ、正面からチョコくれって言っても良い様な気さえしてくるっスね…」
 部活に行く準備を済ませ、ゆたか達を待っているひよりとパティがなんとも言えない表情で二人を眺めていた。すると、教科書を鞄に詰め終えて蓋を閉めたゆたかが、何を思ったのかまた蓋を開け中に手を突っ込んだ。
「あれ?ゆーちゃんなにしてんだろ?」
 それに気がついたひよりが見ていると、ゆたかは鞄に手を突っ込んだままじっと何かを考え、やがて意を決したかのように手を引き抜いた。その手にあるのは三つのラッピングされた箱。
「…ありがとう、ゆたか」
「へ?」
「はやっ!?」
 そして、ゆたかが何かを言う前にみなみがその一個を受け取っていた…というか奪っていた。
「…えーっと…うん、一個はみなみちゃんの分のチョコだから…うん…」
「ミナミ、がっつきすぎデス…」
「…ごめん…」
 チョコを持ったまま、しおしおと小さくなるみなみ。その横でゆたかは、ひよりとパティにチョコを渡した。
「ありがとう、ゆーちゃん」
「サンクスデス!」
「ホントはお昼休み渡そうと思ってたんだけどね、なんだかちょっと照れくさくって…ごめんね、ぎりぎりになっちゃって」
 顔を赤らめながら、もじもじと手を合わせてそう言うゆたかに、ひよりとパティは一種の波動の様なものを感じていた。
「ニンゲンはこのイッシュンのためにイきているといっても、カゴンではありまセン…」
「いや、まったく…ってちょっとまって、ゆーちゃん」
「ふえ?何?」
「お昼休みにさ、チョコ渡す予定は無いって言ってなかったっけ?」
「あ、あれは…男の子にチョコを渡す予定を聞かれたのかなって思って…周りがそういう話ばっかりだったから」
「あー、なるほどねー」
「それじゃ、わたしそろそろいくね…また、明日!」
 大きく手を振って教室を出て行くゆたかに、ひよりとパティは手を振り返した。
「やっぱ、ゆーちゃんは良い子だねー。見習うのは…ちょっと無理ぽいけど」
「ソーデスネー…ところでヒヨリ」
「ん、何?」
「ミナミがコブシをテンにつきあげたまま、ウゴきませんケド」
「…あー…もう悔いはないんだ…まあ、そっとしてあげ………ちゃダメっスよ!!ゆーちゃん、ゆーちゃん!みなりん忘れてるよー!!」



「ホントに来るのかしら…」
 かがみは手に持ったメッセージカードを眺めながら、廊下を歩いていた。今朝、自分の靴箱にチョコと共に入っていた物だ。
「やっぱり、確かめないとね…ほったらかすのもアレだしね、うん」
 しっかりと自分に言い聞かせるように呟いて、かがみはそのカードをポケットにしまい込んだ。
「…う」
 靴箱に差し掛かったところで、かがみはこなた達を見かけ、思わず柱の影に隠れてしまった。
「つかさ様、靴を温めておきました」
「うん、ありがとう、こなちゃん」
「つかさ様、鞄をお持ちしますね」
「うん、よろしくね、ゆきちゃん」
 などと会話を交わしながら出て行く三人を見送ると、かがみはほっと息を吐いて柱の影から出て、目的地に向かった。その途中で、三人が出て行った出口の方をちらりと見る。
「…昼から放課後の間に何があったんだろ…」


 正門からも裏門からも遠い場所。滅多に人の来ないそこが、メッセージカードに記された待ち合わせ場所だった。
「…待たせるわね」
 かがみは少し苛立ちながら、携帯で時間を確認した。遠くを見ると、日が落ちかけている。
「で、いつまでそうしてるつもりなの、あんたは?」
 我慢できずに、かがみは少し離れた場所にあった気に向かってそう言った。
「…う、ばれてたんだ」
 照れくさそうに頭をかいて出てきたのは、こなただった。
「ばればれよ…ってーかこれ書いたのあんたでしょ?どういうつもりなの?」
 かがみはメッセージカードをポケットから取り出し、こなたの目の前に突き出した。
「それもばれてたんだ…」
「こんな悪筆、あんたしかいないわよ…で、なんのつもり?からかうつもりだったら…」
「そんなんじゃないよ!」
 大声を出したこなたに驚いて、かがみは一歩後ろに引いた。
「な、なによ急に…びっくりするじゃない」
「あ、ご、ごめん…で、でも、悪戯とかじゃないんだよ…」
「じゃあ、なんなの?」
「あの、その…よ、よくわかんない…」
「は?」
「最初は、去年かがみにチョコ貰ったから…今年はわたしが上げようかなって思っただけなんだ…なのに、気がついたらそのメッセージカード作ってて、靴箱にチョコと一緒に入れちゃってて…でも、かがみがここに来てるの見たら、なんだか出て行けなくなって…ごめん、ホントにわけわかんないよね…」
 俯いて、頭のアホ毛がしおれるほどに気落ちしながら話すこなたを見て、かがみはやれやれと溜め息を一つついた。
「ホント、わけわからないわね…でも」
 かがみは、こなたの頭に軽く手を置いた。こなたがそのかがみを見上げる。
「チョコ、美味しかったよ。ありがとう」
 そう言って、かがみはこなたに微笑みかけた。
「あ…うん」
「それじゃ、帰るわね。もう日が沈むし、あんたも寄り道とかしないで帰りなさいよ?」
「あ、あの、かがみ…」
 こなたに背を向けて立ち去ろうとするかがみ。その背中にこなたが声をかけた。かがみが首だけをこなたの方に向けた。
「なに?まだなんかよう?」
「え、えっと、その…ありがとう」
「なによそれ…チョコ貰ったのはこっちの方なのよ?」
「わ、わかってるよ…でも…ありがとう」
「…うん」
 かがみはこなたに向かって頷いて見せると、軽く手を振って歩き出した。
「…わたしも、かえろっか」
 かがみが見えなくなるまで見送っていたこなたも、家に帰るために歩き出した。
「んー」
 しかし、少し進んだところでふと気になることがあって、足を止めた。
「なにか、忘れてるよな気がするんだけど…ま、いっか」
 こなたは疑問を自己完結すると、再び歩き出した。



「こなちゃん遅いねー。もう日が落ちちゃうよねー。ねえ、ゆきちゃん?」
「そ、そうですね…」
「すぐ戻るって言ってたのにねー。まさか、わたし達の事忘れてるってことはないよね?ねえ、ゆきちゃん?」
「…い、泉さん…後生ですから、早く戻ってきて下さい…」


 かがみは家の玄関をくぐると、後ろ手にドアを閉めた。
「…ふ、ふふふ…うふふふ…」
 思わず笑みがこぼれる。
「あははははっ!やったわ!やったわよ!なによ、脈あるじゃない!こなたのあの態度!アレは絶対本気よ!」
 笑みがこぼれるだけでは済まず、大声で喜びを爆発させてしまう。
「こなたはまだ自分の気持ちを量りかねてるみたいだけど、今日のはかなりの好印象だったはず…あとは、ホワイトデーにでもダメ押しすれば…イケる!イケる…わ…」
 そこまで言った所で、かがみは自分が今どこにいるのかを思い出した。恐る恐る前を見ると、いのりとまつり、二人の姉が引きつった顔でそこにいた。
「か、かがみ、なにか良いことあったみたいね…」
「う、うん、ちょっと…」
「嬉しいのは、分かるんだけどね…せめて自分の部屋でしようね…」
「う、うん、ごめんなさい…」
 顔を真っ赤にしたかがみが、自分の部屋に向かって走り去った後、まつりといのりは顔を見合わせた。
「姉さん…今名前出てたこなたって、よく遊びに来てるちっこい女の子じゃなったかしら…」
「まつり…たぶん、そこは突っ込まないほうがいいんじゃないかな…」


「………ぐすん」
「あ、あの、つかささん!そんなに落ち込まないで下さい!泉さんには、わたしの方から明日よく言っておきますから!お家の方も心配されますし、もう帰りましょう!ね!?ね!?」



「…ただいま」
「あ、おかえり、お姉ちゃん。遅かったね」
 家に帰ってきたこなたを、ゆたかが出迎えた。
「うん、ちょっとね…」
「どうしたの?なにか元気ないみたいだけど…」
「いや…わたしって意外と意気地なしなのかなって…あー…いや、なんでもないよ、うん」
「そう?だったらいいんだけど」
 てくてくと歩いていくゆたかを追って、こなたは階段を上がり居間へと入った。
「…うわ、これお父さんの?」
 そして、居間にあるチョコの山に目を見張った。
「うん、おじさん凄いよね」
「まあ、一応売れ筋作家だもんねー。結構、ファンがいてもおかしくはないんだけど…無知と言うのは心底恐ろしいもんだ。お父さんの正体を知って、果たして何人がファンを続けられるものか」
「お姉ちゃん、それはちょっと…」
 こなたの容赦ない評価に、ゆたかが困った顔を浮かべる。
「あ、お鍋見なきゃ」
 そして、料理の最中だということを思い出し、ゆたかは居間を出て行った。
「ああ、今日の当番はゆーちゃんだっけか…あれ?」
 ゆたかを見送った後、こなたは一枚のメッセージカードが、チョコの山から離れた所に落ちているのを見つけた。
「どれのだろ…っていうかカードまで付けるなんて入れ込んでるなー。ホントに無知ってのはおそろし…」
 言いながら、何気なくそのカードの文面を見て、こなたは固まった。
「え、あ、こ、これ…お、お父さぁぁぁぁんっ!」
 思わずそのカードを放り出し、こなたは慌てて、父の書斎に向かった。放り出されたカードはひらひらと舞い、一つの写真立ての前にフワリと降りた。


 ハッピーバレンタイン
 そう君とこなたへ
 いつまでも愛しています


- おしまい -
ツールボックス

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