ID:5epNi6o0氏:二人の喧嘩

 パンッ!と乾いた音が聞こえたのは、かがみが教室のドアを開けるのと同時だった。
「泉さん…あなたがそんな人だとは思いませんでした」
 続いて聞こえたのはみゆきの声。対峙しているこなたに向けた、今までにかがみが聞いたことのない怒りを含んだ声。
「…その言葉、そっくり返すよみゆきさん」
 頬を押さえたこなたが呟くのが聞こえた。さっきの音はみゆきがこなたの頬を叩いた音らしい。
 状況が良くつかめてないかがみは、どうするべきか迷っていた。しかし、こなたが拳を握り締めるのを見て、二人の間に割って入った。
「止めなさい、こなた!」
 こなたは格闘技の経験者だ。まともに喧嘩になれば危ないのはみゆきだ。そう判断し、かがみはこなたを止めることにした。
「どいてよ、かがみ」
「どくわけないでしょ!少し頭冷やしなさい!」
 こなたはかがみを無視し、その横をすり抜けようとした。そのこなたをかがみが抱きしめるように制止する。
「…はなして」
「離さないわよ」
 二人の様子を黙ってみていたみゆきは、短い溜息を一つついた。
「…もういいですよね?わたしは失礼します」
 そう言って、自分の鞄を持ち教室を出て行こうとする。
「み、みゆき…ちょっと待って、事情を…」
「わたしは泉さんを叩いて、少し気が晴れました。後は好きにしてください」
 振り返りもせずに教室を出て行くみゆき。
「逃げるなっ!戻れよっ!」
 それを見たこなたが叫びながら暴れ始めた。
「ちょっ!こなた、暴れないで…!」
 こなたを必死で押さえようとするかがみ。
「…今のゆきちゃん?…え?こなちゃん?お姉ちゃん?な、なにして…え?え?」
 みゆきと入れ替わりにつかさが教室に入ってきた。そして目の前の状況がつかめず、困惑してしまった。
「つかさ!こなた押さえるの手伝って!」
「え?こなちゃんを?ど、どうして?」
「いいから早く!」
 かがみに急かされ、つかさもこなたを押さえにかかる。
「離してよ二人とも!あいつぶん殴ってやるんだ!」
 結局、他のクラスメートが担任を呼んでくるまでの間、こなたは暴れ続けた。


- 二人の喧嘩 -


「…あの…お姉ちゃん、こなちゃん達どうなったの?」
 翌日の朝。朝食の席で、つかさがかがみに恐る恐るそう聞いた。
「とりあえず、停学とかは無いみたい。お説教と反省文の提出で済みそうよ」
 答えながらかがみは、少しあざの残る自分の頬をさすった。暴れるこなたを押さえつけようとして、肘が軽く当たったのだ。
「…でも、こなちゃんとゆきちゃん…今日、来るのかなあ」
「さあ…個人的にはどっちかには休んで欲しいわね…昨日みたいなのは、もう勘弁して欲しいわ」
「そ、そんな…」
「冗談よ…にしても、なんであんな喧嘩になったのかしらね…」
「うん…こなちゃんもゆきちゃんも、あんなのおかしいよ」
「ちゃんと事情を話してくれたら、良いんだけどね」
 かがみは今日これからのことを思い、大きく溜息をついた。



「ねえ、みゆき」
「いやです」
 通学の最中にこなたと会うことなかったかがみとつかさは、既に教室に来ていたみゆきを見つけ、事情を聞こうと話しかけたが、返事は素っ気ないものだった。
「ま、まだ何も言ってないじゃないの…」
「どうせ泉さんと仲直りしろとか、そういうことでしょう?わたしは絶対に嫌です」
「いやそうじゃなくて、まず事情を聞かせてくれないとどうにも…」
「わたしから話す事は何もありません」
 なんでこんなに邪険にされないといけないのか。かがみはなんだか腹が立ってきた。
「…なんだみゆきさん、来てたんだ」
 かがみがみゆきに文句の一つも言おうとした時に、後ろからこなたの声が聞こえた。
「てっきり、わたしに殴り返されるのが怖くて、家でガクブルしてるのかと思ってたよ」
 言いながら自分の席に座る。かがみ達の方には、一瞥すらしなかった。
「泉さんこそ、引き篭もらなくて大丈夫ですか?無理に外に出てると、壊れますよ?」
 みゆきもこなたの方を見向きもせずに言い返す。そのあまりに冷たい空気に、教室の全員が見て見ぬ振りを決め込んだ。
「それじゃ、つかさ…グッドラック」
 みゆきに文句を言おうとしてたかがみでさえ、そそくさと退散を決め込んだ。
「ええ!?お姉ちゃん待って…」
 止めようとした時にはすでにかがみの姿は無く、つかさは仕方なく自分の席に戻った。こなたとみゆきに丁度挟まれる位置にあるつかさの席。かがみが再び来る昼休みまでの間、つかさはコキュートスがごとき生き地獄を味わうことになった。


「…つかさ、生きてる?」
 昼休み。かがみが弁当を持って教室に入ると、つかさは机に突っ伏していた。
「なんとか…」
 つかさが、よろよろと上体を起こす。よく見てみるとつかさだけでなく、こなたとみゆきの間のコキュートスゾーンにいる生徒は全員机に突っ伏していた。
「…ご飯食べにきたんなら、こっちきなよ」
 かがみの後ろからこなたがそう声をかけた。
「あ…うん」
 いつも通りに、こなたの席に他の椅子を引っ付けて弁当を広げる。みゆきの席の方を見てみるが、すでにみゆきはいないようだった。
「みゆきは?」
 かがみはつかさに小声で聞いた。
「お昼休みが始まったら、すぐにお弁当持ってどこか行っちゃったみたい…」
 つかさも小声で答える。その会話を聞いてか聞かずか、こなたは不機嫌そのものの表情でチョココロネを齧っていた。
「ねえ、こなた」
 そのこなたに、かがみが恐る恐る声をかけた。
「なに?」
「昨日の話したら…怒る?」
「怒る」
 バッサリと切り捨てられる。みゆきと同じくこなたも、仲直りどころか事情を話す気すらないようだ。
 結局、そこからは何の話も切り出せず、昼休み中三人は黙ってご飯を食べていた。



 放課後、かがみとつかさは二人だけで帰り道を歩いていた。こなたとみゆきはホームルームが終わると同時に教室を出て行き、かがみが教室に入った時には、唖然としているつかさだけが残っていた。
「このまま、ずるずる悪いほうに行かなきゃいいんだけど…」
「…うん」
 二人がしばらく歩いていると、前の方に見知った小さな身体とアホ毛を見つけた。
「あ、お姉ちゃん。あれ、こなちゃんじゃない?」
「うん、そうみたいね」
「…なんか駅と違うほうに行くみたい」
「あの方向はたしか…つかさ、ちょっと後をつけてみましょう」
「うん」
 こなたに気付かれないように、少し後の方を歩く二人。しばらくつけていると、こなたはとある建物の中に入った。
「やっぱりここか」
「ゲーセン?何しにきたんだろ?」
 納得したようにうなずくかがみに、つかさがそう聞いた。
「うん、ここはこなたがたまによるみたいなんだけど…」
 二人が見てる中、こなたは格ゲーの対戦台に座った。かなり不機嫌そうな憮然とした表情だ。
 しばらくして一人の男性が乱入したが、一分も経たずに敗北していた。あまりの早さに、乱入した男性は信じられないといった感じでしばらくの間呆然としていた。
「…こなちゃん強っ…っていうか怖っ」
「うわ…八つ当たりプレイだ」
「八つ当たり?」
 対戦相手と戦ってるあいだも、負かした後も、こなたの憮然とした表情は全く変わっていなかった。
「ああやって、完全本気モードで相手ぼてくりこかして憂さ晴らししてるみたい…アレ始めると長いのよね。負けないから」
 かがみは溜息混じりにそう言ってから、何か思いついたように手を合わせた。
「そうだ。つかさ、こなたしばらく帰らないみたいだし、こなたの家に行こうか」
「え、こなちゃんち?どうして?」
「うん、ちょっとおじさんにこなたのことで話聞こうかと思って。こなたが家にいない今がチャンスよ…正直、一番頼りたくない人ではあるんだけど」
「お姉ちゃん、それはひどいよ…でも、うん分かった。行こう、お姉ちゃん」
 二人はこなたに気付かれないように、そっと移動を始めた。出口付近でかがみがチラッとこなたの方を見ると、自分たちと同じ稜桜の制服を着た癖毛で少し色の黒い女子生徒がこなたの座る台に乱入しようとしていた。八つ当たりの犠牲になるであろうその生徒に心の中で手を合わせながら、かがみはゲーセンを後にした。




「はーい…っと、あれ?かがみちゃんとつかさちゃん?」
 泉家の呼び鈴を鳴らすと、中からそうじろうが顔を出した。
「こなたならまだ帰ってないよ。用事があるなら、中で待つかい?」
 そう言うそうじろうに、かがみは首を振って答えた。
「いえ、今日はこなたじゃなくておじさんに用があって…」
「俺に?…いやーそれはマズイ。流石に犯罪だと…」
「真面目な話をしに来たんで、余計な事言うと捻じ切りますよ」
「…すいませんでした…どうぞこちらに…」
 一切の冗談を許さないようなかがみに迫力に、そうじろうは完全に畏縮して、そそくさと二人を中に招き入れた。
「…お姉ちゃん。何を捻じ切るつもりだったんだろ?」
 玄関のドアをくぐりながら、つかさはそう呟いた。

「喧嘩?こなたがみゆきちゃんと?」
 かがみから大体の事情を聞いたそうじろうは、信じられないといった顔でそう言った。
「こなたが喧嘩ねえ…うーん…」
「珍しいことなんですか?」
 なにやら腕を組んで唸り始めたそうじろうに、かがみがそう聞いた。
「珍しいな。あいつは人とぶつかりそうになったら、身体ひねってかわすタイプだからな」
「…どんなタイプですか」
 突っ込んではみたものの、かがみはその言葉に少し納得していた。かがみもこなたとはよく衝突しかかるが、その度に茶化されたり誤魔化されたりと、真正面からぶつかり合うことは無かった。
「まあでも、それで納得したよ。昨日帰ってきてからこなたの機嫌がやたら悪かったからなあ」
「家でもですか…」
「ゆーちゃんにまできつく当たってたから、少し心配だったんだが…ありゃ相当自分が許せないんだろうな」
「自分が、ですか…?」
 喧嘩相手のみゆきがと言うならともかく、自分がと言うのはどういうことなのか。かがみは首を傾げた。
「多分、原因は些細なことだったんだと思うよ。そんな小さなことで友達と喧嘩してしまった自分が、本気で許せないんだろうな…話を聞いてると、みゆきちゃんもかなり怒ってるみたいだし、謝っても許してもらえないんじゃないかって、どハマリしてるんじゃないかな」
「…うーん…なんだが、こなたらしくないような…」
 納得のいかないかがみは、先程のそうじろうと同じように腕を組んで唸り始めた。
「あいつは嘘つきなんだよ」
「…嘘つき?」
「いつも言いたいことを言いたい放題にしてるけど、肝心なところでは嘘をつくんだ」
「嘘…あ、そうか…だから必要以上に…」
 何か思いついたのか、かがみは腕を組んだままうんうんとうなずいた。
「俺から言えるのはそれくらいかな…こなたのこと、頼んだよ」
「あ、はい…でも、どうして自分でどうかしようと思わないんです?」
「いやー…俺は意外とこなたに信用されてないからねぇ」
 困った顔でポリポリと頬をかくそうじろう。たっぷりと間を置いてから、かがみはそうじろうに言った。
「いや、それは意外でもなんでもありません」

「で、どうするの、お姉ちゃん?」
 泉家を出て、しばらく歩いたところでつかさがかがみにそう聞いた。
「そうねえ…おじさんの話聞く限りじゃ、正面からいくしかないわね」
「当たって砕けろ?」
「砕けるつもりも砕くつもりも無いわよ…それにしても」
 かがみは泉家の方をチラッと振り向いた。
「…なんか悔しいわね」
 なんだかんだ言っても、こなたの一番の理解者はあの人なんだ。かがみは嫉妬ににた感情を、少しだけ感じていた。




 次の日の放課後、かがみとつかさはホームルームの後、すぐに帰ろうとしたこなたを捕まえて人気の無い廊下の隅に移動した。
「…何?帰りたいんだけど」
 不機嫌そのものの表情でこなたが言う。それに対峙するかがみは、少し表情を和らげて言った。
「こなた、みゆきに謝りに行きましょう?」
 いつもみたいに頭ごなしではなく、優しく諭すように。
「なんでわたしの方から行かなくちゃいけないんだよ」
 こなたの顔がますます不機嫌になる。
「…もう、嘘はいいから」
「え?」
 かがみのその言葉に、こなたは驚いたように目を見開き、落ち着き無く目線を彷徨わせた。
「な、なんだよ…嘘って…」
「もう、自分を必要以上に悪く見せなくていいのよ…ってか最初からそんなことする必要なかったのよ」
「どうしてそんなこと…」
「昨日の朝、みゆきに不必要に喧嘩売ってみたりとか…ゲーセンでわたし達がつけてるの知ってて、あからさまな八つ当たりをしたりとか…家でもゆたかちゃんにきつく当たってたそうじゃない」
「う…あ…そ、それは…」
「必要ないのよ…人にぶつかっちゃったら、ちゃんとあやまればそこ終わるから…ましてやみゆきは友達なんだから…ね?」
 こなたがうつむく。かがみは急き立てる様な事はせずに、ただこなたの言葉を待った。長いような短いような時間の後、かがみはこなたの肩が震えてるのに気がついた。
「…こなた?」
「…う…く…ふ………ふぇぇぇぇぇん…やだぁぁぁぁ…」
 かがみが思わず声をかけるのと同時に、こなたは泣き出した。
「え、えぇ!?ちょ!こなた、何!?どうして!?何が嫌なの!?」
 予想外のこなたの反応に、かがみが動揺する。そのかがみの胸に、こなたがすがり付いてきた。
「謝りになんてやだぁ…だって、だって…みゆきさん怒ってるよぉ…わたし叩かれたんだよ…絶対…絶対許してなんかぁ…」
 自分が間違っていた。かがみはそう思った。てっきりみゆきを悪く見せないように振舞っているのだと思っていたが…こなたは謝るのが怖くて強がっていただけだったのだ。
「だ、大丈夫…だ…って…」
 なんとかこなたを落ち着かせようとして、かがみの動きが止まる。
 潤んだ瞳で上目遣いに自分を見上げるこなた。それを見て、かがみの中になんともいえない感情が湧き上がっていた。
「…つかさ…なんかヤバイ…」
 かがみは思わず傍にいたつかさにそう言った。
「う、うん…わたしもなんだか…」
 つかさも今のこなたになにかを感じたのか、胸のあたりを押さえてなにやら苦しそうにしていた。
「こ、こなた、大丈夫だからね。みゆきだってきっとそんなに怒ってないから」
「…ホントに?…ホントにみゆきさん許してくれる?嘘じゃないよね?」
 上目使いのまま必死にかがみにすがりつくこなた。
「…ダ、ダメ…なにこのこなた…」
 かがみは飛びそうになる意識を必死に繋ぎとめていた。
「…これが…こなちゃんがいつも言ってる萌え…?」
 傍にいるのが耐えられなくなったつかさは、壁に手をついてこちらも必死に呼吸を整えていた。
「わたし…もうどうしようって…このまま、みゆきさんと友達じゃなくなって…かがみ達にも嫌われたらって…怖くて…怖くて…」
 もう辛抱たまらん。自分の胸にすがり付いて肩を震わせるこなたに、かがみは限界を感じていた。
 このまま抱きしめて、床を転げまわろう。そう思ってこなたの背中に腕を回そうとした瞬間に、廊下に声が響いた。
「ごめんなさい!泉さぁぁぁぁぁん!」
 何者かが叫びながら、アメフトのタックルのようにこなたの身体にぶつかり、そのまま廊下を転がって壁にぶつかった。
「…み、みゆき?」
 抱きしめようとした瞬間にこなたをかっさらわれて、自分の身体を抱きしめた状態のまま、かがみは唖然と廊下の隅でこなたを抱きしめるみゆきを見つめた。
「…ゆきちゃん、いたんだ」
 これまた呆気にとられたつかさがつぶやく。
「かがみさんとつかささんが、泉さんを連れて行くのを見かけまして…一昨日の話だと思って、気になって後をつけて…ごめんなさい!泉さん!わたしがあんな事を言ったばかりに!こんなに泉さんが苦しんでるなんてしらなくて!…本当に…本当にごめんなさい!」
「みゆきさん…わたしも…わたしも…ごめん…ごめんなさ…ふぇぇぇぇぇぇぇん…」
 お互いの身体を抱きしめあいながら、謝り続けるこなたとみゆき。
「ゆきちゃん、もしかしてさっきのこなちゃん見て…?」
 なんとか呼吸を整えなおしたつかさが、かかみにそう聞いた。
「うん、爆発しちゃったみたいね…みゆきも謝る機会を逃して、変に意固地になってたってところかしら…」
 いまだに自分の身体を抱きしめた状態のまま、かがみが答える。
「…まあ、一件落着ってとこかしら…」
 友人を押し倒すという痴態が回避された上、喧嘩が収まったのだから一石二鳥と言うものだろう。
「…でも…なんか、ゆきちゃんずるい」
 そう呟くつかさ。それにはかがみも大いに同感だった。




「で、結局喧嘩の原因はなんだったの?」
 二人が納まった後、かがみは改めて事情を聞くことにした。
「えっと…」
「そ、それは…」
 こなたとみゆきが揃って言い難そうに眼を泳がせる。
「お、怒らない?」
「怒らないから、言ってみなさい」
「…えっと…ジャムコロネ…」
「…は?コロネ?」
 こなたの言ってる事が分からずに、かがみは思わず聞き返した。
「う、うん…みゆきさんがね、そういうの見つけたから…」
「泉さんに勧めてみたんです…そうしたら、そんなの邪道だって怒られまして…」
「そこから売り言葉に買い言葉で喧嘩に…」
 そこまで聞いたかがみは、盛大に溜息をついた。
「あ、やっぱ怒った…?」
「いや、怒らないわよ…ってか怒れん。呆れる以外ないわ」
「…ご、ごめん」
「…すいませんでした」
 すっかり畏縮しきってる二人をみて、かがみはもう一度溜息をついた。
「まあ、申し訳なく思ってるんなら、今日はとことん付き合ってもらうわよ」
 そう言うかがみに、こなたとみゆきの顔が明るくなる。
「あ、うん!喜んで!ねえ、みゆきさん!」
「勿論です!かがみさんの気が済むまで付き合いますよ!」
 そんな二人を前に、かがみは満足そうにうなずいた。
「で、どこいくの?どこか買い物?ゲーセン?それともなにか食べに行く?」
「…いや、わたしの家」
「…へ?」
「…かがみさんの?」
「そ、わたしの家…気が済むまで付き合ってもらうわよ。ねえ、つかさ」
 そう振られて、かがみの考えを理解したつかさは、嬉しそうにうなずいた。
「うん!楽しみだね!…あ、じゃあお姉ちゃんこなちゃんとアレを…」
「あーそうね…それならみゆきにアレの方も…」
 なにかヒソヒソと話し始めた柊姉妹を見て、こなたとみゆきは言いようの無い不安を感じていた。
「ねえ、みゆきさん…わたしたち何されるの?」
「さ、さあ…わたしには分かりかねます…」


 その後こなたとみゆきは、如何なることがあっても二度と喧嘩はしないでおこうと、心に堅く誓うこととなった。


- おしまい -
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