萌え☆死にストーリー:最終萌―後編―

―前回までのあらすじ―

 再び夢に介入して来た“萌え死にの帝王カナタン”から得た情報によると、岩崎みなみは何かの封印を解こうとしているらしい(つかさの考え)。
 つかさはそれを止めるべく、みゆきと共に動き出す。例え熱が出ようとも、彼女の意思は止められない。
 物語りはいよいよクライマックスへ……。

 萌え☆死にストーリー
  最終萌 ―後編―

―昼休み―

つかさ「ゆきちゃん」
みゆき「では行きますか」
こなた「あれ? つかさにみゆきさん、ご飯食べないの?」

つかさ「ごめんね、私達やらなきゃいけない事があるの。だから今日はお姉ちゃんと二人で食べてね」
みゆき「つかささん」

 廊下でみゆきが呼んでいる。

つかさ「じゃあね、また後で。ホントごめんね」
こなた「う、うん。良いよ、いてらー」


こなた「……かがみも来ない」


――

みゆき「つかささん、具合の方はいかがですか?」
つかさ「まだそんなにえらくないよ。冷えピタが効いてるのかな? まだ大丈夫だから」

 現在つかさが身につけているものは……、制服、靴下、上履き、スク水、リボン、冷えピタである。

みゆき「そうですか、では行きましょう。みなみさんの所へ」
つかさ「うん。あ、夢で教えてもらったこと、ゆきちゃんにも教えとくね。まず――」



―同時刻、1年組―


みなみ「…………」
ひより「あれ? 岩崎さんお弁当は?」
みなみ「……ちょっと……やることがあるから……」

 みなみは席を立ち、教室から出ていく。

ひより「……!?」
ひより(岩崎さん、小早川さんが休んで食事も喉に通らないッスか! きっと放課後お見舞いに行ってあんなことそんなことするに違いないッス! あぁ、でも朝はパトリシアさんにアプローチをかけてたみたいだし……岩崎さんが分からないッスぅぅ! これは俗に言う二股って奴ッスか! うぉぉ、妄想が……妄想が止まら)
パティ「ひーよーり!」

 ズギャ!

ひより「ぐへぇ!」
パティ「お昼一緒に食べましょうデス」
ひより「……」
パティ「? ひよりどうシタのデスか? しっかりしてクダサイ! ひよりぃぃー!!」

――

みなみ(……恐らく天原先生を萌やしたのは泉先輩……ゆたかでも何も反応しなかったのに……)

 みなみは階段を登る。

みなみ(でも、おかげで目標まで近づくことが出来た。残り1%……この昼休みになんとかしないと……)

 みなみは足を止める。

みなみ(でも……やっぱり3年生の教室は行きづらいな……)


―同じ頃、3年廊下―

こなた「……」ソワソワ
あやの「泉ちゃん、何してるの?」
こなた「おぉっ!?」

 こなたは持っていた何かを後ろに隠す。

あやの「(チョココロネ?)柊ちゃんに用事? そんな所にいないで中へ入ったら?」
こなた「う、うん」

 いつものこなたなら堂々と入るだろうが、今のこなたは何処かよそよそしい。

かがみ「あれ? こなたじゃない。どうしたの?」
みさお「んあ?」

こなた「やぁ、かがみ。えっと……」
かがみ「何よ、あんたらしくないわね。はっきり言いなさい」

こなた「お昼ご飯、一緒に食べても……良いかな?」

 上目使い、赤面、もじもじ、後ろにちらほら見えるチョココロネ。
 こうか は ばつぐん だ !

かがみ「うぁ……で、でも、つかさ達は?」
こなた「用事があるとかで、二人ともどっか行っちゃった」

 多少の動揺は見えたが、かがみは何故か萌え死ななかった。

かがみ「そうなの? まぁ別に一緒に食べても良いけどね」
あやの「断る理由なんてないわよね」
みさお「ほら、チビッ子ぉ、ここ座れよ」

こなた「じゃあお邪魔しまーす」

 こなたは飛び切りの笑顔でかがみの正面に座る。
 左右にはみさおとあやのだ。

みさお「なぁ、チビッ子。もしかしなくてもさっき緊張してただろ?」
こなた「いやぁ、はは。まぁね。他のクラスでご飯を食べる事ってそんなにないっていうかねぇ」
かがみ「クスッ、あんたも緊張するのね」
こなた「そりゃあ私だって人間だもの。緊張ぐらいするよー」

あやの「ふふ、人一人増えるだけでこうも違うのね♪」
みさお「あー、あやのー、それは普段はつまらないって事かぁー?」
あやの「もう、そうは言ってないでしょ」
かがみ「ホント、日下部は単純よね」

みさお「ぶー、お? なんだチビッ子、お前昼飯それだけかぁー?」
こなた「え? そうだけど」
みさお「そんなんだから大きくなれないんじゃね?」
こなた「むぅ、ほっといてよ……」

あやの「泉ちゃん、良かったらこの卵焼き食べる?」
こなた「えっ、くれるの? 食べる食べる!」
あやの「はい、あーん」
こなた「あーん♪ もぐもぐ……おいひー」

みさお「あぁっ、ずりぃぞチビッ子! あやのぉ、私にもやってくれよぅ」
あやの「ごめんね、今ので最後なの。プチトマトならあるけど」
みさお「いや、いいよ。ちぇー、いいもーん、柊にやってもらうから」

みさお「柊ぃー、って何固まってんだよ。おーい」

 固まってるかがみを見て、こなたは思う。

こなた(まただ、朝の保健の先生といい、今のかがみといい……私が原因なのかな? だとしても何で? 何でかがみは私を見ると倒れたりするの?)
あやの「泉ちゃんどうしたの?」
こなた「え?」
あやの「なんか哀しそうな顔してたから」
こなた「そう? いやぁ、別に何でも……」

こなた(いや、もう一人で考えるのはやめよう)

こなた「峰岸さん」
あやの「なぁに?」
こなた「かがみが今みたいになっちゃうことってあった?」

 かがみはまだ固まっている。みさおはそんなかがみを色々いじくっていた。

あやの「ない……わ、どうしたのかしら柊ちゃん」
こなた(やっぱり、私が居ないときはこうはならないんだ。これって病気なのかな……だとしたら私のせいで病気が悪化してるの?)

こなた「うっ……うぅ……」
あやの「泉ちゃん?」
こなた「うぁ……っく……うぅぅうぅ」
あやの「ど、どうしたの泉ちゃん」
みさお「おいおい、どうしたんだよチビッ子」

こなた「ごめん……私、もうここには居られない」
みさお「はぁ? お前なに言って……おい!」

 こなたは席を立ち、逃げるように廊下へ走って行った。


―階段にて―

みなみ(この先が3年生エリアだけど……朝より騒がしくて行きづらい……でも時間が)

 みなみは3年生手前の階段で立ち往生していた。

つかさ「みなみちゃん居るかな?」
みゆき「そうですね、教室で大人しくお昼をとっていれば良いのですが」

 階段を下りてくる二人。

みなみ(……え、この声って)
つかさ「あ」

みなみ「っ!?」

 みなみはつかさ達の姿を見るや、2年生エリアへと駆け出した。

つかさ「みなみちゃん!」
みゆき「みなみさん!」

 つかさとみゆきも慌てて駆け出す。が、みゆきは立ち止まる。

つかさ「ゆきちゃん?」
みゆき「二手に別れましょう。恐らくみなみさんの目的は三階です。つかささんはそのままみなみさんを追ってください。私は上から非常階段を使って合流します」
つかさ「挟み打ちって事だね?」
みゆき「はい。ではまた後で!」

 そう言ってみゆきは再び三階へと戻って行った。

つかさ「よーし」

 つかさも走り出す。

―三階―

みゆき(みなみさんは非常階段を使いこちらに来て、待ち伏せしてる私を見たら再び非常階段に戻るでしょう)
みゆき(その時につかささんが二階へ戻る非常階段に居てくれたら挟み打ちは成功です。もしつかささんが間に合わなかったら、一階に逃げられてしまいますね……それだけは避けたいのですが)

みゆき「あっ」

 みゆきは非常階段の前までたどり着いた。しかし鍵は閉まっていた。無論、手締めの鍵なので開けることは出来るが。

みゆき(しくじりました。これではみなみさんは既にUターンしたでしょう……つかささんが間に合っていても一人では……とにかく合流しませんと!)

 みゆきは素早く鍵を開けると、急いで下に向かった。


―非常階段―

みなみ「……先輩、そこをどいてくれませんか……」
つかさ「ダメ、だよぅ……ここは……はぁ、はぁ……通さない……」

 つかさは息が上がっている。とても苦しそうだ。

つかさ「みなみちゃんは……何を企んでいるの?」
みなみ「……」

 つかさの問いにみなみは紅潮する。

つかさ(……? 何で赤くなるの?)
みゆき「しゅたっ」

つかさ「ゆきちゃん!」
みなみ「!?」

 みゆきが三階の階段から現れた。

みゆき「間に合いましたか」
つかさ(良かった、これで……?)
みなみ(……ここまで来て終わりたくない)

みゆき「みなみさん、大人しく捕まってくれませんか?」
みなみ「……いやです……」
つかさ(あ……れ……?)

みゆき「あまり手荒な真似はしたくありませんが」

 みゆきは一歩一歩と階段を降りていく。

みなみ(パトリシアさんから教わったあれを試してみようか……)

 ドサッ!

みゆき&みなみ「!?」

つかさ「はぁ……はぁ……」

 つかさが倒れてしまった。

みゆき「つかささん!」

 みゆきはみなみを通り越してつかさの元へ向かう。そしてつかさを抱き上げると額に手を当てる。

みゆき「っ! 凄い熱です」
つかさ「ゆき……ちゃん……みなみちゃん、をぉ……」
みゆき「今はそれよりつかささんの事です」
つかさ「でもぉ…………ふぅ……はぁ……」

みなみ「…………」

 みなみは突然の事にどうしていいか立ち尽くしていた。そして、

みゆき「とにかく保健室に――」
みなみ「手伝います」

 みなみの取った行動は逃げるではなく、助けるだった。

みゆき「みなみさん……」
みなみ「…………」
みゆき「良いのですか? 今なら逃げる事が、」
みなみ「……目の前で人が倒れているのに、自分の事を優先するなんて出来ませんから……」

 そう言ってみなみはつかさの肩を担ぐ。みゆきも反対側の肩を担ぐ。

みゆき「階段、気をつけてください」
みなみ「はい」


―保健室―

ふゆき「……やはりあの時行かせない方が良かったみたいですね。先生の責任です」

 みゆき達は今、つかさの寝ているベッドの横に椅子を設けて座っている。

みゆき「いえ、近くにいた私にも責任があります。それに無理をさせてしまったのも私ですし……」
みなみ「……」

ふゆき「とにかく、あの状態ではとても一人で帰ることなんて出来ません。家の方に迎えに来てもらいましょう」

 そう言ってふゆきは電話をしに自分のポジションへ戻って行った。

みなみ「みゆきさん……私は……」

 今まで黙っていたみなみがか細にぽつりと呟いた。無論、みゆきはそれを聞き逃さない。

みゆき「どうして良いのか分からない」
みなみ「……」

 沈黙。これは肯定を意味していた。

みゆき「みなみさんの目的は何だったのですか?」
みなみ「それは、その……」

 顔を真っ赤にして俯くみなみ。

みなみ「みゆきさんは……何で私の邪魔をするんですか」

 みなみの瞳から熱い滴が零れ落ちる。

みなみ「私はただ……、……胸を大きくしたかっただけなのに」
みゆき「……え? すみません、もう一度言っていただけますか?」

 固まるみなみ。みなみにとってそんな恥ずかしい台詞二度も言えるか的な意味で。

みなみ「だから……その、胸を……」
みゆき「胸を?」

みなみ「胸をおっきくしたかったんですっ」

 羞恥を捨て声を張り上げてしまった。それを聞いて目をパチクリするみゆき。そしてしばしの沈黙の後、

みなみ「みゆきさんには分かりませんよ」

と言った。

みゆき「……そうですね。確かに私にはその悩みは分かりません。でもですよ?」
みなみ「……?」
みゆき「他人を萌え死にさせて、寿命を縮めて、それで得た物にみなみさんは心から喜べますか? 後ろめたい気持ちは生まれませんか?」

みなみ「寿命が……?」
みゆき「つかささんの情報ですが、間違いはないみたいです」
みなみ「……知らなかった……」

みゆき「……女性として生まれたからには胸が無いのは確かにつらい事でしょう、ですが――“納得のいく説明”!!」
みなみ「……ごめんなさい……うっ、えぐ……」

 みゆきはみなみを優しく抱きしめた。

みなみ「みゆきさん……こんなこと、今しか言えないんですが……」
みゆき「はい」
みなみ「たまにで良いですから……みゆきさんの胸、揉んでもいいですか?」

 みゆきは一瞬キョトンとしたが、すぐに優しい顔に戻る。

みゆき「良いですよ。それでみなみさんの悩みが少しでも紛らわせるのなら」
みなみ「ありがとう……ございます」

 そう言うと、みなみはさっそく胸を揉み始めた。直に。
 そしてみゆきはつかさの方を向き、

みゆき(人間万事塞翁―さいおう―が馬、つかささんのお陰で無事に解決できましたよ。今はゆっくりとお休みください)

 心の中でそう思うと、今度は胸を揉んでいるみなみの方に向き直る。

みゆき(さて、みなみさんにこんな事をさせた元凶……教えていただきませんと)
みゆき「みなみさん、そろそろ教えて下さいませんか? みなみさんの後ろに居る存在ひゃ!?」

 みゆきはビクンと身体が反応してしまった。

みゆき「そこは摘んではダメです」
みなみ「す、すみません……」

 みなみはスルスルとみゆきのセーラー服の上着から手を抜いた。

みなみ「私の後ろに居る存在……」
みゆき「はい。みなみさんに萌え死にの事を教えた人物です」

 みなみは黙ってしまう。言おうか言わないか迷っている様子である。
 そしてみゆきを見据え、口を開く。

みなみ「……ゆかりさんです」
みゆき「え? ゆかり……?」

 その名を聞き、目を見開くみゆき。

みゆき「ゆかりって……私のお母さんのゆかり……ですか?」
みなみ「……そうです。これをゆかりさんから預かって」

みゆき「これは?」
みなみ「名称は知りません。でもこれの数値を100にすると……」
みゆき(なるほど、これがつかささんがおっしゃっていた“玩具”ですか)

みなみ「誰かが……萌え死ぬと振動で分かるんです。……みゆきさん?」

みゆき(何故お母さんが? それでは私は一体何のために……)
みなみ「みゆき……さん?」

みゆき「先程の質問にまだ答えていませんでしたね」
みなみ「え」

みゆき「何故、私がみなみさんの邪魔をするか……それは」
みなみ「それは……?」

みゆき「私も母から頼まれたからです」
みなみ「え……それってどういう……」

みゆき(お母さん、いくら退屈とはいえ、やっていいことと悪いことがありますよ? 流石の私も今回ばかりは怒りました)
みゆき「とにかく、今日母に問い詰めます。詳しいことは明日話しますのでみなみさんはもう教室に戻っていいですよ。まだお昼とってないでしょう?」
みなみ「はい……」

 そこでタイミングよく、キューっとみなみの腹の虫が鳴った。

みなみ「あ……」
みゆき「ふふ。さ、つかささんの事は私に任せて行ってください」
みなみ「では失礼します……あの」
みゆき「何でしょう?」

みなみ「色々ご迷惑を掛けてすみませんでした……」
みゆき「良いんですよ。もう終わったことは。それに悪いのは私の母の様ですし」
みなみ「……ありがとうございます。つかさ先輩にも起きたら宜しくお伝えくれますか?」

みゆき「承知しました」
みなみ「では……」

 みなみは保健室を出て行った。

みゆき「さて、つかささんの事をかがみさんに連絡しなければなりませんね」

 みゆきは携帯電話を手に取りかがみに電話する。

みゆき「あ、もしもしかが、」
かがみ『みゆき! こなたを知らない!?』
みゆき「へ? 泉さんですか? 分かりませんが、どうしたのですか?」
かがみ『こなたが居ないのっ!』

みゆき「落ち着いてください、直ぐに私もそちらへ向かいますので」
かがみ『早くね!』

 なんだかただ事じゃない。そう思ったみゆきは直ぐに頭のスイッチを切り替えた。

つかさ「ゆき……ちゃん」
みゆき「起こしてしまいましたか。なにやら大変な事になってるようです」
つかさ「私も……行くよ……」
みゆき「いいえ。つかささんは寝ていないとダメです」
つかさ「でも……」
みゆき「つかささんごめんなさい。ピロリロリンリン♪」
つかさ「ふわ……」

 無理に体を起こそうとするつかさに催眠術を掛けたみゆきは急ぎ足でかがみ達の元へ向かった。
 そして屋上にこなたは居た。

みゆき(なんて展開の早い……でも助かります)


―屋上―

かがみ「こなたっ、そんなところに居たら危ないわよ」

 こなたはフェンスの向こう側に立っていた。下手すると落ちる。

みゆき「一体何が……」
みさお「それがチビッ子の奴、飯食ってるときに急に泣き出してさ」
あやの「よく分からないけど、固まってる柊ちゃんを見たらあぁなっちゃったのよ」

みゆき(固まってるかがみさん……私達の居ないところで泉さんがかがみさんを萌え殺してしまわれたみたいですね)

 ちらっとあやのとみさおを見るみゆき。

みゆき(このお二方は勿論、かがみさんも萌え死にの存在を知りませんし……どうしたものでしょうか)

かがみ「待ってて、今そっちに、」
こなた「来ないでっ!」

 歩み寄るかがみを制止させた。

かがみ「な、どうしたのよこなた」

 それでもかがみは再び歩み寄る。

こなた「来ないで来ないで来ないでよぉっ!」
かがみ「!?」

こなた「うっ……うっ……」
かがみ「どうしたっていうのよ! こなた!」

こなた「かがみは……私の近くにいると死んじゃうんだよぉ!」
みゆき「っ……」
かがみ「な、何を訳分からないこと言ってるのよ」

こなた「私だって分からないっ! 急に死んだり生き返ったり」
かがみ「待った、私がいつ死んだって?」
こなた「気付いてないの? いつも私と一緒に居ると突然倒れたりして……つかさやみゆきさんが隠すようにごまかして!」
かがみ「はぁ!?」

みゆき(まずいですね……非常にまずい展開です。なんとかここに居る皆さんに納得の行く説明をしなければ)
みさお「何だよあれ、チビッ子の奴何を言ってるんだ?」
あやの「分からないわ。でも、とても嘘を言ってるようには見えないし……柊ちゃんが死んでる?」

みゆき(考えて、考えるのです高良みゆき! 私なら出来る。この状況を終わらせることが出来る説明が!)

 みゆきが考えている間も、こなたとかがみのやり取りは続いていた。そして……

こなた「教えてよみゆきさん! みゆきさんは私が何なのか知ってるんでしょ!?」

 そこに居た一同がみゆきを見る。そしてみゆきは皆の視線に耐えながら、考え抜いた説明を語り始めた。

みゆき「泉さんは特に変わった体質ではありません。普通の女の子ですよ」
こなた「嘘だね、じゃあかがみは何で私を見て倒れるのさ!」
みゆき「泉さんを見て倒れているのではないですよ?」
こなた「え」

みゆき「今まで隠していましたが、かがみさんはダイエットをしているのです」

409 :萌え☆死にストーリー [saga]:2008/11/18(火) 21:09:34.33 ID:V4edDcSO
こなた「へ?」
かがみ「ちょっと、みゆき! 私……」

 その時、かがみはみゆきの目力に圧倒されてしまった!

かがみ「そうよ。ダイエットよ……(これで良いのか?)」
こなた「ダイエットがどう関係してるの?」

みゆき「かがみさんが倒れたり意識を失う原因……それはお腹が空いているからです。そうですよねかがみさん」
かがみ「え、ちょっとそれは……」

 みゆきの目力!

かがみ「うん、そうなのよ(もう好きにして)」
みゆき「かがみさんは無理なダイエットに挑戦しています。そのためにあまりの空腹から体調を崩して倒れてしまうのです」
こなた「……じゃあさっきは? ご飯食べてたのに固まってたよ?」

みゆき「それは……泉さんが美味しそうに食べてたからじゃないですか?」
みさお「あー、確かにな。あやのの卵焼き旨そうに食ってたぜ」

みゆき「ダイエットで食事を調整しているかがみさんにとって、その光景は羨ましすぎたのでしょう。だからショックで固まった」

こなた「……そうなの? かがみ」
かがみ「エエ、ソウヨ」
あやの「柊ちゃん、無理なダイエットは身体を壊すわよ」
かがみ「ソウネ、気ヲツケルワ」

 かがみは真っ白に染まっていた。

こなた「じゃあ、じゃあ私と一緒の時しかそうなるのは何で?」
みゆき「それは偶然ですね。泉さんが居ないときでもかがみさんは倒れますよ」

みさお「柊、今日帰りマック行こう。たくさん食べるんだ」
かがみ「ソウネ、ハハ……」

 かがみの何かが崩れ落ちていく。

みゆき「夏のお祭りの事を覚えていますか?」
こなた「え? うん」
みゆき「そこでは泉さんとかがみさんの両者が居ましたが……かがみさん倒れました?」
こなた「……倒れて、ない、ね」
みゆき「そういうことです。泉さんが居ようが居まいが、かがみさんは倒れます。泉さんが原因ではないのですよ」

あやの「柊ちゃん、お願いだからもう無理はしないでね……うぅ」
みさお「柊ぃ~、死なないでくれ~」
かがみ「大丈夫ヨ、大丈夫ゥ……」

こなた「あはは、何だ……勘違いだったのかぁ」
みゆき「ようやく理解してくださいましたか」
こなた「勘違いでこんなことして、めちゃくちゃ恥ずかしいんだけど……」
みゆき「間違いは誰にでもありますよ。さ、そこは危険です。早くこちらへ」
こなた「うん。なんかごめんね」

 そしてこなたはフェンスをよじ登る。しかし急に風が吹き始めた。

こなた「あ……」
みゆき「!?」

 急な突風に、こなたはフェンスを掴んでいた手を離してしまった。

みゆき「泉さん!」
みさお「おいっ!」
あやの「泉ちゃん!」
かがみ「コナタ……こなた!」

 そこに居た誰もがこなたの元へ駆け寄る。しかしこなたはフェンスの向こう側……誰も間に合うはずがなかった。
 重力に逆らえないこなたは地面に向かって落ちて行く。

こなた「うわぁぁぁっ!」


―こなたが落ちるちょっと前・校庭付近―

カナタ「ふぅ……。なんとか来れたわね」

 念のために説明するが、彼女は萌え死にヘルカイザー。萌え死にの帝王カナタンの分身の様な存在だ。

カナタ「封印される前にここに時空ゲートを繋げておいて正解ね♪」

 どうやら彼女は時空ゲートなるものを使ってこの世界に来たらしい。

カナタ「でも身体が実体化できるのはせいぜい1時間が限度。それ以上は体力がもたないわ」

 誰に説明しているのか。

カナタ「早いとこみなみちゃんを見つけてアレコレしないとね」

 そしてみなみとの一件は既に終わっていることを知らないみたいだ。

カナタ「さて、みなみちゃんは……あら?」

 上を見上げるヘルカイザーさん。

カナタ「あれは……こなた!? あの子ったらあんな所で何を――」
こなた「うわぁぁぁっ」
カナタ「!?」

 こなたが落ちた。さすればやることは一つ。考える間なんてない。
 ヘルカイザーは普段出していない黒い天使の翼を背中から生やし、全速力でこなたの元へ飛んで行った。

カナタ(間に合って!)

 彼女の願いは何とか届いた。地上僅か2メートル付近でこなたのキャッチに成功した。
 ギリギリセーフだった。が……

カナタ「きゃっ」

 勢い余ったヘルカイザーはそのまま壁にぶつかった。
 こなたを守るため、咄嗟に向きを変えて顔面衝突は免れたが。

カナタ(露出度の高い服が裏目に出たわね……背中がヒリヒリするわ。いたたたた)

 ヘルカイザーはゆっくりと地面にこなたを降ろす。
 そしてこなたはというと……

こなた「…………」

 気絶していた。

カナタ「うぅ、今ので体力を全て使い切っちゃったわ……私の野望が……」

 そう言うと、ヘルカイザーは消えてしまった。
 体力が無くなって強制送還されたようだ。

かがみ「こなた!」

 息を切らしたかがみがやって来た。その後ろにみさお、みゆき、あやのの順で同じく息を切らしてやって来る。

かがみ「こなた!」

 倒れているこなたに呼び掛ける。しかし返事は無い。

かがみ「嘘でしょ……何か言いなさいよ……こなた!」
みさお「ま、マジかよ……」
あやの「泉ちゃん……」

 三人が動揺している中、みゆきはあることに気付いた。

みゆき(あれだけ高いところから落ちて血も出ていない……それどころか傷一つ見当たらない……?)

 みゆきがそんな事を思っていると、こなたの瞼がゆっくりと開きだした。

こなた「か、がみ?」
かがみ「こなた、こなたぁ!」

 かがみはこなたを抱き寄せる。

かがみ「馬鹿! 心配かけさせてっ……」
こなた「ごめん」
みゆき「お怪我はありませんか?」

こなた「んー、それがどこも痛くないんだよね」
みさお「すげー、あんだけ高いところから落ちて平気なのかよー」
あやの「奇跡ね。無事で良かったわ」

こなた「なんかね、あんまり覚えてないんだけど、落ちていく途中で身体が横に移動したってゆーか……ごめんよく分かんないや」
かがみ「あんたが無事ならなんだっていいわよ」
みゆき「そうですね。奇跡ということで良いじゃないですか」

 みゆきは余計な事を考えるのをやめた。友が助かった。ならそれで良いじゃないか、と。

みさお「てゆーか柊ぃー、いつまで抱き着いてんだよ」
かがみ「あっ」

 かがみは慌ててこなたから離れる。

こなた「かがみは私の事が好きなんだもんねー?」
かがみ「な、何言ってるのよ! 馬鹿じゃないの!」

みさお「うぅ」
あやの「みさちゃん、嫉妬?」
みさお「っば、ちっげーよぉ!」


みゆき(事は丸く収まりましたか。それにしてもかがみさん、泉さんとあんなことしても萌え死なないなんて……もう少しで萌え死にを克服出来るかも知れませんね)


 こうして萌え死にに関わる厄介事は無事に解決された。
 未だ謎を見る萌え死にの話も、一先ずおしまいだ。

みゆき(長いお昼休みでした……)
ツールボックス

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