ID:PPOaq460氏:人生相談

今、私は母と向かい合っています。最近、学校の成績が芳しくありません。特に思い当たる理由はないのですが、高校3年生になって受験も近づいていますから不安を感じることもあります。3年間担任してくださっている黒井先生も心配してくださっているようです。今日の三者面談では母とともに深く考え込んでいました。この時期を乗り越えれば急激に成績が伸びる生徒がいると先生はおっしゃいました。黒井先生はベテランですから、そういうことは実際にあるのでしょうが、やはり不安は残ります。ひとりで考え続けても答えが見つからないようだったので、母に相談することにしたのです。母は非常に多忙なので最近はゆっくりと話をする時間も無かったのですが、じっくりと私の話をきいてくれました。娘の私から見ても母は人生の成功者に思えます。自分の仕事を持ち家庭も両立した何不自由ない暮らしですから。でもそんな母にも私とおなじ経験があったとは思いもよりませんでした。母も高校生の時に成績が伸び悩んだ時期があったというのです。その時どのように乗り切ったのかを教えてくれました。

「母親として私がアドバイスできることは友人を大切にということでしょうか。学習面では特に問題がなくても、意外なことに精神面が原因となっていることも多いと思いますよ。私が高校生の頃の話です。当時、学校内でも成績優秀で国立は間違いないだろうと先生たちから期待をかけられたことがありました。でも、学年が進むにつれて勉強することも増えて内容も難しくなってきました。どうすることもできませんでした。おかあさま==つまりあなたのおばあさまですが==にしてもあのような良くも悪くも能天気なところがありますから相談できませんでした。自分の希望の進路をとるか、今の能力に見合った進路にすすむのかという迷いの間で一人葛藤し追い詰められていったのです。その時私の異変に気づいてくれたのが、友人たちだったのです。友人というのは普段はあまり気にかけていないようでも、実はしっかりと見ているものなんですよ。私はすべてを友人たちに話しました。成績のこと、進路のこと、自分の相談相手がいないこと。そうしたら私達でよければ話を聞くと言ってくれたのです。その言葉を聞いた時私は急に気分が楽になりました。進路のこともここであきらめたら絶対に公開すると言われました。私も驚くほど簡単に受け入れられました。もしかしたら私の希望はもう決まっていたのかもしれません。ただ誰かの言葉で背中を押してもらいたかったのでしょう。その時から成績も少しずつ戻り始めました。相談できる友人がいるということはとても大事なんです。」

母の友人は私もよく知っています。学生時代はいつも4人で行動していたと聞いたこともあります。皆さん、弁護士、作家、料理研究家として社会的にも有名なかたです。母はその方たちと今でも頻繁に会っているようです。そのような素晴らしい友人に囲まれた生活は幸せなものでしょう。私にもそこまで相談できる友人がいるだろうかと考えてみました。

「 素晴らしい友人はあなたが気づいていないだけで身近にいると思いますよ。少しの勇気をもって自分から声をかければ、答えてくれるはずです。私が今のあなたと同じように、学級委員をしていたことは、いつか話しましたね。入学当初からそのような役職を引き受けたこともあって、放課後も忙しくてクラスメートと下校することもありませんでした。そんなとき、同じ学級委員会に話の合う人を見つけました。その人は何事にも責任を持ち、まわりからも信頼されていました。私も何回か一緒に仕事をするうちに徐々に親しくなりました。友人ってそんな風にできていくものではないでしょうか。いつの間にか親しくなって多くの時間を共有するものだと思います。そうして出会った友人というのは自然と長い付き合いになります。学校をを卒業しても、それぞれが異なる進路に進んでいってもです。」

私自身も相談を受けるかもしれません。そんなときどのように接すればいいのか、困ってしまうでしょう。でも話を 聞いて役に立てるものなら役に立ちたいのです。母ならどう答えるのでしょうか?

「もちろん自分が相談を受けることもあるでしょう。その時は誠意をもって応じなければなりません。お互いに友人だと思えたときに、本当の友人になれるものだと私は思うのです。私も一度、大切な相談をされたことがあります。些細なことでお父様と仲たがいをしてしまったとかでどのように接すればよいかということでした。普段はお父様とも非常に仲が良いようにお見受けしていましたので、さぞかし辛かったのでしょうか。お母様が早くに亡くなられていて中を取り持つ人もいないのでした。 話を聞くと父子共に意地を張っているように感じたので、素直に謝ってみたらと提案しました。後日、その後のことを聞くと無事に仲直りされたそうです。相手の気持ちを気遣うことはもちろん必要ですが、正しいアドバイスとなるように心掛けることも大切です。少しでも事態が良い方向に向かうにはどうするべきか考えて答えるのです。」

 

母の話を聞いてこれからどうすればよいか、わかったような気がします。私も自分の希望をあきらめず残り少ない高校生活を楽しもうと決めました。

その時、一通のFAXが届きました。母が学んだ、そして私が学んでいる陵桜学園からでした。同窓会のお知らせでした。そういえば黒井先生も母にそんなことを言っていました。宛名は高翌良みゆき、母の名前でした。

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