第6話:泉家の掘り出しモノ

「ふっふっふーん♪」
…部屋からお父さんの鼻歌が聞こえる。何があったんだろう?
「どうしたのお父さん、鼻歌なんか歌っちゃって」
「いやぁ、部屋の整理をしてたらこんなものが出てきてなぁ~」
そう言ってお父さんが取り出したのは…なにやら剣のようだった。
所々刃こぼれしてボロボロ、装飾品もくすんで鈍い輝き。こりゃそーとー古い剣と見た。
「なにそれ?」
「いやぁー、この剣を見ると昔を思い出してなぁ…」
「あぁ、そういえばお父さん、小説家になる前は冒険家だったんだよね」
「あの頃は父さんも変わり者だとか無鉄砲だとか言われたもんだけどこいつは最大の相棒だったよ」
「ふぅん…でもお父さん、剣を見つけて喜ぶのはいいけど片付け手伝ってよ」
「はっ!!」

片付けをしているといろいろなものが出てくる。
中には、当事者ですら存在を忘れかけていたものとか、知らなかったものが出てくることもある。
例えば私なんか、気分転換によく押入れの整理をやってたりするけど、こんなものが出てきたことがあるんだよ。今日もやってるわけだけど……出てくる出てくる。
例えばほら、『絶対零度ホッカイオー』のキット。
お父さん、趣味でこういうもの作ってるらしいんだけど、ホッカイオーに関しては塗装が難しいとかで投げ出しちゃって、そのまま忘れ去ってしまったらしい。まぁ、このキットは私も持ってるんだけどね?

…それから、かなり古い地図。お父さんが冒険の時に携えていたものらしい。
何処にどんなモンスターが潜んでいるかとか、詳しく書かれている。
今でも冒険家向けの地図は出てるらしいんだけど、古い地図ともなるとマニアの人気がついてかなりの高値がつくんだとか。

これは…私が小さいときに書いた作文。
今だから言えるんだけど、自分ってこんなに字ヘタだったんだなぁ…。うぅむ。
で、整理を進めていると、なんかヘンな木箱が見つかったんだよね。

「お父さん…この箱って一体なんだろ?」
「さぁ…父さんにもわからないなぁ…」
と、父娘ともに困り果てていたら、お母さんが近付いてきた。
「…あら、これは懐かしいわね~」
「あ、お母さん。この箱の中身って一体なんなの?」
「うん、実はこの中に入ってるのは私のツノなの」
「…ツノ? でもお母さん、ツノなら生えてるじゃん」
私はなんでこの箱の中にお母さんのツノが入っているのかわかんなかったけど、次の言葉でその疑問は解決した。

「あのね、こなた。私たちドラゴンは大人になるとツノが抜けて生え変わるようになっているの」
なるほど、乳歯とか永久歯っていうけど、竜のツノもそれと似たような感じなんだ。
…話によると、お母さんたちドラゴンは生まれてから100年経つとツノが生え変わるらしい。
逆にいえば、100歳になってやっと一人前ってわけ。ドラゴンってかなり長生きだからね~。
で、そのときにツノが生え変わるんだけど、ここからが面白いところ。
お母さんは自分が大人になったんだっていう記念として、このツノをとっておいてるんだってさ。
そういえば、私もドラゴンと人間のハーフなんだけど、このツノが生え変わらないうちはまだまだ半人前ってことなのかなぁ。
この先何年かかるかわからないけど、少なくとも高校卒業までに生え変わることはないみたいだ。ちょっとがっかり。

そんなわけで、いろいろなものが出てくるわが泉家の押入れ。
いろいろ懐かしんでるうちに日が暮れて、すっかり夜になってしまった…。
結局その日はいつもより遅い晩ご飯になりましたとさ。
さて、食事をしていると突然呼び鈴が鳴った。
「はーい」
私はドアのほうに駆け寄った。こんな遅くに一体誰なんだろうと思って、ドアを開けた次の瞬間だった。

「がうーるるるるる!!」
「ぎゃあ! オオカミだぁっ!!」

果たしてこのオオカミの正体は一体!?……って、次回に続いちゃったりして。

 

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