第4話:もうひとりのハーフドラゴン

私は泉こなた。
人間の父と、ドラゴンの母との間に生まれたハーフドラゴン。
いまだに人間の暮らしになれていない私だけど…何とか元気でやってます。えぇ。

それにしてもこの前は散々な目にあっちゃったよ。
みゆきさんに呼び出されてきてみればツノをヤスリでガリガリッと削られちゃうし。
…お金持ちの考えることって……よくわかんないよ……。
アレから一週間経つのにまだ頭がスースーする…。
まぁ、みゆきさんもちょっとした好奇心が働いただけなんだろうけど。

さて、今私は何をしているのかっていうと、柊家に来てゲームをやってる…んだけど…。

――アイスドラゴンが あらわれた!
「こなちゃん、なんかすごい強そうなのが出てきたよ~」
「よしきた、任せろ!……バーニングダークネスフレイムオブディッセンバー!!」
――こなこなは ファイアをとなえた!
――かいしんの いちげき! ドラゴンをやっつけた!

「やった、やったよ!こなちゃんすごいね~」
「…うん、そだね……」
「どうしたの、こなちゃん…元気ないよ?」
「だってさ……こういう風にドラゴンがゲームで敵として出てくるとさ…自分の親戚をいじめてるみたいでなんか精神的にダメージが来るんだよね…」
「あ、そ…そうか…こなちゃんって半分ドラゴンだもんね……」

と、ゲーム談義で盛り上がっていた頃、かがみが帰ってきた。
「おーっす、つかさただいまー。…あれ?こなた来てたの?」
「うん、どうしてもこのゲームがクリアできなくって…」
「どうでもいいけどこなた、アンタ元気ないじゃない」
「実はかくかくしかじかでさ……」
と、かがみの後ろから聞きなれた声がした。
「おーす、ちびっ子元気かー?」
「みさきち?」
「今日はヒマだからこっそり柊のあとについてきちゃったんだぜー」
「ア、アンタいつの間に…てか峰岸はどうしたのよ?」
そういえば…峰岸さんがいない。いつも2人で一緒にいるのに…。
「あー、あやのは今兄貴とデートに行ってるから遊べねーんだってよー、つれねーよなー」
と、話に花を咲かせている時に、つかさはみさきちに言った。
「…あ、そうだ。丁度ゲームやってたんだけど日下部さんも一緒にやる?」
「おぅ、うけて立つぜー!な、柊ー」
「お、おい…」

―――『こなた超人!今月の 営業成績を 報告してください!』
「…いやぁ、パーティーゲームって皆でやると盛り上がるよねー」
「ホントよねー。…こなた、今回という今回は私が勝たせてもらうわよ?」
「…うう…私はせめてビリから脱出できれば…」
私たちは4人で、パーティーゲームをやっていた。
すごろく形式のパーティーゲームで、町で物件を買ったり、相手をジャマしたりしながら目的地を目指してお金を稼ぐって言うゲームだ。
「お?ウチのターンだなー…えーと、目的地まで30マス…?」
みさきちが不敵な笑みを浮かべた…。一体これは…まさか!?
「ドロー!リニアカード!!」
「「「あーっ!!!!!!」」」

…みさきちが、目的地に入っちゃった…。
「ちょっと日下部!アンタだけ抜け駆けはずるいわよ!」
「うぅ…またビリだよ…」
「いやぁ、してやられたなぁ~…次の目的地は…さ、札幌!?」
「札幌カード持ってるから余裕だってヴぁ☆」
「いやいや、ちっと自重しろよ…」
「酢~……」
と、漫才を繰り広げている時だった。
「…しっかし、何か痒いよなー」
「みさきち?ひょっとして蚊に刺されたの?」
「いやぁ、そんなんじゃなくて…なんか、羽根がムズムズするっていうか……」
羽根……?まさか、みさきちも、私たちと同じ……?
そして次の瞬間、私の予感は的中することになる。
「あーっ!もう我慢できねー!!」
「ちょっ!?日下部!?」
「ひゃぁっ!?」
…みさきちは大きく伸びをすると、その姿を変えた。
それは、私と同じ……ドラゴン族特有の翼、尻尾、角…そして、長く前に伸びた顔だった。
ただ、私と違うのは…私の場合は青い鱗と白い羽毛で表面が覆われているのに対し、みさきちの鱗は赤いということ。と、いうことは…

「ふぅ……やっぱりこっちの姿の方が落ち着くぜ☆」
「羽根をどけろー!重いから!!」
「みさきち?……みさきちもハーフドラゴンだったの?」
「おう!」

……みさきちの話だと、みさきちの父親はファイアードラゴンで、その竜使いだった母親と結婚してみさきちとお兄さんが生まれたんだそうだ。ハーフといっても、みさきちのほうがドラゴン分多めに入っちゃったらしい。待てよ?ファイヤードラゴンっていうと…?

わたしはちょっと、みさきちをからかってやることにした。自分だけ勝ち逃げしようとした罰だっ、それ!ドラゴンブレスだっ!

「耳元に冷たい息~!ふぅ~…」
「ヴぁ!?や、やめろよちびっ子!冷てーってヴぁ!!」
うん。予想通り、炎系は氷系の技に弱いみたいだネ。

「…結局、私はビリだったよ~…」
「つかさってなんで、こういうゲームが不得意なのかしら…」

 

 

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