FILE.2
「じゃ、最初はあやのさんね」「んで、次が高良」「その次は柊ちゃん」「次は、日下部さんですね」「つかさが五番目で」「最後がこなちゃんだね」
お風呂に入る順番は決まった。遅い人達は自分の部屋で待機だ
「あ~、持ってきたゲーム壊れてないかな~」「あんたねぇ、こんなところまでゲーム持ってきたわけ?」「あはは、アレがないと、ね」「まあ、こなたらしいけどね」
・・・
「ふ~、さっぱりだゼ」
しばらくして、お風呂から上がったみさおは髪を拭きながら自分の部屋とは反対方向へ歩いていく。次にお風呂に入るつかさを呼ぶためだ
つかさの部屋のドアをノックする
「つかさ~、お風呂上がったゼ~」「うん、わかった~」
つかさは着替えやタオルを持って出てきた
「ちびっこにも教えとけよ? 私もたまにゲームするんだけど、途中で終われなくなるんだよな」「うんうん、それすっごくわかるよ~」
みさおの言葉に首を何度も縦に振る。そして廊下を歩いていくみさおの後ろでノックをする音と、
「こなちゃ~ん、お風呂次だからね~」
という声が聞こえた
みさおは自分の部屋で考え込んでいた
(なんだ……すごく嫌な予感がする……なんでだ……?)
なにか、とんでもないことが起きそうな、そんな予感が……
「日下部さん」
不意に、ドアをノックする音と声がした。ドアを開けると、つかさが立っていた
「んあ? どした?」「あのね、こなちゃんの部屋が開かないの。声を掛けても返事がないし……」
そのつかさは、なぜか怖そうにしていた
「もう寝ちまったんじゃねぇの?」「だって、まだ8時だよ? いくらなんでも早すぎるよ……もしかして、こなちゃんになにかあったんじゃ……」
つかさの怯え方が尋常じゃないことと、さっき自分が感じた嫌な予感もあるみさおはみんなを集め、こなたの部屋の前に向かった
「とりあえず、ブッ壊すか?」「うっわ! いきなりだな……」「でも、妹ちゃんが何回呼んでも返事はなかったのよね?」「う、うん……こなちゃんがこんなに早く寝るなんて今までなかったから……」「先ほどの大雨で風邪を引いた可能性もありますね。お風呂の順番は最後でしたし……」
とりあえず無理に開ける派は四人。かがみもしぶしぶ了承した
「んじゃ、壊すゼ……せーの!!」
思い切りドアノブを引くみさお。すると、わりと簡単に開いた
『!!!』
中の光景を見た五人は、硬直した
「そ……そんな……」
中にあった『ソレ』が、五人の思考を停止させた
「う……ウソだろ……?」
その瞳からは、一切の輝きも感じられない
「こ……こな……ちゃ……」「つ、つかささん!!」
五人が見たのは、首元に突き立てられたナイフから流れ出る、おびただしい量の血液で自身を紅く染め上げた、泉こなたの変わり果てた姿だった……
「こ……こなたーーーーー!!!!!」
不気味なほどに静まり返った屋敷に、柊かがみの悲痛な叫びだけがむなしく響いていた……
(ふふふ……まだまだこれから……)
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