「ふああ、おはよう」「あ、おはようこなちゃん♪」「のあ! なんでかがみがうちにいるのさ!? しかもこなちゃんて」「何言ってんのよ。昨日あんたの部屋に泊まったじゃない」「え。泊まったって、かがみが……?」「もう……忘れちゃったの? 殆ど寝させてくれなかったくせに」「な、何ぃぃぃぃぃぃぃ!?」
「何ぃぃぃぃぃぃぃ!?」「な、何なのよいきなり」「え? あれ、ここ、私の部屋? ていうか……朝?」「変な夢でも見てたんじゃないの」「あはは、そうみたい。ごめんごめ……え?」
「で、今度こそちゃんと目は覚めた?」「はい、しかと」「ったくおかしな夢見てんじゃないわよ」「ははは。ごめんごめん」「結局あんたのせいでほとんど寝られなかったのはほんとだけどね。今度から宿題は自分でやりなさいよ」「ちぇー、あっちのかがみもよかったかなぁ」「……何が?」「いやぁ、あっちのかがみは可愛かったなぉ……なーんて」「そうなんだ。私よりあっちの子がいいんだ…‥」「え、かがみ?」「渡さない、こなたは私のものよ……渡さない渡さない渡さない……」「ちょっ何を! かがみやめ」
「――っ!」「あ、こなた目が覚めた?」「えーっとぉ……かがみ?」「寝ぼけてるな。朝ごはん出来てるから早く来るのよ」「あっるぇー!?」
「かがみってさ、料理上手だよね。このお味噌汁とか、すごいおいしいし」「そ? ありがと♪」「うん……でさ、かがみ、前から料理上手かったっけ?」「? 私に料理教えてくれたのあんたじゃない」「私……が?」「こなた? あんた大丈夫?」「だ、大丈夫、なんでもな――わっ」
「……た、こなた」「ん……かがみ?」「いつまで寝てるの、遅刻しちゃうわよ?」「あ、うん」(牛乳こぼして、また、か。何かしらのイベントが起こると……。これってただの夢? それともループ入っちゃった?)
「この……真っ黒なのは何?」「め、目玉焼き?」「疑問系ですか」「いつの間にか、ね」(このかがみの特徴は料理ベタか)「全くかがみってば、料理ぐらいできるようになりなよ~」「ごめんね、今度は失敗しないから」(!? ま、まさか……)「じゃ、今度教えてあげるよ」「ホント? ありがと!」(やっぱり! このかがみは素直なんだ……やばい、これは萌える)「あ」「え? ぐっ――」
「しまった……無意識に黒こげ食べちゃったよ……そりゃ飛ぶわ」「こ~なた。起きた?」「おー、かがみんやーおはよう」「うん、おはよ♪」(おっふぉ、これまた萌えそうな予感が)
「もう! なんで悠長に『起きた?』なんて言ってるのさ! 遅刻だよ遅刻!」「だ、だって、気持ちよさそうに寝てるのを起こしたら、可哀想じゃない」(優しい子? ……いや、天然系か)「あ、そうだこれ!」「なんですかこの、みっどーり↑な液体は」「特製のかがみ汁よ!」「そうなんだ! なにが入ってるのかな!」「えーとね……うーん……、とにかく体にいいもの沢山入ってるわよ!」「へー……で、飲めと? 今?」「そうよ! はい、どうぞ!」(うっは、この満面の笑み。可愛いなぁ。くそー飲むしかないじゃん)「――あっふぉぁ!」
「ふぃー、天然って怖いね~やっぱり二次元最高だね」「こなた、おはよう」「おっ、おはよう」「着替え、出してあるから、済んだらご飯にしましょ」「はーい……」(このかがみは普通でありますように!)
「ハンカチ持った? ティッシュは? 教科書とかも忘れてないわね?」「大丈夫だよ……」「よし。ああ、ほら髪が乱れて、リボンも曲がってる。ちょっと待って」(このかがみって、こう……世話焼き?)「いいよそれぐらいー」「よくない。女の子なんだからちゃんとしなさい」(うう……細かすぎるよー)「うん、可愛くなった。これでOK.。っと、はいこれ」「なんですかこの不思議な色の液体は」「特製ドリンクよ? いつも飲んでるじゃない」(うそん……また、このパターン?)「いつも飲んでるんだ……因みに何が入ってるの?」「ゴーヤ、ケール、クレソン、よもぎ、ニンジン、トマト、ピーマン、セロリ、レタス――」「わ、わかったから、もういいから……」「じゃ、どうぞ」「俺は海賊王に! ごふっ――」
「いやぁ、入ってるものが分かるのも考え物だね、うん」「おはよぉぅっ!」「おはよー」(速攻コケたかー、このかがみは予想つくね)
(あれから階段を一段踏み外し、扉にぶつかり……間違いなくドジっ娘。朝食任せるのがすごく不安だよ)「おまたせこなた! どう? 私だって出来るでしょ!」「た、確かに」(意外。本当に出来てる。オムレツはちゃんとしてるし、パンも焦げてなくてジャムも手作り……)「召し上がれ♪」(そうだ。ドジっ娘=料理が出来ないわけじゃないんだ。つかさがそうだしね。ごめんねかがみ)「いただきま~す! ――んぅ」「?」「かがみぃ~このジャム何を、というか味見、した?」「ただのイチゴジャムだけど。あむ。……からうぃ……」「砂糖と塩、間違えたでしょ」(なるほど、こっち方向で)「う……代わりもってくる」「ああ、いいよ。別に無理に――ってかがみ危ない!」「え? ノゥ!」「イエス!」
「――しちゃった……いくらなんでも、ベタすぎだよ……コケたドジっ娘と……き、キスなんて……」「んぁ……こなた、おは、よ」「……あが……なん、なんでかがみが私のベッドで……」
「なんじゃこりゃーーー!」「朝っぱら大声出さないでよ……」「……?」「どうしたのよ?」「……結構驚いたんだけど、飛ばない?」「はぁ? 飛ぶって何よ?」「いや、ほら。ちょっとしたイベントというか衝撃で次の世界に……あれ?」「あんた……ついに……」
「どう?」「はい、本当に全部思い出しました」「述べてみよ」「宿題の手伝いを頼んだらかがみが快く――」「捏造するな!」「ふもっふの同人誌でかがみを釣って――」「そこは省略しろ!」「注文多いなぁ……とにかく、宿題手伝ってもらってうちにお泊りを」「で、私にベッドで寝ろって言ったあんたが、私が寝静まった頃に潜り込んできたと」「いやぁ、せっかくだし……ってそれを知ってるって事はかがみ?」「ち、ちがっ。それは、その……」「ふむ。デレデレかがみん」「なっ!」「ヤンデレかがみん」「は?」「料理上手なかがみん、素直なかがみん」「おい」「天然かがみん、世話焼きかがみん、ドジっ娘かがみん、と今のかがみんにない要素を見てきたわけだけど」「確かにないけど、いくつか引っかかるんだが」「このかがみが一番好きだよ♪」「ばっ、なっ、なに馬鹿なこと言ってんのよ! 好きだなんてそんなっ……」(う~ん。やっぱりツンデレかがみん萌え~)
「ふふ。いい夢が見れたようね~。次は誰に見せてあげようかしら?」「まだやるのか? 物好きだな」「大切な人のいつもと違うところを見ることで、改めて、その人の今が素晴らしいことに気付く……素敵でしょう?」「ふむ。まぁ、もっとも私は、そんな事をせずとも、今のお前が最高あることを知っているがな!」「もう、お世辞がうまいんだから」「お世辞ではない! なぁ、結婚してくれ~」「また冗談ばっかり――」
終
予告編
「かがみ!」「つかさ……?」「みゆき、さん……」
「なんで……こんなの、嫌……」
「あの子らは前に見せたはずだろう」「違うわ……今度は私じゃないの!」「何!?」
「あはははは! 積年の恨み……今こそ晴らしてやる……!」
「彼女たちは悪夢の迷宮から抜け出せるのか……! めざ☆ゆめ、劇場版っぽいの、その内公開……かも」「その内な上に決まってないんかいっ」「あたー! いや、だってかがみん、うちの作者書くペース遅いしさ」「まぁ、否定は出来ないけど。あ、そうだ。劇場に来ていただいた方には我が愛しの下僕、こなたのアホ毛ストラップをプレゼントします」「!? 貴様! ツンデレかがみじゃないな!」「さあ、どうかしらね。くく」「ひっ! ……この目……背筋が凍る感覚……私、このかがみを知ってる……?」「なんでもいいわ。めざ☆ゆめ、劇場版っぽいの、その内公開予定だそうよ」「乞うご期待!」
「あぁ、それとこの私が出演する女王様編もよろしく」
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