「体感速度」ID:O64ByEo0氏

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つかさ「お姉ちゃん!」 みゆき「かがみさん!」 こなた「かがみん・・・」 医者「残念ながら、御臨終です。」 周りの人達が泣いている。私のために泣いていると思うと申し訳ない。病室の雰囲気が嫌で廊下に出た。 ???「かがみちゃん。」 私をよぶのは誰?そこには青い髪の女性が立っていた。こなた、じゃない。思い出した。こなたのお母さん。確かかなたさんだっけ。 かがみ「あの、どうしてここに?」 かなた「あのね人は死ぬとその人の身近な人が迎えに来るの。でもあなたの身内で亡くなった人はいないでしょ。だから私が来たの。」 そして私はかなたさんに連れられゆっくり上に上がった。天国って本当に雲の上に在るんだ。 かなた「人は死ぬと一つ力を与えられるの。かがみちゃん、今からあなたに与えられた力を説明するわね。      あなたに与えられた力は時の進む速さを変える力。だけど個人の体感速度を変えるだけなの。」 かがみ「かなたさんに与えられた力は?」 かなた「私の力は死者を任意の時間に蘇らせること。だけどこちらの世界の記憶が残ってしまうの。だからこの力はあまり使えない。」 そりゃそうだろう。天国の記憶を持った人間がたくさん居ては困る。ちなみにかなたさんの話に寄れば周りの人間の記憶は修正されるらしい。ってどこぞの思念体だ!というわけで私は天国での生活は始まった。 といっても何かやらないといけないこともないので時々かなたさんと話したりして過ごした。天国というのは雲の上にあるだけで基本的に地上と変わりはない。家もあれば車も走ってる。私が慣れてきた頃、かなたさんから話したいことがあると連絡があった。連絡っていってもテレパシーみたいなもので念じたら通じるんだけど。そんなわけでかなたさんに会うと かなた「実はね、こなたがもうすぐ引っ越して来そうなの。」 かがみ「えっ引っ越して来るって!」 かなた「そう。もうあまり長くはないわ。それであなたに助けて欲しい、ううん、こなたが最期まで楽しめるように手伝って欲しいの。」 かがみ「でも私の力で。」 かなた「あなたは個人の時間体感速度を操れる。だから。」 かがみ「こなた…      わかりました。」 それから現在の状況を聞いた。こなたの余命は1ヶ月で私と同じ病気。 こなたに1ケ月を楽しんでほしい。そのために私ができることは、こなたの時間体感速度を長くすること。私は一度下界の様子を見に行くことにした。今まであまり行かなかったのは手続きとかお金とかいろいろあったから。こっちからすると海外旅行に行くような感覚なんだけどね。ついでに言うとお盆のときは格安料金でツアーも用意されてる。病院はすぐ見つかった。お見舞に行くゆたかちゃんを追っていったから。病室にはおじさんと成美さんがいた。 そうじろう「ゆーちゃん、いつもありがとうね。」 ゆたか「そんなことないです。私もこなたお姉ちゃんに会いたいし。」 ゆい「こなたはもうすぐ起きると思うよ。」 こなた「あっ、みんな来てたの。」 そうじろう「おっ、起きたか、こなた」 久しぶりに見たこなたの姿。病気のせいだろうか、とても痩せてしまった。顔色も決していいとは言えない。しかし不思議と病気に対する絶望や恐怖は感じられなかった。いや、隠しているのだろう。こなたは強い。私は死ぬ直前とても怖かった。それが抑えきれなくてつかさやみゆきやこなたに泣きついていた。本当は怖いのだ。そして自分の運命を恨んでいるのだろう。そんな姿を見て私は迷った。ここでこなたの体感速度をいくら遅くしようともいつかは時間は過ぎてしまう。それでもできるだけ周りの人達との時間をながくするべきなのだろうか。早くこの苦しみから解放するべきではないのか。しかしこなたに尋ねることはできない。突然幽霊の私が現れてそんなことを聞いたら、困るだろう。 誰か頼めないだろうか。つかさだ。あの子になら会える。この姿を見ても最初は驚くかもしれないが、話は聞いてくれるだろう。私は急いで自分の家へ向かった。何と懐かしいことだろう。私の部屋はそのままになっていた。隣のつかさの部屋から声がする。入っていくとそこにはつかさとみゆきがいた。ってつかさ、あんたはまだみゆきに手伝ってもらってたのか。それ大学のレポートだろ。ここで姿を現していいものか迷ったが決めた。みゆきもいきなり逃げ出すことはないだろう。そうはいっても突然出たら驚くだろうから最初は声だけ。 かがみ「つかさー、あんたいつまでみゆきに頼ってんの。いい加減自分の課題くらいじぶんでやりなさい。」 つかさ「え、お姉ちゃん。なんで」 みゆき「確かに今のはかがみさんの声えでした。」 かがみ「ここよ、ここ」 そういって扉の前に姿を現した。 つかみゆ「キャー」 かがみ「そんなに驚くこともないでしょ」 つかさ「お姉ちゃん、どっどうしたの」 みゆき「おっお久しぶりです。」 かがみ「二人に頼みたいことがあるのよ」 そして私は事情をはなした。二人もこなたのことは知っていてよくお見舞いに行くという。 みゆき「私たちは明日、お見舞いにいきます。そのときにさりげなくきいてみます。」 つかさ「わたしは話をきくだけにするね。さりげなくとか苦手だから。」 かがみ「ありがとう。二人とも」 翌日、三人?でお見舞いに行った。こなたには姿が見えないようにしてるから会話に参加できないのはさびしいけど高校時代に戻ったようで楽しい時間だった。 こなた「みゆきさん、これから何か予定があるの?」 みゆき「今日は何もありません。明日はわたしがお世話になった人のお墓参りにいきますが」 こなた「ふーん、お墓参りか。」 みゆき「そういえばその人が生前こんなことを言っていたんですよ。自分はもう長くない。でも病室には毎日家族が来てくれるし若いころに世話になった人もたくさん      来てくれる。だから今は時間が進むのが遅く感じられる。とても楽しいことだけど。でも時々、はやく死んでしまいたい、この苦しみから解放されたいとも思うんだ。と。泉さんはどう思います。」 こなた「わたしは最後まで生きたい。自分に与えられた時間をゆっくりと大好きな人たちと。」 わかった、私のするべきことが。 私は急いで天国に戻った。こなたに残された時間はあと30日。それからは忙しい日々が続いた。自分の力といへども、使うためには何かと準備が必要なのだ。あっというまに30日は過ぎた。つまりこなたは引っ越してきた。こなたの最期を私はしらない。立ち会うこともできたけど、それは辛すぎた。迎えにはかなたさんがいったみたい。でもこちらにきて最初に私のところに会いに来てくれたのはうれしかった。それからしばらくしてかなたさんに再び呼び出された。今度は何だろう。 かなた「実は二人に相談があるの。このまま二人ともここに残るか、私の力を使って地上に戻るか。」 かがみ「かなたさん...」 こなた「わたしは戻ってもいい。だけどお母さんは?」 かなた「それは無理なの。自分の力を自分に対して使うことはできないわ。でもね私はあなたたちにもっと生きてほしいの。きめるのはあなたたちよ」 私とこなたは戻ることに決めた。そして戻る日。 かがみ「いろいろとありがとうございました。」 こなた「じゃあいってくるよ」 かなた「二人とも幸せに暮らすのよ」 私たちは帰ってきた。私が病に倒れる前に。今は二人でかなたさんのお墓に行くことが習慣となっている。また会う日まで。

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