ID:SEFKjvzo0氏:タイトル不明

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「こなちゃん。雨だね」 「そだね」 「雨・・・嬉しい?」 「なんで?」 「ううん、なんか嬉しそうな顔してたから」 「ん~まぁ安心してアニメが見れるからねぇ」 「そういえば、そんなことも言ってたね」 「そう言うつかさはどうなのさ?」 「ん~じめじめして私は苦手」 「あぁ前もそんなこと言ってたね」 「お洗濯物とか、なかなか乾かないし」 「あぁ・・・確かに乾かないねぇ」 「お姉ちゃん・・・こないね」 「こないねぇ」 「おっすこなた。つかさ」 「あ、お姉ちゃん」 「? 二人してなに辛気臭い顔してるのよ?」 「いやぁ、やっぱりかがみんが居ないとツマラナイなぁってね」 「うんうん。お姉ちゃん居ないとね」 「はぁ? まぁいいわ。みゆきは?」 「委員会の仕事がなんたらとか」 「ふーん。それであんた達は昼休みに外眺めて何してたのよ?」 「雨のことでね」 「雨?」 「雨が嬉しいか嬉しくないかってお話してたの」 「かがみんはどうなのさ?」 「私?ん~あんまり好きじゃないかなぁ」 「ほほぅ・・・かがみんのことだから、てっきり好きだと思ってたぁよ」 「へ?どうしてよ?」 「この私と出会えた日も雨だったじゃない?」 「あぁ。そんなこともあったわね。でも、それがどうして雨が好きなことに繋がるのよ」 「大好きな私のことを思い出す雨・・・あぁ切ないねぇ」 「はぁ?いつ誰があんたのことを好きなんて言ったのよ!」 「ふふ・・・私と同じクラスになりたいからって文系に変えたのは誰かなぁ?」 「べ、別にあんたの為に変えたわけじゃないわよ!」 「照れるな照れるなかがみんや。おぉ可愛いなぁ。なでなでしてあげる」 「こ、こなた、また喧嘩売ってる?」 「お姉ちゃんとこなちゃん。ほんと仲いいね」 「つかさ、何処をどう見てそういう結論に至ったのよ」 「えっと・・・ありのままを見て?」 「お~よちよち」 「こ、こなたぁ!」 「あれ?でも。そういえば・・・」 「?」 「?」 「私がこなちゃんにお姉ちゃんを紹介した時、雨降ってたっけ?」 「あぁあれ実は二度目」 「えぇ~~~!?そうだったんだ?」 「そうそう。初めて会った時は雨降ってたんだよね」 「そうね。場所は確か・・・」 「ゲマズだったね」 「そこでどうやって知り合ったの?」 「え~っとたしかぁ」 ――――――ふたりの雨とひとつの傘―――――― ――――――――――――――――――――――――――――――――――――― うぅ、届かない・・・ お目当ての本は、棚の最上段。 こういう時は背の低さを少し呪ってしまう。 「ん~~~~!!ん~~~~!!」 後、少しで届くんだけど・・・ 「これ?」 「え?」 お目当ての本を目の前の女の子が取ってくれていた。 「これで良かった?」 「え?え?」 「あなたが取ろうとしてた本よ」 「そう・・・だけど」 私がそういうと、「はい」と彼女が本を手渡してくれた。 「あ、ありがとう」 「どういたしまして。今度、高いとこの取ろうという時はそこの使いなよ?」 脚立を指差す彼女。そういえばあったね。 もう片方の彼女の手に持ってるのは。 「フルメタ?」 「え? あ・・・」 彼女が「しまった」みたいな顔で後ろ手に隠す。 「いや、私オタクじゃないし。フルメタルパニックなんて読まないわよ」 「私、フルメタって言ったんだけど・・・」 「!!」 また「しまった」みたいな顔になる彼女は手で顔を隠す。 「ふーん、やっぱり」 「いや、別に、これは、なんというか・・・」 「隠す必要なんてないじゃん」 「隠してなんてないわよ!」 「いや、どう見ても隠してたし」 「も、もう!だからどうだって言うのよ!」 「私、好きだよ」 「へ?」 「活字苦手だから小説は読まないんだけど、アニメは好きだよ。フルメタ」 「そ、そうなんだ?」 そういう私に彼女は少しニヤけた顔を、フルメタで隠していた。 「どんなとこが・・・好き?」 「宗介の不器用なとことか、それよりも不器用なかなめとの恋とか。  後、アニオタの熱いキャラとか、ラムダドライバの燃える展開とかっ」 「へ、へぇ・・・結構好きなんだ?」 「そだね。アニメではかなり好きな方だよ」 「小説・・・読んでみない?」 「ん~~活字苦手だし」 「見てみなってぇ!絶対面白いから!」 そういうと彼女は手にしたフルメタを私に差し出してきた。 「ん~じゃあ、ちょっとだけ」 ぱらぱらっとページをめくって見るけど、やっぱり活字が頭に入ってこない。後、 「先生。これ何巻ですか?途中からとかワケ分かりませんよ」 「あぁ、そだった・・・」 不満顔の私にうろたえる彼女。 「絶対面白いからさ。今度1巻から貸してあげるから読んでみなよ」 「ん~やっぱり活字は頭に入ってこないから良いよ」 「そう・・・」 寂しそうに俯く彼女。ちょっとそっけなさ過ぎたかな。 「今は読む気はないけど、今後もそうか分からないし、読みたくなった時はさ」 「へ?」 「そん時は貸してよ。フルメタ」 「え、えぇ!」 嬉しそうな顔で笑う彼女を見てて思う。 百面相。割と見てて面白い。 「ちょっと待ってて。レジ行ってくる」 「あぁ、私もまだ買ってないから行くわ」 そう言って、私達はレジで会計を済ます。 「今からそこのマックに行くつもりだけど、一緒に寄って行かない?」 「いいわよ、せっかく知り合ったんだし」 「あ・・・雨」 「そうね」 「傘、持ってきてない・・・」 「天気予報見なかったの?」 「予報なんて信用してないから見ないし、出る時、晴れてたから」 「はぁ・・・しょうがないわねぇ」 そういって彼女が鞄から折り畳み傘を取り出して広げた。 「入りな」 「ありがと」 よく分からないけど、こういう時ってなんだか照れる。 「あ、そういえば」 ? 「名前、聞いてなかったね」 そういえば、そうだった。 マックの店内。 軽快なBGMが流れる店内で戦利品を鑑賞しつつ、片手間にポテトを口に運ぶ私。 視線を上げると彼女も黙々とフルメタを読んでいるようだ。 こういう時、中学の頃の友達だったら、会話がメインになってしまって読むことに集中させてくれなかった。 話すことが苦手というわけではない。 でも、せっかく買ったんだから、こういう時は本を読んでいたいのだ。 今、目の前で黙々と読んでいる彼女もそういう節があるようだ。 ふと、視線が合う。 「ん?なに?」 「いや、女の子にしては、こういった場所で、そういう風に読みふけるのは珍しいなって思って」 「あんたも女の子でしょうが」 「そ、なんだけどね」 「まぁ、言いたいことは分からないでもないけどね」 「でしょ?」 「私の友達もああいったところとか、こういう本には興味が無いみたいだし」 「同じ趣味を持つ友達ってのは、なかなかねぇ・・・」 「特にこういった類で女の子の同士を見つけるのは、難しいわねぇ」 「だね」 「まぁでも、こうやってお仲間を見つけられたのは不幸中の幸いね」 「といっても、ちょっと系統違うけどね」 「いつか染めてあげるわよ♪」 「ぐふ・・・お手柔らかに」 「そういえば、こなた。家はどこら辺なの?」 「あぁえっとね・・・最寄は幸手」 「ふーん、結構近いのね」 「へ?そなの?」 「えぇ、その先の日光にある神社の子なの、私」 「へぇ・・・じゃあ巫女さんやってたり?」 「たまに手伝いでね」 「柊・・・かがみ」 「何よ・・・?突然」 「ううん、なんでもー」 「まぁいいけど。それにしても、偶然が重なるわねぇ」 「運命、だったりしてね」 「そんなわけないでしょ。ふふ」 やっぱり、同好の趣味を持つと友達になりやすいのかなぁ。 出会って数時間も経たないけど、なんだか私達はすごく仲良くなれてる気がする。 ゲーム並に出来すぎた偶然は本当に運命かもしれないと思わせる。 次はー幸手ー幸手ー 「あ、もう幸手だ」 「そうね」 「傘、助かったよ。ありがとうね」 「別に、行く先は一緒だったんだし構わないわよ。  それより家近くなの?良かったら傘貸そうか?」 「ううん、大丈夫。電話してお父さんに迎えに来てもらうから」 「そっか」 ちょっと寂しそうな顔を見せるこの子は、きっと世話焼きさんなんだろう。 電車の扉が開くと同時に飛び出す私。 「あぁそうそう」 「何よ? 早く言わないと扉閉まっちゃうわよ」 「つかさによろしくね」 「あれ?あの子知ってたの?」 「うん。同じクラスの友達」 「そうだったんだ?ますます偶然が重なるわね」 「そうかもね。それじゃあ!」 「えぇ、またね」 プシューっと気の抜けた音と共に電車の扉が閉まる。 私達は、ただなんとなくお互いの姿が見えなくなるまで目を合わせていた。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「と、かがみんとの馴れ初めはそういう感じだったのですよ」 「へぇ~そうだったんだぁ・・・」 「まぁ偶然というには偶然が重なり過ぎた出会いではあったわね」 「だからかぁ・・・」 「どしたの、つかさ?」 「えっとね、こなちゃんに紹介する前日にね。  お姉ちゃんが私の友達紹介して欲しいって急に言ってきたの」 「あ・・・あぁ・・・」 「ふふーん。詳しく聞かせてもらいましょうか?かがみんや」 「ちょっとつかさ!それ黙っててって言ったでしょうが!」 「あ、ごめーん・・・」 「いいではないか、いいではないか。そんなに私のことが気になったのかな?」 「く・・・くぅぅぅぅ~~~~~」 「あれ?皆さんどうかしたのですか?」 「あ、みゆきちゃんお疲れ様」 「お気遣いありがとうございます。  それで、かがみさんとこなたさんは何をしていらっしゃるのですか?」 「いやぁ愛情表現?」 「んなわけあるか!は~な~れ~ろ~!!」 あの日から時間があれば、会いに来てくれるかがみ。 ちょっと嗜好は違っても、同好の友達が居るってのは、とてもありがたいと思う。 まぁことあるごとにラノベ読ませようとしてくるのはご愛嬌ってことで。 こんな日が明日からも続くのであった。 おしまい。

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