ID:xNBnE.DO氏:サイバー☆ゆーちゃんAnother~ゆたかの秘密・ひよりの好奇心~

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ID:xNBnE.DO氏:サイバー☆ゆーちゃんAnother~ゆたかの秘密・ひよりの好奇心~ 「あはは、でね……」 「ふふ……泉先輩らしいな……」 「そーっスね、さすが先輩……」 私は今、みなみちゃんの家に来ています。田村さんも一緒です。 パトリシアさんは仕事が忙しいそうで、ちょっと残念。まあまた遊べる日は来るよね。 「ふう……」 小さくため息をついて、庭で寝そべっているチェリーちゃんに目を向けました。 「……ゆたか?」 「どうしたスか?」 「あ、えっと……パトリシアさんはいないけど、またこうしてみんなで遊べてるなんて、夢みたいだなぁって……」 私は一度、死んでしまいました。 でも、私は機械の身体となってではあるけど生き長らえています。 もう二度と見ることはないだろうと思っていた光景が……目の前にある。それがすっごく嬉しくて…… 「……夢じゃないよ、ゆたか」 「そうっスよ。ちゃんと私達の目の前にいるっス!」 「うんっ」 ここにいられるという奇跡を噛み締めながら、私達は一緒に遊びました。 そして……気が付いたらもう5時を回るころでした。 「あ、もうこんな時間だね」 「じゃあ……夕食、食べていく?」 「いくっス!」 ハンガーからエプロンをとって着るみなみちゃん。とってもよく似合ってるよ。 「何が食べたい?」 「私はカレーがいいっス! 小早川さんは?」 「た、田村さん!!」 「あ……」 みなみちゃんに言われて、はっとしたように口を掌で覆いました。 そう、私は機械の身体。物を食べることは……できないんです。 「ご……ごめんなさい……」 「う、ううん。気にしてないから。じゃあみなみちゃん、コンセント借りるね」 そう言って、私は背中からプラグを抜いてみなみちゃんの部屋のコンセントに差しました。 私のご飯は電気……。こうやって家のコンセントから充電するんです。 「じゃあみなみちゃん、お願い。田村さん、おやすみなさ」 ――ブチッ 『い』 「……こ、小早川さん……どうしたんスか……?」 な、なんか岩崎さんが首筋のハッチを開けて、中のスイッチを押した瞬間に動きが止まって…… 「今……ゆたかは電源を切ってる。充電中でも動けるんだけど、電力が充分に蓄まらないからって、一人じゃない時は毎回電源を切って充分してるみたい……」 「は、はぁ……ケータイみたいっスね……」 「えっと、カレー……だっけ。今すぐ作るから」 扉を開けて岩崎さんは台所に向かったっス。 私はというと……機能停止した小早川さんと二人……ううん、実質一人きり。 「……電源が切れた、か……」 本当に何も反応しないんスかねぇ? そう思った私はおもむろに小早川さんに近づいてみた。 機能停止した小早川さんは、電源を切る前と同じ状態で止まっていた。 身体もピクリとも動かないし、瞬きもしない……呼吸もしてる様子はなくて、完全に死んでいるように見える。 「ふわー……本当に動かない……」 目の前で掌をひらひらさせてみても黒目は動かない。そっと耳に息を吹き掛けても反応はなし。 「……やっぱり、こういう時は……イタズラってのが定番だよね……」 ポケットからペンを取り出していろいろやってみることにしたっス。 まず、額に『肉』…… 「は、定番過ぎっスよねぇ……」 うーん……なにかおもしろそうな落書きは…… ふと閃いた。『焼肉』はどうか。 焼肉マン……うん、斬新だ。書いておこうっと。 お次は……頬にピンク色の渦巻きっ。 「……これもお約束っスよねぇ……」 いっそのことピンク色の竜巻にしてみようかな。車とか人とかも飛ばされてるリアルなの。 キュッキュッ……と。楽しいなぁ、これ…… さて、お次は髪型をいじってみるっスかね。 小早川さんの髪は短いスからね、なにかいい髪型はないかな…… 「……ぽに」 不意に懐かしい単語がでて気が付いた。 そうだよ、ポニーテールだ! 小早川さんのポニーテール……ぐはっ、想像しただけでも…… それからしばらく、小早川さんをいじくり回してみたっス。 テレビだとモザイクがかかりそうなこととかもいろいろやってみたけど…… 「ぜ、ぜんぜん起きないっスね……」 これだけやっても起きないってことは、本気で今『死んでいる』状態なんだ…… 「……見た目は普通の女の子なんスけどねぇ……」 機械の身体になってから一度だけ小早川さんが着替えるところを見てしまったんだけど、昔の小早川さんとほとんど変わってなかったっス。なんとゆー技術力…… これじゃあ、サイボーグだって言われてもちょっとやそっとのことじゃ信用できないのが普通じゃないスかね? 「身体を揺すっても起きるわけがな――」 何気なく小早川さんの肩に手を置いた、まさにその時だった。 ――カチャ……ゴトッ 小早川さんの頭が……床に落ちて……コロコロと……転が……? 「~~~~~~~~~~~~~!!!?」 ななななななななな!! 何が起こったっスか!? 「あ、あれ? なんか真っ暗だよぅ……」 しっ、しかも小早川さんが起きたっス!! 電源を切ってたはずじゃなかったんスかぁ!? 「み、みなみちゃん? 田村さん? いるの?」 「ははははははははい!! こここここここにいるっス!!」 あたふたあたふたあたふたあたふたあたふたあたふたあた(ry 「た、田村さん、落ち着いて! 深く息を吸って……」 スー……ハー……スー……ハー…… う、うん、心臓の鼓動は治まらないけど、だいぶまともになってきたっス…… 「ごめんね、田村さん。まだ話してなかったからびっくりしちゃったよね」 「し、心臓が止まるかと思ったよ……」 とりあえず岩崎さんのベッドの下に入った小早川さんの頭を出して、ベッドの上に乗せて会話するっス。 「私ね、『なにがあっても知能・記憶だけは守らなくちゃいけない』って言われてるの。身体は作り直せるけど、記憶までは戻らないからって」 「な、なるほど……さっきのは緊急脱出用の処置スか……」 「あとね、私の頭の中はちょっと空洞ができたの。話すと長くなるから理由は省くけど……その空洞に予備電源を入れて、頭だけでも二時間くらいなら生きてられるようになったの」 「つ、つまり小早川さんは今……予備電源で生きているってことっスよね……」 「うん。予備電源も充電できるから今は大丈夫だけどね」 そんなことが……これは同人誌でも使えそうっスね。 後で小早川さんからいろいろ聞き出そうっと。 「ただ、こうなると自分一人じゃ動けなくなっちゃうんだよね。身体は頭と繋がってないから動かないし、頭だけだと……」 「と、とにかく頭を戻すっスね」 小早川さんの頭を持って、最初とまったく同じ態勢の身体の上に置いたっス。 「肩にボタンって、結構簡単に首外れちゃうっスね」 「うーん、確かにそうかも。ボタンの位置を変えて」 ――カチャ、ヒュゥゥゥン…… 「もら……お…………」 「小早川さん!?」 ……音からして予備電源ダウン? 身体の電源を切ってるから、それに合わせてるのかな。 っと、さっきのショックで完璧に忘れてた。小早川さんの顔を元に戻さなくては。岩崎さんに見られたら、怒られる可能性が…… ――ガチャ 「田村さん、もう少しでカレーができ」 「あ」 ……い、岩崎さん……タイミング悪すぎっス…… 「……」 あ、ああっ! 無言の岩崎さんの背後に『ゴゴゴゴ』という文字が見えるっス! 「……ゆたかに……何をしてたの……?」 ……それから数分後……私は地獄を見てきたっス……

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