ID:e3rSUjg0氏:ーばいばい、かがみんー

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(前スレで)1000ならこなたの身長はがんがん伸びて、気は優しくて力持ち、 更に内心は乙女チックな、某まこちゃん化する。というのを考えて、考えた。 夕暮れの歩道橋、その柵に肘を付いて、こなたは物思いに更けていた。 あれから数年が経っていた。かつての親友達とは、再会を誓い合ったものの、 未だそれは果たされていない。 卒業以来、こなたは胸のくすぶりに苛まされていた。 一か八か、賭けに出るべきだったと、今更ながら後悔していた。 「…ホント今更だよ…遅いよ…。何やってんだろ、私」 辺りを包む茜に、小さな嘆きが吸い込まれていく。 「会いたいよ…かがみん…」携帯を開くと、あの頃のかがみが微笑んでいた。 それはかがみからの着信用に設定した、こなたが最も気に入っている画像だった。 滅多に表示されないその画像を見て、こなたは溜め息を漏らす。 「私の事…忘れちゃったのかな?嫌いになっちゃったのかな?  もしかしたら、本当は嫌いだったのかな…ううん、忙しいだけ…だよね…」 憂鬱な気分を払えぬまま、携帯を閉じると、 背後から懐かしい声が聞こえて、こなたはっと振り返った。 『な~にしけてんだ!?』「かがっ…」『あ…木冬ちゃん』 見ず知らずの少女達であった。背の低い少女と、彼女の背を叩くもう1人少女、 2人はこなたの視線など知る由もなく、雑踏に消えていった。 (…かがみに…そっくりだ…)木冬と呼ばれたツインテールの少女に、こなたは心で呟いた。 夜、風呂上がりのこなたは、鳴り響く携帯のメロディに胸を踊らせていた。 [着信 柊かがみ]サブディに、愛しき文字がに煌めいている。「もしもし!かがみ!?」 夢にまで見た相手からの着信に、自然と意気も高まってくる。  「よっ、こなた。覚えてるか?私、かがみだけど」「忘れるわけないじゃん!!」 今度の日曜日に会う、そう約束を付け、電話での会話は終了した。 「むっふふ~ん♪かっがみ~ん♪」眠れぬ夜を過ごし、こなたは翌日遅刻した。 そして日曜、こなたはとある喫茶店に来ていた。 再会が待ち遠しくて、30分前にも関わらず、何度も時間を確認してしまう。 約束の5分前になって、ようやく背後から声がかけられた。 「よっ、こなた、久しぶり!」喜々して振り返ると、そこにいたのは、 見知らぬ女性だった。染みの目立つ顔に、小肥りした体躯、釣り目にショートカット 見覚えのないその女性は、遠慮なく椅子に腰をかけ、話を続ける。 「あんたも変わったわよね、あんなに子供っぽかったのに。まるで別人じゃない」 恐る恐るこなたは聞いてみる。「あ…の…、もしかして…かがみ?」 女性は、肥えた口をニンマリと吊り上げ「私も変わったでしょ?変わりすぎよね♪」 そう答えた。それからの会話を、こなたはあまり理解していない。 大学を辞めた、彼氏に振られた、お菓子を食べ過ぎた、職を転々としている… 何となくかがみの言葉が耳に入ってくる。それだけ。そんな中、 かがみは身を乗り出して、「こなた、あんた今、幸せ?」そう、聞いてきた。 かがみの手元には、1冊の冊子が置かれていた。嫌な気がして、こなたも聞いてみた。 「あのさ…かがみ、…それ…宗教の?」それは、家の書庫でも見た冊子だった。 「まぁね。こなた、知ってる?ほら、ココ、ココ読んでみて!」 かがみの開いた頁には、終末に関する言文がびっしりと綴られていた。 「これから会合があるの。こなたも行きましょ?友達も沢山できるわ。ね?こなた」 いつ、どこから、どうやって抜けてきたのか、こなたは覚えていない。 夕闇の近い歩道橋の上で、こなたは1人、咽び泣いていた。 「…ばい…ばい…かが…みん…」こなたは携帯から、かがみの記憶を、消した。  「こな…ちゃん?」「…?…え?」すぐそこに、自分を見つめる懐かしい顔があった。 こなたは動揺し、そして、気が付いたら、つかさの胸で泣いていた。 こなたは知らなかった。つかさの鞄の中に、アレとは別の宗教の、冊子が、ある事を。終  

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