ID:sI41U9Y0氏:50行までて事で詰め込みゾイドSS -ZAC20××漢の戦い

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「そうくん、今度はいつ戻れるの?」幼いこなたを抱き、かなたが尋ねる。 「戦状は激化してるって言うからな…まだ何とも…かな」昼下がりの泉家、 必要な物資をトランクに詰め、そうじろうはそう答える。鍵を閉める前にもう一度確認し、 蓋の内ポケットから1枚の写真を取り出す。それは、こなたの出生後、間もなく撮った、 家族のスナップだった。こなたを胸に、たおやかに笑うかなたと、 その肩を抱くそうじろう。そして麗らかな日を浴びる公園。そこはまるで、 戦争のあるこの世界とは別の次元だった。写真の裏には『絶対帰ってきてね』と、 かなたからのメッセージが書かれていた。 この写真は、そうじろうにとって何よりの心の拠、そして御守だった。 「いつになるか判らないけどさ、いつもの通り美味い料理作ってさ、待っててくれよ」 かなたを見て、そうじろうはにんまり微笑む。しかし、かなたの表情は晴れなかった。 「…うん」戦争と言う現実が重く乗し掛る。人と人が直接殺し合う、戦争。 国の為、ゾイドを駆使して、見知らぬ相手を討つ。至極簡単な理屈。 殺される者を想えば、やりきれない気持ちになるかなただった。 「任期が終ればお役御免だ。それまでの辛抱だから。な?かなた」 「…うん」今更どうこう言っても仕方がない。夫の身を案じ、 今は只、見送るしかない。釈然としない気持ちを拭い、かなたはなんとか笑顔を繕う。 「絶対、帰ってきてね」出撃の度に聞かされる言葉。無事であってほしいと言う願い、 励まし、様々な意味を孕んだ、そうじろうへの呪文であった。 「当たり前じゃないか。ここへ必ず帰ってくる。俺は不死身だよ?」 親指を立ててサムズアップ。更にそこをぐりぐり回して、そうじろうはおどけて見せる。 「…ぷぷ、うん。待ってる。待ってるからね。そうくん」 ようやく笑顔らしい笑顔を見せるかなただった。 玄関を出ると、そうじろうは移動用の小型ゾイドに荷物を載せる。 アニメの絵が描かれたそれは、痛車ならぬ痛ゾイドだった。ゾイドには感情がある。 果たしてこのゾイド、バトルローバーは、この主をどう見ているのだろうか。 「じゃ、行ってくる!家のことは任せた!あと、愛してるゼ、かなどわぁぁぁぁ!?」 操縦ミスか、或いはバトルローバーの意思か、別れを告がせぬ儘、痛ゾイドは疾駆した。 白昼、そうじろうは、シールドライガーMKⅡのコクピットの中で、写真を眺めていた。 そこに突然、無線が入ってきた。モニターが相手の顔を写し出す。同期の立木だ。 「お前、今度軍、辞めるんだってな」一瞬ドキリとした。 「え…」上にだけしか伝えてないはず、と不審に思うも、すぐに合点する。 「ホーエル少佐か…」どこにでもいそうな普通のオバサン風情の上官。ホーエル少佐。 「あの人に話したのが運の尽きだったな。皆も知ってるぜ?」予測しうる事態。 そうじろうは少なからず、彼女に告げた事を後悔していた。 「お前が抜けるのは辛いが、こればっかりはな。だからさ」そう言った所で 別の無線が入ってきた。敵機接近、急接近するゾイド有り。全機散開。 立木達のディバイソンが、猛進するブラックライモスの群れを、17連突撃砲で撃滅。 そうじろう機、ライガーMKⅡも負けじ劣らず、牙や爪、背部のビームキャノンで、 続くレッドホーンとツインホーンに強襲をかける。しかし彼等はまるで気付かなかった。 死を呼ぶ恐竜がすぐ側に潜んでいる事を…。 数ヶ月後のある日、泉家に1機の痛ゾイドが辿り着いた。パイロットは全身包帯にまみれ、 降りて早々、出迎えた妻に抱かれ、静かに目を閉じた。 そうじろうが目を覚ましたのは、それから3日後の事だった。 握る小さな指が微かな動きを感じ、彼の目が、朧気ながらにかなたを捉えた。 「ただ…いま」やっと、物書きとしてやっていける、そうじろうは呟き、軍からの 正式な書面を、かなたに手渡した。それに目を通し、かなたは涙を流すのだった。 後日、そうじろうは再び各地を周り、戦争の一部始終を本にまとめる事を決意。 後の公式ファンブックである。そしてバトルローバーの絵は、日増しに増えていくのであった。 「そうくん、アンナって、誰?」かなたは1枚の写真を手に、そうじろうを睨みつけた…終

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