ハル×らき

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「……なんで俺たち、あんなところでポスターになってるんだ?」 気が付いて、最初に発した言葉はそれだった ここはどこかの本屋だろう、俺たちは普通に下校をしていただけなのに そして俺たちの目の前には、『涼宮ハルヒの憂鬱』と銘打ったポスターが貼られていた 「キョン! なんでアタシ達がこんなに有名になってるのよ!?」 俺に聞かれても困る。俺がここに連れてきたわけじゃあるまいに 「ここはおそらく、平行世界の本屋」 「「平行世界?」」 俺とハルヒが声を揃えて聞き返した 「平行世界って、別次元の地球ってことだよな?」 「わかりやすく言うと、そうなる。平行世界は、私達の世界でアニメや漫画になっていることが多い」 「なるほど、こっちの世界では、平行世界にいる俺たちが漫画・アニメ化されてるわけだな」 しかも、『2008年アニメ第二期』。大ヒット御礼だ。ハルヒが喜びそうな…… 「って、おい。ハルヒはどこ行った?」 「この角を右へ曲がっていった」 おいおい……。俺たちはつまり有名人なわけだろ? あんまりうろついてると騒がれて…… 「それはない。コスプレと思ってくれるはず」 「そうかい……」 「キョン!」 どこへ行ってたのやら、ハルヒが走りながら戻ってきた 「いま探してきたんだけど、『らき☆すた』がないわ!」 「『らき☆すた』が、か……?」 らき☆すたとは、俺たちの世界で大ヒットした四コマ漫画 アニメ化もされたのだが、そのOPが2007年のオリコンベスト50に入り、今や知らない人はいないくらい有名な漫画だ ちなみに今、ハルヒが一番のめり込んでいる漫画だったりする 「もう、せっかく本屋に来たんだし、五巻買おうと思ったのに……」 「その世界の住人を描いた漫画は、その世界には存在しない」 「なるほど。だから俺たちの世界に『涼宮ハルヒの憂鬱』がなかったんだな」 「ちょっと待って。今ここに『らき☆すた』がないってことは……」 「ああ~~~~~!!!」 急にした、誰かの大声。振り返るとそこには、青い髪を地面スレスレまで伸ばした少女が、俺たちを指差して震えていた その両脇に、薄紫色の髪に黄色いリボンを付けた少女。同じく薄紫色の髪をツインテールにしている少女 「き、ききき、キョン!?ハルヒ!? ナガモン!? 」 「きゃああああ!!! 本物!! 本物の泉こなただわ!!!」 青い髪の少女とハルヒは感動からか、お互いに抱きついた 「え、えーっと……本人、ですか……?」 ツインテールの少女が俺に問い掛けてきた 「いかにも俺は本物だ。この長門とハルヒもな。柊かがみちゃん。妹の柊つかさちゃん」 「え!?」 「な、なんで私達のことを!?」 驚いてるな。無理もない、こっちでは一般市民のはずだからな 「話は後にして、一旦外に出よう。ほら、そっちも落ち着け」 俺たちはとりあえず、この本屋(アニメイト秋葉原店だったらしい)を後にした

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