ID:3DZxRkRs氏:年越しそば

「ID:3DZxRkRs氏:年越しそば」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

ID:3DZxRkRs氏:年越しそば」(2008/01/02 (水) 17:08:40) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

ー年越しそばー TVからは新鋭アーティストの流行歌が流れていた。 今は女性、いわゆる赤だ。彼女の次は男性、こちらは白。 これを繰り返し、そして番組の最後に採点が行われ、 文字通り雌雄が決するのである。 「そう君、お餅入れる?」 歌に割り込むように、台所からかなたが聞いてきた。 「ん~、じゃ、2個」 振り向いてそうじろうはVサインを送る。 「食べ過ぎだよ」 と言いつつも、しっかりかなたは2個お餅を入れていた。 醤油をベースにした良い香りが漂ってくる。 くんくんと鼻を鳴らすと、口の中に何かが湧いてくるのを感じ そうじろうはその中で涎を垂らすのだった。 「おまたせ」 かなたがお椀を持って来る頃には、歌はもう切り替わっていた。 男性アイドル達が歌と踊りを披露し、会場を黄色い声で染めていた。 そうじろうはお椀を口にあて、まずは汁を一口すする。 「ん…美味い」 口の中に醤油や鰹節、様々な具の、シンプルながら奥深い味が広がってくる。 「何と言うか…愛を感じるよ。かなた」 「もう」と、かなたは耳の辺りを赤く染めていた。 そんな嫁が愛しくて、もって照れさせてやろうと画策するも、上手い言葉が見付からない。 作家のくせにダメだろ、と思いつつ、そうじろうは思案する。その末、 「家族ってさ」頭をよぎった言葉。 「そばなんだよな」?顔のかなたは首を傾げる。 「美味しいつゆを吸ってさ、ぐんぐんぐんぐん成長する。  つゆはお前の料理であり、愛情だ。で、このそばは俺達自身。  そこに具…まぁ、友人とか?知り合い?そいつらにも支えられてさ、  俺達はもっと美味しくなっていくんだ」 「なにそれ~(笑)」と、かなたは笑って…あれ? 気が付いたら採点も終り、除夜の鐘が響いていた。 「はは、まぁ、今年も1年、ありがとな。かなた」 「うん。来年もよろしくね。そう君」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー年越しそば・終ーーー

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示:
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。