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「うそ!?」 そう言って、こなちゃんは膝からがくんと落ちちゃったんだ。 肩に触るとこなちゃんの体全身が震えてるのが分かる。泣いてる。 私ももらい泣きした。 二人でわんわん、涙が枯れるまで泣き続けた。 <<<忘れ物>>> いきなりのことだったから、私にもまだ何が起きてるのかつかめない。こなちゃんもそうだと思うけど。。。 私だって悲しかった。悲しかったけど、たぶんこなちゃん。。。自分の事、すごく責めていたと思うよ。 ――――二日前 チアダンスが成功して、みんなすっごいいい気分だったんだよ! 普段から無口でおとなしいみなみちゃんまで一緒になって、飛び跳ねたり、抱き合ったりしてさ。 私もすっごいはしゃいだよー。そしたらね、はしゃぎすぎだー!ってお姉ちゃんに怒られちゃった! 「でも、かがみんや~、ホントはかがみんもはしゃぎたいんでしょ?」 「う、うるさいなー!私まで一緒になってはしゃいでたら、誰がみんなをまとめるのよ!?」 「そういうまじめなかがみさんだからこそ、皆さんに好かれるんでしょうね?」 「そうでーす!かがみはみんなに愛されてマース!」 「ちょ、や、やめてよ!?は、はずかしいじゃない!」 赤くなったお姉ちゃんは私から見てもすっごいかわいいよ! 「おやおや~、かがみんキレがなくなちゃたよ~?」 「ひぃらぎ~ちょっとなら羽目はずしてもいいんだぞー!」 「うるさいうるさいうるさぁーい!言われなくたってはずしてやるわよっ!!!」 どっと、沸きかえる私たち。 控え室に借りた教室の中が一段と明るくなって、とっても楽しかったよ! 私たちの真ん中にはいつもお姉ちゃんがいて、私はそれが自分のことのようにいつも誇らしかったの。 私一人じゃ何にも出来ないけど、お姉ちゃんがいればなんでも出来る気がした。 そりゃあ、ちょっとは嫉妬したりしたこともあるけれど、でも、やっぱりお姉ちゃんがいてくれてよかったって思うよ。 皆でいろいろとチアダンスの反省しながら着替えが終わり、私たちはそれぞれのクラスに戻っていった。 お姉ちゃんとみさおちゃん、あやのちゃんはお化け屋敷へ、私たちは占いの館へ。 高校最後の文化祭か~。なんかちょっとさびしいね。来年の今頃は何してるんだろ? さすがに私もお姉ちゃん離れしなきゃね。私は調理師になりたいし、お姉ちゃんはあと4年間は勉強するだろうしね。 あ、お姉ちゃんだ!あっち行っちゃった。こなちゃんなんか雰囲気出してるもんねー。 私はおせんべい湿気っちゃいそうだよ!誰か来てー! 1日目が過ぎ、2日目も無事に終わり私たちはかねてからの約束どおり、陵桜のすぐ近くにあるカラオケのパーティールームで チア打ち上げに向かったの。 部屋はゆきちゃんが予約してくれてたし、食べ物とかは、 「いやいや、姉さんたちにパシリはさせられないッス!自分が行くッス!」 って、ひよりちゃんが張り切ってたから大丈夫かな? 「つかさ、お待たせ~」 「あれ?お姉ちゃんは?」 「ん?かがみは髪の毛がどうとか言ってたよ?ほら、なんか白髪のカツラかぶってたから、ぐちゃぐちゃなんだよ!」 そういってこなちゃんはお姉ちゃんの物まねしながら髪の毛をくしゃくしゃしてた。 ほんとこなちゃんって楽しくて、面白いよね~。って、あ!? 「それ、誰の物まねなのよ!」 「イテテテー、うおぅ、凶暴かがみんさまだー!」 「あはは、こなちゃん、ちょっとひどいよ!?」 「つかさぁ!あんたまで一緒になって笑わなくてもいいんじゃない?」 「ごめんー、ごめんねお姉ちゃん。でも、ちょっとだけこなちゃんの物まねそっくりだったから、なおさら・・・」 「えー!?なんか、いやだなー、こなたと似てるとかって」 「どんだけ~」 「いかほど~」 本当に楽しかった!チアが成功したっていう余韻もあったし、いつもの顔ぶれっていう安心感もある。 今から楽しいことがあるっていう期待感とかいろいろなものが綯交ぜになって、すっごく楽しく感じたの! でも、このときはこれから起きる出来事なんて想像すらしなかった。 「こっちで合ってるの?」 「うん、確かこっちだって言ってたよ~」 「みゆきさん遅れてるからって先に行っちゃうんだもんな~。うちの生徒以外は平日なんだから、そんなに焦らなくてもねー」 「そこがみゆきのいいところじゃない?みゆきがいなかったらあんたたち二人の世話、私一人でなんて・・・」 お姉ちゃんは両手で肩を抱き寄せ顔を震わせて見せた。いつもありがとうね、お姉ちゃん私は感謝してるよ。 「あー!」 「な、何事!?」 「しまったー、チアの衣装教室に置きっぱなしだー」 「お姉ちゃんにしては珍しいね?」 「ふむふむ、変な事に使われなければいいのじゃがのぅ~」 「いやな事言わないでよね!?ま、大丈夫でしょ!そんなこt・・・」 「あーっ!」今度はこなちゃん?どうしたの? 「いやいや~、チアの写真。黒井先生が撮っておいてくれたやつ・・・」 「あぁ、今日みんなで見ようって言ってたやつね?」 「・・・忘れた」 「そ、それはお前・・・まずいだろう!?」 「だ、だよね~・・・」って、こなちゃん気まずそう。お姉ちゃんも本当にまずいもんだから、怒りきれてないんだろうな。 そうすると、お姉ちゃんが急に振り向いてこう言った。 「まぁいいわ。私が取ってくるわよ。机の中でしょ?写真」 「う、うん、そだけど・・・」 「私の衣装をオークションとかに出されたらたまらないからね!私行って来るよ!」 そういってお姉ちゃんは駆け足で学校に戻っていった。 おかしいな。もうとっくに学校についてもいいはずなのに。 「まだ?」 うん、こなちゃん。まだメール来ないよ?どうしたんだろ? さっきからなんだかいやな感じがする。これが、前にこなちゃんが言ってた双子の直感なのかな? いままでこんな気分になったことは一度もなかった。 いやだ、なんか、気持ち悪い・・・。 ―――――サイレン!? 救急車だ! そのとき、これは気のせいじゃないって感じた!たぶんこなちゃんもそう思ったんだね。 わたしとこなちゃんは顔すら見合すことなく、一緒に立ち上がり、一緒に走り出した! 「ちょ、ちびっ子どうしたんだよー!」 「おねーちゃーん!」 後ろで皆声がした。でも、振り返らない。これはもう胸騒ぎなんかじゃなった。 口で言い表す事なんて私には出来ないけど、直感、それよりもはげしく伝わってきた。 お姉ちゃんの危機。 こなちゃん本気で走ってる。私なんかじゃ追いつけないほど速く。 でも、私だってそんなこと考える余裕ないくらいに必死で走った! カラオケを出て道沿いに走っていくとすぐに目の前に人だかりが出来ていた。 救急車も止まってる。 「ちょ、ちょと、ちょっと通らせて!」 いつになくこなちゃんの声が厳しい。こなちゃんの背中を追う私。 ひとだかりを抜けて目の前に飛び込んできたのは・・・。 「うそ!?」 そう言って、こなちゃんは膝からがくんと落ちちゃったんだ。 目の前には無造作に投げ出された紫色のきれいな髪。 私なんかよりずっとずっときれいなおねえちゃんの髪。 お姉ちゃんが・・・お姉ちゃんが・・・。 何が起こっているんだろう?私、わからない! 目の前にある映像がよく分からない! 私ってほんとにバカなんだな。わかんない!わかんないよーーーーっ!!!!! こなちゃんはひざを落として固まっていた。 それを見て急に寒気がして、こなちゃんに駆け寄ったんだ。 肩に触るとこなちゃんの体全身が震えてるのが分かる。泣いてる。 私ももらい泣きした。 二人でわんわん、涙が枯れるまで泣き続けた。 救急隊員の人たちも私たち二人をどうしたらいいのかわからない顔して 優しい言葉をかけてくれた、と思う。 あの時、何が起こってたのかなんて覚えてないよ。 だって、目の前には傷ひとつない、ほんの一滴の血も流していないお姉ちゃんが動かないまま横になってるんだよ? 「かがみー!かがみーーーーっ!!!!!!!」 急に立ち上がったかと思うと、こなちゃんはお姉ちゃんを揺さぶりだした。 私は動けない。お姉ちゃんは動かない。 誰かが遠くで「すみません、すみません」って繰り返してた。 必死でお姉ちゃんを揺さぶるこなちゃん。白い服の人たちがかわるがわるこなちゃんを止めようとしてる。 こなちゃんは止まらない。 「まだ、分からないから・・・」 白い服の救急隊員の人が呟いた。 私は立ち上がってこなちゃんを止める。 「こなちゃん!こなちゃん!まだだって!まだ大丈夫だって!!!!」 いきなりのことだったから、私にもまだ何が起きてるのかつかめない。夢なのかもしれないって思った。 こなちゃんもそうだと思うけど。。。 悲しかった。悲しかったけど、たぶんこなちゃん。。。自分の事、すごく責めていたと思うよ。 だから、私はこなちゃんを助けなきゃって思ったの。 なんでかな?今になって思えば、それがお姉ちゃんのこなちゃんに対するまっすぐな気持ちだったのかもしれない。 双子の私はお姉ちゃんの気持ちを受けて、こなちゃんを必死で止めた。 そのとき! そう、こなちゃんがお姉ちゃんから手を離したそのとき! ト・・・クン、ト・クン、トクン、トクン・・・ 確かに聞こえた! お姉ちゃんの、お姉ちゃんの心臓の音だ! これは後の話なんだけど、聞こえるはずなんかないってお父さんもお母さんも、いのりお姉ちゃんも言ってた。 まつりお姉ちゃんだけが何も言わずに少しだけ頷いてくれた。 「お姉ちゃん!!」 ゆっくり、ゆっくりとお姉ちゃんが目を開ける。 きれいだった髪が更に輝くような美しさを帯びる。 こなちゃんは黙って、固まってる。でも、さっきのそれとは違う。 かわいらしい小さな体から震えはなくなってたし、少し紅潮したような頬が羨ましいくらいにかわいかった。 「・・・イタタ、な、なにがあったの?」 一斉に巻き起こる拍手と歓声! そりゃ、チアのときよりもよっぽど少ない人数だったけど、その拍手と歓声はあのときよりもずっと暖かくて盛大だった! 「か、かがみーーーーー!!!!!」 こなちゃん顔くしゃくしゃだよ?お姉ちゃんのこと大好きなんだね? 私も大好きだよ。お姉ちゃん! ――――エピローグ お姉ちゃんは車にはねられて何メートルか飛んでいったらしい。 幸い打ち所がよかったのか、外傷は特になく、太ももに少しだけあざが残った程度だった。 それも何日かすれば消えてしまうらしい。 ただ、これは打ち所が悪いって言うのかな? 地面に落ちたときに少し頭を打ったらしく、5日間の検査入院をすることになった。 入院となれば、お見舞いだよね? 車の運転手さんも基本的にはいい人だったみたいで、毎日お見舞いに来てくれた。 そして、私たちも。。。 「まったくー、かがみんはあわてんぼうなんだから」 「ちょ、待て!あんたの忘れ物を取りに戻ったのはこの私だぞ?」 「まぁまぁ、良いではないか、あっはっはっははー」 いつもより少しだけ反省してるみたいなこなちゃん。 お姉ちゃんもそれが分かってるんだろーなー。いつもより少しだけ優しい顔で怒ってる。 「でも。。。よかった、無事で。。。」 「ほんと、柊ちゃんいなくなったらうちの子が。。。」 「”子”ってなんだよー!私は”子”じゃないってヴぁ」 「でも、自覚はあるようですね?ふふふ」 「よかった、私のことじゃなくて!」 みなみちゃん、あやのちゃん、みさおちゃん、ゆきちゃん、ゆたかちゃん。 パティちゃんとひよりちゃんも、もうすぐ来ることになってる。 やっぱり、真ん中にいるのは私のお姉ちゃんだ! 「だいたい、あんた手ぶらじゃなかった?どうしたら忘れ物なんて出来るのよ?」 「あー、それはーそのー、もう一つ忘れ物があって、それを取りに行ってたら、写真忘れちゃったんだよ~」 「もう一つの忘れ物?」 「そ、それは~うらn・・・ いや、な、なんでもないよ!」 私もお姉ちゃんも、そして皆も!これでもか!って位に追求したんだけど、こなちゃんは教えてくれなかったよ。 でも、お姉ちゃんが笑ってる。皆も笑ってる。 私はすっごく幸せだなって思ったよ(^^ 了 こなた「このカードは後々の為に取っておかないとね!」

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