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そうじろう「こなた、ゆーちゃん、これからみんなで、思いで作り、しないか?」 こなた「…」 ゆたか「思いで作り?」 こなた「もしもし?ゆい姉さん?お父さんから犯行予告でました…」 そうじろう「だー!こなた、違う、断じて違うぞ?俺は二人とだな、遊園地とか、動物園とかどうかな~、と、そう思っただけだ」 こなた「…何でまた?」 そうじろう「いやな、ゆーちゃん来てからあまり行ってないだろ?そういう所。だからさ、たまには、ってな」  ゆたか「すいません…」 そうじろう「良いって。んで、ゆーちゃんはどこ行きたい?頭部動物公園?ネズミーランド?どこでもいいぞ♪」 ゆたか「あ、あの、それじゃあ…私、水族館に行きたいです」 そうじろう「…水族館…」 こなた「…?どったの?」 そうじろう「ああ、何でもない何でもない。よし、時はきたれり。準備ができたらいくぞ!」   水族館到着 こなた「やほーい♪」 ゆたか「うわぁ♪」  そうじろう「はしゃぎすぎて転ぶなよ~、お、そうだ!!お~い二人とも」パシャ そうじろう「うんうん♪よく撮れてる♪」 こなた「お父さん、早く~。置いてっちゃうよ~」 そうじろう「ははははは。よっしゃ、そうじろう、光の速さでダーッシュ!」 切符売り場 店員「えーっと、大人1枚と子供2枚ですね…」 そうじろう「あ…2人は高校生なんで…」 こなた「…」ゆたか「…」 店員「…え?…あ、あら?…す、すいません!」 そうじろう「はは…ははは」 館内 ゆたか「うわぁ!すごい、すごいよ、こなたお姉ちゃん!」 こなた「ほぉ~綺麗だね~。ぷぅ」 ゆたか「あははは、ハリセンボンだ♪ぷぅ。あ、こっちには亀がいるよ!」 こなた「だだだだん♪だだだだん♪だだだだん♪だんだんだ♪」 ゆたか「何それ?」 こなた「ガメラ~」 ゆたか「ガメラ?あっ、あっちにはクリオネもいるよ?可愛いな~」 そうじろう「うんうん♪家族って良いな~、涙出そう」 「あの、すいません」 そうじろう「ん?俺?」 「あ、はい。あの、シャッター、押してもらえますか?」 そうじろう「ああ、良いですよ。えっと、これ、だよな」 「ほら、お前達前向いて」 そうじろう「じゃ、撮りますよ~。はい、チーズ」 「わざわざすいません」「ありがとうございます」「おじちゃんありがとー」 そうじろう「いえ。…家族…か」 十数年前・同所 そうじろう「そんなにはしゃぐと転ぶぞ~♪」 かなた「大丈夫だよ、そうくん。わ、まんぼうだ。面白~い」 そうじろう「はは、変な形してるよな~、お、蟹がいるぞ、蟹蟹~」 かなた「タラバガニ…おっきぃねぇ」 そうじろう「食欲そそるよな~♪」 かなた「もお、そうくんったら。こっちは…カブトガニだって」 そうじろう「スーパーXか。こいつもヘンテコな形してるよな。いや、むしろカッコイイ!」 かなた「ここの水族館だけでどれくらいお魚いるのかな」 そうじろう「あ、そいやどこかに貼ってあったな…こんなにいるんじゃ数えきれないよな」 かなた「途中で数え違えしそうだよね♪」 そうじろう「ははは、ついでにケタも間違えそうだ」 「あの、すいません」 そうじろう「?」 「写真を1枚、いいですか?」  そうじろう「写真?あっ、はい。いいですよ。…それじゃあ撮りま~す。はいチーズ」パシャ 「ありがとうございます。あ、よろしかったらお2人も撮りますよ?」 そうじろう「えっ!?良いんですか?それじゃあ、お願いしちゃおっかな…。かなた」 かなた「うん♪」 「じゃ、撮ります。はい、チーズ」パシャ そうじろう「わざわざすいません」 「いえいえ、こちらこそ」「ありがとうございました」 かなた「あっ、いえ。こちらこそ」 「それじゃあ」 そうじろう「どうも~」 かなた「…そうくん、さっきの女の人…」 そうじろう「あぁ、ぱんぱんだったな」 かなた「私も、そろそろ、なんだよね」 そうじろう「ああ。今度は3人で来たいな」 かなた「うん♪」   再び現在 こなた「お父さん?」 そうじろう「あぁ、すまない。何だ?こなた」 こなた「(泣いてる?)…あ、そろそろお昼かな~って」 そうじろう「ああ、そうだな。館内に食事コーナーあるから、そこに行こうか」 こなた「うん♪」 喫茶コーナー そうじろう「ほう…あまり変わってないんだな。…2人、好きなの頼んで良いぞ」 こなた「ん~、これも美味しそうだな、こっちもいいな…迷う…迷うよ」 ゆたか「えっと、どれにしよっかな…これかな…どっちにしよう…うーん…」 そうじろう「決まったか~?」 こなた「ちょっと待ってて…う~ん」 ゆたか「すいません…」 そうじろう「すいませ~ん、これと、これと、これとこれ。あとコーヒーとジュース2つ」 こなた・ゆたか「えっ!?」 そうじろう「はははは、3人で分けよう。な」 そうじろう「そういや、ゆーちゃん、体の調子はどう?悪くない?」 ゆたか「はい。来る前に薬飲んできましたので。調子良いです」 そうじろう「そっか。それは安心だ」 ゆたか「私、水族館、あまり来た事なくて、凄く楽しいです」 そうじろう「来たかいあったな。うんうん」 こなた「午後からイルカのショーがあるって。それも見に行こうよ!」 ゆたか「うん!」 「おまたせしました(ry」 そうじろう「はははは、その前に腹ごしらえだ。たんと食べて、戦に備えてくれ!」 こなた「うわ、美味しそう…」 ゆたか「すごい…量…」 そうじろう「敵は手強そうだな…んじゃま、いただこう!」 イルカコーナー・そうじろう「もうそろそろだな」 ゆたか「わくわく♪」 そうじろう「おお、来た!」 ゆたか「わぁ~、凄い、凄い、凄いよ!人が乗ってるよ!こなたお姉ちゃん!」 こなた「うわっ!?水がはねた!」 そうじろう「ははははは、相変わらずだな。うおわ、またきた!」 ゆたか「きゃっ!イルカさん可愛いな~、ジャンプ!まただ。パチパチパチ」 こなた「今度はイルカの餌やりだって。ゆーちゃん、立候補してみなよ」 ゆたか「えっ…で、でも…きゃ」  そうじろう「はーいはーいはーい!」 こなた「ちょ、お父さん!?じゃ、あたしも。はーいはーい…あ…え、あたし?」 ゆたか「あはははは、こなたお姉ちゃん、頑張って♪」 こなた「は、ははは…、ゆーちゃん、ゆーちゃんいきなよ。ゆーちゃんイルカ好きでしょ?ね?」 そうじろう「…こなた…。そうだな、ここはゆーちゃんが行くべきだ。こなたが行っても餌横取りするに…痛たたたたた」 ゆたか「本当に…良いの?」 こなた「うん♪」 そうじろう「健闘を祈る!」 ゆたか「それじゃあ、行ってきます」 餌やり・「ようこそいらっしゃいました!お名前は」 ゆたか「小早川ゆたかです」 「ゆたかちゃん!それじゃ、よろしくネ」 ゆたか「あ…はい、よろしくお願いします」 観客席・そうじろう「こなた、お前、優しいな」 こなた「や、やめてよ。ゆーちゃんやりたがってたから、譲ってあげただけだよ」 そうじろう「そっか…っ」 こなた「ちょ、泣かないでよ、お父さん!あ、ゆーちゃんゆーちゃん!カメラ撮って、カメラ!」 そうじろう「お、おう!あはは、ゆーちゃんびくついちゃって。本当、シャッターチャンスの連続だな」 こなた「あ、ゆーちゃんかじられてる…」 そうじろう「本気で怖がってそうだな。ゆーちゃん…」   「小早川ゆたかちゃんでした。ありがとうございましたー」 ゆたか「ただいま~。ふわぁ、楽しかったぁ」 こなた「大丈夫だった?イルカに食べられてたみたいだったけど」 ゆたか「うん…。ちょっと怖かった。でも、全然痛くなかったよ?凄く楽しかった」 そうじろう「ゆーちゃんはイルカと友達になれそうだな」 ゆたか「えへへへへ♪」 そうじろう「よっし、まだ見てないの、まわるか」 こなた「うん」 ゆたか「は~い♪」 それから俺達は鮫、深海魚、熱帯魚…様々な魚を見て回った。 ゆーちゃんはどれを見ても大はしゃぎ。見た目もあって、周りからは100%小学生に見られていた事だろう。 家族連れを見る度にふとかなたを思いだす。 3人で来たかった水族館。3人で来られなかった水族館。でも、今はこうして3人で来ている。 たまにこなたがかなたなんじゃないか、そう思う時がある。いつもの空想癖だが、日増しにこなたはかなたに似てきている。 それは嬉しいと言うか切ないと言うか。 かなたがいなくなって十余年、俺は今でもかなたを追っている。まるでストーカー。 これが水族館じゃなければ少し違っていたのかもしれない。 今日はみんなで楽しむはずが、俺の心は少しずれていた。 ま、2人は楽しんでくれたみたいだから、万々歳だよな。 こなたの良いヤツっぷりも見れたし、ゆーちゃんも終始元気に楽しんでくれていた。 これでどうとか言ったらバチが当たっちまうよな。 かなた、今日も楽しく過ごせたよ。ありがとう。 ちなみにお土産にこなたは龍の落とし子の標本、 ゆーちゃんはイルカグッズをたらふく買いましたとさ。 さて、仕事でも始めますか。 こなた「お父さん、コーヒー煎れてきたよ」 こぉなぁたぁ~(泣) そうじろう「おう、サンキュ。ゆーちゃんは?」 こなた「もう寝ちゃった」 そうじろう「そっか。…アチッ」 こなた「お父さんも疲れてるんだから、あんま無理しちゃダメだよ?」 こぉなぁたぁ~!!(大泣) そうじろう「ふっ、鍛えてます!シュ」 こなた「ふん、どうだか…。そうだ!肩揉んであげるよ、肩♪」 こぉなぁたぁ~!!!!!(轟沈) そうじろう「うぉ…上手いな…さすが…いかん、眠気が…」 こなた「揉み揉み~♪どう?気持ち良いでしょ?揉み揉み~♪」 そうじろう「あぁ…まるで、天国だ…」 こうして泉家は、今日も平和に、そして幸せに、暮れて…いくので…あ…zzzzz ~完~

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