ID:TaQYJ4Ay0氏:祈

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つかさ「おねえちゃんおはよー」 かがみ「まったく何時だと思ってるの?夏休みだからってだらけすぎよ」 つかさ「えへへ」 かがみ「明日登校日なんだから早く起きなさいよ?」 つかさ「うん」 こなた「つかさーかがみー遊びに来たよー」 つかさ「こなちゃんいらっしゃーい」 かがみ「あがって」 つかさ「ねぇねぇこなちゃん、夏休みってつい寝すぎちゃうよね」 こなた「あーわかるわかる、特にネトゲとかやってると完全に夜型になっちゃうよ」 つかさ「へぇー、そうなんだぁ」 かがみ「ところで二人とも宿題は終わったの?」 つかさ「あ・・・おわってないや」 こなた「どうしてかがみはゆっくりしてる時にそういう話を振るかね・・・」 かがみ「早くやらないと夏休み終わっちゃうわよ」 こなた「かがみんみせて~」 かがみ「あんたはすぐそれだ、まったく少しは自分でやりなさいよ」 こなた「あぅ・・・」 かがみ「つかさもよぉ、少しは早く起きて宿題やっちゃいな」 つかさ「う、うん」 翌朝 つかさはゆっくりと目を覚ますと自然に時計に目がいく つかさ「・・・うぅん・・・・・・はっ!もうこんな時間!急いで支度しなくちゃ」 時刻は既に七時半をまわっていた、誰も起こしてくれなかったこを不思議に思いながらも身支度を整える 「おねぇちゃーん、あれ・・・?」 1階へ降りて姉を呼ぶが返事がない 「おねぇちゃんどこー?(先にいっちゃったのかな?)」 いつもなら必ず誰か居るはずなのにリビングや居間を見ても誰も居ない 「おかぁさーん?」 くまなく探してみるものの柊家に人の姿は見当たらなかった 「あれぇ?誰もいないの・・・」 ふと時計を見るともう家を出なければならない時間をとっくに過ぎていた 「あ!もう行かなきゃ、遅刻しちゃう」 「いってきます」 誰も居ない家に向かい呟くと玄関を出る。 いつも見慣れている風景のはずなのにどことなく違和感を覚えるが、すぐに歩き出した 小走りで駅に向かうとちょうど電車が出るところだった 改札で一瞬駅員さんが戸惑っていたような気がしたが、急いで電車に乗る 「ふぅ、これで走れば間に合うかな?」 いつもより一本遅い電車に乗ったせいか、周りは見慣れない人たちばかりだった 電車を降りるとバス停へ向かう 時刻表を確認し数分バスを待つと、いつもとは違うバスが来た 「このバスまだ走ってたんだ・・・」 行き先を確認するとそのバスに乗り込んだ、さっきの電車と同じような感覚がしたがそんなことはすぐに頭から消えていた いつもは姉や友達と乗る電車やバスだが、今日は一人のせいか若干挙動不審になっていたからだ。 学校に着くと門は閉まっていた 辺りを見回しても生徒は一人も居ない つかさは一気に混乱する 「あれ??今日学校じゃなかったっけ?」 今までのことを頭の中で整理しながらしばらくその場に立ち尽くしていた 考えているうちに不安になってきて、目にはうっすら涙がたまっている 「あーどうしよ~・・・・・・・・・」 おどおどしているとつかさは閃いたように携帯を取り出した 「そうだ!携帯があったんだ」 彼女はうれしそうに携帯電話を開くと姉に電話をかけた 「・・・・・・あれ・・・?おかしいな」 呼び出し音も鳴らずに無音が数十秒続く 仕方なく電話を切り画面を見る、するとそこには圏外の文字が 「どうして・・・・・・」 懲りずにメールを打つが途中で送れないことに気づく 「・・・どうしよう」 彼女はひどく落ち込んだ様子で携帯をしまうとバス停のベンチに腰掛けた 次のバスまで後三十分ほどある、彼女は空を見上げぼーっとしている すると道路を挟んで向かいの歩道に青いロングヘアーの少女が通りかかった 「こなちゃん?・・・こなちゃん!」 彼女はその少女に向かって手を振るが気づかず先に行ってしまう それを追って道路を渡り彼女に話しかけようとした時だった 「こんなところに居たのか」 男の人が走ってきて少女に話しかける、彼の顔はどこか見覚えがあるような気がした 「ごめんそうくん・・・でも」 「いいから病院に戻ろう」 そういうと二人は行ってしまった 「こなちゃんに・・・似てる・・・」 しばらく彼女は二人の後姿を見ていた やがてバスが来て彼女は駅に引き返す。 途中あるはずの建物がなかったりしたことに気づき彼女はほっぺたをつねる 「どうなってるの?」 彼女の頭はほぼ睡眠状態に近く、見えているようで見えていない、そんな感じで駅までたどり着いた よく見ると駅もいつもとはどこか違う、彼女はさらに不安になった 「早く帰りたいよぉ」 そんなことを呟きながら改札で定期券を見せる 「これ使えませんね」 「え?」 彼女は思ってもいなかった事に驚き急いで定期を確認する 確かに期限内、彼女はもう一度駅員に確認してみる 「どうして使えないんですか?」 「どうしてって、そんな定期よく持ってるね、20年も先の」 「え!?」 駅員に日付を教えられ、周りを見渡すと確かにいつもとは違うどこか古い感じがする 財布にも小銭しかなく、しばらくつかさは放心状態でいた。 彼女は今の状況が理解できないでいた、朝起きたら家には誰も居ないし学校も閉まっていた バスも昔のもので街の景色も違っていた。 「どうして20年前にいるの・・・・・・・・・?」 想えばそればかり考えてしまう 心配した駅員が近寄ってくる 「どうしたの?」 「えっと、その、実は・・・」 駅員は親身になって話を聞いてくれた 解決策こそ見つからないものの、彼女の心はだいぶ落ち着いていた 結局駅員さんが帰りの切符を買ってくれた、昔の人の優しさに彼女は心打たれた 「ありがとうございます、この分はいつか返します」 「いいっていいって、ほら、電車きたよ」 「ほんとうにありがとうございます」 彼女は何度もお辞儀をして電車に乗り込んだ 電車に乗りながら彼女はこれからのことを考えた、どうやって戻れるか、戻れないとしたらどう暮らしていくかなどいろいろなことを考えていた しかし結論はでないまま降車駅に到着する 駅を出て歩きながらまた考えてみる、家に帰ったところで入れてくれるだろうか、もし誰も帰っていなかったらどうしよう・・・ そんな不安を感じながら家の前まで着いた 覚悟を決めて戸をたたくが手が震えてほとんど音が出ていない 一度深呼吸をしてもう一度ノックする、しかし返事はない。 彼女は安心したかのようなため息をひとつついた しかしすぐに困ったような表情に変わる 「どうすればいいの私・・・おねえちゃん、おかあさん、おとうさん・・・」 彼女はゆっくりと歩き出した、その視線は見慣れた神社の鳥居を向いていた 「おとおさん・・・ここに・・・いるよね・・・」 心臓の鼓動が早くなっていく、会いたい、けど会ってもどうすればいいかわからない そんな複雑な気持ちで一歩一歩進んでいく 平日の昼間、神社は静まりかえっていた 境内を恐る恐る見てみるも人の姿はない 奥まで進むと彼女は財布を取り出した 残っていた小銭をすべて賽銭箱に放り込み、手を合わせゆっくりと目を瞑る。 「おねぇちゃん何お願いしたのぉ?」 不意に後ろから声をかけられ驚いて振り返った そこには釣り目で紫色の髪をした少女が立っていた 「っ!!」 彼女はその姿を見てさらに驚いて声が出なかった 少女は不思議そうに首をかしげている 「どうしたのおねえちゃん」 「なっ、なんでもないよ」 彼女は焦りながらもとっさにそう答える 「ふーん、で、おねぇちゃn何をおねがいしてたの?」 「えっとね、元の時間に戻れますようにって」 「あたしもいっしょにお願いしてあげる」 「え?」 「あたしの名前ね、"いのり"っていうんだよ、おねえちゃんの願いが叶うように祈ってあげる」 「お姉ちゃん・・・」 つかさの目から涙があふれ出てきた 二人は合掌し同じことを想った 二人は顔を見合わせて笑った、つかさは幸せだった こんなにやさしい姉がいて 「おねぇちゃんこっちきて」 いのりに手を引かれつかさはついていった 「お守りあげる」 「え?でも私お金持ってないよ」 「いいの、お父さんに見つからなければ」 「えへへ、ありがとう」 しばらくしていのりが戻ってきた 「はいこれ」 いのりが持ってきたお守りには交通安全と書いてあった 「あはは、ありがとう」 「おねえちゃんおうち近いの?」 「え?」 つかさは少し考えてから口を開いた 「うん、でも今家出してるんだ」 「えーいえでー、帰れないの?おかあさんは?」 「うんきっと心配してるよね、ははは・・・」 少しいのりが考えているようなそぶりを見せている 「そうだ!」 「え?なに?」 「おとーさーん!おかーさーん!」 「・・・!」 思わぬ言葉につかさは息をのんだ 「今日うちに泊めてあげる」 そういうといのりは走っていった 「あっ、ちょっと待ってお姉ちゃん」 いのりは一瞬振り返り、頭にはてなマークを浮かべるとまた走っていった 「・・・いっちゃった」 またつかさの心臓がどきどきし始める ほとんど変わっていない神社を見回しているといのりが笑顔で現れた 「おねえちゃんお昼まだ?」 「うん、まだだよ」 つかさもつられて笑顔になってしまう 「じゃあうちで食べようよ、泊めてくれるかもよ」 「え、いいの?」 「うん、いいって」 そういうといのりは家まで案内してくれた 「おかあさんおとうさん、つれてきたよ」 「いらっしゃい」 「こんにちは、お昼まだなんでしょ?食べてって」 そういって若い夫婦が出てきた 「こ、こんにちはぁ」 つかさは頬を赤らめ少しうつむいている 「さぁあがって、話も聞きたいし」 つかさはドキッとした、泊めてほしいという話だろうけどさっき駅員さんと話したことがつかさの頭をよぎった 「おじゃまします」 「はいどうぞ」 自分の家にそういって入るのに違和感を覚えつつリビングに案内された 「今日はさっぱりとそうめんよ、暑かったでしょう」 「あーはい」 あらためて母親を見るとあまり変わっていないようで、本能的につかさは落ち着いていた 「たくさんあるからどんどんたべてってね」 父がそういうとつかさは本当に家に帰ってきたような気持ちになっていた 食事が終わると話はつかさに振られた 「で?今日は泊めてほしいんだって」 自分の言い出したことではないので少し焦る 「あ、はい、あぁ」 「家出って、家族とけんかでもしたの?」 「いや、その・・・」 しばらくの沈黙の後ただおが口を開いた 「まぁ言いにくいことだってあるだろう、今日はゆっくりしていきなさい」 「そうね。2階の部屋が空いてるから自由につかっていいわよ」 みきがにっこりと笑って言うと、つかさはこれからどうするかなんて忘れて喜べた 「ありがとうございます」 それから少し雑談をして昼を過ごした いのりが嬉しそうに近寄ってくる 「おねえちゃんあそぼー」 「うんいいよぉ、何して遊ぼっか」 「えっとね・・・」 二人で遊んでいるうちに日は沈み、家から母の声がしてきた 「そろそろごはんよー」 「はーい」 いのりが元気よく答えると二人で家に戻った 夕食時、つかさはちょっと顔を赤く染めながらこんなことを言う 「あの、お母さんお父さんって呼んでもいいですか?」 二人は顔を見合わせて少し考えると、にっこりして 「いいよ」「どうぞ」 「あは、お母さん、お父さん」 「おねーちゃんあたしはー」 「お姉ちゃんでいい?」 「ん?へんなのー」 そんな他愛もない話をしている時がつかさにとって幸せだった そうして柊家は笑い声とともに夜を迎えた 「じゃあ布団は用意してあるからね、おやすみ」 「おやすみなさーい」 つかさは過去にいることも忘れて幸せなまま眠りについた 「ほら、つかさーおきなさい」 聞きなれた声と窓から差し込む光でつかさは目覚めた 「・・・ぅん・・・おねーちゃんおはよう」 まだ寝ぼけた声でそう言うとゆっくりと体を起こす 「?」 朝なので頭がまわらないが、なにか違うようなそんな気がしていた 「どーしたー、今日学校だぞ」 「あれ?」 「いいから早く支度しちゃいなさい」 そういって姉は部屋を出て行く つかさは昨日の事を思い出してみる 「そうだ、私過去に・・・あれ?」 昨日は布団で寝たはずなのにベッドにいた、さらに見回してみるといつも通りの部屋 「もどって・・・これたの・・・?」 つかさはしばらくそのまま止まっていたがそれを割くように目覚まし時計の音が鳴る 「うわぁ」 驚いてすぐに止めると時間を確認する 「もう行かなきゃ」 1階に下りてテレビを見るとまず日付を確認した 「戻ってきたんだ私」 「何変なこと言ってるのよ、夢でも見たの」 「えへへ、そうかもね」 支度をして二人で家を出る 「いってきまーす」 いつもの挨拶、いつもの光景、いつもの街 つかさはそんな当たり前のことが新鮮に感じられた 駅に着くとつかさはきょろきょろと周りを見渡した 「どうしたの?なんか今日変よ?」 「えへへ、ちょっとね」 すると年配の駅員の方へと近づいていった 「あのー、これ、返しにきました」 笑顔で言うと手には学校の最寄り駅までの運賃と古い切符があった その駅員は少し考えた後 「ありがとう、返しにきてくれたんだね」 つかさと駅員さんは二人しか知らない事情にニコニコして電車が来るまで話していた 電車が来ると駅員さんに軽くお辞儀し、かがみと電車に乗り込む 夏休みのせいかいつもよりだいぶ空いていたのですぐに座れた 「あれ、つかさそんなお守り持ってたっけ」 「うん、いのりお姉ちゃんにもらったの」 大事そうにお守りを握るその顔は笑顔で満ちあふれていた おわり。

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