ID:s7F11wdAO氏:駅構内の出会い~WithYou~

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『駅構内の出会い~WithYou~』 今日も今日とて、八坂こうは遅刻していた。まったく…何時になったらあいつは遅刻しなくなるのだか。電車の駅構内で待ち合わせとは、今回何時間まで遅刻するつもりなのだろう。 「それにしても…」 駅のベンチに座る私の前では、鉄道好き(?)の人々が電車の写真を撮りまくっている。 「ああいうのの、どこがいいのかしらね…」 「男の人の趣味だから、女性には理解しがたいのかもね」 「は?」 「ごめんなさい、つい聞こえちゃって」 気がつかなかったけど、隣に女性が座っていた。何時の間に…。 「貴女は待ち合わせ?」 「え、ええ。友達を…」 一見して小学生だろうかと思ったが、どうにも彼女から感じる…オーラ?みたいなものが相手を年上のように思わせる。いや、実際年上なのかも。 髪の長い人だなぁ…でも白ワンピースって時季としては寒くないのだろうか?いや寒いはずよね。 「寒くないんですか?そのワンピースで」 「え?」 しまった。つい口に…。 「別に寒くはないのだけど…まぁ季節外れではあるかもね。まぁ私自体季節外れだし」 私自体が季節外れ?どういう意味だろう。 「まぁ私の格好は置いておいて。今の子なら駅で待ち合わせなんてあまりしないんじゃないの?携帯電話とかもあるのだし」 「そんなことはないですよ」 今の子…ね。やっぱり年上だったのか。 「駅で待ち合わせくらいします。それと、携帯があっても遅刻する人は遅刻しますし」 「そうね、そういうものなのかも…あら、随分撮ってる人が増えたわね」 …確かに。珍しい電車でも来たのだろうか、ドクターなんとかっていうやつみたいな?そんなのが。 「理解できませんね…あれも」 「アレもって…男の人の趣味が?」 「いや、性別は関係ない気がしますが」 同性でもレキジョは理解できないし。こうの趣味も。 「本人達は楽しいっていうのはわかります。でもどうして人に奨めたがるんですかね」 「あなたが待ってる友人の事?」 「いえ、こうの…友人の事ではなくて、別の人の話でして」 フィオリナにいる友人で。いわゆる…レキジョだ。 城がどうだの合戦がどうだの…わからないのに話してくる。時折、こうとの話題にあがるBLみたいなのが混ざっていた気もしたが(…なんでかしら?)。 「頷いてくれるだけでいい、とは言ってますけど…正直困りますよね。ただ頷いてるだけって何か悪いですけど、何が楽しいのかわからないし」 一度、こうに相談したら 「それで問題ない」 と言っていた。 『全部が全部、わかってもらえるなんて思ってないよきっと』 『ならなんで話したりするのよ?自己満足?』 『ちょ、それ言ったらオシマイだよ』 クスクス…とその人は笑いだした。 「あなたは優しいのね」 「なんでそうなるんです」 「わからないのを気にしてあげるなんて、普通しないもの。場合によっては、気味悪くて近づきたくないじゃない」 …こうの趣味みたいなものね。あれは引くことあるし。 「あら、そう君と趣味合いそうねその八坂さんは」 「そうなんですか?…誰かは知りませんけど、こうと似た趣味って…疲れませんか」 「貴女は疲れたりしないでしょ?引く事はあっても」 「それはまぁ」 …ん?何かおかしいような… 「思ってる事、口に出してたわよ」 「あ、それで。もしかして今も出てましたか?」 「ええ。…そろそろ時間だから手短にしちゃうけど、昔、私がそう君にその質問をした時の答えを教えてあげる」 似た質問をしたんですか。その人は彼氏さんか何かなんだろうか?……羨ましいけど、彼氏さんは危なそうだなぁ。色々な意味で。 「楽しんでるのをわかって欲しいから、だそうよ。スポーツをしたりするのと同じ感覚なんだって。だから…気味悪く思って欲しくない。得体の知れないものを見る目をして欲しくない」それはつまり 「そっちが何が楽しいのかわからないのと同じように、こっちには何故楽しいのがわからないのかと思っているから…と言ってませんでしたか?」 「あら、八坂さんに似た事を?」 違う。こうの言葉だけど、こんな質問はしていない。 私がこうに助けてもらった時に言っていた言葉がこれだっただけ。 「…時間ね」 どうやらお別れらしい。でも電車は来ていないのだけど…何故?別のホーム?それとも私のように待ち合わせ?…誰も来てないのに? 「そのお友達の八坂さんに興味はあるけど、それはまたどこかで会えたらにしましょう…そんな機会、ないかもしれないけど」 「どこか遠くに行くんですか?」 「…人生をレールに例えて、人を電車に例えることがあるけれど、その場合の駅は何の例えになるのかしら」 何を言い出すのだろうこの人は。 「…出会いと別れの場所?」 「かもしれないわね」 あ、名前聞いてないし、私も名乗ってない。呼び止めないと。名前、聞かなくちゃ… …まと…やまと…やまと…。 なんだかうるさい。 「ちょっとやまと!うたた寝しないで!」 「え?こう?」 あれ?私寝てた?ベンチの上で? 「ねぇ、髪の長い背の低い女の人見なかった?」 「え?見てないよ。だいたい電車来るのまだ先だよ?」 さっきまで一緒だと思ったけど…随分寝てたのね私。 「こう、何分遅刻したの」 「う……ででも今日は二十分だけだよ」 20分?…本当だった。 「でも遅刻は遅刻よね」 「いやほら…あれですよ永森さん」 「あれってなんですか八坂さん」 …あ、あれ?私、あの時こうを『こう』と考えても『八坂』と名字で考えてたっけ? まぁいい。機会があってまた会うことができたら聞けばいい。 そのときはこう…あなたも一緒に(With You) END
『駅構内の出会い~WithYou~』 今日も今日とて、八坂こうは遅刻していた。まったく…何時になったらあいつは遅刻しなくなるのだか。電車の駅構内で待ち合わせとは、今回何時間まで遅刻するつもりなのだろう。 「それにしても…」 駅のベンチに座る私の前では、鉄道好き(?)の人々が電車の写真を撮りまくっている。 「ああいうのの、どこがいいのかしらね…」 「男の人の趣味だから、女性には理解しがたいのかもね」 「は?」 「ごめんなさい、つい聞こえちゃって」 気がつかなかったけど、隣に女性が座っていた。何時の間に…。 「貴女は待ち合わせ?」 「え、ええ。友達を…」 一見して小学生だろうかと思ったが、どうにも彼女から感じる…オーラ?みたいなものが相手を年上のように思わせる。いや、実際年上なのかも。 髪の長い人だなぁ…でも白ワンピースって時季としては寒くないのだろうか?いや寒いはずよね。 「寒くないんですか?そのワンピースで」 「え?」 しまった。つい口に…。 「別に寒くはないのだけど…まぁ季節外れではあるかもね。まぁ私自体季節外れだし」 私自体が季節外れ?どういう意味だろう。 「まぁ私の格好は置いておいて。今の子なら駅で待ち合わせなんてあまりしないんじゃないの?携帯電話とかもあるのだし」 「そんなことはないですよ」 今の子…ね。やっぱり年上だったのか。 「駅で待ち合わせくらいします。それと、携帯があっても遅刻する人は遅刻しますし」 「そうね、そういうものなのかも…あら、随分撮ってる人が増えたわね」 …確かに。珍しい電車でも来たのだろうか、ドクターなんとかっていうやつみたいな?そんなのが。 「理解できませんね…あれも」 「アレもって…男の人の趣味が?」 「いや、性別は関係ない気がしますが」 同性でもレキジョは理解できないし。こうの趣味も。 「本人達は楽しいっていうのはわかります。でもどうして人に奨めたがるんですかね」 「あなたが待ってる友人の事?」 「いえ、こうの…友人の事ではなくて、別の人の話でして」 フィオリナにいる友人で。いわゆる…レキジョだ。 城がどうだの合戦がどうだの…わからないのに話してくる。時折、こうとの話題にあがるBLみたいなのが混ざっていた気もしたが(…なんでかしら?)。 「頷いてくれるだけでいい、とは言ってますけど…正直困りますよね。ただ頷いてるだけって何か悪いですけど、何が楽しいのかわからないし」 一度、こうに相談したら 「それで問題ない」 と言っていた。 『全部が全部、わかってもらえるなんて思ってないよきっと』 『ならなんで話したりするのよ?自己満足?』 『ちょ、それ言ったらオシマイだよ』 クスクス…とその人は笑いだした。 「あなたは優しいのね」 「なんでそうなるんです」 「わからないのを気にしてあげるなんて、普通しないもの。場合によっては、気味悪くて近づきたくないじゃない」 …こうの趣味みたいなものね。あれは引くことあるし。 「あら、そう君と趣味合いそうねその八坂さんは」 「そうなんですか?…誰かは知りませんけど、こうと似た趣味って…疲れませんか」 「貴女は疲れたりしないでしょ?引く事はあっても」 「それはまぁ」 …ん?何かおかしいような… 「思ってる事、口に出してたわよ」 「あ、それで。もしかして今も出てましたか?」 「ええ。…そろそろ時間だから手短にしちゃうけど、昔、私がそう君にその質問をした時の答えを教えてあげる」 似た質問をしたんですか。その人は彼氏さんか何かなんだろうか?……羨ましいけど、彼氏さんは危なそうだなぁ。色々な意味で。 「楽しんでるのをわかって欲しいから、だそうよ。スポーツをしたりするのと同じ感覚なんだって。だから…気味悪く思って欲しくない。得体の知れないものを見る目をして欲しくない」それはつまり 「そっちが何が楽しいのかわからないのと同じように、こっちには何故楽しいのがわからないのかと思っているから…と言ってませんでしたか?」 「あら、八坂さんに似た事を?」 違う。こうの言葉だけど、こんな質問はしていない。 私がこうに助けてもらった時に言っていた言葉がこれだっただけ。 「…時間ね」 どうやらお別れらしい。でも電車は来ていないのだけど…何故?別のホーム?それとも私のように待ち合わせ?…誰も来てないのに? 「そのお友達の八坂さんに興味はあるけど、それはまたどこかで会えたらにしましょう…そんな機会、ないかもしれないけど」 「どこか遠くに行くんですか?」 「…人生をレールに例えて、人を電車に例えることがあるけれど、その場合の駅は何の例えになるのかしら」 何を言い出すのだろうこの人は。 「…出会いと別れの場所?」 「かもしれないわね」 あ、名前聞いてないし、私も名乗ってない。呼び止めないと。名前、聞かなくちゃ… …まと…やまと…やまと…。 なんだかうるさい。 「ちょっとやまと!うたた寝しないで!」 「え?こう?」 あれ?私寝てた?ベンチの上で? 「ねぇ、髪の長い背の低い女の人見なかった?」 「え?見てないよ。だいたい電車来るのまだ先だよ?」 さっきまで一緒だと思ったけど…随分寝てたのね私。 「こう、何分遅刻したの」 「う……ででも今日は二十分だけだよ」 20分?…本当だった。 「でも遅刻は遅刻よね」 「いやほら…あれですよ永森さん」 「あれってなんですか八坂さん」 …あ、あれ?私、あの時こうを『こう』と考えても『八坂』と名字で考えてたっけ? まぁいい。機会があってまた会うことができたら聞けばいい。 そのときはこう…あなたも一緒に(With You) END **コメント・感想フォーム #comment(below,size=50,nsize=50,vsize=3)

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