ID:hxljFTs0氏:誘惑

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 気になっていた。うんん、最初はどうでも良かった。でも……気になっていた。それに気が付いたのは高校を卒業する辺りだった。 どうしようもない衝動。抑えきれなかった。気持ちが高ぶる。だめで元々でこなたを誘った。 こなた「私はいいけど……かがみ、後悔はしないでよね」 後悔……後に悔いる事。そんなのは今の私には無意味。そう、私はもう決めたのだから。 …… ……  あれから数ヶ月……何故、あんな事をしてしまったのか。自分の部屋のベッドで泣きじゃくる私が居た。 『後悔』……あの時行ったこなたの言葉が重く圧し掛かった。浅はかだった。軽率だった。色々な言葉が思い浮かんでは消える。 つかさ「お姉ちゃん、どうして……どうして止めなかったの、こなちゃんを巻き込むなんて酷いよ……」 気が付くと私の部屋につかさが居た。怒っている……どうやらつかさにばれてしまったようだ。私は黙ってつかさを見た。あの優しいつかさとは思えないほどの形相だった。 私の涙に怯むことなく怒りの言葉をぶつけてきた。私の欲望にこなたを巻き込んだ……それは認める。でも……それは違う。傷ついたのは私だけ。 かがみ「つかさ、こなたは変っていない……変ったのは私だけ……だから、いいでしょ……つかさには関係ないことなんだから」 つかさ「良くない…こんなの良くないよ……今のお姉ちゃん見ていられないよ……苦しんでいるお姉ちゃんなんか見たくないよ……」 つかさが泣き出した。こんな私の為に涙をながしてくれた。正直嬉しかった。だけど素直になれなかった。 その時、私の携帯が鳴り出した。こんな時間にかかってくるのはこなたくらいだ。携帯に出ようとするとつかさがひったくる様に私の携帯を取り上げた。 つかさ「もしもし……うんん間違ってないよお姉ちゃんの携帯だよ……もうお姉ちゃん寝ちゃったんだよ……そうそう……また明日にしてね……おやすみー」  短い会話だった。私とこなたってその程度の仲だったのか。少しさみしかった。 携帯を切ると私に返した。 つかさ「……お姉ちゃん、まだ止めてなかったみたいだね……もうこなちゃんと会うのは無しだよ……」 さっきよりも口調が激しい。さすがの私も黙って居られなかった。 かがみ「何故よ、今日ので最後のはずだったのに……最後……」 つかさ「その台詞……もう何度も聞いたよ……」 かがみ「こなたが良くて私はダメなのよ……納得できないわ、そんなの不公平よ……」 つかさ「それは……お姉ちゃん、自分自身が一番知っているはずだよ、よく胸に手を当てて考えて」 するとつかさはおもむろに私の机の前に移動し机の引き出しを物色しだした。 かがみ「何するのよ、人の物を勝手に……」 私はベッドから起き上がりつかさを止めようとしたがつかさの動きが止まった。もう目当てのものは探し出してしまったようだ。 つかさ「お姉ちゃん、こなちゃんと同じなんて言わせないよ、違うでしょ?」 かがみ「違うって……何が違うの、分らないわ」 つかさ「こなちゃんから聞いたよ、いつもこなちゃんとラーメン屋で特盛注文してるんでしょ……それで帰ってきてこれだもん……信じられないよ」 つかさは私の机の引き出しからレジ袋を取り出した。いつも手元にないと気になるので1ダースほど買ってある。 かがみ「それは……○ッキー、勉強していると口が寂しくなるから……」 つかさ「高校を卒業する時……私と約束したよね……ダイエットするって……なんでラーメンなんか食べだしたの?」 つかさは呆れ顔だった。 かがみ「……卒業近くになって駅前に店がオープンするって……気になっていた……卒業式の日が開店日だった……どうせ不味いと思って……こなたを誘ったんだ……      ところが私好みの味だった……スープ、麺、具、どれを取っても申し分のない味、病み付きになのよ……もう一度でいい、あの味を……」 つかさ「はいはい、そこまでだよ、もうラーメンの事は忘れてね、それとこのお菓子は没収するから……それから朝は当分納豆だからね……それとお昼は私が作ったお弁当以外      は食べちゃダメだから……飲み物もお茶だけだよ……あと5キロも減らさないんだから自覚してよね……」 つかさはレジ袋を持って私の部屋を出て行った。  それなら今度みゆきを誘ってみるかな…… 突然部屋のドアが開いた。 つかさ「言い忘れたけどゆきちゃんを誘っても無駄だからね、もう事情は話してあるから……」 吐き捨てるように言うとまた部屋を出て行った。  何故、あの時こなたを誘ったんだろう。なぜ……あの店に行かなければ……後悔するばかりだった。    あれから二日目、お昼になると流石に空腹が限界になった。つかさに渡された小さな弁当箱……もうダイエットなんかどうでもいい。今日は帰りにあの店のラーメンをガッツリ 食べるんだから。そう心に決めていた。いままでこなたを誘っていたのは女性一人で店に入るのが恥ずかしかっただけ……とりあえず空腹を紛らわすか。  弁当のを開いた……刻んだ海苔で『ガンバレ』と書いてあった……程なく携帯にメールの着信が来た。 『かがみ、がんばれー』とこなたからだった。続けて『かがみさん、ファイトです』とみゆきからも……  目頭が熱くなった。  帰ったらジョギングをやるかな。 終 **コメント・感想フォーム #comment(below,size=50,nsize=50,vsize=3) - なんとも言えませんな(何が?) &br()前半の展開で凄く重い展開を予想した自分が恥ずかしいです・・・ -- 名無しさん (2010-11-14 11:16:11)
 気になっていた。うんん、最初はどうでも良かった。でも……気になっていた。それに気が付いたのは高校を卒業する辺りだった。 どうしようもない衝動。抑えきれなかった。気持ちが高ぶる。だめで元々でこなたを誘った。 こなた「私はいいけど……かがみ、後悔はしないでよね」 後悔……後に悔いる事。そんなのは今の私には無意味。そう、私はもう決めたのだから。 …… ……  あれから数ヶ月……何故、あんな事をしてしまったのか。自分の部屋のベッドで泣きじゃくる私が居た。 『後悔』……あの時行ったこなたの言葉が重く圧し掛かった。浅はかだった。軽率だった。色々な言葉が思い浮かんでは消える。 つかさ「お姉ちゃん、どうして……どうして止めなかったの、こなちゃんを巻き込むなんて酷いよ……」 気が付くと私の部屋につかさが居た。怒っている……どうやらつかさにばれてしまったようだ。私は黙ってつかさを見た。あの優しいつかさとは思えないほどの形相だった。 私の涙に怯むことなく怒りの言葉をぶつけてきた。私の欲望にこなたを巻き込んだ……それは認める。でも……それは違う。傷ついたのは私だけ。 かがみ「つかさ、こなたは変っていない……変ったのは私だけ……だから、いいでしょ……つかさには関係ないことなんだから」 つかさ「良くない…こんなの良くないよ……今のお姉ちゃん見ていられないよ……苦しんでいるお姉ちゃんなんか見たくないよ……」 つかさが泣き出した。こんな私の為に涙をながしてくれた。正直嬉しかった。だけど素直になれなかった。 その時、私の携帯が鳴り出した。こんな時間にかかってくるのはこなたくらいだ。携帯に出ようとするとつかさがひったくる様に私の携帯を取り上げた。 つかさ「もしもし……うんん間違ってないよお姉ちゃんの携帯だよ……もうお姉ちゃん寝ちゃったんだよ……そうそう……また明日にしてね……おやすみー」  短い会話だった。私とこなたってその程度の仲だったのか。少しさみしかった。 携帯を切ると私に返した。 つかさ「……お姉ちゃん、まだ止めてなかったみたいだね……もうこなちゃんと会うのは無しだよ……」 さっきよりも口調が激しい。さすがの私も黙って居られなかった。 かがみ「何故よ、今日ので最後のはずだったのに……最後……」 つかさ「その台詞……もう何度も聞いたよ……」 かがみ「こなたが良くて私はダメなのよ……納得できないわ、そんなの不公平よ……」 つかさ「それは……お姉ちゃん、自分自身が一番知っているはずだよ、よく胸に手を当てて考えて」 するとつかさはおもむろに私の机の前に移動し机の引き出しを物色しだした。 かがみ「何するのよ、人の物を勝手に……」 私はベッドから起き上がりつかさを止めようとしたがつかさの動きが止まった。もう目当てのものは探し出してしまったようだ。 つかさ「お姉ちゃん、こなちゃんと同じなんて言わせないよ、違うでしょ?」 かがみ「違うって……何が違うの、分らないわ」 つかさ「こなちゃんから聞いたよ、いつもこなちゃんとラーメン屋で特盛注文してるんでしょ……それで帰ってきてこれだもん……信じられないよ」 つかさは私の机の引き出しからレジ袋を取り出した。いつも手元にないと気になるので1ダースほど買ってある。 かがみ「それは……○ッキー、勉強していると口が寂しくなるから……」 つかさ「高校を卒業する時……私と約束したよね……ダイエットするって……なんでラーメンなんか食べだしたの?」 つかさは呆れ顔だった。 かがみ「……卒業近くになって駅前に店がオープンするって……気になっていた……卒業式の日が開店日だった……どうせ不味いと思って……こなたを誘ったんだ……      ところが私好みの味だった……スープ、麺、具、どれを取っても申し分のない味、病み付きになのよ……もう一度でいい、あの味を……」 つかさ「はいはい、そこまでだよ、もうラーメンの事は忘れてね、それとこのお菓子は没収するから……それから朝は当分納豆だからね……それとお昼は私が作ったお弁当以外      は食べちゃダメだから……飲み物もお茶だけだよ……あと5キロも減らさないんだから自覚してよね……」 つかさはレジ袋を持って私の部屋を出て行った。  それなら今度みゆきを誘ってみるかな…… 突然部屋のドアが開いた。 つかさ「言い忘れたけどゆきちゃんを誘っても無駄だからね、もう事情は話してあるから……」 吐き捨てるように言うとまた部屋を出て行った。  何故、あの時こなたを誘ったんだろう。なぜ……あの店に行かなければ……後悔するばかりだった。    あれから二日目、お昼になると流石に空腹が限界になった。つかさに渡された小さな弁当箱……もうダイエットなんかどうでもいい。今日は帰りにあの店のラーメンをガッツリ 食べるんだから。そう心に決めていた。いままでこなたを誘っていたのは女性一人で店に入るのが恥ずかしかっただけ……とりあえず空腹を紛らわすか。  弁当のを開いた……刻んだ海苔で『ガンバレ』と書いてあった……程なく携帯にメールの着信が来た。 『かがみ、がんばれー』とこなたからだった。続けて『かがみさん、ファイトです』とみゆきからも……  目頭が熱くなった。  帰ったらジョギングをやるかな。 終 **コメント・感想フォーム #comment(below,size=50,nsize=50,vsize=3) - 3日後にはラーメン食べるの再開しそう -- 名無しさん (2013-10-27 12:57:32) - なんとも言えませんな(何が?) &br()前半の展開で凄く重い展開を予想した自分が恥ずかしいです・・・ -- 名無しさん (2010-11-14 11:16:11)

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