ID:hgTk2rc0氏:つかさのネタノート(ページ2)

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うーん、よく寝た・・・あれ、私は寝ていたようだ。辺りを見回すとそこは泉先輩の家の居間だった。慌てて私は携帯電話の日付を確認した。 一年西暦が戻ってる。卒業式どころか夏休みが終わったばかり、・・・さっきまでのは、お約束の寝落ちか・・・。 そういえば今日は勉強会だった、小早川さんが買い物から戻ってくるのをまってたんだな。こんなリアルな夢をみるほど人の家で寝てたなんて、徹夜もすこし控えるかな。 ノートが開きっ放しだ。ネタを考えてたんだな。このノートつかさ先輩のネタ帳じゃないか寝ぼけて私のと間違えたみたいだ。 私はノートを鞄にしまおうとした。ノートが少し焦げていた。まさか。 ノートを広げた。私の字でさっきの夢の出来事が綴られていた。タイトルの部分は・・・うっすらと跡が残ってる。かがみ先輩が消しゴムで消した跡・・・ 本当だったんだ。夢じゃない、私はつかさ先輩が消える前まで戻ってきたんだ。呪いが解けたみたいだ。つまりつかさ先輩が消える前まで戻った。  するともうしばらくするとつかさ先輩が来るはず。私のする事は・・・これしかない。さてと、完成させるかな。 『ピンポンー』 そうじろう「いらっしゃい、つかさちゃん、今、こなたは買い物中なんだよ、悪いね、ゆーちゃんの友達の田村さんがいるけど       ゆーちゃんも一緒でね、お話でもしながら待っててくれるかな」 つかさ「はい、お邪魔します」  おじさんはつかさ先輩が消えた事を全く知らないみたいだ。他のみんなはどうなのかな。私が覚えているからきっと・・・。  玄関からつかさ先輩が入ってきた。 つかさ「こんにちは、ひよりちゃん、ひよりちゃんもこなちゃんに用なの」 ひより「こんにちは、私は小早川さん達と勉強会っス」 つかさ「あ、私達と同じだ、偶然だけど、ふしぎだね・・・どうしたのひよりちゃん・・・」 ひより「いや、なんでもないっス」 思わず涙が出そうになってしまった。またつかさ先輩に会えるとは。 つかさ「最近は漫画の調子はいいの?」 思った通りの質問が来た。 ひより「・・・今回は順調に進んでます」 こう言う以外に選択肢はなかった。ネタ切れなんて言ってつかさ先輩のネタを使わされたら・・・なんて思ってたな つかさ「私のネタ、使ってもいいからね」 つかさ先輩は私の手に持っているノートを見た。 つかさ「嬉しい、私のノート使ってくれてたんだね」 ひより「これは参考資料に・・・」 つかさ「ひとつネタ思いついたんだけど」 ひより「何ですか」 つかさ「もし、誰か突然居なくなったらどうなるだろうって」 ひより「えっ?」 つかさ「ネタにならないかな、例えば・・・私が突然居なくなるの、そしてそれを誰も気が付かない」 つかさ先輩はノートを取り頁をめくると手が止まった。 つかさ「この字私のじゃない、ひよりちゃんの字だよね・・・小説?」 ひより「そんなところです、漫画にするつもりですけどね」 つかさ先輩は読み始めた。こうなることは何となく分かった。でも、ここからはどうなるか分からない。 つかさ「この小説なんで私のノートに・・・」 ひより「それは・・・つかさ先輩がくれたネタだからっスよ」 またつかさ先輩はノートを読んだ。 つかさ「この子、こなちゃんにそっくりだ」 私を外人から助けた場面だろうか、 つかさ「なんで・・・黙ってたの・・・」 これはかがみ先輩の事だな。 つかさ「何これ・・・これ、昨日の場面と同じ・・・」 ノートにコーヒーを溢した時かな・・・ つかさ先輩は読むのを止め私の方を向いた。目が潤んでいる。 つかさ「・・・私、昨日これと同じような事があったんだ・・・なんで、ひよりちゃん、この小説、私の境遇と同じなんだけど・・・」  嘘を言ってもしょうがないし。ごまかしたって意味はない。真実をそのまま語ろう。 ひより「つかさ先輩はそのノートに呪いをかけたんですよ、自分が居なくなった世界を・・・そしてその世界を見てきたっス、今読んでいるのはその世界で起きた事・・・」 つかさ先輩は首を傾げている。 つかさ「どうゆうこと・・・」 ひより「それは、つかさ先輩居なくなった世界の話、さっき言ってたじゃないっスか、それが本当の事になったんっスよ」 つかさ「それじゃ今日、私がここに来た理由も知ってるの、本当の理由を・・・」 ひより「高良先輩に謝る・・・っスか」 つかさ先輩は驚いた様子だった。そしてつかさ先輩は自分の鞄からノートを取り出した。 つかさ「ゆきちゃんのノート、私の不注意でね・・・この小説と同じように・・・・なっ・・・なんで・・・このノート、こんなになっちゃって・・・」 つかさ先輩が持っているノートは半分焦げている。 つかさ「違う・・・こんな事してないよ、これじゃ謝れない・・・ゆきちゃん、お姉ちゃん・・・もう私は謝ることもできないよ・・・」 このノートを見て確信した。私は戻って来た。そして他のみんなも。 つかさ先輩は机の上に焦げたノートを置いて泣き崩れている。 ひより「私、そのノートが焦げた理由をしってますよ・・・」 私はつかさ先輩にネタノートを差し出した。 つかさ「なに・・・」 ひより「最後まで読んでください」 つかさ先輩は黙って受け取り読み始めた。  ここに戻ってきてからつかさ先輩が来るまでの時間を利用して残りの出来事を書いておいた。言葉では説明できなかったから。つかさ先輩は必ず読むと思った。 つかさ「これ、本当なの・・・」 ひより「燃やしている所は高良先輩も立ち会ってます、だから問題ないっスよ」 つかさ先輩は黙って佇んでいる。 ひより「一度外に出てみませんか、そこには、怒った事を後悔した人が居るはず・・・玄関の呼び鈴を押せないくて・・・この家の前まで来てるっスよ」 つかさ「お姉ちゃんの事?・・・お姉ちゃんは来ないって言った、居るはずないよ、来ないって言った時は絶対に来なかった・・・」 私はかがみ先輩の名前は言ってない。つかさ先輩はもう心では分かっているはず、この小説は事実だったことを。  扉の開く音が聞こえる。玄関の方から声がした。 こなた「ささ、入った、入った、玄関の前で突っ立てたてて」 ゆたか「そうですよ、上がって下さい」 みゆき「おじゃまします、つかささんはもういらっしゃるみたいですよ」 もう一人、泉先輩の家に入りたがらない人が居るようだ。泉先輩達に見つかってしまったらしい。 ひより「あ、外に出る事はないみたいっス、向こうから来ましたよ」 つかさ先輩は玄関の方を向いた。少し遅れて私も玄関の方を向いた。  玄関には少女がいる。その手を小早川さんが引いている。その後ろから泉先輩と高良先輩がついてくる。 力で振り払えば小早川さんからならすぐに振り切れる。でもそんな事をしたら小早川さんはただでは済まない。 それを知っている優しい人。小早川さんにひきずられるように居間に案内される。 こなた「つかさ、ひよりんいらっしゃい、一人、入り辛そうにいたから引っ張ってきたよ」 ゆたか「奥へどうぞ」 ひより「おじゃましています・・・」  つかさ先輩は呆然とその少女を見ていた。小早川さんは更にその少女の手を引き、つかさ先輩の目の前に連れてきた。二人は黙ってお互いを見ているだけだった。  高良先輩が机にある焦げたノートに気が付いた。 みゆき「つかささん、このノートは・・・私は全く気にしていません・・・・だから・・・」 泉先輩は自分の口に指を立てて『シー』と高良先輩の方を向いて音を出した。そして私の方を向いて手招きしている。確かに私は邪魔かもしれない。 ゆっくり泉先輩の方に移動した。 つかさ「お姉ちゃん・・・どうしたの、来ないんじゃなかったの」 かがみ先輩はただ黙ってつかさ先輩を見つめる。その目にはいっぱいの涙がたまっていた。 つかさ「どうして黙ってるの」 かがみ先輩はそのままつかさ先輩を抱きしめた。 つかさ「ちょ・・お姉ちゃん、皆が見てるよ・・・」 困惑するつかさ先輩、まだ自分の立場が分かっていないみたいだ。  その二人の姿を確認するように見届けると泉先輩はため息を一回ついた。 こなた「さて、私の部屋に移動しようか、皆が揃うの待とう」 泉先輩は居間の扉を閉めた。 ゆたか「かがみ先輩達は・・・」 こなた「そっとしておこう、お父さんには居間に入らないように言っておくよ」 みゆき「いいのですか、つかささんに会わなくて・・・」 こなた「つかさには私もいろいろ言いたいことがあるよ、でも、身内が優先するよね、みゆきさんも同じ質問を返すよ」 みゆき「無粋でした・・・」 なんか今までの泉先輩じゃない、高良先輩をさとしているなんて。 ゆたか「高良先輩、みなみちゃんは・・・・」 みゆき「もう来ると思います、私は急いで来ました・・・焦げたノートが気になりましたので」  泉先輩の髪型は元の長髪に戻ってる。そしてつかさ先輩の消える前に戻っている。つかさ先輩はもう消えない。 全てが元に戻った。でも私たちの記憶はそのまま残ってる。つかさ先輩が消えた世界の記憶・・・。 どうせ元に戻るならこんな記憶は要らなのに。  ほどなく岩崎さん、日下部先輩、峰岸先輩が来た。 みなみ「・・・このメンバーの集まり、なんかもう恒例のようなきがする」 こなた「私達、もう一回卒業するんだね、なんか変な気分だよ」 みさお「ちびっこ、そういや大学同じだったような気がするけど」 こなた「そういえば・・・そっか私は少なくとも大学に行くことになってるんだ・・・このままでいいんだ」 部屋のドアが突然開いた。 かがみ「どうかな、そんな調子で留年しなければいいけどな、あの世界とはもう違う世界だぞ」 こなた「ちょ・・・かがみ、つかさいつ来たのさ」 かがみ「ついさっきよ・・・気を使わせて悪かったわね、こなたらしくない・・・けど、ありがとう、おかげで話ができた・・・」 かがみ先輩は私の方に向いた かがみ「つかさはほとんどの話を田村さんから聞いたって・・・流石ね」 ひより「いやあ、そう言われると照れるっス」 かがみ「ほら、つかさ、何か言いたい事あるんでしょ」 かがみ先輩に隠れるようにしていたつかさ先輩を部屋に引き入れた。つかさ先輩はしばらく俯いてなにも話そうとしなかった。 つかさ「みんな・・・ありがとう、私が知らない間に大変な事になってたみたいで・・・ひよりちゃん、私を最初に思い出してくれたんだね」 私にネタノートを渡した。そのまま高良先輩の元に向かった。 つかさ「このノート、私が汚して・・・」 みゆき「そのノートは復習するために別のノートに全て写してあります、貸すではなく差し上げるべきでした、なにも気にすることはありません、     余計な気遣いをさせたのは私です、そのノートはつかささんの手で破いて下さい・・・」 かがみ「みゆき・・・何故今になって・・・」 みゆき「かがみさんからこのノートの話を聞いた時、つかささんの消えた原因は私のノートだったことに気付きました・・・でも・・・話せませんでした・・・すみません・・・すみません」 何度も謝る高良先輩。かがみ先輩もそれ以上聞かなかった。でも私は知っている。このノートがなかったらネタ帳が焦げてしまった事を、高良先輩のノートはつかさ先輩のノートを守った。 つかさ「それじゃゆきちゃん、破るよ・・・」 半分焦げたノート、コーヒーも被っている。ノートは簡単に破れてしまった。泉先輩がごみ箱を差し出した。 かがみ「あっけないわね、こんな物の為に私は・・・」 つかさ「こなちゃん・・・私は知ってるよ、こなちゃんはお姉ちゃんの記憶を戻そうとして髪形を私と同じにしたんだよね・・・」 今度は泉先輩の元に。私の書いた事なのか、かがみ先輩が話したことなのかは分からないけど知っていた。 つかさ先輩も泉先輩の長髪の理由は知っていると思われる。しかし泉先輩はそんなつかさ先輩の質問にいつもの調子で話す。 こなた「まあね、見てごらん、髪は元通りだよ、だからもうその話はしなくていいよ」 つかさ「でも・・・」 こなた「つかさ、やっぱりかがみの妹だよ、まったく同じ反応して、つかさ達が思ってるほど髪の毛に執着してないよ」 みさお「柊の妹、ちびっ子がそう言ってるんだ、あまりしつこいと逆効果だぞ、それに、柊みたいに一人一人挨拶するのか・・・柊の妹らしくないぞ」 あやの「そうね、妹ちゃんはいつも笑顔だったね、それで私はいいと思うよ」 みゆき「まだつかささんに言っていなかったですね・・・・おかえりなさい」 一同『おかえりなさい』 つかさ「私・・・こなちゃんの家に来ただけなのに・・・何かへんな気分・・・ただいま・・・」 つかさ先輩には短い時間だった。でも私達は半年近い時間を過ごした。このギャップが埋まるのはまだ少し時間がかかりそうだ。 つかさ先輩はしばらく考えていたみたいだったが何かひらめいたようだった。 つかさ「私・・・皆に料理を作りたい、これが私の出来る唯一の事・・・」 みさお「お、柊の妹の料理か・・・食ってみたいな」 みなみ「食べてみたい・・・」 つかさ「こなちゃん・・・台所借りていいかな」 こなた「・・・いいよ、でも、食器とか調味料とかいろいろ必要でしょ、つかさじゃ場所分からないよね、私が手伝うよ・・・」 二人は部屋を出た。 あやの「それじゃ私も手伝う」 みさお「それは止めておいた方がいいぞ・・・」 あやの「なぜ」 みさお「びっ子の顔見てて思い出したんだよな、三年のクラス替えの時の柊を・・・・」 峰岸先輩は上を見て考え込んだ。 あやの「・・・ああ、そうね、あの時の柊ちゃんと同じ」 かがみ「何が同じなのよ・・・」 みさお「一緒のクラスになれなくて悲しそうにしてた・・・でしょ」 あやの「そうそう、柊ちゃんが独占してたから・・・早く会いたいって顔だった」 かがみ先輩の顔が一気に赤くなった。 かがみ「なっ、何言ってるのよ、あれは・・・」 二人は笑い出した・・・それを見ていた高良先輩はクスリと笑っている・・・からかい半分には違いないけど・・これは・・・私の妄想に近いじゃないか・・・すっかり忘れていた・・・。 今頃ににって私の脳裏に妄想が浮かんできた。 みゆき「料理はお二人にお任せしましょう、きっと募る話もあるでしょうから、そうですよね、かがみさん」 かがみ「なんで私に聞くのよ、料理はあの二人に敵わないからどうでもいいわよ」 少しすねてしまった。この反応がまた私の妄想に拍車を掛けた。 ゆたか「どうしたの、田村さん」 小早川さんの声に私は我に返った。自重しないと・・・ 待っている間、私達は雑談やら、思い出話に花がさいた。 日下部先輩と岩崎さんが話している・・・こんな光景は今までなら考えもしなかった。小早川さんとかがみ先輩もか・・・もうすっかりあの時のわだかまりはないみたいだ。 そうこうしているうちにつかさ先輩が私達を呼んだ。私達は台所に向かった。 かがみ「ちょ・・・フルコースじゃないの・・・デザートまで付けて・・・張り切りすぎよ・・・しかもこんなに作って・・・」 こなた「大丈夫、残りはかがみが全て食べてくれるから」 かがみ「こなた、一発殴って良いか・・・」 みさお「おお、うまそうだな、柊の妹が戻った祝いだ・・・」 かがみ「調子いいな、なんの為に私達が集まったか忘れたのか・・・」 みゆき「よいではありませんか、この日くらいは・・・」 かがみ「みゆきまで・・・」 つかさ「お代わりもあるから、沢山食べてね」  さながら立食パーティのようになってしまった。確かに当初の目的から大きく逸脱していた。かがみ先輩も観念したのかみんなと一緒に食べだした・・・かなり早いペース・・・。 泉先輩が言ったことも強ち嘘ではなさそうだ。そのうちにパーティそのもののように楽しい食事会になった。私は皆とは一歩引いて食事をした。皆を観察するために・・・。 こなた「ひよりん、どうしたんだい、楽しくない?」 私に近づき声をかけてきた。 ひより「いや、今までの私達ならこんなにはならなかったと思って・・・皆変わったっスね」 こなた「変わった?、皆変わってないよ、何も変わってない、ちょっとこうなるのが早くなっただけ」 ひより「言い切ったっスね、特に泉先輩が変わったように見えましたけど」 泉先輩は笑った。 こなた「私から言わせれば、一番変わったのはひよりんだよ」 ひより「私?・・・なぜっスか?」 こなた「つかさのネタ、使おうとしてるでしょ・・・じゃなきゃノートにあの小説書かないよね」 ひより「え?」 使うつもりはなかったけど、今の泉先輩の質問で何となく使いたくなった。 こなた「それに、つかさとかがみを二人きりになってる時も妄想してなかった・・・これは大きい変化だよ」 ひより「妄想してる時の私分かるっスか?、あの二人には気付かれないのに・・・」 こなた「ゆーちゃん達は気付かないだろうね・・・私には分かっちゃうよ」 やばい、泉先輩が近くにいる時は気をつけよう。 こなた「今思ったんだけどね、つかさが消えたのは、つかさ自身の呪いでもない、ましてはかがみでもないと」 いきなりつかさ先輩の消えた事を話し出した。しかも二人は関係ないと言っている。 ひより「じゃ何が・・・まさか高良先輩って?」 こなた「ちがう、目の前に居るじゃん、ひよりんだよ、あの世界はひよりんのが作った世界、つかさが居なかったどうなったかってね、妄想が生んだ世界」 ひより「私・・・」 そう言われるとそんな気がした。私は硬直して動けなくなってしまった。そんな私を見て泉先輩は大笑いをした。 こなた「嘘だよ、う・そ・・・そんなに本気にするなって、さ、一緒にこっちきて食べよう」 …確かに泉先輩は変わっていなさそうだ…。 かがみ「こらーこなたー、付き合い悪いぞ、こっちコイ・・・」 いきなり泉先輩を呼びつけた。なんか様子がおかしい、かがみ先輩は顔が真っ赤だ。 こなた「なんだよー、今ひよりんと話して・・・って」 かがみ「いいからこっち来て座れ、だいたい私は初めからそう思ってたんだよ、だらしなくて・・・何度言ったらわかるんだ・・・」 こなた「かがみ・・・なんかおかしいよ、言ってる意味が分からない」 かがみ先輩は泉先輩を隣りに座らせていきなり説教をはじめた。・・・なんか酔っているようにも見える。まさかお酒が置いてあるようには見えないし。あったらまずいよ。 つかさ「こなちゃん、このデザート隠し味でブランデー入れたんだけど、完全にアルコール飛ばしてなかったみたい・・・量も間違ってる」 こなた「うそ・・・かがみ・・・正気になろうよ」 かがみ「正気だ?、私は正気だ・・・」 これは・・・完全に酔ってる。 みさお「柊は酒乱だな・・・」 かがみ「日下部、この前の勉強会のあの態度なんだったんだよ、おまえもこっちきて座れ」 今度は日下部先輩にからみはじめた。もう酔っ払いそのものだ。 あやの「このデザートは食べない方がよさそうね」 みゆき「そうですね、かがみさんが先に食べていただいて助かりました」 こなた「それじゃ私達も助けてよー、かがみも食べすぎだよ、もうデザートに手を出すなんて」 かがみ「なんだと、食べろって言ったのはこなた・・・う・・・おぇー」 こなた「ぎゃー ・・・私に向かって吐くなんて・・・この酔っ払いなんとかしてー」  面白い、面白すぎる。この人達にはネタがいっぱい詰まっている。 もうなんだか飲み会の様な感じになってしまった。もうこうなってしまったら誰も止められそうにない。 しばらくかがみ先輩はみんなにからんでいたがそのまま机にうつ伏せになって寝てしまった。 つかさ「またやっちゃった・・・私ってだめだよね・・・」 こなた「デザートは私が作ったから・・・やっぱりつかさに任せれば良かったよ、つかさのせいじゃない」 あやの「二人であの量を作るのは大変だったでしょ・・・しょうがないね」 皆は後片付けを始めた。 みゆき「つかささん、もう家に帰られては、家の方もきっと待ち焦がれていると思いますよ」 つかさ「私もそうしたいけど・・・お姉ちゃんが・・・」 かがみ先輩は熟睡しているようだ。当分起きそうにない。 こなた「大丈夫、ゆい姉さんに送ってもらうように言っておくから・・・」 みなみ「その人警察関係の人、未成年の飲酒なんてばれたら・・・」 こなた「ゆい姉さんはそうゆうの寛容だから、OK」 ゆい姉さん・・・そうか成実さんの事か。小早川さんのお姉さん。一度会ったことがある。確かにあの人なら大丈夫なような気がする。 かがみ「つかさ・・・どこに・・・どこなの」 皆はかがみ先輩の方向を向いた。寝言だ。目には涙が流れている。 みゆき「つかささんが戻ってよっぽど嬉しかったでしょうね、もしかしたら、デザートにお酒が入っているのを承知で食べたのかもしれません」 こなた「私はかがみが羨ましいよ・・・行けるならお母さんが生きていた世界に行きたい・・・・・・ごめん、辛気臭くなった・・・着替えてくる」 泉先輩は部屋を逃げ出すように出て行った。泉先輩にも涙がみえたような気がした。 つかさ「やっぱりお姉ちゃんが起きるまで待ってる・・・いいかなゆたかちゃん」 ゆたか「構わないと思いますけど・・・」 つかさ先輩はかがみ先輩を介抱し始めた。 みさお「勉強会・・・できなかったな」 あやの「ごめんね、田村さん達、関係ないのに巻き込んじゃって」 みなみ「関係ないわけじゃないです・・・」 ゆたか「もう充分関係してますね」 みゆき「明日も休日なので、良かったら私の家で勉強会しませんか、良かったらですが・・・」 つかさ「それならお姉ちゃんも賛成するかも、あのノートの内容が分からないって言ってたし、悔しいって・・・」 あやの「あのノート、よっぽど悔しかったみたいね、妹ちゃんが居ない世界でやけに高良さんを敵視してたみたいだけど・・・この悔しい気持ちだけが残ったのかしらね」 こなた「それはありえあるね、かがみは負けん気強いから・・・」 着替え終わった泉先輩が入ってきた。  岩崎さんと高良先輩は明日の準備があると言って先に帰った。 こなた「みさきち達はどうする?、確かかがみの家の近所だったよね、かがみ達と一緒に送るけど・・・」 あやの「柊ちゃんいつ起きるか分からないし・・・明日もあるしね」 みさお「今日は帰るよ・・・柊の妹、明日、柊の家に迎えに行くから一緒に行くか」 つかさ「うん、お姉ちゃんに言っておく」 こなた「そう・・・それじゃひよりん、送るよ、このままもう少し居てて・・・かがみ次第だけどね」 ひより「お言葉に甘えまして・・・」  だいぶ人数が減った・・・いきなり静かになった。祭りの後の静けさのような寂しさががあった。 泉先輩が玄関で日下部先輩達を見送って台所に戻ってきた。つかさ先輩と小早川さんはかがみ先輩の介抱をしている。私は残りの片付けをしていた。 こなた「かがみの様子はどうだい」 つかさ「相変わらず・・・・」 そうじろう「無理せずに泊まっていってもいいぞ、車なんか乗ったらもっと酔いは酷くなるぞ、俺はちょっと締め切り近くでお構いもできんが・・・」 そう言うとおじさんは部屋の方に戻っていった。 ゆたか「無理しなくていいですから、つかさ先輩」 つかさ「ありがとう」 こなた「そろそろゆい姉さんがくる頃だよ、ひよりんももういいよ、片付けありがとう」 私が片づけを終わり、椅子に座った時だった。 かがみ「みんな、すまなかったわね、ぶち壊してしまって・・・」 いきなりかがみ先輩が起きた。 つかさ「お姉ちゃん・・・これ飲んで・・・水だよ」 かがみ先輩は水を一気に飲み干した。そして一回深呼吸をした。 かがみ「こなたには余計な事を思い出させてしまった、そんなつもりじゃなかった」 こなた「そんなつもりって・・・私がお母さんの事を言ったこと?、かがみ起きてたの?」 かがみ「・・・寝言言ったみたいね、その時から意識はあった」 つかさ「お姉ちゃん・・・何で?・・・」 かがみ先輩は急に涙目になってしまった。 かがみ「みゆきが言うように、私は知ってて食べた・・・私は酔いでもしないと居られなかった」 こなた「かがみ、今度は泣き上戸かい・・・もうちょっと酔いを醒まそう・・・」 かがみ「私は正気だ!」 怒鳴った。泉先輩は怯んだ。私、小早川さんも一歩後を引いた。つかさ先輩だけはその場に留まっていた。 かがみ「消しゴムであの文字を消して・・・気付いたらこなたの家の前に居た・・・入れなかった・・・これじゃ前と同じじゃない・・・・     こなたの家につかさが居る、それは分かってる、でも、入れなかった、こなた達が来るまで」 こなた「まだみゆきさんのノートの事で・・・もうそれはかがみだって・・・」 かがみ「違う・・・そんなんじゃない、つかさが居ない世界で18年も生きていた・・・そこに突然もう一つの世界の記憶・・・     相反する出来事・・・私は・・・分からない・・・・今、つかさが居る世界にいる、そしてそこにつかさが居る、     嬉しい・・・だけど、お母さんにつかさが既に亡くなってるって聞いたときの記憶もしっかり覚えてる、     あの時の悲しさ、空しさ、あれは嘘なの、幻なの、違う、私にとってそれも真実・・・     みんなが楽しくすればするほど自分が分からなくなって・・・そんな記憶・・・なぜ消えなかった・・・     みんなは何事もなかったように振舞って、私だけがおかしいのか、こなた、ゆたかちゃん、田村さん、教えて」  いきなり振られても即答できるような質問じゃない。酔っていて目が虚ろだがしっかりした口調だった。 さすがの泉先輩も冗談でかわせるような余裕はないようだ。かがみ先輩を見たまま固まっていた。小早川さんも同じように固まっていた。 そして私も・・・えっ?。かがみ先輩と目が合ってしまった。何で私なのか。潤んだ瞳で私の目を見ている・・・何も言葉が浮かんでこない。 高良先輩がいてくれたら・・・。 つかさ「おかしくないよ」  私達はつかさ先輩の方を向いた。 つかさ「私とこなちゃんは外人さんが私に話しかけてこなかったら友達になれなかったかもしれない、同じクラスなのに、外人さんにお礼言わないとね」 まったく的外れな事を言い出した。でもそれで私が答えなくて済んだ。 かがみ「つかさには聞いていない、つかさの居ない世界の話につかさが話しても意味無いでしょ」 かがみ先輩の制止を無視するかのように更に話し出す。 つかさ「こなちゃんとお姉ちゃんが初めて会ったのは、こなちゃんが教科書忘れた時だったよね、私が居なかったから会えなかったんだね、ゆきちゃんとお姉ちゃん、     委員会でも会ってるはずなのになんで友達になれなかったのかな、ちょっとした事なんだよね切欠って・・・それが私だったら嬉しいな」 かがみ「つかさ、あんた何がいいたいのよ・・・」 つかさ「出会いがあれば別れも・・・お姉ちゃんと私だっていつかは別れる」 かがみ「つかさ、いい加減な事を・・・」 つかさ「私が居なかった世界って私は生まれてすぐに死んじゃったんだよね、お姉ちゃんと別れたんだよ、出会ってすぐに・・・     これから来る別れの為の練習だと思えば」 かがみ「練習って・・・別れなんてずっと先の話じゃない」 つかさ「そんなの分からないよ、明日、どちらかが死んじゃうかもしれないし」 かがみ「ばか、死ぬなんて軽々しく言うもんじゃないでしょ」 つかさ「生きていればいつか死んじゃう、当たり前のことなのに嫌がるんだね、でも出会いと別れも同じ、そうでしょ、お姉ちゃん」 なんか話がつかさ先輩のペースになってきた。ってかつかさ先輩がこんな話をするなんて。私達はつかさ先輩を固唾を呑んで見守っていた。 つかさ「でも、やっぱり別れはやだよね、悲しいよね、お姉ちゃんの今の気持ち分かるよ、だから おかしくない」 かがみ「そんな事言って・・・答えになってないわよ」 いや、答えになってる。充分すぎるほどに。私にはそう思えた。でもかがみ先輩は納得してない、と言うより納得しようとしてない。 そんなかがみ先輩を尻目に つかさ先輩が静かに話し出す つかさ「もう黙ってても意味無いよね、私の居ない世界で起きたこと、今の世界でも全く同じことが起きた、私達が生まれるとき、その時はお母さんの命も危なかったんだって」 かがみ「・・・まさか、いつ聞いたの」 つかさ「昨日だよ、お姉ちゃんから見ると何ヶ月も経ってるのかな、お姉ちゃんが寝てからお母さんが私の部屋に入ってきてね、お姉ちゃんの怒鳴り声が     気になったって・・・本当は二十歳まで内緒だったって、お姉ちゃんには言わない約束で聞いた、     ほんのちょっと向こうより運がよかったんだね、私達二人とも助かった、ちょっとした違いだったんだろうね、でもその先は全然違っちゃったけどね、     お母さんからこの話を聞いたらお姉ちゃんが居なかったら私、どうなってたか考えちゃって・・・     まつりお姉ちゃん、いのりお姉ちゃん二人とも優しいけど学年が違ってるからいつも一緒にはいられないよね、クラスは違ってたけどいつも私の側に居てくれた、     そんなお姉ちゃんが居ない世界・・・考えられない、考えたくない。一人じゃ何もできないよ・・・私、お母さんの前で泣いちゃったよ・・・子供みたいに・・・」  ・・・と言いながら本当に子供のように泣いてしまった。かがみ先輩の目はもう虚ろではなくなっている。泣きじゃくるつかさ先輩をただ見つめていた。泉先輩がため息を一回した。 こなた「酔いは醒めた?、かがみ・・・さっきの答えなんじゃないの、今のつかさなんか私がノートを燃やそうとして拒否したかがみと同じだよ」 かがみ「覚めたわよ・・・いままで子供扱いしてた、同じ年なのにね、つかさのイメージは甘えん坊の頃のままで止まってた、だからコーヒーを溢したくらいであんな態度になった、     どうやら子供だったのは私の方ね・・・もう姉妹ごっこは終わり、ごめん、つかさ・・・」 つかさ先輩はさっきよりも激しく泣いてしまった。 …姉妹ごっこか、これからは本当の姉妹ってこと・・・二人は今、初めて出会ったんだ。そんな気がした。  そうか、つかさ先輩は高良先輩のノートを汚したしたのではなく、ましてはかがみ先輩に怒られたからネタノートに『私が居なかったら』って書いたわけじゃなかった。 おばさんから出産の事を聞いてかがみ先輩が居なくなった世界を想像していたんだ。そして私に合った時に今度は自分が居なくなったら・・・ なんて考えて私にネタとしてノートに書いたのか。もしかしたら、ただかがみ先輩が消すだけで良かったのかな。 最初からかがみ先輩に消しゴムを渡していたらもっと早く戻れたかもしれない。  つかさ先輩の話から考えるとかがみ先輩の居ない世界も考えられなくもない。かがみ先輩が居なかったらつかさ先輩はどうなってだろうか。 陸桜学園を受験するなんて選んだだろうか。もし選んでいなかったら・・・私は永遠に会うことはできない。さらに、もし、二人とも死んでいたら・・・考えたくもない。    泣きじゃくるつかさ先輩を見て小早川さんが話しかけてきた。 ゆたか「田村さん、つかさ先輩の話聞いてたらみなみちゃんとの出会いを思い出しちゃった」 ひより「なんで?」 ゆたか「あの時、気持ち悪くなってトイレに入った、でも学校にあるトイレはあそこだけじゃなかった、そこに丁度みなみちゃんが来た、ほんの数分違ったら会えなかったし、     私の調子が良かったらトイレにも行かなかった、こう考えると不思議だよね」 ひより「そうだね、岩崎さんだから声をかけたのかも、私だったら薄情だからスルーしちゃうよ」 ゆたか「そんなことないよ・・・それから、どんなに仲良くなっても、いつかは別れちゃんだね、当たり前のことだけど、こっちの事はあまり考えないよね、     卒業の時、就職、・・・最後は・・・その時まで私達友達でいられるかな」 ひより「・・・どうだろうね・・・」 私は答えを出さなかった。出せなかった。つかさ先輩達を見ているといい加減な事は言えなかった。 かがみ先輩が頭を両手でおさえている。 かがみ「つかさ、もう泣かないで、頭痛に響くわ」 こなた「かがみ、まだ酔ってるじゃない、二日酔いって言うんだよそれ・・・あれだけ食べれば当然だけどね」 かがみ「言ってくれるわね、そもそもこなたが作り方を間違ってなければこんな事にならなかったんだぞ」 こなた「知ってて食べたくせに・・・」 かがみ「なんだと、こなた、ちょっとここに来て座れ、だいたいこなたは・・・」 こなた「うわー、また酔っ払いの説教だ、就職してもかがみの部下にはなりたくないよ・・・」 かがみ「つかさ・・・こいつ殴っていいか・・・」 つかさ「こなちゃんと、お姉ちゃん・・・面白すぎだよ・・・」  つかさ先輩が笑った。この世界に戻って初めて見た。つかさ先輩の笑顔。やっと戻ってきた実感がわいてきた。 ゆ い「やっほー、こなた・・・って、なにこれ・・・」 勢い良く戸を開けて入ってきた。私達をみて唖然とする成実さんだった・・・まあちょっと雰囲気は違っているかな。 説明が必要だろうか。そんな心配は無用だった。泉先輩が今までのことを成実さんに話し始めた。 ゆ い「不思議な話だね・・・それでこの子達を送ればいいの」 こなた・ゆたか「お願い」 かがみ・つかさ・ひより「ご迷惑をおかけします」 ゆ い「夜道は危ないからね、私にまかせなさい、さ、送るから・・・」 車の中で・・・ ゆ い「かがみちゃんにつかさちゃん、あの話が本当だとすると、帰ったら大変な騒ぎになるね・・・」 かがみ「・・・多分・・・」 ゆ い「つかさちゃん、甘えられるのも今のうち、帰ったら甘えちゃいなさいよ」 つかさ「はい」 ゆ い「いい返事だ、早く会いたいでしょ・・・行くよー」  ここから先はよく覚えていない、あまりに凄い運転だった・・・かがみ先輩が備え付けのエチケット袋を持って唸っていたのだけが印象に残った。  家に帰るとどっと疲れが出てきた。たいした事をしたわけじゃないのに。 また明日みんなに会えるか・・・何気にネタノートを手にとってみた。 私・・・変わったのかな。泉先輩は人をのせるのうまいからな、真に受けちゃだめだな。 でも、つかさ先輩のネタ・・・使わせてもらいます。この話は面白い。でも今すぐじゃない。私が三年になったら・・・ それにつかさ先輩達が卒業するまで、つかさ先輩達はまだまだいいネタをくれそうな・・・そんな気がした。 アニ研の部室にノート持って行くのは止めるかな・・・三ヵ月後か、それまでに別のネタ考えるしかない。  今頃柊家ではつかさ先輩を囲んで再会に歓喜しているに違いない。特にまつりさんなんかは抱きついて泣いちゃってるかも・・かがみ先輩は酒酔いと乗り物酔いで潰れているかな・・・ 泉家では泉先輩と小早川さんでつかさ先輩の話について語り合っているに違いない。日下部先輩と峰岸先輩、かがみ先輩を置いて帰ったけどかがみ先輩の気持ちを察して先に帰ったのかな。 岩崎さんと高良先輩、明日の準備で忙し・・・明日か・・・おっと妄想はこのくらいにして続きは明日直接聞くか。 そうだ、まだやっていない事があった。これをやっておかないと。私はノートを広げ、かがみ先輩が消しゴムで消した所に上書きをした。 『出会い』 このタイトルがいいね。 あくびが自然と出た。腕を上げて背伸びをした。さてと明日も早いしお風呂に入って寝るか。ノートを閉じ、本棚にしまった。 おやすみ。 終 **コメント・感想フォーム #comment(below,size=50,nsize=50,vsize=3) - コメントいろいろありがとう。 &br()感動してくれて嬉しいです。 -- 作者 (2014-12-21 00:16:57) - マジ映画化希望 &br()美水さんの漫画化でも! -- 感動した! (2014-11-27 08:44:05) - 何が泣だよ上手じゃん &br()いい作品 -- 名無しさん (2014-04-19 20:39:45) - 映画化しても全然違和感ない! &br()もう2期とかいらないからこれを映画化してほしい! -- 名無しさん (2013-08-07 01:37:17) - 文学的なセンスは皆無なんでしょうね。 匿名でなけば恥かしくて読ませられないレベル。 &br()それでも書いているのは何かを自分以外の人に表現したいから。 &br()何かって何でしょうね。自分でも分りません。 -- 作者 (2012-08-04 08:51:27) - 文章力…(泣) &br()でも面白かったです。 &br()Gj!! -- 名無しさん (2012-07-31 17:42:28) - これは素晴らしい作品ですな -- 名無しさん (2011-01-25 21:10:58) - 壮大すぎて終わったとき色んな意味で涙が出た -- 名無しさん (2010-12-21 15:13:51)
うーん、よく寝た・・・あれ、私は寝ていたようだ。辺りを見回すとそこは泉先輩の家の居間だった。慌てて私は携帯電話の日付を確認した。 一年西暦が戻ってる。卒業式どころか夏休みが終わったばかり、・・・さっきまでのは、お約束の寝落ちか・・・。 そういえば今日は勉強会だった、小早川さんが買い物から戻ってくるのをまってたんだな。こんなリアルな夢をみるほど人の家で寝てたなんて、徹夜もすこし控えるかな。 ノートが開きっ放しだ。ネタを考えてたんだな。このノートつかさ先輩のネタ帳じゃないか寝ぼけて私のと間違えたみたいだ。 私はノートを鞄にしまおうとした。ノートが少し焦げていた。まさか。 ノートを広げた。私の字でさっきの夢の出来事が綴られていた。タイトルの部分は・・・うっすらと跡が残ってる。かがみ先輩が消しゴムで消した跡・・・ 本当だったんだ。夢じゃない、私はつかさ先輩が消える前まで戻ってきたんだ。呪いが解けたみたいだ。つまりつかさ先輩が消える前まで戻った。  するともうしばらくするとつかさ先輩が来るはず。私のする事は・・・これしかない。さてと、完成させるかな。 『ピンポンー』 そうじろう「いらっしゃい、つかさちゃん、今、こなたは買い物中なんだよ、悪いね、ゆーちゃんの友達の田村さんがいるけど       ゆーちゃんも一緒でね、お話でもしながら待っててくれるかな」 つかさ「はい、お邪魔します」  おじさんはつかさ先輩が消えた事を全く知らないみたいだ。他のみんなはどうなのかな。私が覚えているからきっと・・・。  玄関からつかさ先輩が入ってきた。 つかさ「こんにちは、ひよりちゃん、ひよりちゃんもこなちゃんに用なの」 ひより「こんにちは、私は小早川さん達と勉強会っス」 つかさ「あ、私達と同じだ、偶然だけど、ふしぎだね・・・どうしたのひよりちゃん・・・」 ひより「いや、なんでもないっス」 思わず涙が出そうになってしまった。またつかさ先輩に会えるとは。 つかさ「最近は漫画の調子はいいの?」 思った通りの質問が来た。 ひより「・・・今回は順調に進んでます」 こう言う以外に選択肢はなかった。ネタ切れなんて言ってつかさ先輩のネタを使わされたら・・・なんて思ってたな つかさ「私のネタ、使ってもいいからね」 つかさ先輩は私の手に持っているノートを見た。 つかさ「嬉しい、私のノート使ってくれてたんだね」 ひより「これは参考資料に・・・」 つかさ「ひとつネタ思いついたんだけど」 ひより「何ですか」 つかさ「もし、誰か突然居なくなったらどうなるだろうって」 ひより「えっ?」 つかさ「ネタにならないかな、例えば・・・私が突然居なくなるの、そしてそれを誰も気が付かない」 つかさ先輩はノートを取り頁をめくると手が止まった。 つかさ「この字私のじゃない、ひよりちゃんの字だよね・・・小説?」 ひより「そんなところです、漫画にするつもりですけどね」 つかさ先輩は読み始めた。こうなることは何となく分かった。でも、ここからはどうなるか分からない。 つかさ「この小説なんで私のノートに・・・」 ひより「それは・・・つかさ先輩がくれたネタだからっスよ」 またつかさ先輩はノートを読んだ。 つかさ「この子、こなちゃんにそっくりだ」 私を外人から助けた場面だろうか、 つかさ「なんで・・・黙ってたの・・・」 これはかがみ先輩の事だな。 つかさ「何これ・・・これ、昨日の場面と同じ・・・」 ノートにコーヒーを溢した時かな・・・ つかさ先輩は読むのを止め私の方を向いた。目が潤んでいる。 つかさ「・・・私、昨日これと同じような事があったんだ・・・なんで、ひよりちゃん、この小説、私の境遇と同じなんだけど・・・」  嘘を言ってもしょうがないし。ごまかしたって意味はない。真実をそのまま語ろう。 ひより「つかさ先輩はそのノートに呪いをかけたんですよ、自分が居なくなった世界を・・・そしてその世界を見てきたっス、今読んでいるのはその世界で起きた事・・・」 つかさ先輩は首を傾げている。 つかさ「どうゆうこと・・・」 ひより「それは、つかさ先輩居なくなった世界の話、さっき言ってたじゃないっスか、それが本当の事になったんっスよ」 つかさ「それじゃ今日、私がここに来た理由も知ってるの、本当の理由を・・・」 ひより「高良先輩に謝る・・・っスか」 つかさ先輩は驚いた様子だった。そしてつかさ先輩は自分の鞄からノートを取り出した。 つかさ「ゆきちゃんのノート、私の不注意でね・・・この小説と同じように・・・・なっ・・・なんで・・・このノート、こんなになっちゃって・・・」 つかさ先輩が持っているノートは半分焦げている。 つかさ「違う・・・こんな事してないよ、これじゃ謝れない・・・ゆきちゃん、お姉ちゃん・・・もう私は謝ることもできないよ・・・」 このノートを見て確信した。私は戻って来た。そして他のみんなも。 つかさ先輩は机の上に焦げたノートを置いて泣き崩れている。 ひより「私、そのノートが焦げた理由をしってますよ・・・」 私はつかさ先輩にネタノートを差し出した。 つかさ「なに・・・」 ひより「最後まで読んでください」 つかさ先輩は黙って受け取り読み始めた。  ここに戻ってきてからつかさ先輩が来るまでの時間を利用して残りの出来事を書いておいた。言葉では説明できなかったから。つかさ先輩は必ず読むと思った。 つかさ「これ、本当なの・・・」 ひより「燃やしている所は高良先輩も立ち会ってます、だから問題ないっスよ」 つかさ先輩は黙って佇んでいる。 ひより「一度外に出てみませんか、そこには、怒った事を後悔した人が居るはず・・・玄関の呼び鈴を押せないくて・・・この家の前まで来てるっスよ」 つかさ「お姉ちゃんの事?・・・お姉ちゃんは来ないって言った、居るはずないよ、来ないって言った時は絶対に来なかった・・・」 私はかがみ先輩の名前は言ってない。つかさ先輩はもう心では分かっているはず、この小説は事実だったことを。  扉の開く音が聞こえる。玄関の方から声がした。 こなた「ささ、入った、入った、玄関の前で突っ立てたてて」 ゆたか「そうですよ、上がって下さい」 みゆき「おじゃまします、つかささんはもういらっしゃるみたいですよ」 もう一人、泉先輩の家に入りたがらない人が居るようだ。泉先輩達に見つかってしまったらしい。 ひより「あ、外に出る事はないみたいっス、向こうから来ましたよ」 つかさ先輩は玄関の方を向いた。少し遅れて私も玄関の方を向いた。  玄関には少女がいる。その手を小早川さんが引いている。その後ろから泉先輩と高良先輩がついてくる。 力で振り払えば小早川さんからならすぐに振り切れる。でもそんな事をしたら小早川さんはただでは済まない。 それを知っている優しい人。小早川さんにひきずられるように居間に案内される。 こなた「つかさ、ひよりんいらっしゃい、一人、入り辛そうにいたから引っ張ってきたよ」 ゆたか「奥へどうぞ」 ひより「おじゃましています・・・」  つかさ先輩は呆然とその少女を見ていた。小早川さんは更にその少女の手を引き、つかさ先輩の目の前に連れてきた。二人は黙ってお互いを見ているだけだった。  高良先輩が机にある焦げたノートに気が付いた。 みゆき「つかささん、このノートは・・・私は全く気にしていません・・・・だから・・・」 泉先輩は自分の口に指を立てて『シー』と高良先輩の方を向いて音を出した。そして私の方を向いて手招きしている。確かに私は邪魔かもしれない。 ゆっくり泉先輩の方に移動した。 つかさ「お姉ちゃん・・・どうしたの、来ないんじゃなかったの」 かがみ先輩はただ黙ってつかさ先輩を見つめる。その目にはいっぱいの涙がたまっていた。 つかさ「どうして黙ってるの」 かがみ先輩はそのままつかさ先輩を抱きしめた。 つかさ「ちょ・・お姉ちゃん、皆が見てるよ・・・」 困惑するつかさ先輩、まだ自分の立場が分かっていないみたいだ。  その二人の姿を確認するように見届けると泉先輩はため息を一回ついた。 こなた「さて、私の部屋に移動しようか、皆が揃うの待とう」 泉先輩は居間の扉を閉めた。 ゆたか「かがみ先輩達は・・・」 こなた「そっとしておこう、お父さんには居間に入らないように言っておくよ」 みゆき「いいのですか、つかささんに会わなくて・・・」 こなた「つかさには私もいろいろ言いたいことがあるよ、でも、身内が優先するよね、みゆきさんも同じ質問を返すよ」 みゆき「無粋でした・・・」 なんか今までの泉先輩じゃない、高良先輩をさとしているなんて。 ゆたか「高良先輩、みなみちゃんは・・・・」 みゆき「もう来ると思います、私は急いで来ました・・・焦げたノートが気になりましたので」  泉先輩の髪型は元の長髪に戻ってる。そしてつかさ先輩の消える前に戻っている。つかさ先輩はもう消えない。 全てが元に戻った。でも私たちの記憶はそのまま残ってる。つかさ先輩が消えた世界の記憶・・・。 どうせ元に戻るならこんな記憶は要らなのに。  ほどなく岩崎さん、日下部先輩、峰岸先輩が来た。 みなみ「・・・このメンバーの集まり、なんかもう恒例のようなきがする」 こなた「私達、もう一回卒業するんだね、なんか変な気分だよ」 みさお「ちびっこ、そういや大学同じだったような気がするけど」 こなた「そういえば・・・そっか私は少なくとも大学に行くことになってるんだ・・・このままでいいんだ」 部屋のドアが突然開いた。 かがみ「どうかな、そんな調子で留年しなければいいけどな、あの世界とはもう違う世界だぞ」 こなた「ちょ・・・かがみ、つかさいつ来たのさ」 かがみ「ついさっきよ・・・気を使わせて悪かったわね、こなたらしくない・・・けど、ありがとう、おかげで話ができた・・・」 かがみ先輩は私の方に向いた かがみ「つかさはほとんどの話を田村さんから聞いたって・・・流石ね」 ひより「いやあ、そう言われると照れるっス」 かがみ「ほら、つかさ、何か言いたい事あるんでしょ」 かがみ先輩に隠れるようにしていたつかさ先輩を部屋に引き入れた。つかさ先輩はしばらく俯いてなにも話そうとしなかった。 つかさ「みんな・・・ありがとう、私が知らない間に大変な事になってたみたいで・・・ひよりちゃん、私を最初に思い出してくれたんだね」 私にネタノートを渡した。そのまま高良先輩の元に向かった。 つかさ「このノート、私が汚して・・・」 みゆき「そのノートは復習するために別のノートに全て写してあります、貸すではなく差し上げるべきでした、なにも気にすることはありません、     余計な気遣いをさせたのは私です、そのノートはつかささんの手で破いて下さい・・・」 かがみ「みゆき・・・何故今になって・・・」 みゆき「かがみさんからこのノートの話を聞いた時、つかささんの消えた原因は私のノートだったことに気付きました・・・でも・・・話せませんでした・・・すみません・・・すみません」 何度も謝る高良先輩。かがみ先輩もそれ以上聞かなかった。でも私は知っている。このノートがなかったらネタ帳が焦げてしまった事を、高良先輩のノートはつかさ先輩のノートを守った。 つかさ「それじゃゆきちゃん、破るよ・・・」 半分焦げたノート、コーヒーも被っている。ノートは簡単に破れてしまった。泉先輩がごみ箱を差し出した。 かがみ「あっけないわね、こんな物の為に私は・・・」 つかさ「こなちゃん・・・私は知ってるよ、こなちゃんはお姉ちゃんの記憶を戻そうとして髪形を私と同じにしたんだよね・・・」 今度は泉先輩の元に。私の書いた事なのか、かがみ先輩が話したことなのかは分からないけど知っていた。 つかさ先輩も泉先輩の長髪の理由は知っていると思われる。しかし泉先輩はそんなつかさ先輩の質問にいつもの調子で話す。 こなた「まあね、見てごらん、髪は元通りだよ、だからもうその話はしなくていいよ」 つかさ「でも・・・」 こなた「つかさ、やっぱりかがみの妹だよ、まったく同じ反応して、つかさ達が思ってるほど髪の毛に執着してないよ」 みさお「柊の妹、ちびっ子がそう言ってるんだ、あまりしつこいと逆効果だぞ、それに、柊みたいに一人一人挨拶するのか・・・柊の妹らしくないぞ」 あやの「そうね、妹ちゃんはいつも笑顔だったね、それで私はいいと思うよ」 みゆき「まだつかささんに言っていなかったですね・・・・おかえりなさい」 一同『おかえりなさい』 つかさ「私・・・こなちゃんの家に来ただけなのに・・・何かへんな気分・・・ただいま・・・」 つかさ先輩には短い時間だった。でも私達は半年近い時間を過ごした。このギャップが埋まるのはまだ少し時間がかかりそうだ。 つかさ先輩はしばらく考えていたみたいだったが何かひらめいたようだった。 つかさ「私・・・皆に料理を作りたい、これが私の出来る唯一の事・・・」 みさお「お、柊の妹の料理か・・・食ってみたいな」 みなみ「食べてみたい・・・」 つかさ「こなちゃん・・・台所借りていいかな」 こなた「・・・いいよ、でも、食器とか調味料とかいろいろ必要でしょ、つかさじゃ場所分からないよね、私が手伝うよ・・・」 二人は部屋を出た。 あやの「それじゃ私も手伝う」 みさお「それは止めておいた方がいいぞ・・・」 あやの「なぜ」 みさお「びっ子の顔見てて思い出したんだよな、三年のクラス替えの時の柊を・・・・」 峰岸先輩は上を見て考え込んだ。 あやの「・・・ああ、そうね、あの時の柊ちゃんと同じ」 かがみ「何が同じなのよ・・・」 みさお「一緒のクラスになれなくて悲しそうにしてた・・・でしょ」 あやの「そうそう、柊ちゃんが独占してたから・・・早く会いたいって顔だった」 かがみ先輩の顔が一気に赤くなった。 かがみ「なっ、何言ってるのよ、あれは・・・」 二人は笑い出した・・・それを見ていた高良先輩はクスリと笑っている・・・からかい半分には違いないけど・・これは・・・私の妄想に近いじゃないか・・・すっかり忘れていた・・・。 今頃ににって私の脳裏に妄想が浮かんできた。 みゆき「料理はお二人にお任せしましょう、きっと募る話もあるでしょうから、そうですよね、かがみさん」 かがみ「なんで私に聞くのよ、料理はあの二人に敵わないからどうでもいいわよ」 少しすねてしまった。この反応がまた私の妄想に拍車を掛けた。 ゆたか「どうしたの、田村さん」 小早川さんの声に私は我に返った。自重しないと・・・ 待っている間、私達は雑談やら、思い出話に花がさいた。 日下部先輩と岩崎さんが話している・・・こんな光景は今までなら考えもしなかった。小早川さんとかがみ先輩もか・・・もうすっかりあの時のわだかまりはないみたいだ。 そうこうしているうちにつかさ先輩が私達を呼んだ。私達は台所に向かった。 かがみ「ちょ・・・フルコースじゃないの・・・デザートまで付けて・・・張り切りすぎよ・・・しかもこんなに作って・・・」 こなた「大丈夫、残りはかがみが全て食べてくれるから」 かがみ「こなた、一発殴って良いか・・・」 みさお「おお、うまそうだな、柊の妹が戻った祝いだ・・・」 かがみ「調子いいな、なんの為に私達が集まったか忘れたのか・・・」 みゆき「よいではありませんか、この日くらいは・・・」 かがみ「みゆきまで・・・」 つかさ「お代わりもあるから、沢山食べてね」  さながら立食パーティのようになってしまった。確かに当初の目的から大きく逸脱していた。かがみ先輩も観念したのかみんなと一緒に食べだした・・・かなり早いペース・・・。 泉先輩が言ったことも強ち嘘ではなさそうだ。そのうちにパーティそのもののように楽しい食事会になった。私は皆とは一歩引いて食事をした。皆を観察するために・・・。 こなた「ひよりん、どうしたんだい、楽しくない?」 私に近づき声をかけてきた。 ひより「いや、今までの私達ならこんなにはならなかったと思って・・・皆変わったっスね」 こなた「変わった?、皆変わってないよ、何も変わってない、ちょっとこうなるのが早くなっただけ」 ひより「言い切ったっスね、特に泉先輩が変わったように見えましたけど」 泉先輩は笑った。 こなた「私から言わせれば、一番変わったのはひよりんだよ」 ひより「私?・・・なぜっスか?」 こなた「つかさのネタ、使おうとしてるでしょ・・・じゃなきゃノートにあの小説書かないよね」 ひより「え?」 使うつもりはなかったけど、今の泉先輩の質問で何となく使いたくなった。 こなた「それに、つかさとかがみを二人きりになってる時も妄想してなかった・・・これは大きい変化だよ」 ひより「妄想してる時の私分かるっスか?、あの二人には気付かれないのに・・・」 こなた「ゆーちゃん達は気付かないだろうね・・・私には分かっちゃうよ」 やばい、泉先輩が近くにいる時は気をつけよう。 こなた「今思ったんだけどね、つかさが消えたのは、つかさ自身の呪いでもない、ましてはかがみでもないと」 いきなりつかさ先輩の消えた事を話し出した。しかも二人は関係ないと言っている。 ひより「じゃ何が・・・まさか高良先輩って?」 こなた「ちがう、目の前に居るじゃん、ひよりんだよ、あの世界はひよりんのが作った世界、つかさが居なかったどうなったかってね、妄想が生んだ世界」 ひより「私・・・」 そう言われるとそんな気がした。私は硬直して動けなくなってしまった。そんな私を見て泉先輩は大笑いをした。 こなた「嘘だよ、う・そ・・・そんなに本気にするなって、さ、一緒にこっちきて食べよう」 …確かに泉先輩は変わっていなさそうだ…。 かがみ「こらーこなたー、付き合い悪いぞ、こっちコイ・・・」 いきなり泉先輩を呼びつけた。なんか様子がおかしい、かがみ先輩は顔が真っ赤だ。 こなた「なんだよー、今ひよりんと話して・・・って」 かがみ「いいからこっち来て座れ、だいたい私は初めからそう思ってたんだよ、だらしなくて・・・何度言ったらわかるんだ・・・」 こなた「かがみ・・・なんかおかしいよ、言ってる意味が分からない」 かがみ先輩は泉先輩を隣りに座らせていきなり説教をはじめた。・・・なんか酔っているようにも見える。まさかお酒が置いてあるようには見えないし。あったらまずいよ。 つかさ「こなちゃん、このデザート隠し味でブランデー入れたんだけど、完全にアルコール飛ばしてなかったみたい・・・量も間違ってる」 こなた「うそ・・・かがみ・・・正気になろうよ」 かがみ「正気だ?、私は正気だ・・・」 これは・・・完全に酔ってる。 みさお「柊は酒乱だな・・・」 かがみ「日下部、この前の勉強会のあの態度なんだったんだよ、おまえもこっちきて座れ」 今度は日下部先輩にからみはじめた。もう酔っ払いそのものだ。 あやの「このデザートは食べない方がよさそうね」 みゆき「そうですね、かがみさんが先に食べていただいて助かりました」 こなた「それじゃ私達も助けてよー、かがみも食べすぎだよ、もうデザートに手を出すなんて」 かがみ「なんだと、食べろって言ったのはこなた・・・う・・・おぇー」 こなた「ぎゃー ・・・私に向かって吐くなんて・・・この酔っ払いなんとかしてー」  面白い、面白すぎる。この人達にはネタがいっぱい詰まっている。 もうなんだか飲み会の様な感じになってしまった。もうこうなってしまったら誰も止められそうにない。 しばらくかがみ先輩はみんなにからんでいたがそのまま机にうつ伏せになって寝てしまった。 つかさ「またやっちゃった・・・私ってだめだよね・・・」 こなた「デザートは私が作ったから・・・やっぱりつかさに任せれば良かったよ、つかさのせいじゃない」 あやの「二人であの量を作るのは大変だったでしょ・・・しょうがないね」 皆は後片付けを始めた。 みゆき「つかささん、もう家に帰られては、家の方もきっと待ち焦がれていると思いますよ」 つかさ「私もそうしたいけど・・・お姉ちゃんが・・・」 かがみ先輩は熟睡しているようだ。当分起きそうにない。 こなた「大丈夫、ゆい姉さんに送ってもらうように言っておくから・・・」 みなみ「その人警察関係の人、未成年の飲酒なんてばれたら・・・」 こなた「ゆい姉さんはそうゆうの寛容だから、OK」 ゆい姉さん・・・そうか成実さんの事か。小早川さんのお姉さん。一度会ったことがある。確かにあの人なら大丈夫なような気がする。 かがみ「つかさ・・・どこに・・・どこなの」 皆はかがみ先輩の方向を向いた。寝言だ。目には涙が流れている。 みゆき「つかささんが戻ってよっぽど嬉しかったでしょうね、もしかしたら、デザートにお酒が入っているのを承知で食べたのかもしれません」 こなた「私はかがみが羨ましいよ・・・行けるならお母さんが生きていた世界に行きたい・・・・・・ごめん、辛気臭くなった・・・着替えてくる」 泉先輩は部屋を逃げ出すように出て行った。泉先輩にも涙がみえたような気がした。 つかさ「やっぱりお姉ちゃんが起きるまで待ってる・・・いいかなゆたかちゃん」 ゆたか「構わないと思いますけど・・・」 つかさ先輩はかがみ先輩を介抱し始めた。 みさお「勉強会・・・できなかったな」 あやの「ごめんね、田村さん達、関係ないのに巻き込んじゃって」 みなみ「関係ないわけじゃないです・・・」 ゆたか「もう充分関係してますね」 みゆき「明日も休日なので、良かったら私の家で勉強会しませんか、良かったらですが・・・」 つかさ「それならお姉ちゃんも賛成するかも、あのノートの内容が分からないって言ってたし、悔しいって・・・」 あやの「あのノート、よっぽど悔しかったみたいね、妹ちゃんが居ない世界でやけに高良さんを敵視してたみたいだけど・・・この悔しい気持ちだけが残ったのかしらね」 こなた「それはありえあるね、かがみは負けん気強いから・・・」 着替え終わった泉先輩が入ってきた。  岩崎さんと高良先輩は明日の準備があると言って先に帰った。 こなた「みさきち達はどうする?、確かかがみの家の近所だったよね、かがみ達と一緒に送るけど・・・」 あやの「柊ちゃんいつ起きるか分からないし・・・明日もあるしね」 みさお「今日は帰るよ・・・柊の妹、明日、柊の家に迎えに行くから一緒に行くか」 つかさ「うん、お姉ちゃんに言っておく」 こなた「そう・・・それじゃひよりん、送るよ、このままもう少し居てて・・・かがみ次第だけどね」 ひより「お言葉に甘えまして・・・」  だいぶ人数が減った・・・いきなり静かになった。祭りの後の静けさのような寂しさががあった。 泉先輩が玄関で日下部先輩達を見送って台所に戻ってきた。つかさ先輩と小早川さんはかがみ先輩の介抱をしている。私は残りの片付けをしていた。 こなた「かがみの様子はどうだい」 つかさ「相変わらず・・・・」 そうじろう「無理せずに泊まっていってもいいぞ、車なんか乗ったらもっと酔いは酷くなるぞ、俺はちょっと締め切り近くでお構いもできんが・・・」 そう言うとおじさんは部屋の方に戻っていった。 ゆたか「無理しなくていいですから、つかさ先輩」 つかさ「ありがとう」 こなた「そろそろゆい姉さんがくる頃だよ、ひよりんももういいよ、片付けありがとう」 私が片づけを終わり、椅子に座った時だった。 かがみ「みんな、すまなかったわね、ぶち壊してしまって・・・」 いきなりかがみ先輩が起きた。 つかさ「お姉ちゃん・・・これ飲んで・・・水だよ」 かがみ先輩は水を一気に飲み干した。そして一回深呼吸をした。 かがみ「こなたには余計な事を思い出させてしまった、そんなつもりじゃなかった」 こなた「そんなつもりって・・・私がお母さんの事を言ったこと?、かがみ起きてたの?」 かがみ「・・・寝言言ったみたいね、その時から意識はあった」 つかさ「お姉ちゃん・・・何で?・・・」 かがみ先輩は急に涙目になってしまった。 かがみ「みゆきが言うように、私は知ってて食べた・・・私は酔いでもしないと居られなかった」 こなた「かがみ、今度は泣き上戸かい・・・もうちょっと酔いを醒まそう・・・」 かがみ「私は正気だ!」 怒鳴った。泉先輩は怯んだ。私、小早川さんも一歩後を引いた。つかさ先輩だけはその場に留まっていた。 かがみ「消しゴムであの文字を消して・・・気付いたらこなたの家の前に居た・・・入れなかった・・・これじゃ前と同じじゃない・・・・     こなたの家につかさが居る、それは分かってる、でも、入れなかった、こなた達が来るまで」 こなた「まだみゆきさんのノートの事で・・・もうそれはかがみだって・・・」 かがみ「違う・・・そんなんじゃない、つかさが居ない世界で18年も生きていた・・・そこに突然もう一つの世界の記憶・・・     相反する出来事・・・私は・・・分からない・・・・今、つかさが居る世界にいる、そしてそこにつかさが居る、     嬉しい・・・だけど、お母さんにつかさが既に亡くなってるって聞いたときの記憶もしっかり覚えてる、     あの時の悲しさ、空しさ、あれは嘘なの、幻なの、違う、私にとってそれも真実・・・     みんなが楽しくすればするほど自分が分からなくなって・・・そんな記憶・・・なぜ消えなかった・・・     みんなは何事もなかったように振舞って、私だけがおかしいのか、こなた、ゆたかちゃん、田村さん、教えて」  いきなり振られても即答できるような質問じゃない。酔っていて目が虚ろだがしっかりした口調だった。 さすがの泉先輩も冗談でかわせるような余裕はないようだ。かがみ先輩を見たまま固まっていた。小早川さんも同じように固まっていた。 そして私も・・・えっ?。かがみ先輩と目が合ってしまった。何で私なのか。潤んだ瞳で私の目を見ている・・・何も言葉が浮かんでこない。 高良先輩がいてくれたら・・・。 つかさ「おかしくないよ」  私達はつかさ先輩の方を向いた。 つかさ「私とこなちゃんは外人さんが私に話しかけてこなかったら友達になれなかったかもしれない、同じクラスなのに、外人さんにお礼言わないとね」 まったく的外れな事を言い出した。でもそれで私が答えなくて済んだ。 かがみ「つかさには聞いていない、つかさの居ない世界の話につかさが話しても意味無いでしょ」 かがみ先輩の制止を無視するかのように更に話し出す。 つかさ「こなちゃんとお姉ちゃんが初めて会ったのは、こなちゃんが教科書忘れた時だったよね、私が居なかったから会えなかったんだね、ゆきちゃんとお姉ちゃん、     委員会でも会ってるはずなのになんで友達になれなかったのかな、ちょっとした事なんだよね切欠って・・・それが私だったら嬉しいな」 かがみ「つかさ、あんた何がいいたいのよ・・・」 つかさ「出会いがあれば別れも・・・お姉ちゃんと私だっていつかは別れる」 かがみ「つかさ、いい加減な事を・・・」 つかさ「私が居なかった世界って私は生まれてすぐに死んじゃったんだよね、お姉ちゃんと別れたんだよ、出会ってすぐに・・・     これから来る別れの為の練習だと思えば」 かがみ「練習って・・・別れなんてずっと先の話じゃない」 つかさ「そんなの分からないよ、明日、どちらかが死んじゃうかもしれないし」 かがみ「ばか、死ぬなんて軽々しく言うもんじゃないでしょ」 つかさ「生きていればいつか死んじゃう、当たり前のことなのに嫌がるんだね、でも出会いと別れも同じ、そうでしょ、お姉ちゃん」 なんか話がつかさ先輩のペースになってきた。ってかつかさ先輩がこんな話をするなんて。私達はつかさ先輩を固唾を呑んで見守っていた。 つかさ「でも、やっぱり別れはやだよね、悲しいよね、お姉ちゃんの今の気持ち分かるよ、だから おかしくない」 かがみ「そんな事言って・・・答えになってないわよ」 いや、答えになってる。充分すぎるほどに。私にはそう思えた。でもかがみ先輩は納得してない、と言うより納得しようとしてない。 そんなかがみ先輩を尻目に つかさ先輩が静かに話し出す つかさ「もう黙ってても意味無いよね、私の居ない世界で起きたこと、今の世界でも全く同じことが起きた、私達が生まれるとき、その時はお母さんの命も危なかったんだって」 かがみ「・・・まさか、いつ聞いたの」 つかさ「昨日だよ、お姉ちゃんから見ると何ヶ月も経ってるのかな、お姉ちゃんが寝てからお母さんが私の部屋に入ってきてね、お姉ちゃんの怒鳴り声が     気になったって・・・本当は二十歳まで内緒だったって、お姉ちゃんには言わない約束で聞いた、     ほんのちょっと向こうより運がよかったんだね、私達二人とも助かった、ちょっとした違いだったんだろうね、でもその先は全然違っちゃったけどね、     お母さんからこの話を聞いたらお姉ちゃんが居なかったら私、どうなってたか考えちゃって・・・     まつりお姉ちゃん、いのりお姉ちゃん二人とも優しいけど学年が違ってるからいつも一緒にはいられないよね、クラスは違ってたけどいつも私の側に居てくれた、     そんなお姉ちゃんが居ない世界・・・考えられない、考えたくない。一人じゃ何もできないよ・・・私、お母さんの前で泣いちゃったよ・・・子供みたいに・・・」  ・・・と言いながら本当に子供のように泣いてしまった。かがみ先輩の目はもう虚ろではなくなっている。泣きじゃくるつかさ先輩をただ見つめていた。泉先輩がため息を一回した。 こなた「酔いは醒めた?、かがみ・・・さっきの答えなんじゃないの、今のつかさなんか私がノートを燃やそうとして拒否したかがみと同じだよ」 かがみ「覚めたわよ・・・いままで子供扱いしてた、同じ年なのにね、つかさのイメージは甘えん坊の頃のままで止まってた、だからコーヒーを溢したくらいであんな態度になった、     どうやら子供だったのは私の方ね・・・もう姉妹ごっこは終わり、ごめん、つかさ・・・」 つかさ先輩はさっきよりも激しく泣いてしまった。 …姉妹ごっこか、これからは本当の姉妹ってこと・・・二人は今、初めて出会ったんだ。そんな気がした。  そうか、つかさ先輩は高良先輩のノートを汚したしたのではなく、ましてはかがみ先輩に怒られたからネタノートに『私が居なかったら』って書いたわけじゃなかった。 おばさんから出産の事を聞いてかがみ先輩が居なくなった世界を想像していたんだ。そして私に合った時に今度は自分が居なくなったら・・・ なんて考えて私にネタとしてノートに書いたのか。もしかしたら、ただかがみ先輩が消すだけで良かったのかな。 最初からかがみ先輩に消しゴムを渡していたらもっと早く戻れたかもしれない。  つかさ先輩の話から考えるとかがみ先輩の居ない世界も考えられなくもない。かがみ先輩が居なかったらつかさ先輩はどうなってだろうか。 陸桜学園を受験するなんて選んだだろうか。もし選んでいなかったら・・・私は永遠に会うことはできない。さらに、もし、二人とも死んでいたら・・・考えたくもない。    泣きじゃくるつかさ先輩を見て小早川さんが話しかけてきた。 ゆたか「田村さん、つかさ先輩の話聞いてたらみなみちゃんとの出会いを思い出しちゃった」 ひより「なんで?」 ゆたか「あの時、気持ち悪くなってトイレに入った、でも学校にあるトイレはあそこだけじゃなかった、そこに丁度みなみちゃんが来た、ほんの数分違ったら会えなかったし、     私の調子が良かったらトイレにも行かなかった、こう考えると不思議だよね」 ひより「そうだね、岩崎さんだから声をかけたのかも、私だったら薄情だからスルーしちゃうよ」 ゆたか「そんなことないよ・・・それから、どんなに仲良くなっても、いつかは別れちゃんだね、当たり前のことだけど、こっちの事はあまり考えないよね、     卒業の時、就職、・・・最後は・・・その時まで私達友達でいられるかな」 ひより「・・・どうだろうね・・・」 私は答えを出さなかった。出せなかった。つかさ先輩達を見ているといい加減な事は言えなかった。 かがみ先輩が頭を両手でおさえている。 かがみ「つかさ、もう泣かないで、頭痛に響くわ」 こなた「かがみ、まだ酔ってるじゃない、二日酔いって言うんだよそれ・・・あれだけ食べれば当然だけどね」 かがみ「言ってくれるわね、そもそもこなたが作り方を間違ってなければこんな事にならなかったんだぞ」 こなた「知ってて食べたくせに・・・」 かがみ「なんだと、こなた、ちょっとここに来て座れ、だいたいこなたは・・・」 こなた「うわー、また酔っ払いの説教だ、就職してもかがみの部下にはなりたくないよ・・・」 かがみ「つかさ・・・こいつ殴っていいか・・・」 つかさ「こなちゃんと、お姉ちゃん・・・面白すぎだよ・・・」  つかさ先輩が笑った。この世界に戻って初めて見た。つかさ先輩の笑顔。やっと戻ってきた実感がわいてきた。 ゆ い「やっほー、こなた・・・って、なにこれ・・・」 勢い良く戸を開けて入ってきた。私達をみて唖然とする成実さんだった・・・まあちょっと雰囲気は違っているかな。 説明が必要だろうか。そんな心配は無用だった。泉先輩が今までのことを成実さんに話し始めた。 ゆ い「不思議な話だね・・・それでこの子達を送ればいいの」 こなた・ゆたか「お願い」 かがみ・つかさ・ひより「ご迷惑をおかけします」 ゆ い「夜道は危ないからね、私にまかせなさい、さ、送るから・・・」 車の中で・・・ ゆ い「かがみちゃんにつかさちゃん、あの話が本当だとすると、帰ったら大変な騒ぎになるね・・・」 かがみ「・・・多分・・・」 ゆ い「つかさちゃん、甘えられるのも今のうち、帰ったら甘えちゃいなさいよ」 つかさ「はい」 ゆ い「いい返事だ、早く会いたいでしょ・・・行くよー」  ここから先はよく覚えていない、あまりに凄い運転だった・・・かがみ先輩が備え付けのエチケット袋を持って唸っていたのだけが印象に残った。  家に帰るとどっと疲れが出てきた。たいした事をしたわけじゃないのに。 また明日みんなに会えるか・・・何気にネタノートを手にとってみた。 私・・・変わったのかな。泉先輩は人をのせるのうまいからな、真に受けちゃだめだな。 でも、つかさ先輩のネタ・・・使わせてもらいます。この話は面白い。でも今すぐじゃない。私が三年になったら・・・ それにつかさ先輩達が卒業するまで、つかさ先輩達はまだまだいいネタをくれそうな・・・そんな気がした。 アニ研の部室にノート持って行くのは止めるかな・・・三ヵ月後か、それまでに別のネタ考えるしかない。  今頃柊家ではつかさ先輩を囲んで再会に歓喜しているに違いない。特にまつりさんなんかは抱きついて泣いちゃってるかも・・かがみ先輩は酒酔いと乗り物酔いで潰れているかな・・・ 泉家では泉先輩と小早川さんでつかさ先輩の話について語り合っているに違いない。日下部先輩と峰岸先輩、かがみ先輩を置いて帰ったけどかがみ先輩の気持ちを察して先に帰ったのかな。 岩崎さんと高良先輩、明日の準備で忙し・・・明日か・・・おっと妄想はこのくらいにして続きは明日直接聞くか。 そうだ、まだやっていない事があった。これをやっておかないと。私はノートを広げ、かがみ先輩が消しゴムで消した所に上書きをした。 『出会い』 このタイトルがいいね。 あくびが自然と出た。腕を上げて背伸びをした。さてと明日も早いしお風呂に入って寝るか。ノートを閉じ、本棚にしまった。 おやすみ。 終 **コメント・感想フォーム #comment(below,size=50,nsize=50,vsize=3) - 原作もこういう話をやってほしい &br()ゲームもファンタジー要素あったし出来なくはないと思うんだけどな &br()やっぱりらき☆すたは高校生じゃないとね &br()原作大学生になって微妙になってきたし -- 名無しさん (2015-02-06 04:18:24) - コメントいろいろありがとう。 &br()感動してくれて嬉しいです。 -- 作者 (2014-12-21 00:16:57) - マジ映画化希望 &br()美水さんの漫画化でも! -- 感動した! (2014-11-27 08:44:05) - 何が泣だよ上手じゃん &br()いい作品 -- 名無しさん (2014-04-19 20:39:45) - 映画化しても全然違和感ない! &br()もう2期とかいらないからこれを映画化してほしい! -- 名無しさん (2013-08-07 01:37:17) - 文学的なセンスは皆無なんでしょうね。 匿名でなけば恥かしくて読ませられないレベル。 &br()それでも書いているのは何かを自分以外の人に表現したいから。 &br()何かって何でしょうね。自分でも分りません。 -- 作者 (2012-08-04 08:51:27) - 文章力…(泣) &br()でも面白かったです。 &br()Gj!! -- 名無しさん (2012-07-31 17:42:28) - これは素晴らしい作品ですな -- 名無しさん (2011-01-25 21:10:58) - 壮大すぎて終わったとき色んな意味で涙が出た -- 名無しさん (2010-12-21 15:13:51)

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