ID:v5xyGNQ+氏:鏡の前に一人

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「ま、何にしても明日からの準備が肝心なんだけど」 「というわけで今日はもう解散しようよ、私、お腹ぺこぺこー」「私もー、お姉ちゃん、帰りにコンビ二寄っていい?」 「もう、仕方ないわねー。なんて、私も寄るつもりだったんだけどさ」 「では、そろそろ出ましょうか? 校門が締まってしまうかもしれませんし」  この子らはそういった他愛もない、ありきたりなやり取りをして教室を後にする。  そして、すっかり遅くなりほとんど人気のない廊下をウチと共に進む。 「それにしても夜の学校ってすっごく不気味だよねー」 「そうね、こんな風に人の気配がないと……昼と同じ場所でも、やっぱり……ねェ」 「なんや柊、二人とも、実は怖がりやな?」 「うぅっ、そ、それは……」  本職というか張本人のあんたらがそんなんでどないすんねん。 「つかさはともかく、かがみは意外やなー。案外、見かけによらず、可愛いとこあるんやな」 「くぅっ……先生こそどうなんです? 仕事で残ってるとき、怖くならないんですか」 「全然だいじょうぶ。ウチはオカルトを信じへんからな」  オカルトなんて分類にして怖がったら可愛そうやしなー。 「うっ、なんかズルい……」 「あー、教師にそんなこと言うんか? せやったらおもろい話教えたろ」  こんなやり取りをきっかけに、3階の踊り場にある鏡にまつわる怪談を聞かせたった。  今みたいに夜遅くに残っていた生徒が鏡を覗き込むと、鏡の中に自分以外の誰かが映っていて、鏡の中に引きずり込まれたというありがちな話や。 「あう……あううううゥ! こ、怖いよーっ!」  で、案の定というべきかつかさが物凄く怖がっとる。  話の矛盾点などを語って安心させ、現場に向かった。  これからが肝心や、うまくいくかいな? 「な、何も写ってないですよね?」 「もちろんやって。なんやったら、ほら――」  一呼吸し、意を決し口を開く。 「なんか写っとるか? ウチ一人やろ?」  うまくいってくれ。ちと、いや、物凄く寂しいが、このままじゃアカンやろ。 「は、はい……ふう……でも怖いなぁ」 「そこまで怖がることはないわよ。けど、ちょっと不気味ではあるけどね」 「怖さを隠し通そうとするかがみ萌え♪」 「う、うっさいわよ!」 「じゃ、怖くないの?」 「うう……その……ちょっと不気味なだけよ」 「同じじゃん」 「違うわよ! こ、怖くないんだから!」 「なら、サイトのオカルト話いっぱい教えたげる。ちゃんと聞いて、きっちり感想返してよ」 「ううう……わ、わかったわよっ!」  相変わらず、あの子ららしいやり取りが繰り広げられる。  このやり方でもアカンかったか。 「おーし、そんじゃお疲れさーん」 「先生さようならー」  そうして、あの子らは校門をくぐり……。 「……消えてもた。これで何度目やろな?」  体育祭の打ち合わせで遅くなった帰りに、あの子らは……。  それからずっと、毎晩この調子で同じやり取りを続けとる。  このままじゃアカンと思ってたら、ネットであの怪談を見つけた。使えると思ったんやけど。 「鏡には本当にウチ一人しか写ってなかったこと、おかしいと思わんかったんか。どないしたらあの子らに納得させられるんやろなー」  職員室へ戻る。 「……泣いとらんで? 夜遅うなって眠くなってあくびしただけや」 終 **コメント・感想フォーム #comment(below,size=50,nsize=50,vsize=3) - しまった!盲点だーっ! -- 名無しさん (2009-12-16 23:16:28) - こeeeee -- 名無しさん (2009-11-21 11:48:21)
「ま、何にしても明日からの準備が肝心なんだけど」 「というわけで今日はもう解散しようよ、私、お腹ぺこぺこー」「私もー、お姉ちゃん、帰りにコンビ二寄っていい?」 「もう、仕方ないわねー。なんて、私も寄るつもりだったんだけどさ」 「では、そろそろ出ましょうか? 校門が締まってしまうかもしれませんし」  この子らはそういった他愛もない、ありきたりなやり取りをして教室を後にする。  そして、すっかり遅くなりほとんど人気のない廊下をウチと共に進む。 「それにしても夜の学校ってすっごく不気味だよねー」 「そうね、こんな風に人の気配がないと……昼と同じ場所でも、やっぱり……ねェ」 「なんや柊、二人とも、実は怖がりやな?」 「うぅっ、そ、それは……」  本職というか張本人のあんたらがそんなんでどないすんねん。 「つかさはともかく、かがみは意外やなー。案外、見かけによらず、可愛いとこあるんやな」 「くぅっ……先生こそどうなんです? 仕事で残ってるとき、怖くならないんですか」 「全然だいじょうぶ。ウチはオカルトを信じへんからな」  オカルトなんて分類にして怖がったら可愛そうやしなー。 「うっ、なんかズルい……」 「あー、教師にそんなこと言うんか? せやったらおもろい話教えたろ」  こんなやり取りをきっかけに、3階の踊り場にある鏡にまつわる怪談を聞かせたった。  今みたいに夜遅くに残っていた生徒が鏡を覗き込むと、鏡の中に自分以外の誰かが映っていて、鏡の中に引きずり込まれたというありがちな話や。 「あう……あううううゥ! こ、怖いよーっ!」  で、案の定というべきかつかさが物凄く怖がっとる。  話の矛盾点などを語って安心させ、現場に向かった。  これからが肝心や、うまくいくかいな? 「な、何も写ってないですよね?」 「もちろんやって。なんやったら、ほら――」  一呼吸し、意を決し口を開く。 「なんか写っとるか? ウチ一人やろ?」  うまくいってくれ。ちと、いや、物凄く寂しいが、このままじゃアカンやろ。 「は、はい……ふう……でも怖いなぁ」 「そこまで怖がることはないわよ。けど、ちょっと不気味ではあるけどね」 「怖さを隠し通そうとするかがみ萌え♪」 「う、うっさいわよ!」 「じゃ、怖くないの?」 「うう……その……ちょっと不気味なだけよ」 「同じじゃん」 「違うわよ! こ、怖くないんだから!」 「なら、サイトのオカルト話いっぱい教えたげる。ちゃんと聞いて、きっちり感想返してよ」 「ううう……わ、わかったわよっ!」  相変わらず、あの子ららしいやり取りが繰り広げられる。  このやり方でもアカンかったか。 「おーし、そんじゃお疲れさーん」 「先生さようならー」  そうして、あの子らは校門をくぐり……。 「……消えてもた。これで何度目やろな?」  体育祭の打ち合わせで遅くなった帰りに、あの子らは……。  それからずっと、毎晩この調子で同じやり取りを続けとる。  このままじゃアカンと思ってたら、ネットであの怪談を見つけた。使えると思ったんやけど。 「鏡には本当にウチ一人しか写ってなかったこと、おかしいと思わんかったんか。どないしたらあの子らに納得させられるんやろなー」  職員室へ戻る。 「……泣いとらんで? 夜遅うなって眠くなってあくびしただけや」 終 **コメント・感想フォーム #comment(below,size=50,nsize=50,vsize=3) - なん・・・だと・・・!? -- 名無しさん (2010-03-27 18:53:29) - しまった!盲点だーっ! -- 名無しさん (2009-12-16 23:16:28) - こeeeee -- 名無しさん (2009-11-21 11:48:21)

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