ID:OwsB7s60氏:寝てろっ!

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 それは暑い暑い夏の時期。太陽の大きさが通常の三倍にでもなったのか、という位に暑い時の事だった。 「おーっす。今日も暑いわねー」  登校中、かがみがこなたの後ろ姿を見つけると、この暑さに負けない位の元気で、そう挨拶した。  それに気付いたこなたは振り返り、かがみの姿を確認するや否や、かがみの胸に倒れ込んだ。 「おい、こなた?」  何事かと思い、こなたの肩を掴んで顔を見る。 「ちょ、あんた目の下に隈が……」  それもかなりでかい。また朝までネットゲームでもしてたな?  かがみがジト目でこなたを睨んでいると、こなたはその視線の意図に気付いたらしく、 「ネトゲじゃないやい」と、力無く否定した。 「寝たいよ~」と、こなた。 「ネトゲじゃないなら何してたんだよ」 「最近、暑いじゃん」 「ん、そうね」 「寝れない」 「……あぁ」  ようするに暑くて寝れないって事ね。でも目を閉じてれば自然と眠れると思うんだが……。  掴んでいた肩を離すと、こなたはフラッと足元を崩し、倒れかけた。 「危なっ」  かがみは間一髪でこなたを受け止める。こなたは今にも死にそうな顔だ。いつも元気なアホ毛も萎びている。 「重症ね、これは」 「しかも二日も寝てないんだぜ」 「え、ちょっとマジなわけ?」  身内の様に心配するかがみ。 「うん……」  こなたは力無くうなずいた。 「保健室行くわよ。どうせ授業なんて受けられないし」  そう判断して、かがみはこなたの肩を担いだ。 「歩けるわよね?」 「うん、ありがとう……」  いつもならここで冗談の一つでも言いそうなのに……。  かがみは保健室へ足を急いだ。  一限目が終わった休憩時間。こなたの事が心配なかがみは大急ぎで保健室へ来ていた。 「どうですか? こなたは」 「それが……」  養護教論のふゆきが、窶れた顔をしながらこなたの寝てるであろうベッドを指差す。  その指に吊られて、ベッドの前のカーテンを開けるかがみ。 「やぁ、かがみ」  仰向けで寝ていたこなたが、消え入る様な声で挨拶した。 「あんたまさか、全然寝てないの?」 「寝れないんだよ」 「どうやら本格的な不眠症の様です」  かがみの後ろで椅子に座っているふゆきが告げた。 「不眠症?」と、かがみ。 「はい。さっきから色々と眠れる方法を試してみたのですが、どれも効果がなくて……」  ふゆきは小さく欠伸する。“色々”やって自分が眠くなってしまった様だ。 「……子守歌でも歌ってあげようか?」  と、かがみは冗談混じりにそう言った。が、 「じゃあお願い」 「え?」 「今は藁をも掴む気持ちなんだよ」 「……」  冗談で言ったつもりなのに、どうしよう子守歌なんて知らないし。えぇい、ままよ!  かがみはコホンッと咳ばらいをしてから歌い出した。 「ねむれ~、ねむれ~、安らかに~、そして~」  緊張しているためか、音がかなりズレていた。 「……もういいです」 「な、何よっ。あんたが歌えって言ったんでしょーが!」 「うん、なんかごめんね」 「……まぁいいわ」  げっそりしているこなたを見て、これ以上怒鳴る事は出来なかった。 「先生、本当に何をやってもダメだったんですか?」 「はい。睡眠薬は試していませんが……」 「え? 何でですか?」 「これだけ疲れている身体に、無理矢理眠らせる様な薬は危険だからです」  それもそうか、とかがみは腕を組んだ。 「じゃあ安楽眠士に頼むしかないわね」  溜め息を吐きながらかがみは言う。 「なにそれ」  聞いたこともない単語に、こなたは怪訝な顔をして聞く。 「いや、そう呼ばれてる人が居るのよ」 「かがみの友達?」 「うーん、話せば長くなるんだけど」  そう前置きして、かがみはベッドに座る。 「私の知り合いの友達の親の弟の親戚の末っ子の通う学校の先生のお爺さんの友人が住む家の子供達が書いた日記を見た小説家の――」  …  ……  ……… 「――というわけで、この人が世界大会第二位の安楽眠士、レッドミストさんよ」 「世界大会第二位の、赤い霧だ」  かがみの紹介で、世界大会第二位の安楽眠士、レッドミストが、こなたの部屋に入って来た。 「テライケメン」  それがこなたが見た第一印章らしい。  赤ずくめの服に赤いマント、赤いロングヘアーの……よく見たらふゆきだった。しかしこなたは気付かない振りをした。 「テライケメン」 「じゃあお願いするわね。世界大会第二位、略して二位さん」 「本当に良いんですね?」  そう言って二位さんは、腰からファンタジーゲームに出てきそうな剣を取り出した。 「うん。本人がどうしても寝たいって言うから」  平然と説明するかがみ。 「その剣は何に使うの?」 「大丈夫。痛いのは一瞬ですから、安心して貫かれてください」 「……優しくお願いします」  こなたはベッドに寝転んだ。 「じゃあ私は行くわね」  かがみは部屋を出る。因みに世界大会第一位は私よ、と言い残して。 「あの、二位さんは何で赤いんですか?」 「? トマトですよ?」 「ふーん」 「私疲れちゃいました。こなちゃんを眠らせるの事に……」 「……?」 「だから眠らせてあげますね」 「うん、よろしくー」  二位さんは、腰のベルトから、液体の入った瓶を取り出した。 「それを飲むんですか?」 「いいえ、ケフィアです」  二位さんは、にっこりと笑う。そして、はぁぁ、と赤い息を吐くと、 「麗しの歌に抱かれて、眠るがいい!」  瓶を真上に放り投げ、剣で真っ二つに割る。 「真紅のレクイエム!」  二位さんが叫ぶと、飛び出した液体が光だし、やがて大きくて長い蛇の様なものが姿を現した。 「覚悟せぇや、泉」  なんとそれは、担任の黒井ななこであった。何故か手には、大量のもずくを持っている。 「名付けて、気絶大作戦です」  二位さんが楽しそうに言う。どうやら気絶するまで、もずくを食べさせ、眠らせる作戦らしい。 「おっと、急用を思い出しました」  ベッドから降りようとするこなた。だが、 「無駄なの」 「身体が動かない? マジかよ、反則だぁ」  こなたはベッドに仰向けで、大口を開けた状態で固定されてしまった。 「往生せぇや、泉ぃぃ!」 「やぁぁあぁぁああぁぁっ!」  ………  ……  … 「――池の中の鯉の飼い主である芸能人のファンクラブの一人の異世界に住む伯爵の、」 「柊さん柊さん」  いつまでも喋り続けるかがみに、ふゆきが呼び掛ける。  そして人差し指を口許に持っていくと、「しー」と言って身を屈める。  それを見たかがみは、喋るのを止め、こなたが寝ている事を把握した。 「やっと眠ったか」  かがみの視線の先には、ベッドですやすやと眠るこなたが映っていた。 「さっきのは催眠術か何かですか?」  声のボリュームを下げて、ふゆきが言う。 「まぁ、そんなところです」  少し顔を赤らめながら目を反らすかがみ。  起こしては悪いと思い、今更ながらベッドから立ち上がると、 「うぅ~……二位さん、やめて~……先生~……」と、こなたが唸った。 「うなされてますね」 「どんな夢見てんだか……」  若干、呆れつつも安堵の笑みを浮かべるかがみであった。 「とにかく、こなたも寝たことですし、私戻ります」 「はい、後の事は任せ、」 「かがみ~……かがみ~……」  教室に戻ろうとするかがみを、まるで呼び止めるかの如くタイミングで、こなたが再び唸った。 「な、何よ……」  寝言で名前を呼ばれるのは恥ずかしいらしく、かがみの頬は紅潮していた。そんなかがみに、ふゆきは微笑していた。 「助けて~……」  と、呻きながら、手探りで何かを探しているこなた。  まったく、眠っても忙しい奴だな。  そんな事を思いながらかがみは、こなたの姿勢を戻すため、落ち着かない手を掴もうと自分の手を伸ばした。すると、こなたの方から手が伸びて来て、手を絡めてきた。 「あ、ちょっ」  俗に言う恋人つなぎに、かがみは少し焦っている。  手を繋いだからか、こなたの顔はとても和らいでいた。 「かがみぃ~……」  あ、可愛い。  かがみは素直にそう思った。  どんな夢を見てるか知らないが、何かから救われたのだろう。そう思い、かがみも自然と笑みが零れる。 「先生、こいつが起きるまで傍に居ても良いですか?」 「え? えーと……」  一応、保健室の先生とは言え、教職員の一員だ。健康体の生徒を、堂々とサボらせる訳には行かない、が。  かがみの手を握る事で、こなたも安心して眠る事が出来ているのも事実。  久し振りに睡眠を取れたのだ。ここはこなたが安らかに眠れる事を優先しよう。という事で、 「では、柊さんは体調不良という事にしておきますね」 「はい、ありがとうございます」  かがみは申し訳なさそうに礼を述べた。 「それでは、私は柊さんの体調不良を伝えて来ます。泉さんを――」  言いかけて、かがみがこなたの寝顔に釘付けになっている事に気付く。 「あらあら」  お邪魔虫は退散しますか。  ふゆきはクスッと笑うと、静かに保健室を出て行った。 「あれ、私もなんだか、ふわぁ……」  ――数分後。 「こなたは私が守っ、る……ぅ~」 「かがみぃ、それ……スイッチ……ぎゃくぅ」  とても楽しそうな夢を見ている二人の寝言が、保健室を支配していた。                                   おわり。 **コメント・感想フォーム #comment(below,size=50,nsize=50,vsize=3) - これは良いこなかがwごちです^^ -- 名無しさん (2009-12-03 22:46:08) - らきすたらしいいい話でした。 -- 名無しさん (2009-10-17 20:28:12) -  あれれ~、最初の展開からすると感動系かと思ったのですが...。 &br()まぁ、途中からのカオス要素も面白かったですが、次は是非、 &br()私を泣かせるようなSSも書いて下さいませ! -- stepped on shit! (2009-09-16 22:55:30) - 途中のカオスな所は夢だったんですか!最後もほのぼのしててオチも良かったです。とても幸せな気分になれるSSでした。GJ -- CHEES D7 (2009-09-16 21:50:53)
 それは暑い暑い夏の時期。太陽の大きさが通常の三倍にでもなったのか、という位に暑い時の事だった。 「おーっす。今日も暑いわねー」  登校中、かがみがこなたの後ろ姿を見つけると、この暑さに負けない位の元気で、そう挨拶した。  それに気付いたこなたは振り返り、かがみの姿を確認するや否や、かがみの胸に倒れ込んだ。 「おい、こなた?」  何事かと思い、こなたの肩を掴んで顔を見る。 「ちょ、あんた目の下に隈が……」  それもかなりでかい。また朝までネットゲームでもしてたな?  かがみがジト目でこなたを睨んでいると、こなたはその視線の意図に気付いたらしく、 「ネトゲじゃないやい」と、力無く否定した。 「寝たいよ~」と、こなた。 「ネトゲじゃないなら何してたんだよ」 「最近、暑いじゃん」 「ん、そうね」 「寝れない」 「……あぁ」  ようするに暑くて寝れないって事ね。でも目を閉じてれば自然と眠れると思うんだが……。  掴んでいた肩を離すと、こなたはフラッと足元を崩し、倒れかけた。 「危なっ」  かがみは間一髪でこなたを受け止める。こなたは今にも死にそうな顔だ。いつも元気なアホ毛も萎びている。 「重症ね、これは」 「しかも二日も寝てないんだぜ」 「え、ちょっとマジなわけ?」  身内の様に心配するかがみ。 「うん……」  こなたは力無くうなずいた。 「保健室行くわよ。どうせ授業なんて受けられないし」  そう判断して、かがみはこなたの肩を担いだ。 「歩けるわよね?」 「うん、ありがとう……」  いつもならここで冗談の一つでも言いそうなのに……。  かがみは保健室へ足を急いだ。  一限目が終わった休憩時間。こなたの事が心配なかがみは大急ぎで保健室へ来ていた。 「どうですか? こなたは」 「それが……」  養護教論のふゆきが、窶れた顔をしながらこなたの寝てるであろうベッドを指差す。  その指に吊られて、ベッドの前のカーテンを開けるかがみ。 「やぁ、かがみ」  仰向けで寝ていたこなたが、消え入る様な声で挨拶した。 「あんたまさか、全然寝てないの?」 「寝れないんだよ」 「どうやら本格的な不眠症の様です」  かがみの後ろで椅子に座っているふゆきが告げた。 「不眠症?」と、かがみ。 「はい。さっきから色々と眠れる方法を試してみたのですが、どれも効果がなくて……」  ふゆきは小さく欠伸する。“色々”やって自分が眠くなってしまった様だ。 「……子守歌でも歌ってあげようか?」  と、かがみは冗談混じりにそう言った。が、 「じゃあお願い」 「え?」 「今は藁をも掴む気持ちなんだよ」 「……」  冗談で言ったつもりなのに、どうしよう子守歌なんて知らないし。えぇい、ままよ!  かがみはコホンッと咳ばらいをしてから歌い出した。 「ねむれ~、ねむれ~、安らかに~、そして~」  緊張しているためか、音がかなりズレていた。 「……もういいです」 「な、何よっ。あんたが歌えって言ったんでしょーが!」 「うん、なんかごめんね」 「……まぁいいわ」  げっそりしているこなたを見て、これ以上怒鳴る事は出来なかった。 「先生、本当に何をやってもダメだったんですか?」 「はい。睡眠薬は試していませんが……」 「え? 何でですか?」 「これだけ疲れている身体に、無理矢理眠らせる様な薬は危険だからです」  それもそうか、とかがみは腕を組んだ。 「じゃあ安楽眠士に頼むしかないわね」  溜め息を吐きながらかがみは言う。 「なにそれ」  聞いたこともない単語に、こなたは怪訝な顔をして聞く。 「いや、そう呼ばれてる人が居るのよ」 「かがみの友達?」 「うーん、話せば長くなるんだけど」  そう前置きして、かがみはベッドに座る。 「私の知り合いの友達の親の弟の親戚の末っ子の通う学校の先生のお爺さんの友人が住む家の子供達が書いた日記を見た小説家の――」  …  ……  ……… 「――というわけで、この人が世界大会第二位の安楽眠士、レッドミストさんよ」 「世界大会第二位の、赤い霧だ」  かがみの紹介で、世界大会第二位の安楽眠士、レッドミストが、こなたの部屋に入って来た。 「テライケメン」  それがこなたが見た第一印章らしい。  赤ずくめの服に赤いマント、赤いロングヘアーの……よく見たらふゆきだった。しかしこなたは気付かない振りをした。 「テライケメン」 「じゃあお願いするわね。世界大会第二位、略して二位さん」 「本当に良いんですね?」  そう言って二位さんは、腰からファンタジーゲームに出てきそうな剣を取り出した。 「うん。本人がどうしても寝たいって言うから」  平然と説明するかがみ。 「その剣は何に使うの?」 「大丈夫。痛いのは一瞬ですから、安心して貫かれてください」 「……優しくお願いします」  こなたはベッドに寝転んだ。 「じゃあ私は行くわね」  かがみは部屋を出る。因みに世界大会第一位は私よ、と言い残して。 「あの、二位さんは何で赤いんですか?」 「? トマトですよ?」 「ふーん」 「私疲れちゃいました。こなちゃんを眠らせるの事に……」 「……?」 「だから眠らせてあげますね」 「うん、よろしくー」  二位さんは、腰のベルトから、液体の入った瓶を取り出した。 「それを飲むんですか?」 「いいえ、ケフィアです」  二位さんは、にっこりと笑う。そして、はぁぁ、と赤い息を吐くと、 「麗しの歌に抱かれて、眠るがいい!」  瓶を真上に放り投げ、剣で真っ二つに割る。 「真紅のレクイエム!」  二位さんが叫ぶと、飛び出した液体が光だし、やがて大きくて長い蛇の様なものが姿を現した。 「覚悟せぇや、泉」  なんとそれは、担任の黒井ななこであった。何故か手には、大量のもずくを持っている。 「名付けて、気絶大作戦です」  二位さんが楽しそうに言う。どうやら気絶するまで、もずくを食べさせ、眠らせる作戦らしい。 「おっと、急用を思い出しました」  ベッドから降りようとするこなた。だが、 「無駄なの」 「身体が動かない? マジかよ、反則だぁ」  こなたはベッドに仰向けで、大口を開けた状態で固定されてしまった。 「往生せぇや、泉ぃぃ!」 「やぁぁあぁぁああぁぁっ!」  ………  ……  … 「――池の中の鯉の飼い主である芸能人のファンクラブの一人の異世界に住む伯爵の、」 「柊さん柊さん」  いつまでも喋り続けるかがみに、ふゆきが呼び掛ける。  そして人差し指を口許に持っていくと、「しー」と言って身を屈める。  それを見たかがみは、喋るのを止め、こなたが寝ている事を把握した。 「やっと眠ったか」  かがみの視線の先には、ベッドですやすやと眠るこなたが映っていた。 「さっきのは催眠術か何かですか?」  声のボリュームを下げて、ふゆきが言う。 「まぁ、そんなところです」  少し顔を赤らめながら目を反らすかがみ。  起こしては悪いと思い、今更ながらベッドから立ち上がると、 「うぅ~……二位さん、やめて~……先生~……」と、こなたが唸った。 「うなされてますね」 「どんな夢見てんだか……」  若干、呆れつつも安堵の笑みを浮かべるかがみであった。 「とにかく、こなたも寝たことですし、私戻ります」 「はい、後の事は任せ、」 「かがみ~……かがみ~……」  教室に戻ろうとするかがみを、まるで呼び止めるかの如くタイミングで、こなたが再び唸った。 「な、何よ……」  寝言で名前を呼ばれるのは恥ずかしいらしく、かがみの頬は紅潮していた。そんなかがみに、ふゆきは微笑していた。 「助けて~……」  と、呻きながら、手探りで何かを探しているこなた。  まったく、眠っても忙しい奴だな。  そんな事を思いながらかがみは、こなたの姿勢を戻すため、落ち着かない手を掴もうと自分の手を伸ばした。すると、こなたの方から手が伸びて来て、手を絡めてきた。 「あ、ちょっ」  俗に言う恋人つなぎに、かがみは少し焦っている。  手を繋いだからか、こなたの顔はとても和らいでいた。 「かがみぃ~……」  あ、可愛い。  かがみは素直にそう思った。  どんな夢を見てるか知らないが、何かから救われたのだろう。そう思い、かがみも自然と笑みが零れる。 「先生、こいつが起きるまで傍に居ても良いですか?」 「え? えーと……」  一応、保健室の先生とは言え、教職員の一員だ。健康体の生徒を、堂々とサボらせる訳には行かない、が。  かがみの手を握る事で、こなたも安心して眠る事が出来ているのも事実。  久し振りに睡眠を取れたのだ。ここはこなたが安らかに眠れる事を優先しよう。という事で、 「では、柊さんは体調不良という事にしておきますね」 「はい、ありがとうございます」  かがみは申し訳なさそうに礼を述べた。 「それでは、私は柊さんの体調不良を伝えて来ます。泉さんを――」  言いかけて、かがみがこなたの寝顔に釘付けになっている事に気付く。 「あらあら」  お邪魔虫は退散しますか。  ふゆきはクスッと笑うと、静かに保健室を出て行った。 「あれ、私もなんだか、ふわぁ……」  ――数分後。 「こなたは私が守っ、る……ぅ~」 「かがみぃ、それ……スイッチ……ぎゃくぅ」  とても楽しそうな夢を見ている二人の寝言が、保健室を支配していた。                                   おわり。 **コメント・感想フォーム #comment(below,size=50,nsize=50,vsize=3) - いいなあ。このほのぼのな感じ。まさに「らき☆すた」ですね -- 名無しさん (2009-12-15 19:14:05) - これは良いこなかがwごちです^^ -- 名無しさん (2009-12-03 22:46:08) - らきすたらしいいい話でした。 -- 名無しさん (2009-10-17 20:28:12) -  あれれ~、最初の展開からすると感動系かと思ったのですが...。 &br()まぁ、途中からのカオス要素も面白かったですが、次は是非、 &br()私を泣かせるようなSSも書いて下さいませ! -- stepped on shit! (2009-09-16 22:55:30) - 途中のカオスな所は夢だったんですか!最後もほのぼのしててオチも良かったです。とても幸せな気分になれるSSでした。GJ -- CHEES D7 (2009-09-16 21:50:53)

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