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 ある日の昼休み。かがみとつかさ、それにみゆきの三人は教室で昼ご飯を食べていた。 「そう言えば、もうすぐこなたの誕生日よね」  かがみが、本来こなたがいるはずの定位置を見ながらそう呟いた。当のこなたは風邪を引いて学校を休んでいる。 「そうだねー」  つかさがそれに答え、みゆきは黙って頷いた。 「うーん…ま、仕方ないわね。折角だし祝ってあげましょうか…」  かがみが、めんどくさそうにそう言った。 「…心から祝ってあげようよ、お姉ちゃん」  つかさが困ったようにそう言うと、かがみは目を閉じてため息をついた。 「そうね…じゃ、当日までこなたの前ではその話はしない事。いいわね?」  目を開けて、かがみがそう言った。 「え、どうしてですか?」  それを聞いたみゆきが、目を丸くして驚いた。 「サプライズよ。当日まで隠しといて、驚かすの…ま、仕方ないからコレくらいいいでしょ」 「はあ…」  仕方なくの使い方がおかしいんじゃないかと思いながら、みゆきはとりあえず納得した。 「でも、お姉ちゃん。わたし達が隠してても、こなちゃんのお父さんとかゆたかちゃんとかが話すんじゃないかな?家でそう言う話題って出ると思うし…」  つかさが心配そうにそう言うと、かがみは少し顔を綻ばせた。 「大丈夫よ。おじさんとかゆたかちゃんとか、こなたのバイト先の人たちとか、こなたとそういう話しそうな人は全員釘刺しといたから」 「…え?」 「…は?」  サラッと言うかがみに、つかさとみゆきの目が点になる。こなたの関係者全てに話をつけるのは、流石に一日二日では不可能だ。つまり、かがみは何日も前からこの計画を立てて、実行していたと言う事になる。 「…お姉ちゃん…仕方なく、だよね?」 「ええ、仕方なくよ」  恐る恐る聞くつかさに、かがみはさらっと答えた。 - こなたんじょうび - 「プレゼントとかどうするの?」  つかさがそう聞くと、かがみが得意気に頷いた。 「それはもうリサーチ済みよ。こなたがどーしても買いたいエロゲがあるって言ってたから、それで」 「えろっ!?」  サラッというかがみに、つかさが驚く。 「で、でもお姉ちゃん。どうしても欲しいっていうなら、こなちゃん先に買っちゃうんじゃ…」 「ああ、大丈夫。あいつ欲しいけど金がないから、しばらく我慢するって言ってたから。次のバイトの給料日も、お小遣いの支給日も、六月の初めだからそれまでは買えないわね」  つかさとみゆきは絶句していた。何故この人はこなたのそんなところまで把握しているのだろうか、と。 「あの…かがみさん…仕方なく…ですよね?」 「ええ、仕方なくよ」  恐る恐る聞くみゆきに、かがみがさらっと答える。 「で、でもお姉ちゃん。そういうゲームって、わたし達じゃ買えないんじゃ…こなちゃんみたいにお父さんに頼むわけにもいかないし…」 「それも大丈夫。みゆきにそれらしい格好させれば買えるでしょ」 「わたしですかぁ!?」  あまりなかがみの発言に、みゆきが普段からは考えられないほどの大声を上げた。 「うん、みゆき。一番の適任でしょ」 「い、いや、無理です!無理ですってば!」 「服はそうねえ…いのり姉さんのでも借りてくるか」 「あ、あの、無理ですから…そんなの無理ですから…」 「今日中に服用意しとくから、明日にでも買いに行きましょうか」 「…か、かがみさん…話を聞いてください…」 「大丈夫よ、そんな心配しないでも、ちゃんと逃げ出さないように見張っとくから」 「…うぅ…もういいです…」 「ゆ、ゆきちゃんファイト…」  あきらめの境地で涙を流すみゆき。つかさはそれを、苦笑いで見ているしかなかった。 「あ、あの、それでかがみさん。ゲームのタイトルとかは…」 「ああ、えーっと…」  かがみは制服のポケットからメモ帳を取り出し、中を確認した。 「あ、あった…『巨乳委員長 眼鏡の誘惑』ね」 「なんでそんなピンポイントなタイトルなんですか!?」 「…知らないわよ。こなたに言って」  そして、二日後。 「…つかささん…わたし、もうお嫁にいけません…」 「そ、そんな事ないと思うけど…ちゃんと買えたんだ…」  つかさはかがみが持っているゲームのパッケージを見た。なんというか…いやらしい。パッケージだけで、もうなんていうか…いやらしい。 「つかささん…」 「な、なに?ゆきちゃん…」 「店員さんが眉一つ動かさずに対応されたという事は、わたしはそういうものを買う女性と思われたという事でしょうか…」 「い、いやそういうお店の店員さんだから、慣れてるだけなんじゃないかな…」  そんな二人をよそに、かがみはじっとゲームのパッケージを眺めていた。そして、ポツリと呟く。 「…なんかこのヒロイン。みゆきに似てるわね」 「え、そうでしょうか…?」  確かに言われてみると、パッケージの表面で微笑む少女は、そこはかとなくみゆきに似ていた。  もっとも、裏面に載っているゲーム画面では、素っ裸で色んな汁にまみれているのだが。 「こなたはこのヒロインが気に入って、欲しいって思ったのかしら…ねえ、みゆき」 「そ、それは…ど、どうでしょう…」  自分を見るかがみの視線に、敵意のようなものを感じて、みゆきは思わず目を逸らしてしまった。  さらに数日後。こなたの誕生日当日のお昼休み。四人はいつも通り昼食を取っていた。  いつもと違うところと言えば、こなたが落ち着きなく他の三人の顔色を窺っているところだろうか。 「ん?何、こなた?」  その視線に気がついたかがみが、そう聞いた。 「え…な、なんでもないよ…」  こなたが気まずそうに顔を背ける。その様子を見ていたつかさは、いたたまれない気持ちになった。  こなたは誕生日を祝って欲しいのではないか。つかさはそう思っていた。  今この瞬間にも、いやもしかしたら朝会ったときにでも、『誕生日おめでとう!』と言って欲しかったのではないかと。 「あ、あのさ、かがみ…今日はなんの日か知ってる?」  こなたのその質問を聞いて、つかさとみゆきは思わず顔を見合わせた。しかし、こなたを止めるような行動はどちらも起こさなかった。ばれてしまえば、それはそれでいい。二人はそう考えていた。 「今日?…えーっと…あー、アレ。思い出したわ」  かがみの言葉に、こなたの顔が一気に明るくなった。 「ゴルフ記念日ね」  ガンっと大きな音を立てて、こなたが机に顔面をぶつけた。 「ちょ、ちょっとこなた、大丈夫?どうしたのよ…」 「い、いや…そんなんじゃなくてもっと大事な…」 「大事な?…えーっと…花火の日?それとも国際アムネスティ記念日かしら?」 「…もういいよ」  こなたは低く呟いて、かがみから目を逸らした。そして、小さくため息をついて、手に持ったチョココロネを食べ始めた。  モソモソと元気なくパンの部分をかじるこなたを見て、つかさは今すぐにでも謝り倒してこなたの誕生日を祝いたい気分になっていた。  みゆきも同じような考えらしく、こなたとかがみを交互に見ながら、なにか言いたげにあうあうしていた。  ただ一人、かがみだけがいつも通りに平然と弁当をつついていた。 「あれ、こなちゃんは?」  お昼ご飯を食べ終わり、かがみが自分のクラスへと戻った後、つかさはこなたがいないことに気がつき、みゆきそう聞いた。 「泉さんですか?先ほどお手洗いに行くと…」 「そっか…えーっと…まさかとは思うんだけど、おトイレで泣いてたりとか…」 「え?…い、いや泉さんに限ってそんな…へ、変なこと言わないでください、つかささん…」 「ご、ごめん、そうだよね…あ、あははは…」  結局、こなたが戻ってきたのは五時間目が始まる直前だった。その目が少し赤くなっていることに気がついたつかさは、自分たちはとんでもなく罪深いことをしているではないかと、胸がひどく痛むのを感じていた。  放課後、こなたは一人で帰る準備を進めていた。 「よーっす、こなた。帰るわよ」 「…かがみ」  そこに、いつも通りな感じでかがみがやってきた。そして、キョロキョロと周りを見渡す。 「つかさとみゆきは?」 「…用事あるって、先に帰っちゃったよ」 「え?なんで?」  かがみは驚いて、こなたにそう聞いていた。こなたは胡散臭そうに眉をひそめた。 「…知らないよ、そんなの」  こなたは明らかに不機嫌そうにそう答えたが、かがみは特に気にする様子もなく顎に手を当てて考え込んでいた。 「おかしいわね…うーん…まあ、いいか。じゃ、帰りましょ」  一人で勝手に結論を出し、こなたを促して教室から出て行くかがみ。こなたはその後を覇気の無い足取りでついていった。  学校を出て駅までの道の最中、こなたは何度もかがみの顔を見ては、かがみがそれに気付くと視線を逸らすといったことを、何度も繰り返していた。 「…さっきからなによ?」  かがみが少し苛立った声でそう聞いても、こなたは押し黙ったまま何も答えなかった。 「ホント、今日はどうしたのよ。調子狂うわね」  かがみはため息をつきながら、そう呟いた。 「…ねえ、ホントに今日がなんの日か知らないの?」  こなたがたまりかねたように、かがみにそう聞いた。 「お昼に言ったのくらいしか知らないわよ…ホントなんなの?」  かがみが困ったように答えると、こなたは泣きそうな顔を見せ、俯いてしまった。 「…知らない。もういい」  こなたはそう低く呟いて、歩く速度を速めた。 「ちょ、ちょっとこなた…待ってよ」  こなたに置いていかれないように、かがみは慌ててその後を追った。  電車の中でもこなたは無言だった。かがみがいくら話しかけても、聞こえていないかのように答えず、ため息ばかりを繰り返していた。  そして、自分の降りる駅に着き、改札をくぐったところで違和感に気がつき横を見た。 「…なんでかがみが着いてきてるんだよ」 「こなたの家に用があるからよ」  かがみはしれっとそう言うと、こなたの家に向かって歩き出した。 「なんだよ…」  今度は、さっきとは逆にこなたがかがみを追いかけていた。  こなたの家の前に着く頃には、こなたとかがみは並んで歩いていた。 「…ねえ、一体なんなのさ」  玄関前で、こなたはかがみにそう話しかけた。こなたの声には、少しばかり怒りの感情が篭っていた。 「何って?」  かがみが良く分からないといった風に、首を傾げる。 「今日は、何でもない日なんでしょ?かがみにとって普通の日なんでしょ?だったら普通に帰ればいいじゃない!なんだってこんなところにまでついてくるの!?」  感情の押さえが効かないのか、こなたは大声を上げていた。 「今日は…今日はね…わたしの…わたしの…!」 「誕生日、でしょ?」 「…え?」  こなたの怒りを、優しい口調で遮るかがみ。その言葉に、内容に、こなたは驚いて目を見開いた。 「知って…たの?」 「うん、ごめんねこなた。ちょっと驚かそうと思って…ホントはもうちょっと後にバラそうかと思ってたんだけど、あんまり怒るからちょっとやりすぎたかなって…」  頬をかきながら、申し訳なさそうにそう言うかがみを、こなたは惚けたように見ていた。 「…中、入る?」  そして、かがみを家の中に招いた。  部屋の中に入るころには、こなたはすっかり怒りを納め、嬉しさを滲み出させていた。 「それじゃこなた。改めて、誕生日おめでとう」 「…あ、ありがとう」  かがみの祝いの言葉に、こなたは照れくさそうに頭をかきながら答えた。 「それでね、これはわたしからのプレゼント…」  言いながらかがみは、鞄に入れてあったこなたへのプレゼントを出そうとした。  そして、その動きがピタリと止まる。 「かがみ、どうしたの?」 「え?あ、いや…そ、それは?」  かがみは、こなたの使用しているPCのそばに置いてある箱を指差した。未開封のソレは、かがみがみゆきに買わせたプレゼント用のエロゲと同じものだった。 「あー、これ?…いやー我慢できなくなって、買っちゃった」 「買っちゃったって…あんた、お金ないんじゃ…」 「お父さんに小遣い前借りしたんだよ」  軽く言うこなたに、かがみは唖然とした表情を浮かべ、鞄から手を抜き蓋を閉じた。 「…えーっと…かがみ…まさかとは思うけど…プレゼントがアレだったとか…」 「ま、まさかっ!そんなことはこれっぽっちも全然無いわよ!ってかわたしがそんなもの用意するはずないじゃない!」 「え?いや、だってさっきプレゼントって…鞄から何か出そうとしてたし」 「き、気のせいよ!空耳よ!白昼夢よ!」 「…むー」  こなたは少し考え込むと、かがみに向かってニコリと笑いかけた。 「ね、かがみ。目つぶってくれたらキスしてあげるよ」 「え、マジで?」  かがみは一瞬の躊躇もなく目をつぶった。その隙にこなたは、かがみのかばんを開け、中からプレゼント用のエロゲを取り出していた。 「あー、ホントに同じもの買っちゃったんだ」  こなたの言葉に、かがみが目を開いた。 「ちょ、いつの間に!?ってか騙したの!?」 「…いや、やった本人が言うのも何だけど…あれで騙されるのはどうかと…」  怒るかがみに、こなたは呆れた表情を見せた。 「あーもー!そうよ、アンタが買ってないと思って買っちゃったのよ!バカみたいでしょ!?…それはもうあげるから、売って小遣いにでもしときなさいよ…」  なかばやけくその様に言い放つかがみに、こなたは少し困ったような顔を見せ、PCの横においてあった自分のゲームを手に取ると、かがみに向かって差し出した。 「な、何?」 「交換。わたしのコレと、かがみのコレを」  こなたの唐突な提案に、かがみは訳がわからず首を傾げた。 「意味が分からないわよ…ってかそれじゃプレゼントにならないじゃない」 「なるよ。かがみ次第だけど」  こなたはそう言って、かがみの手にゲームの箱を押し付けた。 「かがみもこのゲームやるの。わたしと一緒に」  押し付けられた箱を受け取ったものの、かがみはやはり納得のいかない表情をしていた。 「どういうこと…?」 「二人でこのゲームをクリアしようって事。まあ、かがみはこういうのやったことないだろうから、わたしが教えるばっかになりそうだけどねー」 「それが、プレゼントになるっての?」  かがみの言葉に、こなたは深く頷いた。 「ネトゲでね、難しいクエストとかをさ、仲間でクリアすると凄く達成感があったりするんだ。データの向こうの名前も顔も知らない人たちとでさえそうなんだから、身近な知り合いとだともっと嬉しくなれると思うんだ」  こなたはそこで言葉を止め、ニコリと笑った。 「ましてやそれがかがみなら、わたしにとって最高の喜びだよ。これ以上のプレゼントは無いよ」  かがみは一瞬顔をしかめ、こなたに背中を向けた。 「どうしたの、かがみ?」 「…なんでも…ない…」  かがみの声は震えていた。よく見ると、肩も少し震えている。 「かがみ、もしかして泣いてる?」 「泣いてない!泣くわけないでしょ…呆れてるのよ…あんたが、バカだから…」 「そっか。じゃ、呆れ終わるまで待つよ」 「…バカ…バカァ…」  かがみはしばらくの間、こなたに背を向け続けていた。そして、服の袖で顔を拭う動作をすると、こなたに向き直った。 「落ち着いた?」  こなたがそう聞くと、かがみは軽く頷いた。それを見たこなたは、両の手のひらを胸の前でポンッと合わせた。 「じゃ、湿っぽいの終わり。後は楽しもっか」  そう言ってこなたはかがみの手を引き、部屋のドアへと向かった。 「え?ちょっと、どこいくの?」 「いいから、いいから」  かがみの疑問には答えずに、こなたはかがみを部屋から連れ出した。 「みんなー、かがみ連れてきたよー」  こなたがそう言いながら入ったのは、泉家の居間だった。 「…え?…ええっ!?」  こなたの後から居間に入ったかがみは、驚きの声をあげた。  居間のテーブルには、それなりに豪華な食事とその中央にはバースデーケーキ。そして、そのテーブルを囲っているのは、そうじろうとゆたか、それにつかさとみゆきもいた。 「こ、これって…つかさ、みゆき…あんた達、先に帰ったんじゃ…」  訳がわからずに部屋を見渡すかがみ。こなたがその肩をポンッと叩いた。 「まあ、ぶっちゃけるとわたしがかがみのやってること、大体知ってたってこと」 「…え?」 「なんとなーくね、周りのみんなが何か隠してるような気がしたからさ、とりあえずお父さんとゆーちゃんからかがみが誕生日のこと隠しとくようにって言ってた事を聞き出しといたんだ」  そうじろうとゆたかが、かがみに向かってすまなさそうに手を合わせた。 「つかさとみゆきさんからは、今日のお昼休みの後に聞き出したよ。散々落ち込んでる姿見せといたから、罪悪感あったんだろうね。あっさり喋ったよ」  つかさとみゆきは揃って申し訳なさそうに俯いた。 「ま、待ってよこなた」  かがみがこなたの腕を掴んだ。 「落ち込んでる姿見せたって…じゃあ、今日のあんたの朝からの態度って…」 「うん、演技。なかなかの名演だったでしょ?」  こなたが悪びれる風もなくそう言うと、かがみは力なくこなたの腕から手を離した。 「…騙そうとして、逆に騙されたんだ…なんだかバカみたい…」  かがみの顔が歪む。目の端にはうっすらと涙が浮かんでいた。 「…わたし一人でバカやってただけじゃない…演技っていったわよね?じゃあ、さっきのも…わたし、ホントに…」 「ストーップかがみ。そこは演技じゃないよ」 「…え?」 「演技だったのは、家の前に着くまで。かがみが『誕生日、でしょ?』って言ってくれたところまでだよ。そこから先は全部ホントだよ。プレゼントも嬉しかったし、かがみがわたしを祝ってくれるってのも嬉しかったよ。それは演技じゃないよ」  言い切った後、こなたがニコリと笑う。かがみは再び溢れそうになった涙を服の袖で拭った。 「…ほんとバカね…主賓じゃないわたし泣かせてどうするのよ…」 「いやー、そこはそれ…かがみだから」  そして、こなたはみんなの方に向き直り、両手を上げて高らかに宣言した。 「それでは今日はわたしのめでたい誕生日と言う事で、日付が変わるまで盛り上がろうではないかー!」 「ええっ!?それはダメだよこなちゃん!」 「そうだよ、こなたお姉ちゃん!明日も学校あるんだよ!?」 「…というより、泉さんが開会宣言するんですね」  みんなからの非難やら突っ込みやらが溢れる中、かがみは目の前の親友を微笑みながら見つめていた。 「…ホント、バカね…」  そして、こなたの腕を掴んで、テーブルの空いている席に二人で座った。 「わ、何?かがみ…」 「仕方ないから料理は全部口移しで食べさせてあげるわ」 「ちょ!?かがみ、なにそれ!?全然わけわかんないんだけど!」 「やーねー。誕生日だからに決まってるじゃない」 「そんなことする誕生日なんて聞いたこと無いんだけど!…ってお父さん、その構えてるカメラはなにかな…?」 「いや、折角だから…」 「何処の世界に変態に襲われてる娘を写そうとする親がいるかー!」 「…つかささん」 「…うん、わたしも誕生日の時にやられかけた」 「そっかー。わたしもみなみちゃんの誕生日の時に…」 「ゆたかちゃん、真似しちゃダメー!」  色々賑やかな宴は、本当に日付が変わるまで続けられましたとさ。 - おしまい -

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