「ID:lxnhYNI0氏:友情から愛情へ」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら
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Side I-1
ゆたかと初めて出会ったのは、受験会場だった。
具合悪そうにしていた彼女にハンカチを渡した。
再び会えるとは思ってなかったから、それはあげたつもりだった。
でも、彼女は後日、律儀にハンカチを返してくれた。受験生の身内だと思っててごめん。
でも、そう勘違いしてしまうほど、彼女の身長は同年齢の平均値よりはるかに低かった。
そうやって始まった学園生活の日々で、彼女は常に私のそばにいた。
病弱な彼女はしばしば体調を崩してしまい、私が病院まで連れていったこともあった。
でも、私はそれを苦痛に思うようなことは一度もなかった。
彼女は、私のことをよく理解してくれる友人であったから。
私はあまり口数の多い方ではなく、そのせいで勘違いされることも多かった。
でも、彼女は、いつも私に明るく話しかけてくれて、数少ない私の言動から真意を汲み取ってくれた。
そうして付き合っていくうちに、ゆたかのよい部分がたくさん見えてきた。
ひとを悪くいうことがなく、何事にも一生懸命で、表情が豊かで可愛らしい。
そんな彼女に友情を超える感情を抱くようになるには、さして時間はかからなかった。
でも、私は悩んだ。この気持ちを告げてしまってよいものなのかどうか。
もし、拒絶されてしまったら、私はどうしたらよいのか。ゆたかとの今までの関係が壊れてしまったら、私は生きていけるのか。
彼女には、私の他にも仲のよい友人がいる。私の告白がその輪を崩してしまうことになるのではないか。
長い間、悩み続けた。
その間にも、彼女への恋情は募るばかり。
結局、私が告白を決意したのは、ゆたかと出会ってから三年目の春のことだった。
Side K-1
みなみちゃんと初めて出会ったのは、受験会場だった。
具合が悪くなった私にハンカチを貸してくれた。
みなみちゃんは、私にあげたつもりでいたみたいだった。
ハンカチを返したときに、受験生の身内だと思ってたっていわれちゃった。
でも、そう勘違いしちゃうのも無理はないかな。私の身長は同い年の人たちの平均よりずっと低いから。
そうやって始まった学園生活の日々で、みなみちゃんは常に私のそばにいてくれた。
病弱な私はよく体調を崩してしまって、みなみちゃんに病院まで連れていってもらったこともあった。
申し訳ない気持ちで一杯だったけど、嬉しくもあった。
みなみちゃんは、私のことをよく理解してくれる友人だったから。
私は病弱で背も小さいから、かわいそうに思われたり馬鹿にされたりばかりで、対等に付き合ってくれる友達なんていなかった。
でも、みなみちゃんは、優しくしてくれるだけでなく、友達としての対等な立場を保ってくれる人だった。
そうして付き合っていくうちに、みなみちゃんのよい部分がたくさん見えてきた。
何でもそつなくこなせて、とっても優しくて、ちょっと照れ屋さんで、でもここぞというときはビシっと決めるクールでかっこいい人。
そんなみなみちゃんに友情を超える感情を抱くようになるには、そんなに時間はかからなかった。
でも、私は悩んだ。この気持ちを告げちゃってもいいんだろうか。
もし、拒絶されてしまったら、私はどうしたらいいんだろう。みなみちゃんとの今までの関係が壊れてしまったら、私は生きていけるんだろうか。
みなみちゃんには、私の他にも仲のよい友人がいる。私の告白がその輪を崩しちゃうことになるんじゃないか。
ずっと、悩んでた。
その間にも、彼女への恋情は募るばかりで。
結局、私が告白を決意したのは、みなみちゃんと出会ってから三年目の春のことだった。
Side I-2
実は悩んでいたのは、ゆたかも同じだったそうだ。
お互いの告白の言葉はほとんど同時で、あまりのタイミングのよさに思わず笑い出してしまった。
あれほど悩んでいたのがなんだったのかと思うくらいに。
それから、ゆたかとの交際が始まった。
周囲からは偏見の目で見られることも多かったけれども、私たちにはそんなものは気にもならなかった。
お互いの気持ちがしっかり結びついていれば、周囲の偏見なんてどうということはない。
お互い奥手だったため、友人たちはやきもきしてたようだけど、二人は二人のペースで関係を深めていった。
その詳細は、恥ずかしいので、勘弁してほしい。
とにかく、三年生のときから始まった交際は順調に進み、五年目を迎えたとき、私からプロポーズした。
というか、プロポーズの言葉もほとんど同時だった。
あのときは、お互いに、私の方が早かったといって譲らなかったけど。
Side K-2
実は悩んでいたのは、みなみちゃんも同じだったみたい。
お互いの告白の言葉はほとんど同時で、あまりのタイミングのよさに思わず笑っちゃった。
あれほど悩んでいたのがなんだったんだろうと思っちゃうくらいに。
それから、みなみちゃんとの交際が始まった。
周囲からは偏見の目で見られることも多かったけど、私たちはそんなのは気にもしなかった。
お互いの気持ちがしっかり結びついてれば、周囲の偏見なんてどうでもいいことだから。
お互い奥手だったから、友人たちはやきもきしてたみたいだけど、二人は二人のペースで関係を深めていった。
その詳細は、恥ずかしいので、内緒。
とにかく、三年生のときから始まった交際は順調に進み、五年目を迎えたとき、私からプロポーズした。
っていうか、プロポーズの言葉もほとんど同時だった。
あのときは、お互いに、私の方が早かったといって譲らなかったけど。
Side Y
最初に会ったときの印象は、もちろんよかったよ。とても優しくしてくれたし。
なんとなく、既視感っていうのかな、そんなのがあってすぐに仲良くなっちゃった。
それで、仲のいいお友達になったんだけど、好きになっちゃうまでにそんなに時間はかからなかったかな。
とっても優しくてクールでかっこいい人だったから。
でも、お友達っていう関係がうまくいってたから、それを壊したくなくて、私からは言い出せなかった。
告白することを決意したときには、出会ってから三年がたってた。
悩んでたのは相手も同じだったみたいで、告白は二人同時だった。あまりにもぴったり同時だったから、思わず笑っちゃった。
そうやって交際が始まったけど、お互い奥手だったから、みんなやきもきしてたみたい。
そんな交際が五年間続いた。
プロポーズの言葉も同時ってことになるのかな。私の方が早かったと思うんだけど。
みんなを驚かせてみたくて、結婚式についてはみなみちゃんといろいろ相談してみた。招待状を出すのが、今から楽しみ。
Side M
最初に会ったときの印象は、守ってあげたいだったと思う。とても一生懸命だったから。
なんとなく、既視感というのか、そういうのがあってすぐに仲良くなった。
それで、仲のいい友人関係になったんだけど、好きになるまでにはそんなに時間はかからなかったと思う。
素直で表情豊かでとても可愛らしい人だったから。
でも、友人関係がうまくいっていたから、それを壊したくなくて、私からは言い出せなかった。
告白することを決意したときには、出会ってから三年がたっていた。
悩んでいたのは相手も同じだったみたいで、告白は二人同時だった。あまりにもぴったり同時だったから、思わず笑ってしまった。
そうして交際が始まったけど、お互い奥手だったから、みんなやきもきしていたみたい。
そんな交際が五年間続いた。
プロポーズの言葉も同時だったということになるのだろうか。私の方が早かったと思うんだけど。
ゆたかから相談されて、結婚式については少し趣向をこらすことになった。招待状を見たら、みんな驚くと思う。
Side H
というわけで、うらやましいぐらいに王道な恋愛結婚をした二組のカップルっスよ。
小早川さん(もう小早川じゃないっスけど)も岩崎さんの旦那さんも見た目が幼いから、両カップルとも周囲から偏見の目で見られることが多かったみたいっスけど、それを跳ね返してのゴールインっス。
ロリやショタはステータスっスよ。世にはばかることなんてないっス。
大学三年のときから交際を初めて、五年目で結婚っスから、あの二人にしちゃ早い方じゃないっスかね。
おまけに結婚式まで二組一緒に同じ会場って、小早川さんと岩崎さんはホント仲いいっス。
旦那さんがよく嫉妬しないっスね。
それはともかくとして、披露宴の後の二次会で、二人になんで今の旦那さんを選んだのか聞いてみたっスよ。
そしたら、二人して、顔を赤らめながら、
「ええっと、なんとなく、みなみちゃんに似てたからかな?」
「……なんとなく、ゆたかに似ていたから……」
なんて、口をそろえていうもんだから、私はいけない妄想しちゃって、昇天しかけたっス。
二組の新婚さんのラブラブぶりも、この二人の仲のよさも、もうお腹いっぱいって感じ。
末永くお幸せに。
今度のコミケに出す同人誌のネタは、百合とノーマルの愛憎入り乱れる男女四人で決まりっスね。
えっ、自重しろって?
いやいや、こればかりはやめられないっスよ。