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岩崎財務相、G7会見は栄養ドリンクと薬が影響と釈明
岩崎みなみ財務相兼金融担当相は17日の閣議後の記者会見で、先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)後の記者会見にろれつの回らない状態で臨んだことについて「疲労がたまっていたため栄養ドリンクを20本ほど飲んだ。そのあと体調が悪化し(G7閉幕日の)14日の朝と昼に風邪薬を服用した」と述べ、栄養ドリンクと薬の影響だと釈明した。
財務相は16日に医師の診察を受け「風邪薬の抗ヒスタミン剤と栄養ドリンクに含まれているアルコール、時差が影響したのではないかという診断だった」と説明。
診断書を17日中にもらい、公表などの扱いを幸星党に委ねる意向を示した。
首相官邸。
(ゆたか)「みなみちゃん。辞めちゃうの?」
小早川ゆたか総理は、みなみが差し出した辞表をじっと見ながら、そう問う。
(みなみ)「ごめんなさい。これ以上、ゆたかに迷惑はかけられないから」
(みゆき)「小早川さん。お気持ちは分かりますが、これ以上みなみさんをかばい続ければ、政権にダメージが大きすぎます」
高良みゆき官房長官が、ただ残酷な現実をあえて淡々と述べた。
(ゆたか)「……」
ゆたかは沈黙するしかなかった。
(みゆき)「みなみさん。いわゆる栄養ドリンクには少量のアルコールが含まれてる場合が多いのですよ。飲みすぎれば当然酩酊します。そして、アルコールと薬の併用がよろしくないのも常識です」
(みなみ)「すみません」
(みゆき)「ほとぼりが冷めれば、また復帰のチャンスもあるでしょう。今は充分に休養なさってください」
(みなみ)「はい……」
みなみはそういうと、一礼して退室しようとする。
(ゆたか)「みなみちゃん!」
みなみが振り返る。
(ゆたか)「今までありがとう。またいつか一緒に頑張ろうね」
みなみは、感極まった表情でうなずいた。
岩崎みなみ財務・金融相辞任会見「迷惑掛けたと痛感」
岩崎みなみ財務・金融相は17日午後7時から、財務省で緊急記者会見に臨んだ。
盟友・小早川ゆたか首相に大打撃となる辞任劇。岩崎財務相は終始沈痛な面持ちだった。
岩崎財務相は会見場に入ると「さきほど首相に辞表を提出しました」と切り出した。
「予算の一日も早い成立という希望が実現しにくいと判断した」。その理由を淡々と述べ、組んでいた両手を解いてテーブルに置かれたグラスに右手を伸ばし、お茶を口に含んだ。
「判断が甘かったのでは」「国際会議での大失態だが」。記者団からの厳しい質問に時折、顔をしかめる。「あなたに言われるまでもなく感じている」と気色ばみながらも、自分を落ち着かせるように呼吸を整え「国民、政府、国会に大変ご迷惑をお掛けしたことを痛感している」と続けた。
酩酊状態についての問いには「栄養ドリンクにアルコールが含まれているとの認識が不足していた。そのうえ、風邪薬を服用したため、あのような醜態をさらしてしまった。不徳のいたすところです」と先の釈明内容を繰り返した。
現在も風邪が回復しないと強調。「官房長官からも、充分な休養をとるようにいわれた」と付け加えた。
約20分間の会見の最後には「長い間お世話になりました」と一礼し、せき払いして会場を後にした。
首相官邸に、八坂こう経済産業大臣と白石みのる内閣広報官室企画官が召喚された。
(みゆき)「八坂さんには、財務大臣兼金融担当大臣に就任してもらいます」
(こう)「うげっ……まさか、経済産業大臣と兼務じゃないでしょうね?」
(みゆき)「経済産業大臣は、白石さんに就いてもらいます」
(みのる)「えっ、俺っすか? いやぁ、あきら様がなんていいますかね」
みのるは、小神あきら内閣広報官を補佐していろいろとやってきた。それを取り上げられたら、あきらがなんというか。
(みゆき)「首相命令です。小神さんには有無を言わせる気はありません」
(みのる)「それで納得してくれればいいですけどね。ひと悶着ありそうっすね」
(みゆき)「それは、私が何とかいたしましょう」
(こう)「この時期に財務大臣と金融担当大臣の兼務は正直きついんですけど」
(みゆき)「八坂さんにはそれだけの能力が充分にあります。それに、幸星党も人材が豊富というわけではないですからね」
(こう)「過分の評価だと思いますが」
(ゆたか)「よろしくお願いします」
ゆたかが立ち上がって、二人に頭を下げた。
ゆたかに頭を下げられては、二人とも了承するしかなかった。
力になってあげたい。そう思わせる雰囲気というかオーラというか、ゆたかにはそういうものが備わっている。これも一種のカリスマなのだろう。
みゆきが官房長官室に戻ると、そこには永森やまと外務大臣が待っていた。
(やまと)「お疲れのようですね、幹事長殿」
みゆきは、幸星党の幹事長でもある。
そして、やまとも、外務大臣とは表向きの顔。幸星党の裏工作部門の統括責任者がその正体だった。
(みゆき)「ええ。泉前総理の辞任以降、疲れっぱなしですよ。私も、そのうちみなみさんと同じ醜態をさらすかもしれませんね」
みゆきは、机のうえにある箱から栄養ドリンクを一本出して、一気に飲み干した。空き瓶を無造作にゴミ箱に放り投げる。
(やまと)「幹事長殿が辞められたら、後任の人材がおりませんが」
(みゆき)「永森さんがやればいいではありませんか。八坂さんを首相にたてて」
(やまと)「勘弁していただきたいですね。そんなことになるぐらいなら、手下を派遣して、泉前総理と柊かがみ前官房長官を引きずり戻してきますよ」
こなたとかがみは、政界を離れて、全国鉄道制覇の旅の真っ最中だった。
幸星党が野党に転落して奈落の底につきおとされるまで復党はすまいというのが、みゆきとやまとの予想であった。
(みゆき)「私は今すぐにでもそうしたい気分ですけどね」
(やまと)「御命令とあらば」
(みゆき)「言ってみただけですよ。かがみさんはともかく、泉さんは、その気がないのに無理やり連れ戻しても、全くやる気を出してはくれないでしょうからね」
このままだと、だらだらと愚痴が続きそうであったが、
(やまと)「そろそろ召喚の理由を」
やまとが本題を切り出した。
(みゆき)「すみません。つい、愚痴をいってみたくなってしまいまして。例の計画の進行具合を確認したいのですが」
それから、二人の間でどす黒い計画の進行状況の確認が淡々と行なわれた。
終わり