「ID:i/T/hcQ0氏:イタズラにゲームが背中を押す時」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら
追加された行は緑色になります。
削除された行は赤色になります。
かがみ「ところでみんな自由研究のテーマやった?提出期限来週よね。」
つかさはポッキーを咥えたまま首を横に振る。
みゆき「私は桐箪笥の歴史的考察をテーマに・・・」
こなた「いよっしゃー!」
つかさ「(びくっ!)」
かがみ「急におっきな声出さないでよ」
こなた「だってパーフェクトだよー、我が隊は一人もやられることなく敵軍を殲滅したのだ!はっはっはー」
くすくすと笑うみゆき。しかしさっきとは打って変わってふいにこなたが溜息をついた。
こなた「はぁ~あ・・・。でもしばらくゲーム出来そうにないや。」
急に何を言い出すんだコイツは。
こなた「かがみってさぁ~、人を殺した事ある?」
いつもと声のトーンが違った。
かがみ「あるわけないじゃないの、何?アンタそーゆーコロス系ゲームのやり過ぎで、
とうとう本当にやりたくなったとか言い出すんじゃないんでしょうね」
こなた「みゆきさんはある?」
みゆき「ありませんね」
こなた「つかさは?」
つかさ「な、ないよー!って実際そんなことしちゃってたら今頃ここにいないし。」
こなた「じゃーさ、人を殺したいって思ったことは?」
まず私に視線を向けてきた。
かがみ「それもないわね、常識的に考えて。あっ!でもしょっちゅう言ってる事とやってる事が変わるあの政党には私の鉄拳をねじ込みたいわね!」
つかさ「んー。ないなぁ、あっ、でも今観てる恋愛ドラマの主人公がさぁ!とっても優柔不断ですっごく腹が立つの!
始めは幼馴染の女友達と協力して主人公が気になる女の子に告白して成功するんだけど、急に冷めちゃって今度はその幼馴染とくっつくの!
しかも思わせぶりな行動して周囲の女の子の気も引いてさあ!」
みゆき「お二人の気持ちは分かります。でも、人を殺めたくなる程ではありませんよね。余程でない限りは・・・。私はそんな事を考えた事はありません。」
こなた「私はあるよ、昨日ね。」
かがみ「はぁ!?」
この時私は驚くリアクションをしつつも、半信半・・、というか全く信じていない。
これからこなたの口からはまことしやかな嘘エピソードが繰り広げられて、
最後に顔面蒼白になった私達の顔を携帯のカメラで捉えてお腹を抱えて笑い転げるに違いないと踏んでいた。
どーせなんかのアニメかゲームの内容をパクってるに違いない人の殺し方とか。
すでに私の頭はこなたから借りたアニメやゲームの内容を思い返すことに専念していて、
それらの内容とこなたの話す内容が一致した瞬間、今度はこっちがため息ついてオチを言う前にネタばらししてやろうと決めていた。
こなた「メイド喫茶のバイト先の店長をさ、殺しちゃったんだ。」
こなたはうつむき、声が震えていた。
みゆきとつかさは呆気に取られている。
こなた「お別れの前に話すよ。一ヶ月前に新人のメイドちゃんが入ってきてさ、Aちゃんっていうんだけど。
どんなに忙しくても笑顔を絶やさない子でさ、バイト仲間ともすぐ打ち解けて
お客さんの間でもすぐ人気に火ついちゃった。
ある日のことね、閉店時間になってもAちゃんを捕まえて中々帰ろうとしない客が来てさ、
厨房で皿洗いしながらみんな怖い顔で睨みつけてた。
とうとう店長が痺れを切らしてその客を追い返したんだ。
オタクのネットワークって怖くてね、悪い風に噂を流されるとあっという間に広がって、瞬く間に売り上げに影響するんだよ。
だからこういう時だれもきつい態度で応対出来ないの。だから特に店長の行動はカッコ良く映った。
その客を追い出した後はみんで拍手喝采だったよ。そして私はAちゃんの顔が赤くなってたのを見逃さなかった。」
バイト先での話しか、私はそういうシチュエーションのアニメあったかな?と脳内ハードディスクに絞込み検索をかけた。
こなた「ある日Aちゃんはお店で一番仲の良かった私に相談を持ちかけてきた。自分は店長に恋している件についてね。
私って恋愛経験全然ないからさ、漫画やアニメで仕入れた知識で適当なことばっかり言って全然役に立ってなかったと思う。
でもAちゃんありがとうって、話聞いてくれただけでも勇気が出てきたって言ってくれたのね。
私もそれから二人の恋路が気になってバイトに行くのが楽しみになっちゃった。」
こなた「ある日開店前にお店に着いた事があって、更衣室のドアの隙間からバイト仲間と店長がエッチしてたのを見たの。
私は背筋が凍りついたよ。店長が動物に見えた。交尾って感じで、およそ萌えだとかそういうのには程遠いものだった。
私は見なかったことにすることにしたんだ、Aちゃんにはそれとなく諦めるように促すことにして。
でも、それで終わりじゃなかった。ある日店長とバイト仲間とのいかがわしい写真が綴じてるファイルを見つけてしまったんだ。
店長はバイトを食い物にしてることが分った。」
汚い大人の話に私もつかさもみゆきも言葉が出なかった。
こなた「急いでファイルを元あった場所に戻して振り返ったら、店長が背後に立っていた。張り付いた笑顔をして。」
こなた「店長はいきなり私の唇を奪ってきた。気持ち悪かった。そのまま抱きかかえられて
机の上に座らされてズボンを下ろし始めたの。私は暴れて、身をよじって誰かに助けを求めようとしたら
更衣室のドアの隙間にAちゃんが立ってたの。涙を流しながら。絶望的だった。訳が分らなくなったよ。
うっ・・・、うっ・・・。」
みゆき「それで、どうしたんですか・・・。」
こなた「突き飛ばした。帰り道。ホームから。」
つかさ「つかさ!アンア昨日人身事故の列車に乗ってたって!まさか!!!」
つかさは口をパクパクさせていた。私は姉としてこういう時なんて声をかけていいのか分からない。
親友としてなんて声をかければいいのかも分からなかった。
かがみ「アンタ自分が何やったか分かってんの!!!」
人生で一番大きな声を出したと思う。そうせずにはいられなかった。
そして親友の罪に対しての怒りと、何の解決策も見出せない私自身の怒りに任せて
手にした漫画をこなたに投げつけた。
違うこんな事をしたかったんじゃない。
こなただって傷ついてるんだ。
こなた「へぶっ、いったぁ~・・・。」
みゆき「皆さん落ち着いて下さい!これは不運な出来事だったんです。冷静になって下さい。
こなたさんは勇気を持って・・・告白・・、して・・くれ・・たんですよ・・・。
私達を必要としてくれているから!」
みゆきは声を詰まらせながらしっかりと言った。
針金が私の左胸を締め付けた。痛い・・・。
・・・?
ふいにこなたは勉強机に腰かけてペンを走らせはじめた。
こなた「えーっとで、結果はつかさが真っ青になって、みゆきさん涙目、かがみんは物を投げつけて罵声を浴びせるっと!」
かがみ「は・・・?あんた何言って・・・」
こなたはイスの上に立って回転しながらグレートサイヤマンのポーズを取って私達の前でこう言った。
こなた「うっそぴょーん!こなたプレゼンツ自由研究テーマ『重大な告白をした時の愛する我が友のリアクション!』
いやぁ~興味深い研究結果が得られましたよぉ~。これもみなさんのおか・・・」
つかさ「こなちゃん・・・」怒りに震えている。
みゆき「泉さん・・・」みゆきの握りこぶしを初めて見た。
かがみ「こぉなぁたぁ~!!!」
私はみゆきとつかさにぬいぐるみとざぶとんをパスしてから飛び掛った。
つかさ「もうっ!本気で信じちゃったんだから~!」
みゆき「今回は度が過ぎますよ!」
かがみ「このっ、このっ!この~!」
こなた「いたいっ!いたいっ!ごめんよぉ~!!」
私達は安堵の気持ちの方が勝っていたから、笑いながら怒った。
その時、こなたの部屋の扉がきぃ~・・・という音を立ててゆっくり開いた。
ゆたかちゃんが立っていた。
右手に赤い血液がしたたる包丁を持って。
目が虚ろで、どこにも焦点があっていないようだった。
その場に居た全員が青冷めた・・・。
かがみ「あっ・・・あっ・・・。」
するとおもむろにゆたかちゃんは背中ごしに隠し持っていた左手を私達の前に差し出した。
こなた「とまとじゅーす」
-おわり-
かがみ「ところでみんな自由研究のテーマやった?提出期限来週よね。」
つかさはポッキーを咥えたまま首を横に振る。
みゆき「私は桐箪笥の歴史的考察をテーマに・・・」
こなた「いよっしゃー!」
つかさ「(びくっ!)」
かがみ「急におっきな声出さないでよ」
こなた「だってパーフェクトだよー、我が隊は一人もやられることなく敵軍を殲滅したのだ!はっはっはー」
くすくすと笑うみゆき。しかしさっきとは打って変わってふいにこなたが溜息をついた。
こなた「はぁ~あ・・・。でもしばらくゲーム出来そうにないや。」
急に何を言い出すんだコイツは。
こなた「かがみってさぁ~、人を殺した事ある?」
いつもと声のトーンが違った。
かがみ「あるわけないじゃないの、何?アンタそーゆーコロス系ゲームのやり過ぎで、
とうとう本当にやりたくなったとか言い出すんじゃないんでしょうね」
こなた「みゆきさんはある?」
みゆき「ありませんね」
こなた「つかさは?」
つかさ「な、ないよー!って実際そんなことしちゃってたら今頃ここにいないし。」
こなた「じゃーさ、人を殺したいって思ったことは?」
まず私に視線を向けてきた。
かがみ「それもないわね、常識的に考えて。あっ!でもしょっちゅう言ってる事とやってる事が変わるあの政党には私の鉄拳をねじ込みたいわね!」
つかさ「んー。ないなぁ、あっ、でも今観てる恋愛ドラマの主人公がさぁ!とっても優柔不断ですっごく腹が立つの!
始めは幼馴染の女友達と協力して主人公が気になる女の子に告白して成功するんだけど、急に冷めちゃって今度はその幼馴染とくっつくの!
しかも思わせぶりな行動して周囲の女の子の気も引いてさあ!」
みゆき「お二人の気持ちは分かります。でも、人を殺めたくなる程ではありませんよね。余程でない限りは・・・。私はそんな事を考えた事はありません。」
こなた「私はあるよ、昨日ね。」
かがみ「はぁ!?」
この時私は驚くリアクションをしつつも、半信半・・、というか全く信じていない。
これからこなたの口からはまことしやかな嘘エピソードが繰り広げられて、
最後に顔面蒼白になった私達の顔を携帯のカメラで捉えてお腹を抱えて笑い転げるに違いないと踏んでいた。
どーせなんかのアニメかゲームの内容をパクってるに違いない人の殺し方とか。
すでに私の頭はこなたから借りたアニメやゲームの内容を思い返すことに専念していて、
それらの内容とこなたの話す内容が一致した瞬間、今度はこっちがため息ついてオチを言う前にネタばらししてやろうと決めていた。
こなた「メイド喫茶のバイト先の店長をさ、殺しちゃったんだ。」
こなたはうつむき、声が震えていた。
みゆきとつかさは呆気に取られている。
こなた「お別れの前に話すよ。一ヶ月前に新人のメイドちゃんが入ってきてさ、Aちゃんっていうんだけど。
どんなに忙しくても笑顔を絶やさない子でさ、バイト仲間ともすぐ打ち解けて
お客さんの間でもすぐ人気に火ついちゃった。
ある日のことね、閉店時間になってもAちゃんを捕まえて中々帰ろうとしない客が来てさ、
厨房で皿洗いしながらみんな怖い顔で睨みつけてた。
とうとう店長が痺れを切らしてその客を追い返したんだ。
オタクのネットワークって怖くてね、悪い風に噂を流されるとあっという間に広がって、瞬く間に売り上げに影響するんだよ。
だからこういう時だれもきつい態度で応対出来ないの。だから特に店長の行動はカッコ良く映った。
その客を追い出した後はみんで拍手喝采だったよ。そして私はAちゃんの顔が赤くなってたのを見逃さなかった。」
バイト先での話しか、私はそういうシチュエーションのアニメあったかな?と脳内ハードディスクに絞込み検索をかけた。
こなた「ある日Aちゃんはお店で一番仲の良かった私に相談を持ちかけてきた。自分は店長に恋している件についてね。
私って恋愛経験全然ないからさ、漫画やアニメで仕入れた知識で適当なことばっかり言って全然役に立ってなかったと思う。
でもAちゃんありがとうって、話聞いてくれただけでも勇気が出てきたって言ってくれたのね。
私もそれから二人の恋路が気になってバイトに行くのが楽しみになっちゃった。」
こなた「ある日開店前にお店に着いた事があって、更衣室のドアの隙間からバイト仲間と店長がエッチしてたのを見たの。
私は背筋が凍りついたよ。店長が動物に見えた。交尾って感じで、およそ萌えだとかそういうのには程遠いものだった。
私は見なかったことにすることにしたんだ、Aちゃんにはそれとなく諦めるように促すことにして。
でも、それで終わりじゃなかった。ある日店長とバイト仲間とのいかがわしい写真が綴じてるファイルを見つけてしまったんだ。
店長はバイトを食い物にしてることが分った。」
汚い大人の話に私もつかさもみゆきも言葉が出なかった。
こなた「急いでファイルを元あった場所に戻して振り返ったら、店長が背後に立っていた。張り付いた笑顔をして。」
こなた「店長はいきなり私の唇を奪ってきた。気持ち悪かった。そのまま抱きかかえられて
机の上に座らされてズボンを下ろし始めたの。私は暴れて、身をよじって誰かに助けを求めようとしたら
更衣室のドアの隙間にAちゃんが立ってたの。涙を流しながら。絶望的だった。訳が分らなくなったよ。
うっ・・・、うっ・・・。」
みゆき「それで、どうしたんですか・・・。」
こなた「突き飛ばした。帰り道。ホームから。」
つかさ「つかさ!アンタ昨日人身事故の列車に乗ってたって!まさか!!!」
つかさは口をパクパクさせていた。私は姉としてこういう時なんて声をかけていいのか分からない。
親友としてなんて声をかければいいのかも分からなかった。
かがみ「アンタ自分が何やったか分かってんの!!!」
人生で一番大きな声を出したと思う。そうせずにはいられなかった。
そして親友の罪に対しての怒りと、何の解決策も見出せない私自身の怒りに任せて
手にした漫画をこなたに投げつけた。
違うこんな事をしたかったんじゃない。
こなただって傷ついてるんだ。
こなた「へぶっ、いったぁ~・・・。」
みゆき「皆さん落ち着いて下さい!これは不運な出来事だったんです。冷静になって下さい。
こなたさんは勇気を持って・・・告白・・、して・・くれ・・たんですよ・・・。
私達を必要としてくれているから!」
みゆきは声を詰まらせながらしっかりと言った。
針金が私の左胸を締め付けた。痛い・・・。
・・・?
ふいにこなたは勉強机に腰かけてペンを走らせはじめた。
こなた「えーっとで、結果はつかさが真っ青になって、みゆきさん涙目、かがみんは物を投げつけて罵声を浴びせるっと!」
かがみ「は・・・?あんた何言って・・・」
こなたはイスの上に立って回転しながらグレートサイヤマンのポーズを取って私達の前でこう言った。
こなた「うっそぴょーん!こなたプレゼンツ自由研究テーマ『重大な告白をした時の愛する我が友のリアクション!』
いやぁ~興味深い研究結果が得られましたよぉ~。これもみなさんのおか・・・」
つかさ「こなちゃん・・・」怒りに震えている。
みゆき「泉さん・・・」みゆきの握りこぶしを初めて見た。
かがみ「こぉなぁたぁ~!!!」
私はみゆきとつかさにぬいぐるみとざぶとんをパスしてから飛び掛った。
つかさ「もうっ!本気で信じちゃったんだから~!」
みゆき「今回は度が過ぎますよ!」
かがみ「このっ、このっ!この~!」
こなた「いたいっ!いたいっ!ごめんよぉ~!!」
私達は安堵の気持ちの方が勝っていたから、笑いながら怒った。
その時、こなたの部屋の扉がきぃ~・・・という音を立ててゆっくり開いた。
ゆたかちゃんが立っていた。
右手に赤い血液がしたたる包丁を持って。
目が虚ろで、どこにも焦点があっていないようだった。
その場に居た全員が青冷めた・・・。
かがみ「あっ・・・あっ・・・。」
するとおもむろにゆたかちゃんは背中ごしに隠し持っていた左手を私達の前に差し出した。
こなた「とまとじゅーす」
-おわり-