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「第6話 援軍と危機」(2009/02/16 (月) 22:28:47) の最新版変更点
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約10分後、私は秋葉原駅に到着した。
二次元では「秋葉腹」だったのに。やっぱり多少違うんだなー。
でも流石は駅周辺。夜でも人がいっぱいだ。いや、夜の方が多いモンなのかな?
駅の中にちょこっと入ってみるが、かがみたちは見受けられない。
私のが早かったかな?しょーがない、少し待つかー。
10分が経過した。
未だ何の変化もなし。
ぅーん、迷っちゃってんのかなぁ?
そんな遠くでもないハズなんだけど・・・
ん?そういえばさっきより人、増えてない?気のせいかもだけど。
でも駅前に人だかりが・・・オフ会か何かでもしてるのかな?
まあいいや。とりあえずもっかい電話してみよう・・・。
プルルルル・・・プルルルル・・・
(=ω=.)
プルルルル・・・プルルルル・・・
(=ω=.)?
プルルルル・・・プルルルル・・・
(=ω=.;)・・・。
『ただいま、電話にでることができまs(ry』
えー・・・?何でだろう。
もっかいかけ直してみてもやっぱりダメ。
つかさやみゆきさんにもかけてみたけど、結果は同じだった。
どうなってるんだろう・・・?
でも携帯が繋がらない以上、どうゆう状況なのかも分からないし・・・
どうしよう、困ったなぁ・・・。
駅から出て辺りを見回すも、ただアキバの風景が目に飛び込んでくるだけだ。
「あれ、こなたんじゃね?」
「お、まじだ・・・」
「ん?」
声の方を振り返ると例の駅前の人だかり・・・10人くらいはいるだろうか、
みんなが私の方をじっと見ながら呟いていた。
またかーーーー(=ω=.;)
でも、その人たちは私を追いかけるようなこともせず、ただ見ているだけだった。
「よし、連絡するぞ」
「おk」
そうぶつぶつ言いながら携帯を出し、なにやらいじってる。
れ、連絡て・・・ちょっと、待ってよ。嫌な予感がするんですけど・・・
もしかして峰岸さん陣営のスパイかなんかとかだったら・・・
やばい、なんか逃げた方がいい気がする。
私はダッとダッシュした。
もう、このアキバに安心して居られる場所はないの!?
「あ、おい、逃げたぞ」
「えっまじ、やばくね」
「待てこなたん!!!ここに居ろ!!」
後方から声が聞こえるけど、無視。
しかし、前方。
見覚えのある人たちが見えた。
峰岸さん陣営と衝突していた、メイトで会ったオタクの人たち。
峰岸さんたちのところから戻って来たのかな?
「あっ、こなたん」
「止まれ!!」
「そっちはダメだ!!あいつらがいるぞ」
「えっ!?」
声が聞こえて、急停止。
あいつら、それは峰岸さんの僕たちのこと、と解釈した。
この人たちのいう事が本当かは分からない、けどもし本当なら、さらに危ない。
「それって・・・」
「あいつら血眼で探してる。いずれこっちの方にも来るぜ」
「そうそう。早く逃げた方がいい」
「え・・・あ、うん」
「おっ、いたいたー」
「こなたーん」
先ほど駅前に居た人たちもこっちに走ってやってきた。
なんだか人がいっぱいに・・・。
「お、やっと合流できたな」
「おっしゃーテンション上がってきたぜええええ」
私の傍らでなんかやけに盛り上がってるらしいオタクの人たち。
「あ、あのぉ・・・」
「お、そうそう、おまいら聞いてくれ。俺たちの嫁がどうやら困ってるらしーんだ」
「困ってる?」
「最近らきすたが変になってるのは知ってるけどwww」
「それが原因でこなたんが3次元に来ちゃったんだ」
「まじでかwww」
「え、じゃあどうすんだ?らきすたはこのままなのか?」
「いや、そーいうワケじゃない、なっ?こなたん」
「え?あ、うん・・・峰岸さんから原作者を解放して(ry」
何か流れなのかなんなのか、オタクの人たちに事情を説明することに。
「そっか、かがみんたちとはぐれちゃったのなwww」
「誰か見たやついる?」
「ねーよwww」
「俺もないな」
「よし、じゃあ今からみんなで探してあげよーぜwww」
「えっ、そんな・・・別に、」
「遠慮すんなよ。俺たち、こなたんの役に立ちたくてこうやって来てんだぜ?」
「そうそう、俺の嫁が困ってるんだからなwww」
「ばーか、俺の嫁だっつーのww」
「俺のだしwwww」
「一旦黙れおまいらww」
何だか私に協力してくれるみたい・・・。
ぅーん、だけどなんか複雑な心境だなぁ(=ω=.;)
「俺たちのらきすたは、俺たちで守ろうぜwwww」
「そーだなw今はいち、らきすたファンとして、だなwww」
「よーし、じゃあ一旦解散な。何かあったらスレに報告を・・・」
「おk」
そう言ってオタクの人たちは一旦私の前から姿を消した。
複雑な心境ながらも、何だかちょっと良いなぁ、と思った。
なんてゆーか・・・ファンの力ってすごい・・・。
とりあえず私は駅に戻ることにした。
けど、かがみたちは未だいない。
ホントにどこ行ったんだろう・・・?
プルルルルルル・・・
(=ω=.)!!
携帯に着信がきた。
かがみからだ。やっと連絡が来たよ。
「もしもし?かがみん?遅いよもー、何やってんの?」
どうせ、道に迷ったから電話してきたんだろう、と軽い気持ちだった。
『・・・・・』
「?・・ねえってば、聞こえてないの?」
電波悪い?ワケないよね。駅前だし。電波3本立ってるし。
「おーい・・・」
相変わらず返事なし。
何?何?返事がないと、なんか怖くなってくるじゃん・・・。
数秒沈黙があったのち、やっと人の声が聞こえた。
『もしもし?』
「ぇ・・・あれ・・」
しかし、その声はかがみのものではなかった。
私は予想外の声に、少し動揺した。
「だ、誰・・ですか?」
『あら、分からないの?私よ』
その声に聞き覚えがある。
それもその筈。
さっき、私が会った人だったからだ。
「峰岸さん・・・」
『正解♪』
て、ちょっと待って。
何で峰岸さんがかがみの携帯から私に電話しているんだ?
「かがみは?」
『なぁに?』
「かがみは?それ、かがみの携帯だよね」
峰岸さんが、かがみの携帯を使っている。
と、いうことは、峰岸さんがかがみに接触したわけで・・・
つまり・・・それは・・・
冷や汗が出るのを感じながら、私は静かに峰岸さんの返答を待った。
『そんなことより、泉ちゃん今どこ?』
しかし返答どころが疑問で返してきた。
普段の峰岸さんなら発さないような、低くて静かな声だった。
私は一瞬頭の中でヤンデレキャラを思い浮かべてしまった。
「私の質問に答えてよ」
声の迫力に気圧されながらも、私も強気に言った。
『どこ?』
先ほどよりも威圧感がこもっていた。
私は身震いした。
まだ、私のこと探しているんだ。
返答を考えようとしたが、恐怖で一瞬思考が停止した。
「な、何で、そんなことっ・・・」
ちょっと上ずった声が出た。
『どこ?』
再び同じ言葉が返ってきた。
威圧感がさらに増し、私は恐怖した。
危うく携帯を取り落とすところだった。
私は震える手で携帯を耳から離した。
もし、場所を教えてしまったらどうなるのだろう?
そんなの考えなくても分かる。峰岸さん陣営が攻めてくる。
もし捕まってしまえばアウト。原作者を助けることもできなくなる。
そう、捕まってしまっては駄目なんだ。
捕まるわけにはいかない。だから、場所は教えてはならない。
けど、かがみたちは?
峰岸さんはかがみの携帯でこっちに電話をしてきた。
かがみがわざわざ峰岸さんに携帯を渡すわけがない・・・。
つかさやみゆきさんが一緒でも、峰岸さん陣営の方が数が多い。
それに、もし誰かが逃げ仰せたというのなら私に連絡が来る筈だ。
そしてさっき、誰に電話しても繋がらなかった・・・。
つまり・・・かがみたちは・・・既に捕まってしまっている・・・?
もっと、早くに気づくべきだった。
私は愕然とした。
どうしよう。どうしよう。どうしよう。
いっきに焦りの感情が溢れ出した。
私は震える手で再び携帯を耳に当てる。
『泉ちゃん?聞いてるかしら?』
「・・・っ」
私の脳裏に、突然峰岸さんの顔がフラッシュバックした。
”存在を封印するどころか、存在そのものを消すことだってできるわ”
みんなの存在が消える。
考えただけで背筋が震えた。
そんなこと、現実世界じゃありえないけれど、私達の世界は2次元だ。
3次元とは次元が違う。3次元から2次元を変えるなんて造作もないことなんだ。
原作者という神がいるから。峰岸さんにしてみれば神を牛耳ったも同然だ。
私達が2次元でしていた生活・・・、学校に行ったり、ネトゲをしたりしたことも・・・。
みんなで遊んだり、ふざけたり、笑い合ったりしたことが、全て・・・なかったことになる。
・・・それだけは、絶対に嫌だ。
私は走り出した。
さっき私達が逃げ出した廃ビルに向かって。
夜の秋葉原を疾走した。
未だ通話中になっている携帯電話を握り締めたまま・・・―――。