ID:7yaOWPU0氏 - かなた あうと ざ ふぉとぐらふぃ てぃーたいむ -

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家事も一通り終わった昼下がり。ここからが本当の主婦の時間!ウダゴロこそが主婦の本懐!  ………ごめんなさい、嘘です。ホントはお外に行きたいです。お買い物したいです。ガーデニングもやりたいです。  でも、下手に外に出て近所の人にでも見つかったら大騒ぎだし。  なんていうか、ぶっちゃけ暇すぎるんです。 「ただいまー」  あ、そう君帰ってきた。私はいそいそと玄関に向かいました。これだけ暇だと、心のオアシスが家族に向いてしまうのもいたしかたないこと。今日はもう、変態チックな抱きつき方も大目に見ちゃいましょう。 「お邪魔します」 「お邪魔しまーす」 「…お、お邪魔します」  …ってあれ?なんか女の人が三人ほど…え?ナニこのハーレム状態は?そう君ですよ?あなた達の真ん中にいるの、あのそう君なんですよ? 「…なにか誤解されてそうだけど、こなたの友達の親御さんだよ。そこでたまたま会ってね、ちょっとお茶でもと誘ったんだ」  ああ、そういうことだったんだ。こなたのお友達の…ってことは主婦の方なんですか。みなさん暇なんですね。 「そこでぶっちゃける辺りが、こなたちゃんのお母さんって感じね…」  あの娘の無茶苦茶なぶっちゃけ方と同じにしないでください…ところでそう君。 「なんだ?」  お茶にかこつけて、人妻に囲まれてウハウハ…とか、考えてないよね? 「………まさか」  思いっきり目が泳いでるんだけど。 - かなた あうと ざ ふぉとぐらふぃ てぃーたいむ - とりあえず私はみなさんをリビングに案内した後、そう君の煩悩を断つために間接技地獄に沈めておきました。 「…そうじろうさん、生きてます?」  髪の長い人が、苦笑いでそう君を覗き込んでます。大丈夫、そう君は頑丈だからこれくらい平気です。 「…いや、普通に死にそうなんだが…ってか、かなた…こんなサブミッションどこで覚えたんだ…」  こなたに教わりました。それはもう手取り足取り、私が泣いて謝るまで。 「お前…またこなたと喧嘩したのか」 三人の方を紹介して貰いました。  髪の長い方が柊さん。こなたのお友達の、双子の子のお母さんだそうです。そういえば目元があのかがみちゃんに似てるような…いえ、怖くなんかありませんよ?  なんだか髪の毛がホワッとしてる方が高良さん。眼鏡の子のお母さんだそうです。  そして髪がショートの方が岩崎さん。こなたとは関係ないそうですが、高良さんと一緒にいたところを拉致ら…もとい、誘われたそうです。 「いえ…私は帰るつもりだったのに、ゆかりさんに無理矢理連れてこられたから、拉致られたでもあってると…」  大変ですね。 「ええ…いつもこんな感じの人ですから…諦めてはいます」 「もー岩崎さん。それじゃ、わたしがいつも無理矢理連れまわしてるみたいじゃないのー」 「…自覚…ないんですね…やっぱり…」  なんだか苦労してるみたいです。 「かなたさん、一つ聞いてもいい?」  なんでしょうか、柊さん? 「どうして私から思いっきり離れてるのかしら?」  いえ…深い意味はないんです。あのかがみちゃんのお母さんだと思うと、どうしても身体が…。 「あの子は言い方がきついのよね…でも、ホントは思いやりのある子なんですよ?」  そうですか。私を説教で泣くまで追い込むのも、思いやりですか。 「…え?」  いえ、なんでもありません。  しばらくお茶を飲みながら、他愛ないお喋りをしていました。  それにしてもなんと言うか…みなさんお若くていらっしゃる。思わず敬語になるくらいに。  柊さんなんて子供四人の母ですよ?見えませんよ?出るところも出てるし、羨ましいと言うより妬ま…いえ、そんなこと思っちゃいけませんね。  私も見た目は若いですけど、不必要に若すぎてあんまり嬉しくありません。歳の話題が出て、「お若いですね」と言おうとして口を滑らせて「幼いですね」って言われた時のショックだったこと…。  そんなことを色々私が思っていると、高良さんがじっとこちらを見ているのに気がつきました。 「…かなたちゃんって可愛いわねー」  いきなりそんなことを言われて、私は思い切り飲んでいたお茶を噴出しました。そして、岩崎さんにクリーンヒット。すいません、すいません。ホントすいません。 「い、いえ。気にしないで…よくあることなので」  …よくあるんだ。 「んーなんていうのか」  目の前の惨状をまったく意に介さない高良さん。なんてマイウェイな人妻。 「見てて、萌えるわねー」  人妻が変な言葉知ってた! 「こう後ろから思い切り抱きしめたいわねー」  人妻の視点がなんだかそう君よりだ! 「高良さんにも分かりますか。かなたの良さが」  そう君、食いつかないで! 「ええ、分かりますとも。そうじろうさんも良い人に巡り会えましたねー」 「はっはっは…貴女とはなかなか気が合いそうだ。どうです?今晩辺り二人きりで…」 「お誘いはうれしいんですけど…奥さん、後ろで凄い顔してますよ?」 「…え?」  そう君、ちょっと頭かして♪  コキャッ。 「…す…すいません…でした…っていうか…ちょっとした…冗談…」  そう君の頚椎は折り損ねましたが、泡吹いて謝ってるので許してあげることにします。 「いや、頚椎って折れたら死ぬんじゃ…」  大丈夫です岩崎さん。そう君は頑丈ですから、頚椎が折れたくらいじゃ死にません。 「…いや、それって人間じゃないんじゃ…もしかして、そうじろうさんも幽霊だったりしません?」  いえ、そう君は普通の…え…そう君「も」? 「かなたさんって幽霊なんですよね?」  自分でもたまに忘れますけど、そうです…っていうか岩崎さん、どうしてそれを? 「そうじろうさんが言ってましたから」  そうくぅぅぅぅん!どうしてそういう事言っちゃうのぉぉぉぉ!こなたといい、どうして広めようとするのよ!噂が広まってゴーストバ×ターズとかス×ーパーとか来ちゃったらどうするの! 「…いや、来ないと思うぞ」 「あ、でも私のうちは神社ですから…よかったらお祓いします?」  祓わないでぇぇぇぇ! 「ふふ、冗談ですよ」  …心臓に悪い冗談はやめてください柊さん…親子揃って私をいじめるのですか…。 「…それでは、失礼しますね」 「お邪魔しました」 「ばいばい、かなたちゃん」  一人、挨拶が間違ってます。 「ああ、良かったらまたいつでも来て下さい」  ええ、来てください。出来れば岩崎さんだけで。 「ひどいわーかなたちゃん。私はかなたちゃんと仲良くしたいのにー」  高良さん。そう思うならとりあえず「ちゃん」を取ってください。この際呼び捨てでも構いませんから。 「あ、じゃあ今度は御札持ってきますね」  なにがどう「じゃあ」なんですか柊さん!?今の話の流れと全く関係ないですよね御札!?ってかマジで持ってこないで! 「ふふ、冗談よ」  そう君、塩!塩持って来て!撒くから! 「お、落ち着いてください、かなたさん…」  みなさんが帰った後、私は居間の床に倒れるように寝転びました。ああ、疲れた…暇してた方がマシだったかも…。 「そうか?結構楽しそうにしてたぞ」  …そう君にはそう見えるたんだ…っていうかあんまり急に連れて来ないで。色々心臓に悪いから。 「はは、急に決まっちまったからな。同じ主婦の友達なんて、お前は作る間なかったからな。今から作ろうにも、外出れないんじゃ向こうから来て貰うしかないかないからな」  …ねえ、そう君。 「ん、なんだ?」  その言い方だと、最初から私の友達作るために連れて来たみたい。たまたま会ったんじゃないの? 「…あーそれは…」  …肝心なところを誤魔化す癖は、昔と変わらないね。 「はは、三つ子の魂百までっていうからな」  でも…ありがとう。そう君。 「ああ」  ………で、最初からずっと構えてるそのカメラはナニかな? 「…さて?なんだろうな…」  撮ってた?私とかみなさんとか。 「…黙秘します」  そう君。手とか足とか逆にも曲がったら便利だと思わない? 「ひぃぃぃっ!?」 「…ねえ、お母さん」  なに、こなた? 「お父さんがなんか動かない…ってーかなんかあちこち微妙に歪んでない?」  気のせいよ♪ - 終 -

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