第5話:恐怖!ドラゴン狩り

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<p>私は泉こなた。<br /> もと冒険家で今は小説家の父・泉そうじろうと、伝説の氷竜(アイスドラゴン)・泉かなたとの間に生まれた半竜人(ハーフドラゴン)。</p> <p>そんな私は18歳、といってもドラゴン族にとってはまだまだちっぽけなレベル。<br /> ゆえに、人間としての生活には慣れてない。ちょっと気を抜くと、ほら、ツノとか出ちゃうし。<br /> それでも私はめげずに学校生活やってます。<br /> でも…中には私の生活を脅かす人たちも、当然いるわけで。</p> <p>「ふんぎゃぁあぁぁあああ!?」<br /> 私が部屋でマンガを読んでいたそのとき、突然窓ガラスが割れて一本の矢が飛んできた…。<br /> 後頭部に直撃を食らった私は思わず、アイスドラゴンの姿に戻って叫んでしまった。<br /> なんとか矢を抜いたけど…うぅ、まだ痛い…。</p> <p>「……もぅ、誰さ。人の部屋にこんな危ないのを撃ちこむなんて…」<br /> と、ぶつくさ文句を言っているとさっき開いた穴からもう一発、矢が飛んできて…。<br /> 流石に2発連続で喰らう訳にもいかないので、マトリックスもビックリの動きで究極回避。</p> <p>「…ドラゴン感覚に感知あり!!」<br /> …説明しよー。私、泉こなたには普通の人間には絶対感知できないような、怪しい気配を感じ取る能力があるのだ。<br /> さっそく、その能力で辺りを探ってみると…そこにいたのはなにやら怪しげな男。<br /> 私が気配を探ったのに感づいたのか、そそくさと逃げ出してしまった。<br /> なんなんだろう、あの人は…。と思っていたら急に呼び鈴が鳴って、みゆきさんが駆け込んできた。</p> <p>「泉さん!泉さんはいらっしゃいますか!?」<br /> 「…そんな大声出さなくても聞こえてるよ…」<br /> みゆきさんはなにやらあたふたした様子で部屋に入ってきた。<br /> 何をそんなに慌てているのか、私が訊いてみると…。<br /> 「先ほど、泉さんの部屋に矢が飛んできませんでしたか!?」<br /> 「…あぁ、2発ほど飛んできたけど…なんでみゆきさんが知ってるの?」<br /> と、みゆきさんはいきなり頭を下げた。<br /> 「すみません!じつはあの矢を撃った犯人は…私の……兄なんです……!!」</p> <p>…な、なんだって―――――――――!!!</p> <p>「そ、それは本当かキバヤシ!?」<br /> 「…みゆきです…それよりも、私の兄がこんなことをしてしまって本当に申し訳ありません…泉さんにお怪我をさせてしまって…」<br /> 「いいんだよ、みゆきさんは悪くないし、私ドラゴン族だからこの程度じゃ…」<br /> 「ですが……」<br /> と、泣いているみゆきさんを慰めていたそのときだった。</p> <p>「…見つけたぞ!お前があの娘の母親か!?」<br /> なにやら男の声が聞こえた。なんか気迫と余裕に満ち溢れてる気がするけど…。<br /> 「な、なんですかあなた!?」<br /> 続いて女の声。あの声は…まさか私のお母さん!?<br /> 私は急に冷や汗がダラダラ出てきた。お母さんが何者かに狙われている…!<br /> 「ど、どうしようみゆきさん!…あれ?みゆきさん?」<br /> みゆきさんは走って部屋から出て行ってしまった。<br /> 私は空を飛んでみゆきさんの後をついていく。<br /> そして私は、その光景を見て目を疑ってしまった。</p> <p>「兄さん!やめてください!この人は私のお友達の母親なんです!」<br /> 「この人?人じゃない、こいつはアイスドラゴンだ!私が求めていた伝説のアイスドラゴンだ!こいつの生き血を使えば、全人類が…」<br /> 「そのためにこの方を犠牲にするんですか!?」<br /> 見ていられなくなった私は、勢いよく急降下して言い争いの間に割って入った。</p> <p>「あぃや待たれぃ!!」<br /> 「泉さん!?」<br /> 「こ、こなた!?」<br /> 「!?…半竜人か…」<br /> 私の怒りは、すでに爆発していた。</p> <p> 「ちょっと、みゆきさんのお兄さん!さっきはよくも人の部屋に矢を撃ちこんでくれちゃって!すごく痛かったんだよ!?それに…私のお母さんをどうするつもりなのさ!」<br /> 「…ふふっ、ちょっと血をいただくだけだよ、実験材料としてね…」<br /> 「実験材料…?」<br /> 「君も知っての通り、ドラゴンには優れた再生能力がある。その再生能力を医学の分野に応用したくてね。それで血をいただこうと…」<br /> 「だったら血じゃなくてもいいじゃないですか!」<br /> 「そうだそうだ!せめて髪の毛をもらうとかならまだしも血はダメだよ!」<br /> 私とみゆきさんは勢いよく食って掛かる。が、高良兄は続ける。<br /> 「わかってないな、みゆき、それにおチビさん。生きている獲物をスパッと一瞬でしとめる。このスリルなくして何がドラゴン狩りk…」<br /> と、自信満々に熱く語る高良兄の後ろに、揺らめく影が…。</p> <p>「スリル…?……つまり私はスリルの対象ってわけ……?」<br /> ついにお母さんの怒りも爆発。地雷踏んだね、高良兄さん。<br /> 「や、あの、まぁ、なんだ……。うん、そういうことだな、ハハハハハ」<br /> 「笑って誤魔化したってダメだよ…?私だって怒ってるんだから…」<br /> 「人に剣を向けて血をくれだなんて…少しお仕置きをする必要がありそうね…」<br /> 「兄さん……辞世の句を詠む時間をさしあげましょうか…?」<br /> 高良兄さんの顔が引きつる。詰め寄る私たち。焦る兄さん。</p> <p>「……アデュー!」<br /> 「「「あっ!…こら!待たんかーい!!!!!」」」</p> <p>その後、私たちは逃げる高良兄さんをふん捕まえて、フルボッコにしましたとさ。<br /> それでは今回はコレにて。ちょうど時間となりました。</p>

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