和「巨乳が好きだったんじゃないんですか?」

京太郎「いや、もちろん今でも巨乳は好きだけど最近ミニスカもよく思えてきてさ」

和「そうですか。気持ち悪いのでもう語らなくていいですよ」

京太郎「お前から聞いたんじゃないか……」



咲「…………」

優希「…………」


京太郎「──見つけた!!」

京太郎「和と比べれる人は少ないが、並より大きく形もいい!」

京太郎「スカートも危ないほどに短くけれどもいやらしくない!」

京太郎「顔もかわいい、っていうか凄いかわいい!」

京太郎「そしてその打ち筋!」

京太郎「決して『全国区の化け物』レベルではないものの粘り強く、その不屈の精神力は他の追随をゆるさない!」

京太郎「母性溢れまくりの一挙手一投足!」

京太郎「──すみませんッ!!」

???「はい?」

京太郎「僕と……付き合って下さい!!」


花田煌「なにゆえっ!?」



 ─とある喫茶店─

煌「……お話は解りました」

京太郎「済みません、いきなり不躾なこと言って…」

煌「そ、そうですね。私といえど焦りますよあれは」

京太郎「………」シュン

煌「1つ、よろしいですか?」

京太郎「はい?」

煌「あの……何故、私なのでしょう」

京太郎「それは…」



京太郎「俺、長野の清澄って高校の麻雀部員をしてるんですよ」

煌「長野? 懐かしいですね、私も中学生までは長野にいました」

京太郎「俺を含めて6人の小さい部なんですが、その中に『片岡優希』と『原村和』って女の子がいるんです」

煌「……!」

京太郎「みんなでインハイ二回戦を観ていたとき、2人は花田さんに気が付いてました」

京太郎「『この人はわたし達のセンパイなんだじぇ』って」

煌「……そうですか…原村さんと一緒に、優希さんもインターハイに来られてたんですね」

京太郎「はい、2人とも、すごく楽しそうに花田さんのことを話してました」

煌「なんだか恥ずかしいですね」



京太郎「……二回戦、みせてもらいました」

煌「本当にお恥ずかしい…」

京太郎「それに、準決勝も…」

京太郎「きっかけは友人2人が応援していたから、って軽い理由でですけど、僕も花田さんのこと応援してました」

煌「ふふ、結果はあのような収支になってしまいましたが…」

京太郎「花田さん、好きです」

煌「ホワッ!?」

京太郎「二回戦であれだけチャンピオンに好き放題された」

京太郎「それでも準決勝で、全く怯むことなく終始全力で立ち向かっていった貴女が、好きになりました」

煌「え……えぇっと、メゲない諦めないことが私の持ち味みたいなものでしてね」

京太郎「花田さんは自分がどれだけやられていてもずっと笑顔で、最後には他家のアシストまでしてチャンピオンを止めてみせて」

京太郎「男の俺からみても、すごく格好良かったです」

煌「あはは……」



京太郎「いきなり、こんな不審者同然の男に告白されて困るのはわかってるんですけど…」

煌「まぁ…その…」

京太郎「貴女の打った麻雀は、きっと沢山の人の胸をうったはずです。俺みたいに」

煌「嬉しい御言葉ですが、それは褒めすぎです。あの大会ではみなさんすばらでした。私なぞはとてもとても」

京太郎「…僕は、貴女以上に『すばら』な女性は知りません」

煌「……そう真正面から言われると反応に困ってしまいますね……顔が熱いです」

京太郎「──告白は、受けてくれなくてもいいんです」

煌「…?」

京太郎「やっぱり初対面で『付き合って下さい』はないですよね」

京太郎「……今日はこの気持ちを伝えられただけで満足でした、ありがとうございます」



煌「──私からも。ありがとうございます」

京太郎「へ…?」

煌「あの対局で、私は全力…『自分が納得できる方法』を選び、その結果としてあのように決着がつきました」

煌「不満はありません。だってあれは私が必要とされた結果なのですから」

煌「……ですが、あの対局をみて、貴方のように、私のやった事で心を震わせてくれた方がいらっしゃったのであれば、」

煌「こんなに嬉しいことは、他にないでしょう」

煌「私の打ち筋を支持してもらえた、私の生き方を認めてもらえた。それはとても喜ばしいことで、何ものにも代え難い私の誇りになります。……だから、」スッ

京太郎「あっ…」

煌「ありがとうございます。その気持ちを、私に伝えにきてくれて」ギュウ

京太郎「あ、は、はい、あの…」



 pipipipipi

煌「おや、私の携帯電話のようですね」

京太郎「あ、どうぞ」

煌「すみません。──はい、この電話は花田煌のものですが…あ、部長」

京太郎「(…花田さんの手……温かかったな…)」ドキドキ

煌「はい…はい…すばら…すばらです…はい…ではすぐに戻ります…はい、では──ふぅ」

京太郎「あの、もう行きますか?」

煌「そうですね、うち部長からミーティングの招集がかかりましたので」

京太郎「そうですか…」

煌「………」

京太郎「…あ、花田さんは先に行ってもらって大丈夫ですよ。ここは俺が出しますから」

煌「ふふ……なるほど、普段は“俺”なんですね」

京太郎「あ…」

煌「いいですよ。私は体裁を取り繕うより、本音を言ってくれる人の方が好きですから」

京太郎「…ありがとうございます」



煌「………」

京太郎「……花田さん…?」

煌「あっ……あー、そのぉー……」

京太郎「…?」

煌「わた、私としましては、先ほどのような事を言われたのは人生経験上類をみないことでした」

煌「なのでつい返答につまづいてしまいましたが……」

京太郎「あっ……いいんです、本当に。僕…俺の自己満足ですから、花田さんが気にしなくても…」

煌「おっ──お友達からというのは、どうでしょうか?」

京太郎「……へ?」

煌「あの、やはりですね、『お付き合い』というのは最低限に互いのことを知っていなければ始まらないと思うのです」

京太郎「はい…」

煌「で、ですから……まずはお友達から始めなければ、いいもわるいも御返事ができませんね」

京太郎「それって…」

煌「お友達です! お友達! お互い在宅の離れている身ですから、ここは私のメールアドレスを送らせてもらいますね」



京太郎「じゃあ俺のアドレスも…」

 ピロピロリン

煌「受信完了……須賀京太郎さん、ですか」

京太郎「あ、はい。俺の方が年下ですから、呼び捨てで大丈夫ですよ」

煌「それは私のスタイル的に無理ですね」

煌「……でもお友達になろうというのに名字で呼ぶのも他人行儀なので、私からは京太郎さんと、お呼びさせていただきますね」

京太郎「わかりました、花田さん」

煌「それもです」

京太郎「えっ?」

煌「私も下で呼ばれたほうが嬉しいですから、名前呼びでお願いします」

京太郎「えっと……煌、ちゃん?」

煌「───」ボッ

京太郎「うぉあ!?」

煌「……ちゃ…ちゃんはやめていただけますか……なんかすっごく恥ずかしいので……」

京太郎「はっ、はい煌さん!」

煌「……すばらです!」



京太郎「こうして、俺と花田さ…煌さんとのメル友関係が始まった」

煌「京太郎さんは結構マメに、でも多すぎない程度に、そしてこちらの生活リズムに合わせた頃にメールをくださいました」

京太郎「写真なんかを添付して、俺の周りの環境のことも色々と説明してみて」

煌「お返しにと思って、私のお部屋の写真を送ったときは大変でしたね……」

煌「鏡に映った私のあられもない姿が入り込んでいましたから…」

京太郎「あんまりの衝撃にその日は眠れなかった」

煌「お恥ずかしい……」







 こうして文通を重ねることで仲良くなっていって、色々な機会を設けたお陰で、
 なんども会うことが出来た2人の恋愛がどうなっていくのかは、 まだ誰にもわからない。