久「須賀くん、須賀くん」

京太郎「なんですか部長」

久「ヒサえもん」

京太郎「は?」

久「ヒサえもんよ」

京太郎「あの……部長?」

久「ヒサえもん」

京太郎「…………ヒサえもん?」

久「しょうがないな~京太くんは」

京太郎「うわ、そんな呼ばれ方したの初めてっすよ。っていうか、なにがしょうがないんですか?」

久「パッパカパッパ パーパーパーーー!」

京太郎(聞いちゃいねぇ……)

久「好きなものカワ~ル光線~~!」

京太郎「!?」

久「このひみつ道具は人の好きな物を変える事ができる道具よ!」

京太郎「な、なんでそんなもの持ってるんですか……(っていうか名前ダサッ)」

久「副会長こと一太くんが持ってたから取り上げたわ」

一太「取り上げられちゃった……」 ハハ…

京太郎「うわぁ、ヒサえもんっていうかジャイアンだよこの人!」

久「聞き捨てならないわね、こっちはこの道具で襲われたのよ?」

京太郎「マジッすか」

久「学生議会室で急に構えてきたから咄嗟に足にタックルして得物を奪ったのよ」

一太「会長を実験台にしようとした僕が馬鹿だった……」

京太郎「あぁー、自業自得だわ」

京太郎「で、部長」

久「ヒサえもん」

京太郎「……ヒサえもん、その道具を紹介してどうするんです」

久「須賀くん――いえ、京太くんにもちょーっとアイディアを出してほしくてね」

京太郎「一太くんがいるなら俺のび太くんポジじゃなくていいっすよね?」

久「Wのび太よ! Wのび太!」

京太郎「……副会長、なんとか言ってくださいよ」

一太「W浅野みたいでいいじゃん?」

京太郎「いいんですかそれで!?」(っていうかアンタいくつ!?)

久「実は優希のタコス代が馬鹿にならなくてね」

京太郎「ああ、買出しでタコス買ってますもんね」

久「もう少しお金の掛からないもので優希がパワーを発揮できるようにしたいのよ」

京太郎「そうは言っても……あいつは“タコ”がつくもの全てが力になりますけど、タコスで得られるパワーが格別ですからね」

久「でもこの光線銃なら、優希のタコス好きを別の何かに変えることが可能よ」

京太郎「ほ、ホントに効果あるんですか、このおもちゃみたいなのが」

久「副――、一太くん、この写真あげるわ」

一太「え、なんですか? うわっ!」 ペシッ

京太郎「……?」(落とした写真を拾い上げる)

京太郎「こ、これは――――!?」


 京太郎が目にしたものは、和や優希の後輩、そしてロリっ娘として名高い夢乃マホのブロマイドであった


京太郎「副会長……!? あんた……」

一太「信じられないよ……あんな子供に欲情していた自分がね……!」

京太郎「本物だーーーーーーーーっっ!!!」

久「副会長は貧乳好きに変えてやったわ」

京太郎「お、恐ろしい道具だ……」

京太郎「でも、小さい子も貧乳扱いにはならないんですか?」

一太「わかってないな、須賀くん……」 チッチッチ

一太「子供に乳がないのは当たり前さ……」

一太「あって然るべきものがない、そしてそれを気にしている女性の姿こそ! 我々貧乳スキーの大好物であるのだよ!」

一太「無いわけではない、控えめに膨らんでいるその乳。まさに至高ッ!」

一太「そう、例えば会長のようにチッパイなオッパイをお持ちな方こそ、我らの理想とする――」

久「」 ビビビーーーーッ

一太「お゙お゙お゙お゙お゙お゙ーーーッ!!」

一太「…………」 プシューッ

久「今すぐ下校してくれないかしら?」 ニコッ

一太「不肖、内木一太! 会長のご命令とあらば、即! 行動に移したい所存でありますッ! では、これにて失礼ッ!」

ダダダダダダダダダーーーーーッッ

京太郎「………………」

久「好きなものを“私”にしてあげたのよ」

京太郎(この人に逆らうのはやめておこう……)

久「で、優希のタコス代替案なんだけど……何かいいものはあるかしら?」

京太郎「ところで、どうして俺だけなんすか? 染谷先輩や和にも聞いたほうが……」

久「こんな危なそうな道具、優しいまこや、優希の親友の和が使いたがると思う?」

京太郎「うわあ、危なそうな道具を嬉々として使おうとしてる人が目の前にいるぞー」

久「これも部のため、優希のため、よ。須賀くん、アイディアを出してちょうだい」

京太郎「たしかにこのままタコスを食べ続けたら、確実に太りますね」

久「今まで太ってなかったのが不思議なくらいよ。で、なんか良い案ある?」

京太郎「………………」

京太郎「…………!!」 ピキーン

━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━

優希「さぁ、もうすぐ試合だじぇ!」

久「優希、パワーの充填はバッチリ?」

優希「おおっと、まだだったじぇ」

優希「京太郎! 例のものを」

京太郎「おう」 カチャカチャ ボロン

咲「!?」

和「!?」

まこ「!?」

京太郎「しゃぶれよ」 イケメンスマイル

優希「いただきまー……はむっ」

和「な、な、なにやってるんですか!?」

京太郎「何……って、優希のパワー充填だよ」

優希「ひょーはほうほふぁふぇふぇふぁわーほひゅーへんふふんひゃへ」

京太郎「バッカ、咥えながら喋んな!」(でもキモチイイ)

咲「はわ、はわ、はわ……」(白目)

京太郎「手も使えよー」

優希「しょうがないな……///」 シコシコ

━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━

          ナ カ
京太郎(優希、口膣で出すぞッ! ウッ……)

京太郎(これでパワー充填完了だな、頑張れよ先鋒戦!)

久「須賀くん? ちょっと、須賀くん!?」

京太郎「ふぁい!?」

久「どうしたの……すっごいヤバイ顔してたわよ……?」

京太郎「いやいやいや! なんでもないです! なんでも!」

京太郎(さすがにこれはないわな……っていうか俺が精根尽き果てるまで搾り取られるオチが見えた……)

京太郎「ガムとかどうですか? くっちゃくっちゃうるさいですけど」

久「ガムか………うん! いいかもしれないわ!」

久「飴とかだったら口の中で溶けちゃうけど、ガムならずっと噛んでられるし!」

久「それにあの子、集中力無いからガムとかいいと思うわ!」

京太郎「ああ、よくスポーツ選手がガム噛んでますもんね」

久「なんだ須賀くん、やればできるじゃない!」

京太郎「はっはっは! 須賀京太郎をあんまり舐めないでくださいよ!」


               ・
               ・
               ・
               ・
               ・


久「まさか味がなくなったらパワーが出なくなるとは……」

京太郎「東2局で失速しましたからね……」

久「タコスみたいにお腹に残るものじゃないしね……完全に失敗だったわ」

京太郎「まぁ、最初から成功するっていうのも都合良過ぎますからね! 次行きましょう!」

久「そうね、それじゃあ次は私が案を出しましょうか」

久「んん~~……そうね。お茶とかどうかしら?」

京太郎「お茶ですか。確かにそれならコストもそんなにかからないし、みんなも飲めますね」

久「それにお腹にたまる! うっわ、完璧じゃない!?」

京太郎「さすが部長!」

久「ヒサえもん」

京太郎「さすがヒサえもん!(まだ拘ってたのか……)」


               ・
               ・
               ・
               ・
               ・


久「紅茶って利尿作用あるのよね……」

久「そりゃああんなにガブ飲みしたら、対局中に“ク”るわよね……」

京太郎「大会までに気づけてよかったですよ……」

京太郎「今日は練習だから途中でトイレに立てましたけど……」

久「大会で失禁なんてされたらそれこそ私、責任持って切腹するわ……」

久「……それじゃあ、次、須賀くん」

京太郎「がんばります」

京太郎「発想の転換をしてみますか」

久「?」

京太郎「試合前に何かを摂取する、という前提条件、これをぶち壊すんです」

久「でも……大会では対局中の飲食は禁止されているのよ?」

京太郎「ククッ……なら……食べなければいい……飲まなければいい……っ!」

久「ど、どういうことなの……」

京太郎「吸うんですよ……!」

久「まさかタバコ!?」

京太郎「い、いや! さすがにそういうもんじゃないです! 健全です!」

京太郎「対局中、みんな吸ってるものですよ……」

久「なっ……まさか!?」

京太郎「空気っ……! これを吸うっ……!」

久「―――!!」


 まさに天才的っ……! 悪魔的発想っ……!

 誰しもが吸っている空気を力の源とする……こんなことを誰が考え付こうかっ……!?


久「やられたわ……完全にやられた……。空気を吸って文句を言われるはずがない!」

京太郎「やりましたね、部長!」

久「ヒサえもん」

京太郎「やりましたね、ヒサえもん!(そこは譲らないんだな……)」


               ・
               ・
               ・
               ・
               ・


久「まさか過呼吸で倒れるとは……」

京太郎「うぉぉぉぉ!! すまん優希ィィィィィーーー!!!」

久「すぐに戻したから大丈夫よ……」

京太郎「くそっ……俺が馬鹿でした……。コストや利便性ばかり考えて……あいつの身体を考えてやれなかったっ……!」

久「……須賀くん、今日はもうおしまいにしましょう」

久「また、明日……明日になればいい考えも浮かぶわ」

京太郎「ぶ……ぶちょおぉぉぉぉ……」

久「ヒサえもん」

京太郎「もういいでしょう!?」


 そして次の日が訪れる―――!!

京太郎「ハァ……優希をあんな目にあわせてしまったせいで気分が重いぜ……」

ガチャ

京太郎「こんちわーっす」

咲「あ、京ちゃん」

優希「遅いじょ京太郎!!」

京太郎(優希、ちゃんと元気になってるな。……安心したぜ)

和「須賀くん、ちょっと……」

京太郎「……? なんだ、和。珍しいな」

和「ゆーきがタコスを食べてないんです……何か心当たりありませんか?」

京太郎「!?」 ドッキーン

京太郎(って……待て待て、昨日、あれから確かに戻したはずだぜ)

和「それに昨日はガムを噛み始めたり、紅茶をたくさん飲んだり……おかしかったですよね?」

京太郎(まぁ不審に思うよな、普通)

京太郎「大丈夫だよ、優希ならいつも通りだろ」

和「そう……でしょうか」

優希「京太郎!! のどちゃんと話してないで早くこっちこい!」

京太郎「は? なんだ、どうした?」

優希「これから麻雀するんだじょ。だから早くそこに座れ!」

京太郎「????」

京太郎(なにがなんだかわからんが、とりあえずベッドに腰掛けるか)


 するとどうしたことかっ……!?

 優希が京太郎の膝の上に座ってきたではないかっ……!!


京太郎「うぉぉぉ!? どうした優希!?」

優希「パワー充填だじょ! いや、充電とも言えるじぇ!」

京太郎「はぁ!?」

咲「な、な、な、何してるの優希ちゃん!?」

和「ゆ、ゆーき……や、やっぱり昨日からおかしいですよ!!」

優希「ふぁ……京太郎のにおいがするじょ……」

京太郎「な、なに~~~!?」

優希「京太郎からパワーを貰ってるんだじぇ。これで今日も麻雀を頑張れるじょ!」

京太郎「これは……まさか!!」 チラッ
  .     _,
久「( ・ ー・)b グッ」

京太郎「ひ……ヒサえも~~~~ん!!!」



 こうして麻雀部の予算は削減されたのである

 めでたしめでたし!



咲「全然めでたくないよぉ!」