京太郎「年末かー。もう今年も終わりだな」

優希「今年は本当に色々なことがあったじぇ」ウンウン

咲「京ちゃん、優希ちゃん。そんなこと言っててもこれをどうにかしないと」


『大掃除』


和「……溜まりに溜まってますね」

優希「その大部分が部長が持ってきたもののような気がするじぇ」

京太郎「今は『元』部長だぞ」

優希「そーいえばそうだった。して、その元部長は?」

咲「学生議会の資料作りに不備があって運悪く借り出されたとか」

京太郎「あの人にしては珍しいな。そういうのは飄々としてかわしそうなのに」

和「いえ、あの人だからこれと向こうを天秤にかけたのでしょう」

優希「確かにこれの片付けは大変そうだじぇ」

咲「染谷先輩もお店のほうが忙しくていないらしいね」

京太郎「年末だからどこも混みあうらしいな」

和「つまり、私たちで何とかしなければならないんですよね」

京太郎「まあ、ウダウダ言ってても始まらないしとっととやろうぜ」

和「……そう、ですね。こういうのはやろうとする意思が必要ですし」

優希「むう、犬の癖にリーダーシップを発揮するとは……お前は本当の京太郎か!?」

京太郎「あー、ツッコミはしないぞ。ただでさえ疲れそうなのに」

優希「いやん、かまってくれないのは寂しいんだじぇ」

咲「もう二人とも喋ってないでこれをもってやるっ」

京太郎・優希「「はーい」」


京太郎「おお、これは!?」

優希「次は何が見つかったんだじぇっ?」

京太郎「古びた竹刀、だ」

和「本当に部長はどこからこんなものを調達してきたんでしょう」

優希「のどちゃん、のどちゃん。元部長だじぇー」

和「…………これはゆーきにつられてしまっただけです」

京太郎「次から次へと変なものがでてくるな」

和「タイヤに物干し竿、くるみ割り機にCDプレーヤーで今度はこれってさすがに無節操すぎませんか?」

咲「無節操は言いすぎだよ」ア、アハハ

京太郎「こ、これも部の伝統ってやつじゃないのか」

和「咲さん、須賀君。フォローになってませんよ」

咲「でも、これらも麻雀部の中に確かにあったんだし一緒に歩んだ軌跡なんかがあったんじゃないかな」

優希「そう思うと感慨深いじぇー」ウンウン

京太郎「でもさ、そうだとすると任されたとはいえ俺らが勝手に処分をしていいのかな?」

和「……確かに、そうですよね。まだ分別のしているだけですけどこれらの処分は果たして勝手にしていいんでしょうか?」

「そんな気難しく考えなくてもいいわよ」


優希「おお、元部長!?」

咲「向こうのほうが大丈夫なんですか?」

久「一区切りしたしこっちを見ておこうと思ってね。それとその元部長というのは何とかできないの?」

優希「もう馴染んだじぇ」ドヤァ

和「こら、ゆーき」

久「まあ、今更『竹井部長』なんて改められても困るわね」

京太郎「それよりさっきのは?」

久「ああ、あれね。そのままの意味で捉えてくれていいわ」

久「私ももう今年で卒業だしこういうのは本当は私がするのが道理のような気がするけど……」

和「『けど』?」

久「なんかそれって私らしくないじゃない。だから決めたのよ。これからもここを使う後輩にいらないものを決めてもらおうと」

京太郎「それって、掃除が面倒とかじゃないんすか?」ジトー

久「それもあったわ」

咲「あは、あはは」

和「そんなことでしたり顔をされても困ります」

久「本当はまこが主動でして欲しかったんだけどね。店の手伝いじゃ仕方ない」

優希「……うん、そういえばこのおいしそうなにおいは何だじぇ?」

久「あ、そうだ忘れてたわ。これは差し入れね」

優希「おおー。これは……そば!」


京太郎「どーやってもってきたんですか、これ」

久「議会の生徒に手伝ってもらったのよ。私もまだ向こうのほうが続きそうだしね」

咲「わぁ、あったかそう。手作りですか?」

久「さすがにそばは手作りじゃないけど。議会のほうの仕事はまだまだ続きそうだから家庭科室で作ったのよ」

京太郎「それをここにもってきてよかったんすか?」

久「まあ、議長権限ってやつね。面倒なことを頼んだし」

和「議長ももう変わりましたよね」

久「気にしない気にしない。というわけであなたたちも難しく考えなくていいわよ。これからを担うのはあなたたちなんだから」

ガチャ

咲「いっちゃった」

京太郎「なんか前よりもパワーアップしてないか?」

優希「でもそのほうが元部長らしいじぇ」

和「そうですね。あの人らしいです」

京太郎「とりあえずそばを食うか。もうちょうどいい時間だし」

咲「あ、お箸も丁寧に置いてあるよ」

和「さすがですね。こういうところは無駄に細かいです」

優希「うーん、ちょっと早めの年越しそばになるのだろうか?」

京太郎「ほら、妙なところを悩んでるなって」

咲「年越しそばかあ。……うん」

京太郎「咲、どうした?」

咲「ううん。ただ来年もよろしくね、京ちゃん」

京太郎「? 当たり前だろ、そんなの」

咲「あはは、ほら向こうで食べよう」

京太郎「おおっと、あまり引っ張るなって」



~おまけ~

優希「つれないじぇ。咲ちゃん。私たちにはないんかー」

咲「わわ、そういうことじゃないよっ」

和「こら、ゆーき。あまり人をからかってはいけませんよ、ふふ」