和「部長、なぜ憧たちが須賀くんを知っているのか説明してくれますか?」
咲「白糸台でも話題だってお姉ちゃんから聞いてるんですよ」
優希「花田先輩まで『手作りのお礼したい』って言ってくるんだじぇ」

じりじりと1年生トリオが上級生を囲もうとする動きに対して竹井久は毅然として言い返す

久「その何か起こったら大抵は私のせいという風潮はやめなさい。やらかしたのは私じゃなくて咲よ。私だって昨日の夜美穂子から聞いてびっくりしたんだから」

その言葉に、冷たい視線が温度をそのままにスライドする

和「どういう事ですか咲さん?」
優希「咲ちゃん、幼馴染を売るなんて」
咲「ふぇ? し、知らないよぉっ! 私に罪を着せようとする部長の策略だよ! 私を信じて!」

わたわたと自らの身の潔白を主張しようとする宮永咲であったが、それは竹井久の溜め息によって阻止される。

久「ええそうね。咲には悪気も自覚もないでしょうね。だから言ったのよ『やらかした』って」

互いに異なる主張をする二人の姿に、和と優希はこてんと首をかしげる

久「この子、昨日部活でネット麻雀中にPCが変になったって滅茶苦茶に操作してたでしょ。
  その時に間違えてサイトに須賀くんの写真フォルダをアップロードしちゃったみたいなのよね」
咲「あっぷ、ろ? リンゴの親戚?」

機械用語についていけないポンコツをよそに、電子の天使がカタカタと部室のパソコンを弄りはじめる。

和「どうやらログを見る限り部長の行っていることが正しいみたいですね。これは昨日咲さんが使ってた時間です」
優希「咲ちゃんぇ……」

ポンコツっぷりを発揮した友人の姿に怒りよりも呆れが勝ったようで、視線の温度が生温いものに変わっていく

和「しかし一体何を上げれば憧たちがあんなに騒ぐのか……フォルダはこれですね」

開いたファイルの中身に原村和の動きが固まる。

一例を挙げれば「タコスを焼きながら熱いのかシャツのボタンを外して鎖骨と胸板の見えている写真」、
「買い出し後に休憩とばかりにベッドに仰向けで転がり乱れたシーツとシャツが微妙に色気を演出している写真」、
その他様々な姿の少年が写っている写真ばかりで

カチカチカチカチ
久「和、何やってるのかしらあなた?」
和「いえ、証拠が消される前に確保しておこうと。他の意味はありません、本当です」
咲「和ちゃん、私の目を見てもう一回言ってみてくれる?」

明らかに私用のUSBにデータを移し替えようとしていたマウスの上の手にそっと手が重ね、間近で友人の真意をのぞき込もうとする咲
そのコントじみた姿に何かを感じたのか優希は躊躇いがちに口を開く

優希「なあ、この写真って誰が撮ったんだ? 反応的に和ちゃんじゃないし、咲ちゃんがデータを移せるとも思えないし」

その言葉に1年生3人の目線が交わされ、その場にいる唯一の上級生に集中

久「だから、とりあえず私のせいにするのやめなさい! え、ちょっと待って、つまりこれは? 優希、あなた、よね?」
優希「ぶ、部長じゃないのか?」


カン