京太郎「まーじゃん?」
智葉「そう。麻雀だ」ジャラ
京太郎「おじさんたちもたたみのおへやでやってるね!さとはおねえちゃんはまーじゃんつよいの?」
智葉「大部屋で?ああ、組開帳のことか…低学年の部ではもう敵はいないな。だがまだまだ。
上級生や中学生…そして高校生以上になると、怪物級の打ち手が全国に何人もいる」
京太郎「おじさんたちとおねえちゃんとどっちがつよい?」
智葉「まあそこらの雀ゴロや代打ちにはそうそう負けないとは思うが」
京太郎「ふ~ん…ね!おれもまーじゃんやってみたい!」
智葉「お前が?」
京太郎「うん!おねえちゃんといっしょに打ってみたい!」
智葉「一緒に?」
京太郎「おれとさとはおねえちゃんがいっしょにうったら、あいとゆうじょーのぱわーでさいきょーむてきだよ!」フンス
智葉「コンビ打ちか?またテレビか何かにに影響されたな。残念だが…まあ無理だな」
京太郎「なんで!?おれつよくなるよ!おねえちゃんにまけないくらいつよくなるから!」バンバン
智葉「ペア打ちの大会はあるし、世界選手権にもペア打ちの部はあるが…インターミドルやインターハイ、
それに国麻は団体戦と個人戦だけだからな。私はそっちの方に集中したいんだ」
京太郎「そんなのやだ!おれはおねえちゃんとうちたいの!」ギュウウウウ
智葉「抱き着くな。男の子がそんな簡単に泣くもんじゃない」ナデナデ
京太郎「グスッ…だってぇ…ヒック…」
智葉「やれやれ困ったな…。コンビ打ちには普通の麻雀の鍛錬以外にペアとの呼吸を合わせる訓練もいるから
どっちも同時に進めるとどっち付かずの中途半端になってしまうんだ。分かってくれ」ナデナデ
京太郎「………やだ」
智葉「はぁ…わかった。まあ最低10年くらい先になるが、もしお前が将来インターハイか国麻で優勝できたら
一緒にコンビ打ちで大会に出てやってもいい」
京太郎「グスッ…いんたー…はい?」
智葉「インターハイ。高校生の大会だ。優勝っていうのは一番になることだな」
京太郎「…わかった。おれ、いんたーはい?でいちばんになったらおねえちゃんにぷろぽーずするから」
智葉「ちょっ…ちょっと待てなんでプロポーズなんだ!?」
京太郎「?だっておとこのひとがおんなのひとに『いっしょにいてください』っておねがいするのが“ぷろぽーず”なんでしょ?
おじさんたちがいってたよ?」
智葉「アイツらあとで覚えてろよ…」
京太郎「おね!おねえちゃんとずっといっしょにいたいな!だから、まーじゃんもつよくなるよ!」
智葉「やれやれ…いいか京太郎?“プロポーズ”っていうのは『結婚してください』っていう意味だぞ?」
京太郎「え、そうなの?でもけっこんするなら、おれ、おねえちゃんとじゃなきゃやだし!」ギュウウウウ
智葉「抱き着くな。ふっ…こんなすけこましじゃあ将来が心配だな」ナデナデ
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智葉「で?一体いつになったらお前はプロポーズしてくれるんだ?」ギュウウウウ
京太郎「抱き着かないでください!ここ男子の会場ですよ!?っていうかいきなり何の話ですか!?」
智葉「ふっ…インターハイ男子優勝おめでとう。1年生では初めての快挙だそうだな」
京太郎「…え?あ、ありがとうございます。お嬢も個人戦ベスト8確定、おめでとうございます。本戦も大変ですね」
智葉「ああ…ほら、何か忘れてないか?」
京太郎「え?あ、はい。ところで、チームの皆さんはいいんですか?」ナデナデ
智葉「団体戦のメンバーなら先に帰ってもらったぞ」
京太郎「やっぱり団体戦が終わっても、既に次に向けて各自調節に入ってるってことですね…さすが臨海」ゴクリ
智葉「いや。単に(男に飢えてる)うちの女連中にお前を合わせたくなかっただけだ」キリッ
京太郎「どういう意味ですかそれは…」
智葉「気にするな。やはり愛の告白は二人きりでがいいだろ?」ギュウウウウ
京太郎「さっきから一体なんの話をしてるんですか!?しかも抱き着かないでくださいって!
もうすぐマスコミがインタビューに来ますから!!離れてください!」
智葉「そう言えば聞いたぞ?結構な数の女子プロやアナウンサー、女子選手とも大会期間中に仲良くなったそうだな」
京太郎「え?別に仲がいいってほどじゃないですよ。連絡先交換して一緒に食事に行っただけですって」
智葉「なるほど…ちなみにどれくらいとだ?」
京太郎「ん~と、そうですね…ざっくり100人くらいですかね」
智葉「………フッ」
京太郎「?どうかしましたかお嬢?」
智葉「やはり恐れていたことが現実になったか…とな」ギュウウウウ
京太郎「い、痛い!若干の痛みを感じるくらいになんか更に凄い力で抱き着かれてる!?は、離れてくださいって!」
智葉「京太郎」
京太郎「!?な…何ですか?」
智葉「私は優しいしからお前に三つの選択肢をやろう…」ゴゴゴゴゴゴ
京太郎(…な、なんだこの威圧感は。卓についてる時のお嬢ともまた違う…
麻雀をしてるときの雰囲気が切っ先鋭い日本刀だとすれば…これはまるで獲物を狩るケモノの臭い!!)ゾクッゥ
智葉「一つ目は、このあと真っすぐに家に帰って二人で親父殿の部屋に行き、
定番の『お義父さんお嬢さんを俺にください!』をやる」
京太郎「はあああああ!?いやいやいやいや!!!せっかく長年の夢だった全国大会優勝を成し遂げたその日に
何で自殺しなきゃいけないんですか!!意味不明すぎるでしょ!!」
智葉「何度も言うが別に死にはしないぞ?死んだほうがマシなほど痛い思いはするかもしれんがな。
まあそもそもどうして優勝を目指し始めたのかを忘れてる男にはちょうどいい罰だ。
で、二つ目は『この後私と一緒に食事にいく』だ」
京太郎「?え、ええ…それくらいでしたら。指導してくれたお礼に俺が奢りますし…」
智葉「今日は試合があって疲れたから、食事の後、帰る前に少し“ご休憩”していくがな。帰るのは明日になるだろが…
まあお前の試合は終わったし、私も本戦は明後日だから問題ないだろ」
京太郎「」(白目)
智葉「安心しろ。(まだ)妊娠は勘弁してやるから。そして最後の選択肢だが…」
京太郎「隠す努力を放棄するの早すぎません!?……て言うか前者二つはどう考えても無理なのでもうそれでいいです…」ゲッソリ
智葉「ほう…さすがに全国を経験して度胸がついたな。まさか『この後の生放送の優勝インタビューで私にプロポーズする』を選ぶとは
では、その100人のメスどもに、私たちの“さいきょーむてき”な“あいとゆうじょうのぱわー”とやらを画面越しに見せつけて
やろうじゃないか。あ、勿論熱い誓いのキスもしっかり、じっくり、たっぷりとしてもらうからな」
京太郎「」(レイプ目)
智葉「親父殿にもお前が優勝したことはさっき伝えてあるから、インタビューもしっかり見てるだろうな」フフフ
京太郎「…ちなみに全部お断りした場合は…」
智葉「数ヶ月後には確実に二人で病院通いだろうな。なあ“お・と・う・さ・ん”」ゴゴゴゴゴゴゴ
京太郎「け…結局選択肢がない…」(虎に喉元に深々と牙を突き立てられて己の死を覚悟した鹿の目)
カン!
最終更新:2018年05月02日 20:59