阿知賀の探索日記
玄(京太郎くんってエッチな本持ってるのかな? いや持ってるはず!)
玄「はっ、もしかしてこれが……ふーむ、なるぼどなるほど」
京太郎「玄さん、お茶とお菓子……って何してんですか!?」
玄「京太郎くん、おもちなしに浮気してなくて安心したよ! あ、それと私のお勧めなんだけど――」
その日、エロ本のおもちがいかに素晴らしいか語る少女と、苦笑しかできない少年がいた。
穏乃(憧が『男ならエロ本の一つや二つ持ってる』って言ってたけど、京太郎はそんなことないよね?)
不安に駆られた穏乃は野生の嗅覚によって事もあろうにたやすく見つけてしまい
穏乃(えっ!? こ、これ、女の子がエッチな本を発見して怒った男が押し倒すシチュって、これ今の私じゃ)
京太郎「おーい、クッキーでいいよな? って、おま!?」
穏乃「や、やだ、ダメだよ京太郎、そ、そんなの……あっ、ダメ、抵抗できな……」
部屋の主の声も聞こえないほどに一冊の本に没頭している古くからの友人の姿を目の当たりにして、男はそっと扉を閉じた
京太郎「お、俺は何も見なかった。見なかったんだ……」
その日以来ぎこちなくなった二人の様子に、周囲は生暖かい目を向けることになった。
憧「ねえ京太郎、アンタエッチな本持ってるの?」
京太郎「はっはっは、何をおっしゃるのですお嬢さん、そんなの持ってるわけ」
憧「ふーん、じゃあそんなものは必要ないと」
京太郎「モチロンデスヨ」
憧「じゃ、この本たちは没収ね。いらないんだから当然よね」
京太郎「お、おまっ、嵌めたな!?」
憧「自爆でしょうが。以降、こんなもんは買わないように」
京太郎「あ……あぁ、俺のお宝本たち……」
燃え尽きる男を無視して、部屋を後にして燃やしに行く少女。
少年はその夜枕を濡らし、ピロンという受信音が携帯から。そしてそのメールにあったのは
『From 新子憧
本の代わりにこれを使いなさい。ただし流出したら〇す』
添付画像には、恥ずかしがりながらもポーズをとっている見知った顔の艶姿。
その日以来、少年は誰にも自分の携帯を渡さないようになったという。
カン
最終更新:2018年05月02日 20:53