阿知賀の京ちゃん
憧「おかえり……やっと帰ってきたわね、あんたどこ行ってたのよ」
京太郎「おう、ただい……って、憧!? お前なんで俺の部屋にいるの?」
憧「さっき来たんだけど、あんたいないから出直そうと思ったら、おばさんがあげてくれて、あんたの部屋に通してくれたわ」
京太郎「理由はわかった。ちょっと、買いたいマンガがあったんでな寄り道してたんだよ……んで、母さんは?」
憧「あんたが帰ってくる5分くらい前にアタシに留守番よろしくって言って買物に行ったわよ」
京太郎「あ~了解した。それで、なんか用なのか? 待たせちまって悪かったな」
憧「まあ、アタシが急に来たんだから悪くはないわ。 それと……今日、女の子が男の子に用事っていったらわかるでしょ?」
京太郎「まさか……チョコをいただけるのでしょうか?」
憧「まさかって……毎年あげてるでしょ……はい」
京太郎「ありがとな、いや……今日はみんなといっしょのときにくれなかったから、さ……」
憧「ちょっと、ね……今年はみんなとは違う気持ちのチョコだから、いっしょに渡したくなかったのよ」
京太郎「えっ? ……あ、ありがとな」
憧「じゃあ、アタシは帰るから……また、明日ね、京太郎」
京太郎「あっ……待て、俺……返事してない」
憧「今は返事はいいわ、とりあえず伝えたかっただけだから」
京太郎「でも……俺……」
憧「他の娘に告白されたって悩んでるときにゴメンね……その娘とのことに決着ついたらでいいわよ、返事は」
京太郎「わるいな……」
憧「と、いうことで……それじゃ、アタシは帰るわ」
京太郎「あっ、ああ……その、なんだ、チョコ……ありがとな……また、明日な」
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帰り道の憧ちゃん
(とうとう渡しちゃった……少しは照れてくれてたから脈ありかしら……)
(あ~アタシ、明日アイツの顔みたら赤くなりそう……)
バレンタインの放課後なお話でしたとさ
最終更新:2018年05月02日 20:39