「今日からお世話になります。よろしくお願いします」
「まあまあ。そんな硬くならなくていいのよ和ちゃん。ほら京太郎もぼさっとしてないで!」
「え、ああ、うん。よろしくな和」
大きなカバンを持ち頭を下げた少女を前に少年はどこか浮ついた様子。
そんな少年をはにかんだように見る桃髪の少女。
両親の転居と自身の転校を天秤にかけ第三の選択肢を提示したのは少年であった。
いつもの軽口と変わらぬ調子で告げた「いっそうちに来いよ、部屋なら余ってるからさ」という言葉。
実際に彼女の家具が運び込まれついには彼女自身がやってきてもまだ、現実感が無い。
須賀京太郎と原村和、二人の真の人生の転機はこうして始まったのだった――――――――
カンッ
最終更新:2018年04月30日 19:56