あの日に見た彼の表情は忘れられない。
馬鹿な事言ってふざけあったり、困った時は助け合ったりしながら(今思えば、助けられた事の方が多い気がする……)、気付くといつも近くにいた。
そんな彼が新しい道を……新しい居場所を見付けた。
それを聞いた私は、どんな表情をしていただろう……笑って祝えた様な気はしている。
新しい感情を嬉嬉として話す彼を見て、心が酷くざわついたのを覚えている。
そして同時に自覚したのだ。
傍に居たい、ずっと一緒にいたい。
でもそれは叶わなくて……辛くて、苦しくて……
そして遂に、その全てを彼に打ち明けた。
その日の光景は、今も鮮明に残っていて……
――――
和「須賀君については、まだ何も無しですか……」
優希「おのれ犬ぅ……! 皆を心配させて、どこほっつき歩いてるんだ!」
まこ「……久はまだ塞ぎ込んどって電話も出ん……」
咲「部長……京ちゃんと付き合うようになったばっかりなのに……」
――――
本当に、残念だけど……
私だけは、ずっと傍にいるよ。
声も、顔も、姿も、血の熱さも、身体の感触も、みんなみんな忘れないから。
だから、安心していいよ……京ちゃん……
カンッ
最終更新:2018年04月30日 19:54