久「そういえば須賀くんって彼女とかいたりするのかしら?」

咲「今はいなかったと思いますよ」

和「『今は』ですか?」

咲「中身所々残念でも見た目はいいしね。中学時代はハンドやってたから普通にモテてたよ」

優希「つまり、それは……」

咲「私が京ちゃんといてもいじめられたりしなかったのは、ほぼ常に別口の彼女がいたからだからね。
  女としては見向きもされてないから一々いじめる価値もないとか、そんな空気だったよ」

苦笑いをしつつ私は思い返す。お互い恋愛の相手じゃないとばっさりあっさり告げることで守られてた。
女の子としては複雑なものはあるけど、人目があるところじゃ仕方がない。

久「な、なら、そのほら、そういう経験は……」

咲「肉体関係ですか? 百戦錬磨とは言いませんけど、そこそこはあるはずですよ」

和「はぅっ」

優希「の、のどちゃん、しっかりしろ!」

和ちゃんが顔を赤くして倒れてしまう。少々刺激が強すぎただろうか? いや私も経験ないんだけどね。

久「うそ、うそ……」

顔を青くしてる部長。小学生みたいなアプローチしてるからこの人も交際経験ゼロなんだろうなあ。

咲「今は部長や和ちゃんと一緒ってことで牽制になってるけど、いつ特攻する女の子が出るかまでは私にも分からないよ」

私がステージに上がるには、少なくともある程度の活躍をして周囲に一目置かれるようになってから。
じゃないと釣り合いが取れてないっていじめられるのが待ってる。
その辺和ちゃんや部長は今すぐにでも攻められるんだから正直羨ましい。

咲(まごまごしててくれれば、私にもチャンスは巡ってくるんだけど)

プラマイゼロをやめて勝つことも覚えた私が勝負に出るのは勝算があるとき。
今は勝つために種をまく時期。花開くのは、インハイが終わってからだろう。


カン

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最終更新:2018年04月30日 19:54