咲「どうしたの京ちゃん、見るからに落ち込んで」

登校すると、自分の机に突っ伏して頭を抱えてる幼馴染を相手に戸惑いつつも問いかける

京太郎「あー、咲か。いやな、昨日和と喧嘩しちまって」

咲「和ちゃんと京ちゃんが? また珍しい」

出てきた名前に首をひねる。私の知る限り、和ちゃんは誰にでも丁寧だし京ちゃんも人当たりがいい。いさかいとは無縁だと思っていたんだけれど。

咲「なにがあったの? 私が仲裁してあげようか」

親友と幼馴染が険悪なのは正直嫌だし、普段とは逆にお世話をしてあげてここは私を見直してもらおう。

京太郎「昨日喫茶店に二人で寄ったんだけどさ、会計の時に俺が出そうとしたら和は『割り勘で』って」

なんだか急激に仲裁する気がなくなってきた私。

京太郎「デートだから出すって言ってるのに、和は『学生のうちは親のお金です。そもそも男女は平等であって』ってさあ。
    その後なんだか気まずくって。ああもう、どんな顔して部活いけばいいんだ、俺」

へー、ほー、ふーん。『デート』ですか、そうですか。

咲「京ちゃん、ちょっとこっち向いてくれるかな?」

京太郎「なんだ? もしかしていい案が……」

咲「京ちゃんのバカ! 知らない!」

バチンと掌を頬に打ち付け、ぷんすかと怒った私は無駄な時間を過ごしたと自分の席に戻る。

京太郎「ててっ。何怒ってんだよお前? 叩いた手痛くないか?」

ふんだ! 私の気持ちも知らないで! 今日はもう口きいてあげないんだから!


カン

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最終更新:2018年04月30日 19:48