「…みんな、どこに行っちまったんだよ」
清澄麻雀部女子部員が、麻雀の強化合宿に向かう最中に行方不明となった。
須賀京太郎は、幸か不幸か留守番だったために無事だったただひとりの部員である。
「手がかりもないなんて…帰ってきた照さん、メチャクチャ泣いてたな」
彼は、旧校舎の部室でただひとり嘆息する。
「照さんもあのまま実家の部屋に籠もって出てこないし…様子、見に行くか」
咲を探すにしても迎えるにしても、落ち込んだままでは居られない。
「あの人、甘いもの好きだったよな…お菓子とか持っていったら、元気になってくれるかな」
京太郎はそう自分を奮い立たせると、誰も居ない部室を後にするのだった。
一方その頃、清澄高校女子麻雀部員は─。
「へっ?!わ、私たちが魔王を倒すための選ばれし勇者…ですか?!」
「それもチート能力と美少女騎士団を与える…?なかなか至れり尽くせりじゃない!」
「おう久。目を輝かせてる場合じゃないぞこれは」
「ありえませんありえません異世界転移なんてそんなオカルトありえません…」
「のどちゃん、そんなこと言ってもどうにもならないじぇ」
─異世界に勇者として召喚され、チートハーレムを築いていたのであった。
「きょ…京ちゃん!私、必ず京ちゃんのところに帰るからね…!」
なお。清澄女子が魔王を倒し、現代日本へと帰還した後。
咲は姉が幼なじみの恋人になっていることを知り、新たな魔王と化したとか何とか。
カン!
最終更新:2018年04月29日 23:15