咏「はい、お姉ちゃん会議始まるよー、議題はなんのことかはわっかんねーけど。」

健夜「実は約一ヶ月前から京太郎君がバイトをしてた。」

咏「バイトねぃ……一体何のために?」

健夜「京太郎君には今日の予定聞いておいたんだけど……」

健夜「どうやら『お友達』と一緒に遊びに行くみたいなんだよ。」

咏「もしかしてその『お友達』というのは……」

良子「ガールフレンド?」

良子「ちょうどトゥデイはクリスマスですねー。」

咏「あ~、これは由々しき事態なんじゃね?知らんけど。」

健夜「そうだよ!これは問題なんだよ!」

健夜「家の子が悪い女に騙されてないかとか!」

健夜「私達には相手がいないのに!弟だけがクリスマスを彼女と過ごすなんて!妬ましいよ!(姉として相手に挨拶しとかないとね!)」

咏「お姉~本音出てるよ~。」フリフリ

良子「でも、確かにマイブラザー京太郎のガールフレンドがどんなのか気になりますねー。」

健夜「でしょでしょ!?」

健夜「ということでちょっと見てくる。」

咏「ちょっと!?お姉!?」

良子「私もウォッチングします。」

咏「こりゃあたしも行く流れかい……?」


――広場――


咏「おおう……流石にこの時期、寒さが身に凍みるねぃ……」

良子「マイブラザーはウェイトしていますねー。」

健夜「一体誰を待ってるんだろ。」

咏「お、来たみたいだね~。」

健夜「ん?あの子、確か京太郎君と仲が良い子だよね。」

良子「モンスターちゃんじゃないですかー。」

健夜「モンスター?」

咏「ああ、清澄の大将か。」

健夜「あ、動いたよ。」

咏「追おうぜ~。」

良子「私たちもムーヴですよ。」


――アラサー移動中――


咏「尾行したのはいいけどさぁ……」

健夜「本屋ってデートで寄るものなの……?」

咏「彼氏いないあたしに聞くなよぅ……」

健夜「私もデートなんてしたことないよ……」

良子「あ、そういえばあのモンスターちゃん、ホビーが読書って話ですよー。」

咏「ああ、彼女の趣味に合わせたってことだねぃ。」

健夜「大人しめの文学少女か、男受けはよさそう。」

咏「……お姉は今更本読んでもキャラ改変は無理だと思うぜ~。」

健夜「うぐぐ……」

良子「マイシスターズ、ブラザー達がムーヴし始めましたよー。」

健夜「え!?もう!?」

咏「次はどこに行くんだろうねぃ。」


――少女移動中――

健夜「ここはアクセサリーとかが売っているところだよね?」

咏「ここら辺のどっかに入るんだろうよ。」

良子「ガールフレンドにクリスマスプレゼントを買うんですかねー?」

健夜「あ、宝石店に入っていった。」

良子「スチューデントにとっては敷居が高そうなショップですねー。」

咏「あーこのためにバイト頑張っていたのか~。」

健夜「どうする!?私たちもお店に入る!?」

咏「流石に本屋と違ってバレるってば……」

健夜「中の様子が分かり難いけど仕方ないか……」

――数分後――

咏「お、あの子達出てきたよ。」

健夜「え?ホント?」

咏「何か動きだしたから追おうぜ~。」

良子「ラジャーです。」


――広場――


健夜「あれ?ここってさっきの広場だよね?」

咏「そうだねぃ、一体なんでまたここに戻ったのやら。」

良子「ん?モンスターちゃんとマイブラザーが別れちゃいましたね。」

健夜「え!?なんで!?もう終わりなの!?高校生のクリスマスデートってそんな素っ気無いの!?」

咏「お姉、五月蝿いよ、バレるだろうがぃ!」スパンッ

健夜「あ、ごめん。」

良子「でもブラザーは残ってますねー。」

咏「なんでだろうねぃ?わっかんねー。」

健夜「少し待ってみようか……」


――数分後――


良子「相変わらずブラザーはウェイトしたままですねー。」

咏「京太郎のやつは一体何をまってるんだろ……」

健夜「私たちに到ってはなにやってるんだろ……」

咏「お姉が言い出したことだろうがぃ!」バシッ

健夜「痛い!ごめんって咏ちゃん!」

良子「あ、なんかブラザーに近づくガールがいますよー。」

健夜・咏「「え!?」」

良子「ほらあそこ。」

咏「まじだねぃ……弟のことがわっかんねー……」

健夜「え!?なに!?家の弟は一日に二人とデートするつもりだったってこと!?」

良子「んー?あの子は、インターミドルのチャンプの原村和でしたっけー?」

健夜「京太郎君が好きそうな感じだなー、でも姉としてはピンクはやめた方が良いと思うよ!」

咏「ピンクに何の恨みがあるんだい……京太郎的にはこっちが本命かねぃ?」

良子「あ、ブラザー達がムーヴしますー。」

咏「ほら行くぞ~。」

健夜「だって髪がピンクの子って大抵……」

健夜「え?ちょっと待って!?置いて行かないでよ!」


――二十歳移動中――

良子「ブラザー達はファンシーショップに入っていきましたね。」

健夜「私たちも行こう!」

咏「お姉……あたしは行かないぜ、お姉もやめた方が良い。」

健夜「どうして?」

咏「お姉は27、あたしは24、良子ちゃんはまだいいけど、あのキャピキャピした空間にあたしたちは流石にキツイだろうよ……」

健夜「ぐふっ!?……仕方ない、ここは良子ちゃんだけで行って!」

良子「ラジャーですー。」


――店内――


良子(おう……これは……)キラキラ

健夜『どう?良子ちゃん?』

良子「ハッ!?えっと今のところブラザー達に目立ったアクションはないですねー。」

咏『なんか動きあったら連絡よろしくねぃ。』

良子「ラジャーです。」

良子(しかし、このショップスペースにいるのは落ち着かないですねー。)ソワソワ

良子(ティーンエイジでは無くなってしまったからでしょうかー……)

良子(ブラザー達はぬいぐるみのコーナーにゴーしましたが……)

良子(そういえば最近こういうのを買えるエイジでもなくなりましたねー……)

良子(うーん、ブラザー達は随分迷ってるみたいですねー。)

良子(あ、ガールの方が手にとって確かめているみたいですー。)

良子(でも中々決まらないようですねー、私も少しショッピングを……)

良子(いえ、買いませんけどね、少しルッキングするだけですよー?)

良子(……誰に言い訳してるんでしょう……まあいいです。)

良子(あ、これとかけっこうキュートです♪)

良子(こっちもなかなかにプリティ……♪)


『……子ちゃん?良子ちゃーん?』

良子(ハッ!?私としたことが!)

良子「何でしょう?」

健夜『いや、どうなってるかなって。』

良子「ソーリーシスター、ブラザーは何か持ってレジにゴーしました。」

咏『何買ったかわかるかい?』

良子「ちょっとここからではウォッチング出来ないですー。」

良子「あ、ブラザーたちがショップから出るみたいですよー。」

咏『ん~了解。』


――少女移動中――


健夜「ここは……」

咏「今度は紳士服だねぃ。」

健夜「近くの婦人服売り場なら私たち浮かないよね?」

咏「まぁ大丈夫なんじゃねぇの?知らんけど。」

良子(さっきのショップで何も買えなかったのは後ろヘアーが引かれる思いですね……)

咏「ここからだとあたしの背じゃ見えないねぃ……」

良子「うーん……」

健夜「どう?良子ちゃん、何か見える?」

良子「ちょっとモーメント、あ、ガールがネクタイを物色してますねー。」

咏「ネクタイ?家の子は学ランだよねぃ?」

健夜「私服用じゃない?カジュアルに組み合わせたりするし。」

咏「マジ?お姉、意外と詳しいねぃ。」

健夜「でしょ?最近勉強してますから。」フフン

咏「その割にはプロカードの時に来ていた服のセンスは微妙だったけどねぃ。」ケラケラ

健夜「年中着物の咏ちゃんに言われたくないよ!?」

咏「お姉は何もわかってないな~和服はセンスがいるんだぜ~」

良子「マイシスター達、ガールがレジに向かいましたよ。」

健夜「え!?何買ったかわかる?」

良子「持ってったのはシックな感じのネクタイですねー。」

健夜「なんで地味目なの選んだんだろう。」

咏「奇抜なの選んだら使いどころが難しそうだし、無難な感じでいいんじゃね?知らんけど。」

良子「ガールの方がキャッシュを払ってました。」

健夜「え?こういうのって男の人が払うもんじゃないの?」

咏「いやいや、お姉、クリスマスプレゼントと考えたらそこまでおかしくなくね?知らんけど。」

良子「しかもブラザー達はスチューデントです。」

健夜「学生時代デートすらしたことなかったからなー……」

咏「言うな、お姉、虚しくなる。」

良子「ブラザー達がムーヴし始めました。」

咏「うい~。」


――広場――

咏「……なんかまた戻ってきたねぃ。」

健夜「まさかとは思うけどまたここでお別れとか……?」

良子「イグザクトリー、どうやら健夜姉さんの思った通りみたいですね。」

咏「まじかい……」

健夜「しかもまたあの子待ち始めたよ!?」

咏「あたしらも待とうか……」


――数分後――

健夜「待つ事数分……」

良子「バッドな予感がしますねー……」

咏「あ、京太郎に駆け寄って行く女の子が……」

健夜「」

咏「……案の定……来ちゃったねぃ……」

良子「マイブラザーの方もガールに気付いたようです。」

咏「うお!?あのちっこい子、京太郎に抱きつきやがった!」

良子「結構な強めのスキンシップですよー……」

健夜「」

咏「ん?でもあの子見たこと無い?」

良子「ブラザーの同じハイスクールのガールでは?」

咏「あ~そういえばあれは確か、今年のIHで清澄の先鋒をやってたタコスの子だねぃ、詳しくは知らんけど。」

健夜「京太郎君!君の本命は一体誰なのさ!?」ガタッ

咏「ちょ!?お姉!バレちゃうって!?」

健夜「もう、お姉ちゃんは京太郎君の将来が心配だよ……」

良子「ブラザー達がムーヴし始めましたよー。」

咏「ほれ、行くよお姉。」

健夜「う、うん。」


――お姉ちゃんズ追跡中――

良子「今回はあのショップに入っていきましたねー。」

健夜「ここって婦人服のお店だよね?」

咏「だねぃ。」

健夜「あ、女の子の方が服持ってきたよ。」

咏「なんか京太郎の奴悩んでるな~。」

良子「ガールがボディに服を合わせてますねー。」

健夜「いわゆる『こっちとこっち、どっちが良いと思う?』ってやつだよね。」

咏「大抵こういうとき、女の方の中では結論出てたりするんだけどね~、あたしは知らんけど。」

健夜「そうそう、で彼氏に違う方選ばれたら「この人わかってないなー」とか思っちゃうんだよねー。」

咏「彼氏今まで出来た事ないけどな……」

健夜「……うん、やめよう、これは不毛だよ……」

咏「お?あのタコスっ子奇抜なの持ってきやがったぞ?」

良子「あれはデンジャーですねー。」

健夜「あー京太郎君もちょっと苦い顔してる。」

健夜「もう片方は割りと普通のかな?」

咏「どうだろうね?」

健夜「なんか別の服を選びに行ったみたいだよ。」

咏「……なぁ、お姉。」

健夜「ん?どうしたの?」

咏「なんかもうアホらしくなったから帰って良いかい?」

健夜「……うん、私も冷静になったらなんでこんな虚しい事してるんだろうと後悔が……」

良子「では帰りにケーキとか買って帰りましょう。」

健夜・咏「「そうだね……」」


――迫り来る怒涛の帰宅――


良子「今日はショックなことがメニーでした……」

咏「いや、なんで家の弟はあんなになっちゃたんだろうね……」

健夜「家の子に限って……って感じだよ……」

咏「えりちゃん呼んで一緒にケーキとか鶏肉食べようかと思ったのに今日はダメだって言うし……わっかんねー……」

健夜「こっちもこーこちゃんダメだった……」

良子「ファミリーでケーキの自棄イートしますか……」

健夜「そうだね……京太郎君暫く帰ってこないだろうし。」


ガチャ

「ただいまー」


「「「!?」」」


京太郎「どうしたの姉さん達?そんな顔して……」

咏「思ったより早かったねぃ……」

健夜「もうちょっと遅くなると思ってたよ……」

京太郎「予定よりちょっと遅れたけどちゃんと言った通りの時間に帰ってきたんだけど……」

京太郎「それより姉さん達なんでお通夜のみたいな空気なの?」

健夜・咏・良子「今年のクリスマスは中止になりました……」

京太郎「なに言ってんだこの姉達。」

咏「い、いや!?わっかんねーかな!?」

健夜「私たちは京太郎君とは違って相手がいないの!」

京太郎「マジで何言ってんの?」

咏「実はあたしらさ……知ってるんだよね~……」

健夜「京太郎君、女の子と一緒に何か買ってたみたいだけど……」

京太郎「え!?」

良子「私たちはたまたま京太郎を見かけてウォッチングしてました。」

京太郎「あー……なんだバレてたのか。」

京太郎「それじゃあ、はいこれ。」スッ

咏「ん?なにこれ服?」

京太郎「そう、咏姉さん、いつも和服だろ?だからたまには洋服とかもいいかなって。」

咏「サイズとかって知ってたっけ?知らんけど。」

京太郎「友達に頼んで姉さんに近いのを選んできた。」

咏(ああ、それでタコスのお嬢ちゃんに服を合わせていたのかぁ……)

咏(わっかんねーもんだなー……)

京太郎「で、これは良子姉さんの、開けてみて。」

良子「ブラックなラビットのぬいぐるみですかー。」

京太郎「良子姉さんには色的には黒いのが似合うかなと思って、抱き心地が良い奴を探すの苦労したよ。」

良子「うん、これはなかなか、なかなかにグッド。」ギュッ


京太郎「最後に健夜姉さん。」

健夜「……ネックレス?」

京太郎「健夜姉さんってあまりアクセサリーとか着けないだろ?普段着飾らないし。」

京太郎「今まで忙しくてそんな余裕無かったのかなーっと思ったら申し訳なくて。」

健夜「うわぁ……邪推していた自分が恥ずかしい……」

健夜「……そうだ、今着けてくれる?」

京太郎「ん、わかった。」

京太郎「……はい、出来たよ。」

健夜「ん、ありがと、似合ってる?」

京太郎「うん、見立て通り似合っててよかった。」

健夜「でもどうして私たちにプレゼントなんか……?」


京太郎「これ言うのなんか、小恥ずかしいけどさ……」

京太郎「姉さん達には色々世話になってるし、母親代わりの姉さん達に俺は育ててもらって……」

京太郎「こうして今俺が高校に通えてるのも姉さん達のおかげだから。」

京太郎「それにいつも色んな大切なものを貰ってるばっかりじゃなんか悪いし。」

京太郎「だからそのお返しと日頃の感謝を込めてと思ってさ……」


咏「それでわざわざバイトしてたのかぁ……」

京太郎「え!?知ってたの!?」

良子「シークレットなんてありませんでしたー。」

京太郎「姉さん達にはとことん隠し事が出来ないな……」

健夜「そんなことよりケーキ食べようよ!」

咏「そうだねぃ、折角のクリスマスだ、楽しまなくっちゃ損だ!」

良子「ファミリーで過ごすクリスマスもいいものですねー」

京太郎「んじゃ……せーの。」


「「「「メリークリスマス!」」」」


京太郎(咲達も家族とちゃんとやれてるかな?)


カンッ!



京太郎「あのさ、例えばなんだけど彼女が欲しいと思ったらどんな女の子だったらいいかなーなんて?」

咏「あたしらからトップ取れる子がいいんじゃねーの?知らんけど。」

健夜「そのときは私も全力でその子の相手してあげるよ。」

京太郎(あ、俺一生独身かも……)

良子(うん、抱き心地がグッドです……)ギュッ



こっからあふた~


えり「珍しいですね、貴女が洋服なんて。」

咏「へっへ~弟からのプレゼントなんだ~。」フリフリ

えり「ふふふ、嬉しそうですね。」

咏「あ、わかる?わかっちゃう?」

えり「ええ、とても大事だということは。」

咏「咏ちゃんの家族愛はすごいんだぜぃ?他の人にはわっかんねーくらいに。」

えり「ちょっと羨ましいです、私は一人っ子ですから。」

えり(弟さんに出したアドバイスが役に立ったようでなによりです。)

えり(やっぱり家族っていいものですね。)

恒子「あれ?すこやんそんなネックレスつけてたっけ?」

健夜「ふふん、聞いちゃうかー、ついに聞いちゃうかー。」

恒子「勿体ぶんないで教えてよー。」

健夜「クリスマスプレゼントなんだよねー。」

恒子「すこやんにプレゼント!?彼氏がやっと出来たの!?」

健夜「……いや、その、弟からの……」

恒子「うん知ってた。」

健夜「なにそれ!?私に彼氏出来ないって馬鹿にしてるね!?」

恒子「(それもあるけど)いやーこの間弟君から相談されちゃってさー。」

健夜「え!?そうなの!?」

恒子「アラフォーに合うプレゼントとか考えるの大変だったよ?」

健夜「こーこちゃん知ってたの!?というかアラフォーじゃなくてアラサーだよ!」

恒子「まーねー。」

恒子(ねぇ、すこやん知ってる?すこやんが家族の話してる時って凄く良い顔してるんだよ?)

恒子(まあ、敢えては言わないけどね。)

郁乃「ええやん~ちょっとだけやから~」

良子「ノーウェイ、ドントタッチです。」プイッ

洋榎「……なぁ絹?なにやっとんのあれ?」

絹恵「なんか代行が戒能プロのぬいぐるみを触りたいって言うてるみたい。」

洋榎「意外やな、戒能プロがぬいぐるみやなんて。」

絹恵「なんでも弟さんからのプレゼントらしいで。」

洋榎「ほ~、弟なぁ、なんかウチもぬいぐるみ欲しなってきたわ。」

絹恵「ちょっとお姉ちゃん!?」

洋榎「ウチも混ぜてー。」

郁乃「ちょっとだけ~ちょっとだけでええから~」

良子「絶対にノーウェイ!」プイッ

あふた~カンッ!