和「あの…お母さん。ちょっと相談があるのですが」
嘉帆「ん？珍しいわね和がそんなこと言うなんて。男子に告白でもされたの？」
和「…はい」
嘉帆「…冗談のつもりがホントだったとはね。それで、私に聞きたい事って？」
和「いえ…その、須賀く…彼に対してどう応えたらいいのか分からなくって…」
～京ちゃんの人柄を説明中～
嘉帆「そんなの簡単よ。和自身の気持ちに素直になればいいの」
嘉帆「悪くないなら付き合えってもいいし、嫌なら断ればいいだけよ？」
和「ですが、そんな曖昧な気持ちで男性と付き合うのは…」
嘉帆「真面目に考えすぎ。付き合ったら結婚しなきゃならない訳でもないのに」
和「いえ…でも…それは…」
嘉帆「─気が進まないなら、思い切って振っちゃいなさいな」
和「え」
嘉帆「別にいいじゃないの。好きでもない男と、無理に付き合わなくたって」
嘉帆「そもそも…アンタが諸手を挙げて歓迎出来るような相手じゃないんでしょ？」
嘉帆「おおかた、私譲りの美貌とおっぱいに釣られた碌でなしだろうし」
嘉帆「聞くところによれば、雑用しか能が無い、居ても居なくても同じようなヤツじゃない」
嘉帆「良かったわね～振られたショックで部活辞められても、アンタにダメージ無さそうな男で─」
和「───ふざけないでっ！！」
和「お…お母さんの言う通りですよ！彼と大して仲良くありません…！」
和「いえ…分かったんです。告白されて、彼のことを意識してようやく…」
和「わ、私が須賀君のことを何も知らなかったって…知ろうともしなかったことを…！」
和「須賀君は、いつも私たちを助けてくれました。扱いの悪さに弱音や恨み言も吐かずに…」
和「でも！私たちはそんな須賀君を踏み台にしたんです！仲間であるはずの彼を視界から外して…」
和「私は今までそれに気付かなかった！いえ…知っていたのに見過ごしてたんです！」
和「そ、そんな、そんな私が…！彼の想いに応える資格が…ありますか…？！」
嘉帆「…だから言ってるじゃない。自分の気持ちに素直になればいいって」
嘉帆「応えたいんでしょ？彼の想いに。報いたいんでしょ？これまでの献身に」
嘉帆「だったら、彼の気持ちを素直に受け止めてあげればいいのよ」
嘉帆「あんたの気持ちが好意なのか同情なのか罪悪感なのかは、付き合っていけば分かるわ」
嘉帆「…尤も、このまま彼を拒絶して自分の気持ちに蓋をするのも自由だけど…」
和「お母さん。私がここまで言われて黙ったまま引き下がるとお思いですか？」
嘉帆「まっさかー！あんたの気性は、私譲りなのよ？頭の硬さは父親似だけど」
和「もう…須賀君を悪し様に言ったのも、私を焚き付けるためですね？」
嘉帆「いやー、彼には悪いことしちゃったわ。ま、本人評がどうなるかはあってみないと判らないけど」
～京太郎と和が付き合って暫くした後、原村邸にて～
嘉帆「─ホンっとに京ちゃん優しいしイケメンだし、和の彼氏として言うことなしね！」
京太郎「は、はい。ありがとうございます」
嘉帆「あーあ、おばさんもあと30年若くてフリーだったら狙ってたのになー」
京太郎「！？」
恵「」ｷﾞﾛｯ
京太郎「」
和「お、お母さん！京太郎君に色目を使わないで下さい！お父さんも睨まないでっ！」
京太郎「ははは…賑やかな家族だな、和」
和「恥ずかしい所を見せて、もう…！」
京太郎「でも、いいご両親だと思う。和が素敵な女の子に育った理由も分かるよ」
和「………はい。ありがとうございます」
恵「ぐぬぬ…！」
嘉帆「はいはい、私たちお邪魔虫はそろそろ退散しましょーね♪」
ｶﾝ!
最終更新：2018年04月29日 23:12
