京咲。京太郎宅にて。

「あー、すっきりしたー」

「まさかあんな大雨に振られるとはな」

「ホントだよ。シャツとお風呂貸してくれて、ありがと」

「別にいいって。サイズとか大丈夫か?」

「うん。ちょっと大きいけどね。……胸元、とか」

「っ。母さんの探してくるよ」

「いいって、いいって。なんか京ちゃんの匂いして、こっちのほうが落ち着く。

 京ちゃんに包まれてるみたい」

「そ、そっか。なら、いいんだけど」

「ふぅ……。それにしても、やっぱりちょっと暑いかも」

「さ、咲さん?」 

「なーに?」

「そ、そんなに胸元開けると……見えると思うんですが」

「うーん、そうだね。でも、雨降ったせいか蒸し暑いし、それにさ。

 ……京ちゃんに見られても私、困らないよ」

「――お、お前なぁ!」

「ねぇ、京ちゃん」

愛しい名前を呼び、肩にもたれかかった。

「京ちゃんの男らしいところ、見たいなぁ……なんて」

クスクスと笑って、掌を重ねる。

力強い腕が腰に回された。

吐息をすぐ近くに感じると、口の中に甘い味が広がって。

京ちゃんは私をそのまま押し倒した――。


カンッ!

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最終更新:2018年04月29日 23:12