咲「アニメ?」
京太郎「おう、まあ放送は春だったんだけどな。これがなかなか面白くて」
咲「ふーん、どんなの?」
京太郎「その名も『けものフレンズ』と言って……」
バチーン!
咲「京ちゃんの馬鹿! 知らない!」
張り手を一発、鬼のように角を立てた幼馴染はぷんすかと部室から出て行ってしまった
京太郎「いてて……なんだよあいつ」
久「ぷっ、くふふ」
京太郎「何が面白いんすか、部長」
さすがに半眼でとげのある言い方になってしまった
久「咲の勘違いがあまりにも素っ頓狂で、つい」
京太郎「はい?」
久「あの子たぶん『けだものフレンズ』だと思ってるわよ。もちろん内容はムフフなアニメね」
京太郎「『ムフフ』って、今時使いませんよ」
久「やかましい。まあそんなわけだから、私は咲の誤解といてくるわね。帰ってきたら小動物みたいになるでしょうねー」
楽しそうに咲の後を追いかけようとする部長の後ろ姿に、一言
京太郎「ていうか、そんな発想するってことは部長も最初『けだものフレンズ』と勘違いしたんじゃあ」
くるりとこちらに顔だけ向けた部長の顔は耳まで真っ赤で
久「す、須賀くんのバカ! おたんこなす! エッチ!」
タタタと走り去って行く姿に思うことは一つ
京太郎「いやエッチなのはあんたらでしょ」
珍しく取り乱す部長の恥ずかしがる姿は割と眼福であった
『清澄のなんでもない日』カン
最終更新:2018年04月28日 23:09