それはちょっとした出来心からだった。思春期で仲のいい異性ってことで試してみようってなって。
大人の真似してキスやらなにやらしちゃって、そのうち他の幼馴染にばれた。
仲間外れが嫌だって理由で二人が参加して、なんだか競争心も沸いてどんどん過激に……。

それが本当はいけないことだって知った時にはもう誰も後戻りできないほどに皆はまっちゃってた。
で、そのまま高校生の今に至るまで続いちゃってる。
もう恋なのか、ただの肉欲なのかなんて分からない。そんな秘密の関係。

穏乃「ねえ憧、今日は京太郎のとこ行ける?」

普段は女っぽさのかけらもないくせに期待に瞳を潤ませ唇を濡らすこんなときはほのかに色気を纏う親友。

憧「私はオッケーだけど、玄は?」

期待してるって事実を隠してあくまで素っ気なく。でないと表情に出ちゃうから。

穏乃「玄さんは後から抜けてくるから先に始めてていいって」

外聞的には仲間内で麻雀を教えてるってことになってるけど、実際はそんなこと全然ない。

憧「じゃ、本格的には玄が来てからね。じゃないと拗ねるし」

誰にも知られちゃいけない、四人だけの秘密のとっても気持ちいい関係。
いつか壊れるかもしれない危うさも、甘美な毒となって私たちを酔わせてやまない。
今この時だけを大切に――私たちは今日も間違いを重ねる。


カン

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最終更新:2018年04月26日 22:31