久「須賀君って麻雀強くなりたい?」
京太郎「えっ。そりゃ強くなれるならなりたいですけど……いきなりなんですか部長」
久「いえね、咲が入ってくれていよいよインハイ目指してやってくわけじゃない」
京太郎「そうですね。ようやく女子が5人揃って」
久「そうなのよ。私もまこも練習時間を捻りだして部活に来るようにはするつもりなんだけど、
初心者の須賀君の指導にまでは手が回りそうにないの。
咲と優希は指導に向いてないみたいだし、和もその辺はまだ経験不足。それに」
京太郎「自分たちの練習優先、ってことですよね。さすがに分かりますよ」
久「悪いんだけど、そういうことなの。でもせっかく麻雀を始めた須賀君を蔑ろにするのは
先達として情けないにもほどがあると思わない?」
京太郎「えっと」
久「あはは。ちょっとずるい言い方だったわね。
だから初心者向けの麻雀教室を紹介しようかと思うんだけど……どう?」
京太郎「……そうですね。今のままじゃあいつらの調整役にもなれませんし」
京太郎(サンドバックにもならないって優希に言われちまったもんなあ。
咲も和も苦笑いだけで否定しなかったからその通りなんだろう)
久「オッケーってことね? じゃ、この番号に……そうね、今日の夜にでも電話してくれる?」
京太郎「この番号はどなたのです?」
久「佐久の藤田靖子プロよ。靖子も忙しいから直接指導は無理だけど、
教室を紹介するくらいは任せておけって言ってくれたから」
京太郎「そうですか。部長、お手間を取らせてすみません」
久「そこはありがとうって言いなさいな。むしろこっちが謝らないといけないんだから、ね」
~その後~
久「さて、今日も練習始めましょうか!」
和「部長。須賀君がまだ来ていませんが」
優希「そうだじぇ。シロート犬のくせに部活サボりか!」
咲「京ちゃんってあれで真面目だから、サボりは無いと思うんだけど……」
久「あら、知らないの?
最近の須賀君は週末を利用して県外の麻雀教室に通ってるのよ」
咲「そうなんですか!?」
和「そういえば、最近は随分と上手くなっていましたね」
優希「だからか! 最近の京太郎は全然振ってくれないからストレス解消にならないんだじょ」
まこ「優希、おんし……」
和「ゆーき。その言い方はあんまりですよ」
久「ま、優希ももっと強くならないとってことね。
さて。今週でインハイ出場校が揃ったわけだけど。
各出場校の県決勝の牌譜が今号の麻雀TODAYで特集されてるから――ん?」
咲「どうしたんですか部長? 何か――え!?」
【はやりん熱愛発覚!?】
7月○日、はやりんこと牌のお姉さんこと瑞原はやりプロ(28)が
自宅としているマンションに金髪高身長の若い男性を連れ立って
入っていく様子を本誌記者が激写した。
ここ最近になってアイドル引退を匂わせる発言を度々していた
瑞原プロだが、この男性との関係が理由なのだろうか。
事務所や所属牌団に突撃したところ、
「瑞原の主催する麻雀教室の生徒であり、それ以上ではない」
とのことだが……。
腕を組んでしなだれかかるように歩く様からはとても信じられない
返答であろう。
女子麻雀プロ独身同盟のS.Kプロに本件を訊ねたところ、
「絶対に許さない。顔も見たくない。あ、待って。顔見ないと潰せないよね」
とのこと。
今後の展開が注目される。
久「えっなにこれは」
和「これ、須賀君……です、よね? こんなオカルト……」
久「靖子ォ、とんでもないことしてくれたわね……!」ギリィッ
カンッ
最終更新:2017年10月20日 01:00