菫「あの資料はどこにあったかな。ええと、たしかファイリングしたあと……」

菫「そうだ、段ボールに入れてしまっておいたんだった。ロッカーの上だったな」


菫「―――さて、と」

菫(ロッカーの上に段ボールが2つ重ねて置いてある。一度に降ろすとなると少し重そうだが)

菫「まぁ大丈夫だろう。よっと……ん、ちょっと高いな」グイグイッ

ズズッ

菫「あっ」

菫(落ちてくる……!)


パシ

京太郎「大丈夫ですか?」

菫「須賀……ありがとう。助かった」


京太郎「これくらいお安いことです。言ってくれれば、俺が取りますよ?」

菫「これからはそうするよ。ちょっと見積もりが甘かったな」

京太郎「背が高いのだけが取り柄なんで、どんどん使ってください」

菫「私も高い方だが、須賀には負ける」

京太郎「ですよね。聞いてもいいですか?」

菫「隠す事でもないしな。176cmだ」

京太郎「おお……」


菫「なんだ、そのリアクション……で、須賀はいくつなんだ、身長?」

京太郎「182です」

菫「ほう。ということは私と6cm差か」

京太郎「ですね。あ、でも、女の人ってハイヒールとか履くから、そしたら抜かされちゃいますね」

菫「そうだな。まぁ、私はあまり履く機会なんて無いんだが」

京太郎「そうなんですか? 弘世先輩みたいなキレイな人には、すっごい似合うと思いますよ」

菫「なっ……え、えぇ?」


京太郎「足長くてスタイルもいいですし。それに弘世先輩って姿勢がいいから、きっとピッタリですよ」

菫「そ、そうか?」

京太郎「はい、絶対に似合うから見てみたいです」

菫「うーん……」

京太郎「見てみたいなー、ハイヒール履いてる弘世先輩が歩いてるトコ。絵になると思うなぁ」


菫「……いいよ」

京太郎「ホントですか? わーい!」

菫「喜びすぎだ、まったく。それで、今週の日曜でいいか?」

京太郎「えっ? わざわざ休みの日に?」

菫「当たり前だろう。せっかくのデートなんだ。放課後、わざわざ着替えて出掛けるなんて、時間がもったいないじゃないか」


京太郎「で、でーと?」

菫「違うのか?」


京太郎「いえ…………よろしくお願いします」ペッコリン

菫「ああ、よろしくな」


菫(それまで歩く練習しておこう……)



カン!

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最終更新:2017年10月20日 00:56