灼・京太郎「ごちそうさまでしたー!」

灼「じゃあ、外にいって遊ぼうか」

京太郎「えーボウリングはー?」

灼「うーん、今お客さん居るからダメかなー…」

京太郎「そっかぁ…」

灼「ごめんね」

京太郎「ううん、外でいいよ!」

灼「じゃあ、古墳行こうか!」

京太郎「こふん…?」

※奈良では古墳=公園というイメージゆえ ←作者の偏見




~古墳(というか公園)~

京太郎「何して遊ぶ?」

灼「うーん…」

「ワーワー」

灼「あっ、あそこの子達に混ぜてもらおうか?」

京太郎「うん」

灼「おーい、いーれーてー」

「イーイーヨー」

……

「じゃー鬼ごっこしようかー」

京太郎「えっ」ジワッ

灼「えっ、なんで泣くの?」

京太郎「どっちのおにごっこぉー…」ヒックヒック

灼「ど、どっちって?」オロオロ

京太郎「あのね…ひとつはね…」グスグス

京太郎「おとーさんが女の人にデレデレするとね…」グスグス

灼「えっ」

京太郎「おかーさんが鬼になってね…」グスグス

京太郎「おとーさんが動かなくなるまでね…」グスグス

灼「それは鬼ごっこじゃないと思う…」

京太郎「こないだなんかバス停振り回して大変だった…」グスグス

灼「おかあさんってすごいんだね…」

※その後、普通の鬼ごっこをして遊びました




~三時頃~

「あっ、あたしもう帰らないと」

「えー早くないー?」

「今日、うちの神社でお祭りがあるから、お手伝いするの!」

「おーお祭りかー!」

「そっちの子達も、良かったら来てね!」

京太郎「うん!行きたいー!」

灼「おばあちゃんに訊いてからねー!」

「じゃーねー!」


ポツッ… ポツッ…


灼「あ、雨降ってきたね。私達も帰ろっか」

京太郎「うんー」

灼「もうちょっと遊びたいけど、仕方ないね」




~帰路~


ザーザー


灼「雨強くなって来たね…」

京太郎「うん…」

灼「もう少しで着くからね!」

京太郎「うん!」

灼「ほら!家が見えたよ!」

京太郎「もーすぐだね!」タタッ

灼「あっ、足元に気をつけて!」

京太郎「えっ…うわっ!」

灼「危ない!」ガシッ


――うさぎちゃんはとっさに俺をかばった。

 そして俺達は少し斜面を転がり、

 止まった頃には、俺は膝に痛みを覚えていた。

 じわりと膝からにじみ出る血を見て、俺は…

 普段の俺なら泣いていたと思う。


 だけど


 俺の視線の先には、体中のあちこちを擦りむいたうさぎちゃんが居た。

 俺をかばったためだろう、肩や肘、膝にも血がにじんでいて、物凄く痛そうだった。

 うさぎちゃんは暫く四つんばいの体勢で痛みをこらえていた。

 少し経って、うさぎちゃんは立ち上がると、俺に近づいて

 「アリスちゃん、大丈夫?」

 と言った。

 声は震えていた。

 目には涙がたまっていた。

 体中傷だらけ。

 でも

 一番に俺の心配をしてくれた。


 その姿を見て

 ここで泣いちゃいけない

 ここで泣いたら、男じゃない!

 なんて、幼いながらに思ったんだ

 だから


京太郎「泣かないよ!だって、男の子だから!」

灼「そっか、えらいね!男の子だもんね!」ナデナデ

京太郎「うさぎちゃんこそ大丈夫?」

灼「大丈夫!大丈夫!」

京太郎「でも…」

灼「あー、雨が目に入っちゃった」

京太郎「…」

灼「さ、もう少しだから帰ろう?」


灼「アリスくん」


――この時、『泣きむし京ちゃん』は居なくなった。

 そして、『アリスちゃん』は『アリスくん』になった。





灼「ただいまー」

京太郎「ただいまー…」

おばあちゃん「あらまあ…どうしたのそれ…」

灼「転んじゃった!」テヘッ

おばあちゃん「早くお風呂入って、傷口洗っておいで」

灼「はーい。アリスくん行くよー」

京太郎「ええっ、ぼくも?」

灼「あたりまえじゃない!」ガシッ

京太郎「ええーっ!」

(入浴シーンは省略されました・・続きを読みたい人は最寄の警察署に自首して下さい)

……

灼「へへっ、絆創膏だらけになっちゃった」

おばあちゃん「女の子なんだから、もっとおしとやかに…」

京太郎「違うの!僕が転んだのを助けてくれたの!」

おばあちゃん「あら、そうなのかい」

京太郎「うん。ごめんなさい…」

おばあちゃん「あらあら、謝らなくて良いんだよ」

おばあちゃん「でもほら、あれ見てごらん」

京太郎「えっ?」

灼「ぷはぁ~…。やっぱりお風呂上りはコーヒー牛乳だよねー!」グビグビ

おばあちゃん「女の子なんだから、もっとおしとやかに…」

京太郎「どっかのおじさんみたい…」

灼「???」




~帰り道~

京太郎「服貸してくれてありがとねー」

灼「どういたしましてー」

灼「ふふっ、雨もやんだし、これならお祭りやりそうだね」

京太郎「そうだね!」

灼「アリスくんはお父さんに訊かないとね!」

京太郎「あー…おとーさん変な人だから、多分大丈夫…」イチオーキクケド

灼「そっか、じゃあ夕ご飯食べたら、おばあちゃんと迎えに来るね!」

京太郎「うん!」




~某宿~

灼「じゃあまたあとでねー!」

京太郎「うん、またねー!」


京父(む?)


京父「おい京太郎、お前あの女の子と仲良くなったのか?」

京太郎「うん!」

京父「可愛い子だな!流石、俺の子だ!」

京太郎「うさぎちゃん!」

京父「うさぎちゃんか、お父さんも別のウサギちゃんは大好きなんだがなあ」

京太郎「別の…?」

京父「ははは!大人になったら分かるさ!」

京太郎「???」

京父「ところでお前そんな服あったか?」

京太郎「さっき転んで汚れちゃったから借りたんだー」

京父「ふむ」

京太郎「あ、そうそう、お祭りがあるんだって!」

京父「さっきの子と一緒に行くのか?」

京太郎「うん、おばあちゃんも来るって!」

京父「そうかそうか、ならお父さんも一緒に行って、服のお礼言わないとな!」

京太郎「うん!」



~夕食後~

京父「ぐがぁぁ~~…」zzz ←飲み過ぎて寝た

京太郎「おとーさん…」

京父「むにゅむにゅ…ぐひひ…バニーちゅわん…」zzz

京太郎「…」


――駄目な大人だと思った…。

つづく